がんは克服できるか

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がんが脳血管疾患に代わって日本人の死亡原因の第1位になったのは、1981年のことだ。2005年にがんで亡くなった人は32万5941人。死亡者全体108万3796人の30.1%を占めている。日本人のほぼ3人に1人が、がんで死んでいることになる。がん死亡数は男女とも戦後、増え続けている。2005年のがん死亡数は1960年頃と比べると3倍以上。部位別にみると死亡数が多いのは、肺がん、胃がん、肝臓がん、結腸がんの順になっている。

自殺者数と景気の関係

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2005年度、日本では3万2552人の人が自殺した。これは交通事故の死亡者の5倍以上の数である。1日平均で約89人。1時間に約3.7人が自殺していることになる。未遂者も含めたらこの数倍の人が毎日死のうとしているわけだ。恐ろしくなるほどの多さである。海外各国と比較しても日本の自殺者は多い。人口10万人当たりの自殺率は世界で第10位。

医療にかかる費用

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32兆1111億円。2004年度の国民医療費の額である。前年度に比べると5737億円、1.8%の増加となっている。国民1人当たりに換算すると25万1500円。これも前年度比で1.8%増である。

岐路に立つテーマパーク

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休日には家族そろって近所の遊園地へ。そんな行楽の風景は1983年「テーマパーク元年」から大きく変貌したと言われている。この年、東京ディズニーランドが誕生し、予測を覆して大成功をおさめた。日本の野外レジャー施設の歴史は、複数の遊具を備えた遊園地から、大規模なテーマパークへと移り変わっていった。あれから20年以上、テーマパークは今どうなっているのだろうか。

どちらが人気?海外旅行と国内旅行

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国土交通省の「平成18年度版観光白書」によると、日本人の3割以上が今後の生活で最も重点を置きたいことは「レジャー・余暇生活」だと答えた。1位が「海外旅行」、2位が「国内旅行」と多くの人が旅行を挙げている。

株式投資に向かう個人資産

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かつて、日本の個人金融資産は、現金と預貯金が中心といわれていた。このため、日本人は安全資産に慣れ親しんでしまった面もある。しかし、かつては60%を超えるといわれた日本の現預金は、他の金融商品に着実にシフトしつつある。

買い物をする“店”も変化

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かつての高度経済成長期における日本の消費者の購買行動は、いたって画一的だった。日々の買い物は地元の個人商店やスーパーで済ませ、少々値の張るような「ハレの商品」などは中心市街地の百貨店や商業ゾーンで、というパターン。しかし、バブル経済の発生と崩壊、ITの発達などを契機に大きく様変わりしてしまった。

日本経済を支える個人消費

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2007年1月の1世帯当たりの消費支出は、13カ月ぶりに前年同月比プラスに転じた。「2004年全国消費実態調査」によると、家族が2人以上の全世帯の消費支出は32万63円で、前回調査時の1999年と比べて実質増減率で1.3%の減少となっている。いわゆる10大支出項目の構成比推移では、食料の割合が一貫して低下し、教養娯楽や交通・通信は構成比の拡大が顕著になっている。個人の消費や購買行動は、従来の「モノ」中心から「サービス」へとシフトしつつあるといえそうだ。

女性の社会進出は進んでいるか

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「夫が外で働き、妻は家庭を守る」という伝統的な男女の役割分担を良しとする傾向は依然として強い。こうしたなか、女性の労働力人口は1970年代中盤を底に増加傾向にあり、およそ半数が仕事をしている、または働く意思を持っているということになる。女性の労働力率は男性と比べると25ポイント程度低いが、その差は徐々に縮小してきている。だが、男女の賃金を比較してみると、依然としてその差は大きい。

日本人はやっぱり“働きバチ”?

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高度経済成長期、日本人はその長い労働時間から、海外より「働きバチ」と揶揄された。2000年代、バブル後のリストラで人員が削減された業務をカバーするため正社員の労働時間はそれほど減らなかった一方で、パートやアルバイトなどの短時間労働者が増えたことで、全体の総実労働時間は押し下げられたという構図が見えてくる。また、休暇を取るのもままならず、年間10日程度の有給休暇を次年度に繰り越している、という正社員像が浮かび上がってくる。休暇の面でも、日本人の「働きすぎ」傾向がはっきりと表れている。

団塊の世代のセカンドライフ

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団塊の世代というのは通常1947年から1949年の3年間に生まれた世代のことをいう。この3年間の出生数は約800万人。1949年の出生数は約269万7000人、2005年の出生数は約106万人であるから、ざっと2.5倍。ものすごい勢いで人口が増え続けていた。団塊の世代の場合、定年後も仕事は続けたいが、一方でセカンドライフを楽しみたいという意欲も旺盛なのだ。アクティブでアグレッシブな団塊世代のライフスタイルは、定年後のセカンドライフでも変らず、"アクティブ・シニア・ライフ"を謳歌することになるのだろう。

超高齢社会がやってくる

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日本は1970年に高齢化率が7%を超え、1994年に14%、2005年には20%を突破した。高齢者の一人暮らしも増えてくる。この25年で子どもや孫との同居を強く望む高齢者は減ってきている。2010年以降は戦後生まれの高齢者が登場し、高齢者の嗜好やライフスタイルなどが劇的に変化していく可能性もある。世界一の長寿国でありながら、日本は寝たきりの高齢者が非常に多い。豊かな高齢社会を実現するためには、介護老人を減らすことよりも、高齢者の健康を増進するというアンチエイジングの考え方を普及させていく必要がありそうだ。

人口減少期を迎えた日本

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日本の人口問題を語るとき、初めて人口の自然減を体験した2005年はターニングポイントとして記憶されるだろう。今後44年間で3260万人、1年平均すると約74万人減ることになる。静岡市規模の都市が毎年一つずつ減っていくことになる。労働力人口の減少は経済成長率にマイナスの影響を及ぼす。出生数の減少により若年労働者は減りつつある。労働力人口は高齢化しながら減っていくことになる。人口の減少が日本の社会に及ぼす影響は不透明だが、新しい経営戦略、新しいビジネスモデル、新しいマーケティングが求められることは間違いない。

盛んな企業研修と能力開発

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日本の労働人口は1998年の6793万人をピークに減少の一途をたどっている。企業研修や能力開発に積極的な企業ほど、業績がアップする傾向が強いという結果がでている。一方、社員側も能力開発に対する積極的な態度がうかがえる。企業研修の中でも特に急増しているのが「eラーニング」だ。組織における人材開発の目的で最も多かったのが「長期的人材の育成」で71.9%を占めている。社員に修得・強化して欲しいと考えているのは「マネジメント能力」(70.8%)と圧倒的なトップを占めている。

過熱化する中学受験

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受験の低年齢化が進んでいる。かつて受験戦争といえば、高校・大学受験を指していたが、最近では幼稚園・小中学校への受験が過熱化。そんな受験競争は「中高一貫校への入学」を目指した中学受験者数が急増している。親たちの本音は経済的な理由で、公立の一貫教育に注目している。一方、欧米の学校は、教育に対する概念が日本とは大きく異なり、入学することよりも何を習得して卒業するかに重点が置かれている。また、アジア諸国では、厳しい受験戦争を体験する子供が多いが、大学受験が主軸だ。

増え続ける教育費

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少子化社会となった日本、子供1人あたりの教育費が増えている。世帯主の所得伸び率よりも、教育費の伸び率のほうが大きくなっているのだ。学校以外の教育費が全体的に増加していることから、子供を塾などに通わせている親が多いことがうかがえる。かさむ一方の教育費、世帯の生活費を節約したり、子供自身のアルバイトや奨学金で捻出している。欧米諸国はドイツ以外、公財政支出が平均値と同等、または上回っている。私費負担が最も高いのは韓国。

本当は広い日本の住宅

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「日本人はウサギ小屋に住んでいる」と言われる。だが欧米主要4カ国と1戸当たりの床面積を比較すると、日本は決して狭くはない。1人当たりの住宅床面積は、日本が最下位だが大きな差があるわけではない。ただし、日本の借家は狭さが際だっている。日本海側の各県は、専用住宅の規模が一様に大きく、持ち家住宅率も高いのが特徴だ。対して、1住居当たりの延べ面積は、最も狭いのは東京都、次いで大阪府、神奈川県である。「豊かな住生活」とは、家の広さや住環境ばかりでは図ることができない。

バラ色ばかりではない沖縄移住

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「南国」沖縄に移住したいという人が増えている。ダイビングなどマリンスポーツを楽しみながら暮らしたいという若者から、終の住処を沖縄にしたいというシニア・シルバー層まで性別も年齢もさまざまだ。だが沖縄は決して「楽園」とばかりはいえない。現実とのギャップに耐えられず、本土に帰る人も少なくないのだ。沖縄の賃金所得は全国で下から2番目、完全失業率は全国でも最も高い数値である。その背景には沖縄の経済構想そのものがもつ課題があるだろう。

酒類と清涼飲料の成長度

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居酒屋に行けば「とりあえずビール」、晩酌も「ふだんはビール1本」というほど、ビールは日本の国民生活に深く浸透している。2005年の日本のビール生産量は、キリンビール株式会社のデータによれば、年間636万キロリットル(発泡酒、第三のビールなどを含む)で世界7位。ただし、ここ数年の日本のビール生産量はほぼ横ばいとなっている。

国際化する日本の食卓と食の安全

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改めて説明するまでもなく、ここ数十年にわたって日本の産業構造は大きく変化した。第一次産業の占める割合は年々減少し、GDP(国内総生産)に対する比率も1%台に落ち込んでいる。それと歩調を合わせるように、農業従事者の数も減少を続けてきた。農林水産省の調査によれば、基幹的農業従事者(農業人口のうち、主に農業を仕事としている者)の数は、1970年には700万人を超えていたが、2005年には約3分の1の224万人に減。