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女性の社会進出は進んでいるか

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「働く」

働く女性は増加しているが...

「夫が外で働き、妻は家庭を守る」という伝統的な男女の役割分担が長い間"当たり前のこと"とされてきた日本の社会だが、近年はさまざまな価値観が受け入れられるようになってきた。男性と同じようにバリバリと働き、結婚後も子育てと両立させながらキャリアを重ねていく女性も、特別な存在ではなくなった。

だが、内閣府男女共同参画局が2004年に実施した「男女共同参画社会に関する世論調査」によると、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」との問いに対して「賛成」(「どちらかといえば賛成」を含む)とした割合は45.2%、男女別では男性の49.7%が「賛成」とし、「反対」(「どちらかといえば反対」を含む)を上回った。1979年の調査と比べて「賛成」の割合は27ポイント低下しているが、伝統的な男女の役割分担を良しとする傾向は依然として強い。(図1)

図1 「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方について

こうしたなか、女性の社会進出はどの程度進んでいるのだろうか。総務省統計局の「労働力調査」によると、女性の労働力人口(就業者+完全失業者)は1970年代中盤を底に増加傾向にあり、2006年には2759万人だった。また、同年の15歳以上人口に占める労働力人口の割合(労働力率)は48.5%と、およそ半数が仕事をしている、または働く意思を持っているということになる(図2)。

図2 労働力率の推移

意外なことかも知れないが、女性の労働力率は1950〜1960年代のほうが今よりも高く、50%を超えていた。その後、高度経済成長とサラリーマン世帯の増加、核家族化の進展で女性は専業主婦として家庭に入る傾向が強まり、労働力率は50%を下回る状況が続いた。そして1986年の男女雇用機会均等法施行後は50%を上回ったが、バブル崩壊後の就職難や高齢化の進展の影響もあり、1990年代後半からは40%台後半で推移している。

女性の労働力率は男性と比べると25ポイント程度低いが、その差は徐々に縮小してきている。女性の社会進出は、数と比率の両面では緩やかに進んでいると言えそうだ。

だが、男女の賃金を比較してみると、依然としてその差は大きい。国税庁「民間給与の実態調査」によると、2005年の平均給与額は男性538.4万円に対し女性は272.8万円と、2倍近くの差がある。また所得階級別の構成比でも、年収300万円以下の人の割合は男性20.4%に対し女性は65.5%と、女性のほうが3倍以上高くなっている。その反面、年収700万円以上では男性21.6%に対し、女性は3.2%に過ぎない(図3)。

図3 男女別給与階級別の構成比(2005年)

職業上の地位という点でも、管理職に占める女性の割合は10.1%と、アメリカ42.1%、ドイツ35.2%、スウェーデン31.7%など他国に比べて大きな差がある。つまり、質の面からみると、日本では女性の社会進出はまだまだ進んでいないと言える。

女性の社会進出には子育て支援が必須

こうした男女の差の背景にはどういった事情があるのだろうか。女性の労働力率を年齢別にみると、日本では出産・子育て世代に当たる30歳台で下がり、その上の世代で再び浮上する「M字型」になっている。つまり、新卒で就職した後、結婚・出産を機に一旦退職し、子育てが一段落してから再度職に就く、というパターンが主流であることがうかがわれる。これを他国と比較してみると、スウェーデン、ドイツ、アメリカの3カ国では日本のような子育て世代でのくぼみが見られず、「逆U字型」のカーブを描いている。一方、儒教思想が色濃く残る韓国では、女性の労働力率は日本よりも総じて低く、M字のくぼみも大きい。日本や韓国に比べて欧米諸国では、子育て期にも仕事を継続できる環境が整っていると言えよう。(図4)

図3 女性の年齢階級別労働力率の国際比較

さらに、女性が再就職をする際の選択の幅も大きな問題だ。子育てや家事との両立を考えて時間の自由がある程度きくパートやアルバイトをあえて選択する人以外にも、正社員として再就職するのは難しいことから、やむなくパートやアルバイトを選択している人も少なくないと思われる。これが男女間の所得格差の一因となっているのだ。

本格的な少子高齢化時代を迎えた日本では、仕事の担い手として女性に大きな期待がかかっている。それには、女性の労働力率を全体的に底上げするとともに、子育て世代に当たるM字のくぼみを低くして欧米型の逆U字型の曲線に近づけるための施策が必要になる。

これについては、1992年に育児休業法(1995年より育児・介護休業法)が施行され、妊娠・育児期間中の休暇や時短勤務などの導入が進められた。さらに2003年には次世代育成支援対策推進法が施行され、従業員数301人以上の事業所に育児休暇や時短勤務制度の拡充などを盛り込んだ「行動計画」の策定を義務付け、2005年4月以降に実施することを求めるなど、関連法制度の整備に伴って環境は整いつつある。さらには、こうした制度面の充実に加え、依然として女性の負担が大きい子育て期に仕事が続けられるような周囲の理解とサポートが必須だ。

意欲ある人材が仕事を無理なく続けるには、家庭と仕事を両立できる「ワーク・ライフ・バランス」を実現できる環境をハード・ソフト両面から整える必要がある。これにより、政府が進めている「男女共同参画社会」が実現されることが望まれる。

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