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個人的な学習プロセスにおける情報・情報源に関する調査

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リアルとネットでのコミュニケーションを使い分ける学習者

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gooリサーチ と 慶應義塾大学 による共同企画調査

goo、慶應義塾大学

報道発表資料 平成21年8月7日

NTTレゾナント株式会社
慶應義塾大学SFC研究所

【gooリサーチ・慶應義塾大学SFC研究所共同調査】

個人的な学習プロセスにおける情報・情報源に関する調査

~リアルとネットでのコミュニケーションを使い分ける学習者~

インターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」(*1)を提供するNTTレゾナント株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:中嶋 孝夫)と慶應義塾大学SFC研究所(神奈川県藤沢市、所長:國領二郎)は、全国のgooリサーチ登録モニターを対象に個人的な学習(※)プロセスにおける情報・情報源に関する調査を実施しました。

本調査は、慶應義塾大学SFC研究所が、民間10組織および学外の学識経験者と共同で研究する「eラーニングビジネスモデル研究会」(*2)での内容の検討を経て、NTTレゾナントと共同で調査の企画・設計・分析を行ったものです。

今回の調査結果から、学習開始前、開始後等のそれぞれのプロセスによって、リアルとネットでのコミュニケーションを使い分けるということがわかりました。

(※「個人的な学習」とは、会社(団体)・学校が提供している研修以外の自己学習を指す。)

総括

個人的な学習におけるプロセスやシーンにより、活用される情報や情報源に違いがみられました。

学習を行う「きっかけ」の段階では、「家族や知人からの口コミ、勧め、励まし」や、「新聞、雑誌・書籍」からの情報を挙げている人が多いことがわかりました。

次に、実際に教材を受け取り、学習を開始するなどの学習サービスを受けるまでの段階では、「ネット検索サイトでの関連情報の検索」を挙げる人が5割を超えました。

その後、学習開始後に、学習の継続を促す情報として約5割の人が「家族や知人からの口コミ、勧め、励まし」を挙げる一方、4人に1人が「日記(ブログを含む)やSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)でのサービス利用者の体験記」を挙げており、同じ学習体験を共有する仲間からのブログやSNSを通じた情報も重要であることがうかがえます。

また、参加しやすいと感じるグループ学習の形態について尋ねたところ、65%の人がオンラインでのグループ学習を挙げ、なかでも約半数については、参加者が特定されないオンラインでのグループ学習を挙げています。

一方、個人的な学習の継続に必要なものとして、講師や他の学習者との対面によるコミュニケーションを挙げている人も多く、学習継続に際しては、対面によるコミュニケーションが有効であることがうかがえました。

調査結果のポイント

(1) 口コミやマスメディアからきっかけを得て、ネットで詳細情報を取得

個人的な学習経験者に対し、学習を行う「きっかけ」となった情報について尋ねたところ、4割以上の人が「家族や知人からの口コミ、勧め、励ましなど」の直接的なコミュニケーションをきっかけとしており、最も多かった。次いで「新聞、雑誌・書籍」(35.5%)や「テレビ、ラジオ」(18.2%)のマスメディアをきっかけとした人が多かった。

また、「きっかけ」があった後、実際に学習サービスを受けるまでにどのような行動を取ったか尋ねたところ、約半数の人がネット検索サイトで関連情報を検索している。口コミやマスメディアからきっかけを得て、それについてネットで詳細情報を取得するというような流れがうかがえる。

(2) 4人に1人がネット上で同じ学習をする仲間を探し、学習継続意欲を促進

個人的な学習を行う際、学習を継続しようと促される情報について尋ねたところ、5割近くの人が「家族や知人からの口コミ、勧め、励ましなど」と回答し、最も多かった。また次いで「日記(ブログ含む)やSNSでのサービス利用者の体験記など」を閲覧するという人が25.9%と多かった。学習継続意欲を促す為に、ここでも直接的なコミュニケーションを挙げた人が最も多かったものの、4人に1人がネット上で同じ学習をする仲間を探す傾向にあることがわかった。

(3) 対面よりも、オンラインでのグループ学習の方が人気

グループ学習に参加する際、参加しやすいと感じるケースについて尋ねたところ、「オンラインで、共通に学習している教材のみが認識でき、相手が誰かはわからないグループ学習のケース」が約半数を占め、「通常の対面でのグループ学習のケース」(34.0%)を上回った。グループ学習において、対面方式よりも、相手が誰かわからないオンラインの人気が高い傾向にある。

ただし、学習の継続に必要だと考えるものを尋ねたところ、オンラインよりも対面の方が学習継続要因として強い傾向にある。オンラインでのグループ学習の方が取っ掛かり易いが、モチベーションを維持するのは難しいと考えられる。

(4) eラーニング学習の動機付けを高める要因は、他の受講者のテスト結果やランキング

eラーニング受講経験者に対し、eラーニングを受講していて、他の受講者の何をみると、学習の動機付けが高まるかどうか尋ねたところ、「他の受講者のテスト結果」(41.0%)や「受講者のランキング」(36.8%)など、競争心を掻き立てるようなものが高い割合で挙げられた。

《 補足 》

(*1)【 gooリサーチ 】 http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総v研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。メインパネルの「gooリサーチ・消費者」モニター(58.2万人)、携帯電話でアンケートに答える「gooリサーチ・モバイル」モニター(11.3万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(7.5万人)、団塊世代・シニア層、ならびに若年層を中心とした郵送調査手法で回答する「郵送調査専属モニター」(3.5万人)を含め、374万人の登録モニターを擁し、 消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています。 (モニターの人数はいずれも2009年8月現在)

(*2)【 eラーニングビジネスモデル研究会】
慶應義塾大学は、2007年に民間等10組織の協賛により「eラーニングビジネスモデル研究会」を設立(2007年6月19日にプレスリリース、http://note.dmc.keio.ac.jp/topics/archives/45)し、経済産業省、文部科学省、総務省等の事業や民間企業のデータを用いて、ビジネスモデルを研究・分析し、以下のような2つの新たなプロジェクトを創出しています。今回の調査研究は、これらプロジェクトの実践やビジネスモデル上の仮説をベースとして行っています。

 eラーニングビジネスモデル研究会

<本発表資料に関するお問合せ先>

NTTレゾナント株式会社 広報
(Tel) 03-6703-6250、(E-mail) pr@nttr.co.jp
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 伊藤 健二
kenjiito@dmc.keio.ac.jp 
慶應義塾大学SFC研究所
(Tel) 0466-49-3436

<gooリサーチに関するお問合せ先>

NTTレゾナント株式会社 リサーチ部門
(Tel) 03-6703-6660、(FAX) 03-5476-2582、(E-mail)research@goo.ne.jp
NTTレゾナント株式会社
(Tel) 03-6703-6000、(E-mail) pr@nttr.co.jp

調査結果について

1. 調査対象 gooリサーチ・消費者モニター
2. 調査方法 非公開型インターネットアンケート
3. 調査期間 平成21年5月15日(金)~平成21年5月18日(月)
4. 有効回答者数 1,050名
5. 回答者の属性 【年齢】
~19歳20.3%、20~29歳19.7%、30~39歳19.6%、40~49歳20.2%、50歳~20.2%

【男女内訳】
男性49.6%、女性50.4%

調査結果データ

(1) 「個人的な学習」の経験者は半分以上

「個人的な学習」の経験の有無について尋ねたところ、「ある」が57.0%となり、半分以上の人が「個人的な学習」の経験者であることがわかった。【図1】

※ここで言う「個人的な学習」とは、回答者の会社(団体)・学校が提供している研修等を除いた、個人で行う学習全般を指す。

【図1】「個人的な学習」の経験について(n=1,050)

【図1】「個人的な学習」の経験について(n=1,050)

(2) 個人的な学習を行う「きっかけ」となった情報は「口コミ」が最多数

個人的な学習を行う「きっかけ」となった情報について尋ねたところ、「家族や知人からの口コミ、勧め、励ましなど」が42.1%と最も多かった。次いで「新聞、雑誌・書籍」35.5%、「テレビ、ラジオ」18.2%という順となった。【図2】

【図2】個人的な学習を行うきっかけとなった情報について(n=598)※複数回答

【図2】個人的な学習を行うきっかけとなった情報について(n=598)※複数回答

(3) 口コミやメディアからきっかけを得て、ネットで詳細を探る

前問の「きっかけ」の後、実際にサービスを受ける(学習を開始する、サービスに本登録する等)まで、どのような行動をとったか尋ねたところ、「ネット検索サイトでの関連情報の検索」が50.7%となり半数を超えた。口コミやマスメディアからきっかけを得て、それについてネットで詳細情報を取得するというような流れがうかがえる。【図3】

【図3】きっかけの後、サービスを受けるまでに取った行動について(n=598)※複数回答

【図3】きっかけの後、サービスを受けるまでに取った行動について(n=598)※複数回答

(4) 4人に1人がネット上で同じ学習をする仲間を探し、学習継続意欲を促進

個人的な学習を行う際、学習を継続しようと促される情報について尋ねたところ、「家族や知人からの口コミ、勧め、励ましなど」が48.5%と最も多く、「日記(ブログ含む)やSNSでのサービス利用者の体験記など」が25.9%で続いた。学習継続意欲を促す為に、4人に1人がネット上で同じ学習をする仲間を探す傾向にある。【図4】

【図4】学習を継続しようと促される情報について(n=598)※複数回答

【図4】学習を継続しようと促される情報について(n=598)※複数回答

(5) 学習の継続に必要だと考えるものは「家族からの理解」が最多数

個人的な学習の継続に必要だと考えるものについて尋ねたところ、「家族からの理解」が46.0%と最も多く、「受講料の補助等」が40.3%で続いた。コミュニケーション面のみでみると、「講師とのコミュニケーション(対面)」32.4%、「他の学習者とのコミュニケーション(対面)」26.6%となり、「講師とのコミュニケーション(メールや電話等でのオンライン)」19.7%、「他の学習者とのコミュニケーション(メールや電話等でのオンライン)」16.9%を上回った。コミュニケーション面では、オンラインよりも対面の方が学習継続要因として強い傾向にある。【図5】

【図5】個人的な学習の継続に必要だと考えるものについて(n=598)※複数回答

【図5】個人的な学習の継続に必要だと考えるものについて(n=598)※複数回答

(6) eラーニング受講経験者は約3割

eラーニング受講経験について尋ねたところ、受講したことが「ある」が29.3%となり、約3割の人がeラーニング受講経験があることがわかった。【図6】

【図6】eラーニングの受講経験について(n=598)

【図6】eラーニングの受講経験について(n=598)

(7) eラーニング学習の動機付けを高める要因は、他の受講者のテスト結果やランキング

eラーニングを受講していて、他の受講者の何をみると、学習の動機付けが高まるかどうか尋ねたところ、「他の受講者のテスト結果」が41.0%と最も多かった。次いで「受講者のランキング」36.8%、「サービス提供者との質疑応答」34.8%という順となった。反対に「他の受講者の個人名」4.7%や「オフ会」11.5%のような個人が特定されるようなものは少なかった。【図7】

【図7】学習の動機付けが高まる要因について(n=1,050)※複数回答

【図7】学習の動機付けが高まる要因について(n=1,050)※複数回答

(8) 質問しやすいと思うサービスは「メール/電話での問い合わせができること」が最多数

eラーニングを受講していて、どのようなサービスがあれば質問をしやすいと思うか尋ねたところ、「メール/電話での問い合わせができること」が59.6%と最も多かった。次いで「FAQが充実していること」52.2%、「質問する相手(学習アドバイザー等)がどのような人かが分かること」36.8%という順となった。【図8】

【図8】質問しやすいと感じるサービスについて(n=1,050)※複数回答

【図8】質問しやすいと感じるサービスについて(n=1,050)※複数回答

(9) 学習したいと思う分野は「語学」が45.0%と最多

学習したいと思う分野について尋ねたところ、「語学」が45.0%と最も多かった。次いで「IT」38.0%、「臨床心理学」20.7%という順となった。【図9】

【図9】学習したいと思う分野について(n=1,050)※3つまで回答

【図9】学習したいと思う分野について(n=1,050)※3つまで回答

(10) 対面よりも、オンラインでのグループ学習の方が人気

グループ学習に参加する際、参加しやすいと感じるケースについて尋ねたところ、「オンラインで、共通に学習している教材のみが認識でき、相手が誰かはわからないグループ学習のケース」が49.7%と最も多く、「通常の対面でのグループ学習のケース」34.0%を上回った。グループ学習において、対面方式よりも、相手が誰かわからないオンラインの方が人気が高い傾向にある。【図10】

【図10】参加しやすいと感じるグループ学習のケースについて(n=1,050)

【図10】参加しやすいと感じるグループ学習のケースについて(n=1,050)

(11) 「自分が興味ある話題」かどうかがSNS上での発言に最も影響

SNS等で、どのような環境であれば、より多く発言をすることができると思うか尋ねたところ、「SNS上で、自分が興味ある話題である場合」が72.9%と最も多く、「SNS上で友人がいる場合」が52.6%で続いた。また、「SNS上での発言が何らかのかたちで評価される仕組みを備える場合」が28.6%と次いで多かった。【図11】

【図11】SNS等で、発言しやすい感じる環境について(n=1,050)※複数回答

【図11】SNS等で、発言しやすい感じる環境について(n=1,050)※複数回答

NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。

この調査結果の単純集計を無料にて提供しています。

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