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消費者の自由裁量所得と使途の状況に関する調査結果

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単身と同居者でレジャー・娯楽・耐久消費財など支出に対する選好で特徴的な違い

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NTTコム リサーチ と 立教大学 による共同企画調査

プレス・リリース 2018年11月8日

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
立教大学 有馬賢治研究室

【NTTコム リサーチ調査結果】

「消費者の自由裁量所得と使途の状況に関する調査」結果

~単身と同居者でレジャー・娯楽・耐久消費財など支出に対する選好で特徴的な違い~

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本 良江、以下 NTTコム オンライン)と立教大学経営学部教授 有馬賢治(以下 有馬賢治研究室)は、NTTコム オンラインが運営するインターネットアンケートサービス「NTTコム リサーチ」会員モニターを対象として、消費者の自由裁量所得と使途の状況について調査しました。本調査は、NTTコム オンラインと有馬賢治研究室が共同で調査の企画・設計・分析を行ったものです。

総括

調査結果では、全世代での一ヶ月当たりの自由裁量所得の平均額は2万4千円程で、男女比較では男性のほうが女性より7千円程多く、世代別では30代の平均で2万5千円程度で、年代が上がるに伴い平均額が上昇していきます。単身/同居ありで比較した場合は、概して単身居住者のほうが同居の方に比べて金額が多く、10代、30代、40代男性と20代女性の単身居住者が、同性代で同居者ありの方に比べ1万円近く個人が生活を楽しむために支出する所得が多い結果です。

単身者はその自由に使えるお金で様々な用途への支出や、用途に投資する消費時間も多い傾向が見られます。

なかでも使用用途別への支出額では、単身者は同居者に比べ「外食・グルメ」「貯蓄」が月で平均1万円前後も支出額が多く、また用途に投資する「1週間あたりの平均消費時間」でも、単身者は「ゲーム、PC、家電、スポーツ・フィットネス」などに費やす時間が長く、個人や仲間で楽しめる娯楽を中心に時間も投資している様子が伺えます。同居者ありの方で用途別の支出額が多かったのは「車・バイク・自転車」「投資・株などの資産運用」ですが、平均消費時間では単身者のほうが高くなります。平均消費時間で同居者ありの方が多かったのは「スポーツ観覧」「ペット・動物の飼育」でしたが、それに対する支出額は3~4千円台で単身者に比べて低くなっており、単身者と同居者それぞれで用途に対する支出額と消費時間の傾向の違いが見られ、選好しているものが異なるのが伺える結果となっております。

調査結果のポイント

(1) 全世代1人当たりの一ヶ月の自由裁量所得の平均額は24,096円

個人的に自由に使える一ヶ月の平均的金額を一定幅の選択肢から選んでもらい、その中央値などから算出した平均値を求めたところ、有効回答者2006名の平均値は24,096円でした。男女別での平均値は、男性27,553円(997名)、女性20,680円(1,009名)で、世代別での平均値は、10代15,081円(313名)、20代23,489円(315名)、30代25,463円(325名)、40代24,842円(345名)、50代26,777円(347名)、60代27,921円(361名)でした。性別では男性が女性よりも7千円近く多く、世代別では10代と20代以上の世代では8千円以上の差が見られるものの、20代以上の各世代間での平均金額の差は極端には大きくないことが伺えます【表1】。

(2) 単身/同居者の自由裁量所得には差、複数の年代で単身者の平均は1万円程度高い

自由裁量所得の金額差が発生する原因の1つである居住の人数に着目し、単身居住者と同居者がいる人別にグループを分類して平均値をまとめてみました【表1】。居住形態別の区分では回答者グループの人数に隔たりが出ましたが、統計的には5%水準で各グループ間の有意な差が確認できました。性別では男女ともに3千円程度(太黒字)、単身居住者の方が金額が多い結果になりました。世代別では、60代を除く10代~50代は単身居住者の方が金額の多く、特に20代以外の10代と30代~50代の単身者においては同居者のいる方との金額差が8千円前後の開きが出る結果(太赤字)となりました。

【表1】性別・居住型別 / 世代別・居住型別 自由裁量所得の平均値(月)

さらに、性別・世代別・居住型別に細かく分類して自由裁量所得の平均値を比較したのが【表2】ですが、世代別を性別で分けた場合では、60代男女、20代男性などにおいて同居者のいる方の自由裁量所得額が多い傾向が見られます(表黒枠)。逆に、10代、30代、40代男性と20代女性の単身居住者は、同性代で同居者のいる方よりも1万円近く所得が多い結果となりました(表赤枠)。

【表2】性別・世代別・居住型別 自由裁量所得の平均値(月)

(3) 自由裁量所得で単身者は同居者に比べ「外食・グルメ」「貯蓄」で1万円前後の支出額が多い

次に、自由裁量所得をどのような用途に使用しているか、23項目の主な用途【表3】の中から該当するもの全てを選んでいただき、その「1か月あたりの平均支出金額」と「1週間あたりの平均消費時間」について自由記入式でそれぞれ聞きました。

23項目の用途のうち、1か月あたりの平均支出の実質的な金額について聞いた結果、回答者が多かった上位の3項目は、順に「7.ショッピング」(N=854)、「14.お菓子・お茶・コーヒーなどの嗜好品」(N=746)、「12.外食・グルメ」(N=720)でした。

前問同様に「1か月あたりの平均支出金額」について、居住の人数に着目した上で性別・世代別に回答を集計したものが【表3】です。特徴的な結果として、どの項目も概して単身居住者の支出が多い傾向が見受けられ、特に「12.外食・グルメ」「21.貯蓄」の2項目については、同居者がいる方との間に1万円近くの差で単身者の支出が多くなりました(黒太字)。逆に、同居者がいる方のほうが平均金額が顕著に高い項目は、「11.車・バイク・自転車」「22.投資・株などの資産運用」の2項目でした(赤太字)。

居住の人数に関わらず平均支出額が少なかった項目は「3.映画鑑賞」「5.有料の動画配信サービス」で、どちらも平均支出額は千円代でした。

【表3】1ヵ月あたりの用途別の平均支出額(居住形態別)

「1か月あたりの平均支出金額」を性別・世代別で注目した場合、居住の人数に関わらず、男性が3世代以上で平均支出額が全体の合計平均よりも多かった項目は、ショッピング(30代、40代、60代)、ゲーム(10代、20代、30代、40代)、お酒(40代、50代、60代)、人づきあい・交際(30代、40代、50代)、貯蓄(30代、40代、60代)の5項目でした。一方、女性が3世代以上で単身/同居問わず平均支出額が多かった項目は、美容(20代、40代、60代)の1項目のみとなりました【表4】。

【表4】1ヵ月あたりの平均支出額(用途別、一部を抜粋)

(4) 単身居住者は「ゲーム、PC、家電、スポーツ」等の個人でも楽しめる娯楽への消費時間が多い

また、「1週間あたりの平均消費時間」についても、自由裁量所得を使用している用途の中から該当するもの全てを選んでいただいた上で、その実質的な平均消費時間を記入式で聞きました。回答者が多かった3項目は順に、「7.ショッピング」(N=849)、「14.お菓子・お茶・コーヒーなどの嗜好品」(N=732)、「12.外食・グルメ」(N=716)でした【表5】。

居住の人数に着目した上で性別・世代別に回答数を集計した中で特徴的な傾向として、同居者に比べ単身居住者のほうが費やす時間が長い項目は「8.スポーツ・フィットネス」「10.ゲーム」「13.パソコン・家電製品」「15.お酒」「17.人づきあい・交際」「22.投資・株などの資産運用」の6項目(太赤字)でした。先述の【表3】の支出額で見ても、これら項目は単身者のほうが同居者に比べ多い支出が費やされており(資産運用は同居者のほうが支出額が多い)、自由に出来るお金が比較的に多い傾向の単身者が、個人で楽しめる娯楽を中心に時間も投資している様子が伺えます。

同居者がいる方のほうが平均消費時間が長かった項目は「1.スポーツ観覧」「20.ペット・動物の飼育」の2項目(太黒字)でしたが、【表3】の支出額で見ると、3~4千円台で単身者に比べて低くなっており、投資する金額は時間の消費ほど決して多くはないようです。

居住の人数に関わらず平均消費時間が少なかった項目は、「18.美容」「19.ファッション・コスメ」「21. 貯蓄」の3項目でした。

【表5】1週間あたりの用途別の平均消費時間(居住形態別)

性別・世代別にも注目した場合、性別・居住形態に関わらず、10代は「音楽鑑賞」と「人づきあい・交際」の2項目が、60代は「旅行・レジャー」と「ショッピング」の2項目が、40代は「ペット・動物の飼育」の1項目が各項目合計の平均消費時間を上回っていました。

次に、男性が3世代以上で居住の人数に関わらず平均消費時間が長かった項目は、「有料の動画配信サービス(20代、40代、60代)」、「本・雑誌・漫画など(20代、50代、60代)」、「お酒」(40代、50代、60代)」の3項目でした。

一方、女性が3世代以上で居住の人数に関わらず平均消費時間が長かった項目は、「旅行・レジャー(20代、30代、60代)」、「美容(10代、20代、40代)」の2項目でした。特筆できる点としては、10代男性で同居者がいる方の平均消費時間の値で全体の平均値の倍以上の値を示している項目が複数(スポーツ観覧、音楽鑑賞、スポーツ・フィットネス、車・バイク・自転車、資格取得・キャリア形成)で見受けられた点でした【表6】。

【表6】1週間あたりの平均消費時間(h)(用途別、一部を抜粋)
【表6】1週間あたりの平均消費時間(h)(用途別、一部を抜粋)

調査概要

調査対象 「NTTコム リサーチ」登録モニター
調査方法 非公開型インターネットアンケート
調査期間 平成30年6月25日(月)~平成30年6月26日(火)
有効回答者数 2006名
回答者の属性 【性別】
男性:49.7%、女性:50.3%

【年代】
10代:15.6%、20代:15.7%、30代:16.2%、40代:17.2%、50代:17.3%、60代:18.0%

《 補足 》

(*) NTTコム リサーチ(旧gooリサーチ) https://research.nttcoms.com/
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(https://www.nttcoms.com/)が提供する高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。
自社保有パネルとしては国内最大級のモニター基盤(2017年9月現在 217万会員)を保有するとともに、「モニターの品質」「調査票の品質」「アンケートシステムの品質」「回答結果の品質」の4つを柱とした「クオリティポリシー」に基づく徹底した品質確保を行い、信頼性の高い調査結果を提供するインターネットリサーチとして、多くの企業・団体に利用されています。

<本件に関するお問い合わせ先>

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
データ&アナリティクス部 藤森
(Tel) 03-4330-8312
(URL) https://www.nttcoms.com/
(E-mail) research-info@nttcoms.com

この調査結果の単純集計を無料にて提供しています。

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