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「企業内コミュニケーションの実態」に関する調査結果

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知識・ノウハウなど実務的な情報共有への不足感が強く、社内SNSの利用拡大が期待される

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報道発表資料 平成18年10月11日

gooリサーチ結果 (No.135)

「企業内コミュニケーションの実態」に関する調査結果

~知識・ノウハウなど実務的な情報共有への不足感が強く、社内SNSの利用拡大が期待される~

国内最大級のインターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」(*1)を共同で提供するNTTレゾナント株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:和才 博美)と株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:田中 將介)は、企業に勤務する「gooリサーチビジネス・モニター」を対象に「企業内コミュニケーション」に関する調査を実施しました。

有効回答者数2,133名のうち約半数の45.9%が、社内でのコミュニケーションは十分もしくは大体取れていると回答していますが、社内における業務上の知識やノウハウなどの実務的な情報については、全体の約8割弱の回答者が有効に共有できていないと指摘しており、企業内コミュニケーションにおける課題が明らかとなりました。

また、社内でのITを活用したコミュニケーションツールについては、電子メールが全体の4分の3以上で活用されており、イントラネットやグループウェアについても普及率が高い傾向にあります。

一方、社内ブログや社内SNSなどここ最近普及しつつあるツール利用については、ごくわずかに留まりましたが、社内SNS導入企業では導入後の効果として、「個人自らが情報発信を積極的に行うようになった」、「欲しい情報が容易に見つけることが出来るようになった」、「コミュニティを通じて社内での連帯感が生まれた」、「わからないことを誰に聞けばよいのかすぐにわかるようになった」等の評価を得ており、今後、社内SNSの有効性の評価と認知度が高まれば、現行のITを活用したコミュニケーション及び情報共有における現状の課題を解決する可能性を持つツールとして、利用拡大が進むことが予想されます。

総括

今回の調査結果により、回答者の約半数が自分の社内でのコミュニケーションは十分もしくは大体取れていると回答している一方で、社内における業務上の知識やノウハウなどの実務的かつ実践的な情報共有については、全体の約8割の回答者が有効に共有できていないと指摘しており、知識やノウハウの共有に対するニーズが非常に高いことが見て取れます。

また、社内でのITを活用したコミュニケーションツールについては、電子メールが全体の4分の3以上で活用されているほか、イントラネットが約半数、グループウェアが3割以上を占めており、共に普及度が高い傾向にあります。

一方、社内ブログや社内SNS利用の利用状況についてはごくわずかに留まりましたが、web2.0の潮流は、一般消費者の世界だけではなく、企業内にも浸透の兆しが見えはじめています。特にSNSについては、社内SNS導入企業における導入後の効果として、社内コミュニケーション及び情報共有における現状の課題を解決する可能性のあるツールとして満足評価を得ており、今後、提供事業者側が社内SNSの有効性に関する評価と認知を高めていくことにより、利用拡大が進むことが予想されます。

調査結果のポイント

(1) 回答者の約半数が 社内でのコミュニケーションが取れていると評価。

社内でのコミュニケーション状況については、「十分」もしくは「大体」とれているとの回答が合わせて全体の45.9%を占めている。一方、コミュニケーション不足を感じる点については、「部署を超えた社員間でのコミュニケーション」が最も多く、次いで、「経営層と一般社員との間のコミュニケーション」と指摘されており、双方ともに6割以上を占める。社内のコミュニケーションでは今後は普段一緒に働く部署以外の人とのコミュニケーションにおける課題解決が求められている。

(2) 一方で、実務的かつ実践的な情報に対して、8割以上が共有できていないと指摘。

社内でのコミュニケーションは概ねできているという結果となっているが、一方で情報共有という点については十分ではない感じている回答者が多く、8割以上が共有できていないと指摘している。十分共有できていないと感じている具体的な内容については、約4分の3が「業務知識、ノウハウ」と回答しており、一番多い。現場サイドで有効活用できる知識やノウハウの共有に対するニーズが非常に高いことがうかがえる。

(3) 社内のITコミュニケーションツールとして、メール、イントラネット、グループウェアなどが普及。社内ブログや社内SNSは現時点では少数。

電子メールは全体の4分の3が導入。イントラネットやグループウェアについてもそれぞれ、49.0%、34,8%の普及率が示された。一方、社内ブログ、社内SNSの利用企業は少数に留まってはいるが、Web2.0の潮流が企業内にも浸透の兆しが見え始めており、今後の利用拡大が期待される。

(4) 社内SNSに対する期待は普及率に比べ高く、約3割が利用意向を示す。

社内SNSを実際の利用者は全体の約3%に過ぎないが、利用意向者とあわせると約3割を占める。社内SNSの具体的な活用目的(意向含む)としては、業務知識やノウハウの習得が多く、前述の共有されてないと指摘された情報に対するニーズを解決する機能への期待が強い。また、SNSに特有のコミュニティ機能などを通じた社員相互の情報交換や関係強化への期待感も強く、情報共有に関する現状の課題の裏返しともいえる結果になった。

《 補足 》

(*1)【 gooリサーチ 】 http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。携帯電話でアンケートに答える 「gooリサーチ・モバイル」モニター(5.7万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(3.6万人)、団塊世代・シニア層、ならびに若年層を中心とした郵送調査手法で回答する「郵送調査専属モニター」(3.1万人)を含め、92万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています。(モニターの人数はいずれもH18年9月現在)

<本調査およびgooリサーチに関するお問合せ先>

NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 リサーチグループ
(Tel) 03-5224-5380、(FAX) 03-5224-5201、(E-mail)research@goo.ne.jp

NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 広報グループ
(Tel) 03-5224-5500、(E-mail) pr@nttr.co.jp

<gooリサーチに関するお問合せ先>

株式会社三菱総合研究所 Eリサーチグループ
(Tel) 03-3277-0719、(Fax) 03-3277-0523、(E-mail) e-res@mri.co.jp

株式会社三菱総合研究所 経営企画部広報グループ
(Tel) 03-3277-0003、(Fax) 03-3277-3490、(E-mail) ccd-mg@mri.co.jp

調査概要

1. 調査対象 gooリサーチ・ビジネスモニター
2. 調査方法 非公開型インターネットアンケート
3. 調査期間 平成18年8月4日(金)〜平成18年8月6日(日)
4. 有効回答者数 2,133名
5. 回答者の属性 【会社の業種】
建設・不動産8.3%、製造業23.0%、金融・保険業4.1%、流通業5.9%、電気・ガス・水道1.3%、運輸・通信6.6%、サービス22.5%、官公庁・自治体等9.2%、その他19.1%

【従業員数】
1-9人19.4%、10-49人14.9%、50-99人7.0%、100-499人18.2 %、500-999人7.1%、1000人以上33.4%

調査結果データ

1.会社内でのコミュニケーションに対しては概ね満足傾向にあるが、部署外の人とのコミュニケーションに課題を残す。

(1) 社内コミュニケーションは概ね取れているとの回答が全体の45.9%と約半数を占める。

社内でのコミュニケーション状況については、「十分取れている」(10.5%)もしくは「大体取れている」(35.4%)を合わせて全体の45.9%となり、約半数が概ね満足していることが分かった。【図1】

【図1】社内コミュニケーション実施状況 (n=2,133)

【図1】社内コミュニケーション実施状況のグラフ

これを会社の規模別に見てみると、特に従業員数が50−99人・100−499人の企業で、コミュニケーションが取れていないとする割合が高い傾向にある。但し、従業員1000人以上の規模においては、逆にコミュニケーションが取れている割合が高くなっている。これは大企業におけるコミュニケーションツールの普及率が高くなっていることがひとつの要因であることが想定される。【図2】

【図2】社内コミュニケーション実施状況(従業員数別) (n=2,133)

【図2】社内コミュニケーション実施状況(従業員数別)のグラフ

(2) 不足としているのは部署を超えた社内コミュニケーションと指摘する回答が6割以上。

一方、コミュニケーションに不足を感じる部分については、「部署を超えた社員間でのコミュニケーション」という回答が最も多く65.3%となっている。次いで「経営層と一般社員との間のコミュニケーション」(63.8%)と続き、ともに6割以上を占めた。社内コミュニケーションにおいては、自分の所属する部署以外とのコミュニケーションが課題の一つとなっていることが分かる。【図3】

【図3】誰とのコミュニケーションに不足を感じるか (n=1,154)

【図3】誰とのコミュニケーションに不足を感じるかのグラフ

また、従業員数別で見てみると、どの層においても「経営層と一般社員間」と「部署を超えた社員同士」が上位を占めている。但し、100人未満の企業において「経営層と一般社員間」が最も多くなっているのに対して、100人以上の企業においては「部署を超えた社員同士」が最も多くなっており、かつ従業員数が大きくなるにしたがってその差が大きくなっている。従業員数が大きくなるほど部署間の距離が遠くなる現実を反映していることがうかがえる。【図4】

【図4】誰とのコミュニケーションに不足を感じるか(従業員数別) (n=1,154)

図4】誰とのコミュニケーションに不足を感じるか(従業員数別)のグラフ

2.社内での情報共有について8割以上が出来ていないと指摘、特に知識やノウハウ等の情報共有不足を指摘する回答が7割以上と最も多い。

(1) 社内における情報共有ができているとの回答は全体の18.9%を占める。8割以上が十分でないと指摘。

図1に示したように、社内コミュニケーションは概ねできているという回答は比較的多い結果となっているが、情報共有については十分でないと指摘する回答が8割以上を占め、「ほとんど共有できていない」(15.7%)、「あまり有効に共有できていない」(65.5%)となった。【図5】

【図5】社内の情報共有状況 (n=2,133)

【図5】社内の情報共有状況のグラフ

(2) 情報共有が不十分とする内容は、業務知識やノウハウとする指摘が7割以上。

具体的に十分共有できていない内容について尋ねてみると、「業務知識やノウハウ」を指摘する回答が最も多く全体の約4分の3となる74.2%を占めており、次いで「営業情報、顧客情報(43.4%)」、「経営層のビジョンや事業の方向性(43.1%)」が続く。【図6】

【図6】情報共有ができていない内容 (n=1,731)

【図6】情報共有ができていない内容のグラフ

3.ITツールは電子メールを中心に、イントラネット、グループウェアが普及。社内ブログ、社内SNSについては、現状では1割未満。

(1) 電子メールの普及率は8割弱。イントラネットやグループウェアも普及が進む。

電子メールについては、全体の4分の3以上の76.7%が活用していると回答しており、最も多い。次いで、イントラネットやグループウェアについてもそれぞれ、49.0%、34,8%を占めており、普及率の高さがうかがえる。一方、社内ブログや社内SNSについては、それぞれ4.0%、3.1%と少数に留まったが、Web2.0が企業内にも浸透し始めている兆しとして、今後の利用拡大が期待される。【図7】

【図7】社内で活用しているITコミュニケーションツール  (n=2,133)

【図7】社内で活用しているITコミュニケーションツールのグラフ

これを従業員数別に見てみると、どの従業員規模においても電子メールの活用状況が最も高い。また、1,000人以上の企業においては、電子メールの活用度は91.0%と大多数を占めており、イントラネットも80.7%、グループウェアは51.8%と高くなっている。社内ブログ、社内SNSについても規模が大きくなるにつれ導入率が高まる傾向にある。【図8】

【図8】社内で活用しているITコミュニケーションツール(従業員数別)

【図8】社内で活用しているITコミュニケーションツール(従業員数別)のグラフ

4.IT活用によるコミュニケーション及び情報共有における課題は、「誰がどんな情報を持っているかわからない」と、「情報の取捨選択に手間がかかる」。

ITを活用したコミュニケーションや情報共有における問題点として、「誰がどんな情報を持っているのかがわからない」といった指摘が最も多く、過半数を占めた。実際の業務に活かすために、個別に情報源を探索する必要性があるにも関わらず、どこに行けばその情報が得られるかわからない実態がうかがえる。また、情報過多により、すぐに見つからなかったり、情報の取捨選択に手間がかかったりするなど、情報量自体が過度に増えすぎた影響により社員に負担がかかっている状況も見て取れる。【図9】

【図9】ITを活用したコミュニケーション、情報共有の問題点 (n=1,742)

【図9】ITを活用したコミュニケーション、情報共有の問題点のグラフ

特に従業員数が多い大企業において、情報量の増大に起因する問題点が大きなものになっている。【図10】

【図10】ITを活用したコミュニケーション、情報共有の問題点(従業員数別)

【図10】ITを活用したコミュニケーション、情報共有の問題点(従業員数別)のグラフ

5.社内SNSに対する期待は、情報共有ニーズが充足されていないことの裏返し。利用意向は約3割を占める。

(1) SNSの個人としての利用率は約4割。

個人的にSNSを利用している回答者は、全体の約4割にあたる40.5%であった。週に1以上の頻度で活用している割合は利用者の4分の1であった。【図11】

【図11】SNSの個人利用状況 (n=2,133)

【図11】SNSの個人利用状況のグラフ

(2) 社内SNSの利用意向は、現行の利用者を含め約3割。サービスの有効性を訴求することにより、今後の普及に期待。

前述の通り、社内SNSを実際に使っている人は全体の約3%に過ぎないが、利用意向者と合わせると約3割が実際に利用あるいは利用意向を示している。一方で、どのようなものか知っているにもかかわらず、明確に使いたいとは思わないと回答している人が34.8%に上っている。これは、SNSを個人として利用している人が限られている中で、実際の活用方法やメリットなどが十分に伝わっていないことが要因であると想定される。【図12】

【図12】社内SNSの利用意向 (n=2,133)

【図12】社内SNSの利用意向のグラフ

6.社内SNSを活用する(したい)目的は、「業務知識、ノウハウの習得」が約7割と最も多く、6割以上が有効的な機能として、コミュニティ作成機能を挙げている。

(1) 社内SNSの活用目的は「業務知識、ノウハウの習得」が約7割と最も多い。

社内SNSを活用する(したい)具体的な目的としては、「業務知識やノウハウの習得(68.3%)」が最も多く、社内SNSが現状の社内コミュニケーションにおいて最も充足されていないと感じている部分に対する解決策として期待されている。またSNS独自といえるコミュニティ機能などを通じた「社員相互の情報交換(54.2%)」や「関係強化(43.0%)」の活用意向も高い傾向にある。【図13】

【図13】社内SNSの活用目的 (n=600)

【図13】社内SNSの活用目的のグラフ

(2) 社内SNSの機能として有効と考えられているのは、コミュニティの作成が最も多い。

社内SNSの機能として役に立つと思うものとしては、「コミュニティの作成(67.7%)」が最も多い。SNSの特徴的な機能であるコミュニティへの期待値が高くなっていることがうかがえる。次いで、「各自が必要な情報へのリンク(62.7%)」となっており、社内情報共有のためのポータル機能としてSNSを活用することに対する期待が現れている。【図14】

【図14】社内SNSで役に立つ機能 (n=600)

【図14】社内SNSで役に立つ機能のグラフ

また、実際に社内SNSが活用されるために必要なことについては、「使い方が簡単」、「気軽に参加できる」、「自由にコミュニティの作成ができる」、「コミュニティマスターなど活用をサポートしてくれる機能の存在が必要」といった、使いやすさを求める意見が多い。また導入の前提として、経営層や上司の理解、後押しは必須であると考えられている。【図15】

【図15】社内SNS活用のための条件 (n=600)

【図15】社内SNS活用のための条件のグラフ

(3) 社内SNS導入による最大の効果は、個人自らの情報発信

社内SNSの実際の導入効果として、「個人自らが情報発信を積極的に行うようになった」が3割以上と最も多く、次いで、「欲しい情報が容易に見つけることが出来るようになった(27.3%)」、「コミュニティを通じて社内での連帯感が生まれた(27.3%)」、「わからないことを誰に聞けばよいのかすぐにわかるようになった(25.8%)」と続く【図16】

【図16】社内SNS導入の効果 (n=66)

【図16】社内SNS導入の効果のグラフ

NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。

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