平成22年9月29日
NTTレゾナント株式会社
gooリサーチ結果(No.192)
「第6回 乳がんに関する3万人女性の意識調査」調査結果
~乳がん発見のきっかけの半数が自己検診、一方で自己検診の実施は未だ4割~
インターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」(*1)を提供するNTTレゾナント株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:中嶋 孝夫)は、「gooピンクリボンキャンペーン2010」の一環で、「gooリサーチ」の女性登録モニター及びポータルサイト「goo」を利用する一般女性を対象に「第6回 乳がんに関する3万人女性の意識調査」を実施しました。有効回答者数は30代を中心に32,830名でした。
前回の「『第5回 乳がんに関する3万人女性の意識調査』調査結果「9割近くの女性が乳がんに関心を持つ一方、自己検診は4割に留まり、昨年と大きな変化はなし。高い関心を予防知識や自己検診の行動につなげる取り組みが今後も課題」(2009年9月29日発表)は、下記を参照ください。
総括
自己検診の大切さが明白に・・・
今回32,830名の回答者のうち乳がん経験者という人は417名であった。年齢別にみると全体の77.6%が40歳以上であり、37.4%が「乳がん世代」と言われる40代であった。
乳がんがわかったきっかけは約50%が自己検診であり、改めて自己検診の重要性が浮き彫りとなるとともに、手で触れてはじめて乳がんに気付くという実態がわかった。
一方、自己検診の実施率は42.0%と依然過半数を割っているうえ、自己検診を実施した人の満足感を問う質問では「どちらともいえない(38.8%)」という回答が一番多く、「正しくできているかどうかが分からない」「どういう感触がしこりであるかわからない」「乳腺症との違いがわからない」などの声が自由回答欄に複数よせられた。
「乳がんに関するどのような情報が知りたいと思いますか」という質問に対しては「自己検診の方法」という回答が42.6%と高く、正しい自己検診の方法を市区町村や学校、職場の健康診断等を通じて実際に体験しながら学ぶ機会が増えることが、今後の乳がん撲滅、早期発見につながる可能性を持つと考えられる。
*「自己検診」:自分自身での触診や、ひきつれやへこみ、ただれなどの有無に関する視診を自分で行うこと。
《 補足 》
(*1)【 gooリサーチ 】 http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。携帯電話でアンケートに答える「gooリサーチ・モバイル」モニター(12.5万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(8.3万人)、団塊世代・シニア層、ならびに若年層を中心とした郵送調査手法で回答する「郵送調査専属モニター」(3.5万人)を含め、490万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています。 (モニターの人数はいずれも2010年9月現在)
<gooリサーチに関するお問合せ先>
NTTレゾナント株式会社 ビジネスプラットフォーム事業部 リサーチ部門
(Tel) 03-6703-6660、(FAX) 03-5476-2582、(E-mail) research@goo.ne.jp
NTTレゾナント株式会社 広報担当
(Tel) 03-6703-6250、(E-mail) pr@nttr.co.jp
調査概要
1. 調査対象 | gooリサーチモニター、「goo」を利用の一般女性 |
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2. 調査方法 | クローズドアンケート(消費者) |
3. 調査期間 | 平成22年9月10日(金)~平成22年9月14日(火) |
4. 有効回答者数 | 32,830名 |
5. 回答者の属性 | 【年代別構成】 19歳以下1.5%、20-24歳 5.3%、25-29歳 11.7%、30-34歳 18.0%、35-39歳 20.0%、40-44歳 15.8%、45-49歳 12.5%、50-54歳7.4%、55-59歳 4.0%、60歳以上 3.7% 【職業別構成】 公務員2.1%、経営者・役員0.5%、会社員24.7%、自営業2.8%、自由業1.8%、専業主婦38.7%、パート・アルバイト20.4%、学生4.2%、その他4.9% |
調査結果データ
(1) 9割近くの女性が乳がんについて関心あり
「あなたは乳がんについて関心はありますか。」という質問に、「非常に関心がある(32.0%)」+「やや関心がある(53.5%)」合計85.5%と約9割の女性が「乳がん」に関心があるという結果になっている。

(2) 実際に受けたことがある乳がん検診は視触診が43%と最も多い
乳がん検診を受けたことがない人は36.3%、自己検診を実施している人は42.0%など、全ての項目が昨年より改善されているが、自己検診実施率は依然過半数を割っている。
マンモグラフィーの受診率は37.6%と昨年に比べて約5%あがっている。年齢別で詳しく見ると40代以上では6割近くが受診しており、30代以下の受診率の低さが影響していることがうかがえる。


(3) マンモグラフィー、エコーの受診については9割近くの人が満足
マンモグラフィー、エコーについては9割近くの人が「非常によかった、まあまあ良かった」という感想を持つ一方、自己検診については、「どちらともいえない」という感想が一番多かった。マンモグラフィーやエコーは結果の判断が明確であることが満足感の高さにつながっていると思われる。
自己検診については、「正しくできているかどうかよくわからない」「乳腺のしこりとの区別がわからない」「異変がないという自己判断が正しいかわからない」といった意見が多く見られた。
乳がんは自分で発見できる唯一のがんであり、自己検診は非常に重要視されているが、推進していくためには、どういう感触がしこりであるかという事をしっかり伝える必要がある。インターネットや冊子での情報発信だけでなく、実際に自己検診を学ぶ機会を設けるなど、より分かりやすく情報を伝える方法について、課題があるようだ。

(4) 乳がん検診を受けない理由、昨年同様「現在異常が見られないから」が最も多い
検診を受けない理由は昨年と同様、「現在異常が見られないから(35.6%)」が最も多く、次に「検診費用が高そうだから(33.8%)」「検診をする機会がないから(30.3%)」と続く。「マンモグラフィーやエコーの検診はいくらなのか」「費用が不明確だ」という自由回答もあり、各検診費用のおおよその金額が把握できれば日常生活の出費のひとつとして考えることができ、受診率のアップにつながる可能性があるといえる。

(5) クーポン効果で市町村主催の検診受診率アップ
昨年40歳以上の女性に全国の市区町村では乳がん検診の無料クーポン券が配布された。本調査でも「市町村主催の検診」で受診をしたという回答が26.8%と最も多く、昨年に比べて3.0%増えた。年齢別にみても、市区町村主催の検診の受診率は40歳以上が6割を占め、クーポン配布の効果があったことがうかがえる。


(6) 本調査の乳がん経験者は417名。乳がん世代40代が半数を占める。発見のきっかけは約半数が自己検診
回答者の中で乳がん経験者が最も多い年齢層は、45-49歳(21.6%)、次に50-54歳(16.8%)、40-44歳(15.8%)と続き、まさに乳がん世代といわれている年代となった。
また「乳がんがわかったきっかけ」について質問したところ、約半数が「自己検診(48.4%)」、次に「マンモグラフィー(16.1%)」と続き、自己検診の重要性が浮き彫りとなる結果となった。


(7) 乳がん経験後の生活の変化は、食生活と出費
乳がんを経験する前と後での生活の変化について質問したところ、「食生活や生活習慣を見直した(39.6%)」が最も多く、「出費が増えた(32.9%)」となった。入院費や、治療費、検査代、また病院への交通費や治療以外にも目に見えない出費が増えるのだろう。病気という事実を受け入れなければならない上に、出費の不安を抱えることは経験者にとっては大きな負担といえるだろう。
一方、「あまり、変わらない(31.9%)」という回答が三番目に多かった。これは、「乳がんだと分かったときどんな気持ちだったか?」という質問の回答として、「わりと落ち着いて、受け入れられた(33.1%)」が「とても不安になった(47.5%)」や「頭の中が真っ白になった(40.3%)」に続いて三番目に多かったことからも、がんと分かった時の感情を超えて、日々の日常生活をきちんと過ごしていることがうかがえる。そこには医学の進歩や早期発見が貢献していると期待したい。

(8) 役に立った情報は治療に関する情報、充実して欲しい情報は治療出費などお金に関する情報
乳がん経験者に実際どのような情報が役に立ち、もっと充実して欲しい情報が何か質問したところ、ともに第一位となったのが、「治療に関する情報」でそれぞれ71.5%、50.6%となった。治療に関する情報が役に立ったという一方で、まだまだ情報が不足しているということがうかがえる。
一方、特徴的だったのが、もっと充実して欲しい情報で二位となった「治療費などお金に関する情報(45.1%)」。これは、乳がんを経験していない人の「知りたい情報(54.2%)」一位でもあり、治療費など実際にかかるお金の情報不足がうかがえる。



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