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少子化についてのアンケート

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男性「時間ほしい」、女性「育児は大変」

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gooリサーチ と 毎日新聞 による共同企画調査

毎日新聞 2005年1月9日

gooリサーチと毎日新聞社による共同企画調査<第1弾>

少子化についてのアンケート

~男性「時間ほしい」、女性「育児は大変」~

毎日新聞社がNTTレゾナント社の協力を得て行ったインターネット上でのアンケートで、子どもを持たない男女の4分の1が「子どもをほしいと思わない」と答え、30代の女性では3割を超えるという結果が出た。理由で最も多かったのは、男性が「子どもにかかる経費や育児にかかる時間を自分(夫婦)の楽しみに回したい」、女性では「出産や育児がわずらわしく思う」で、少子化の背景に、出産・子育て世代の意識変化があることを表している。

質問は毎日新聞社が作成し、NTTレゾナント社が運営するgooリサーチが、04年11月22、23の両日、gooリサーチのモニターを対象に調査し全国の10代以上の男女1077人が回答した。質問によっては無回答もあった。

調査結果について

子どものいない男女に聞いた「将来、子どもをほしいと考えているか。その場合、何人ほしいか」という質問への回答では、「2人」が全体の48.2%だったが、「ほしいと思わない」が23.3%で2番目に多かった。男女別でも「ほしいと思わない」が男性20.6%、女性25.7%と2番目に多く、年齢別では20代女性の14.5%、30代女性の30.3%が出産に消極的という数字になっている。

将来、お子様をほしいとお考えですか。その場合、何人くらい欲しいですか。

「ほしいと思っていない理由」(複数回答)では、全体では「出産・育児がわずらわしく思う」(40.0%)がトップで、続いて「教育費など子どもを育てる経済的余裕がない」(30.8%)になっている。男性では「経済的には子どもを育てられないことはないが、子どもにかかる経費や育児にかかる時間を自分(または夫婦)の趣味など楽しみに回したい」が20代と30代を中心に36.7%と最多。女性は「出産・育児がわずらわしく思うから」が46.5%で最も多く、20代、30代では50%を超えた。

「仕事を続ける上で不利だから」は6.7%(男性2%、女性9.9%)と比較的少ないが、仕事を持つ女性が、厳しい認識を持っていることがうかがえる。

お子様をお持ちでないのはなぜですか。

また、子どものいない既婚男女120人に聞いた「子どもを持たないのはなぜか」という質問への回答では、全体では「子どもはほしいができない」「いずれはほしいが、まだほしくない」がそれぞれ31.7%で最も多く、「子どもを育てる経済的余裕がない」(11.7%)、「配偶者が子どもをほしがらない」(5.8%)が続いている。

このほか、「子どもをつくらなければよかったと思うことがあるか」との質問に、子どもを持つ既婚女性の22.5%が「ある」と答え、理由(自由回答)は「自分の時間がなくなった」「仕事を辞めた」「子育てに悩んだ」「離婚を考えた時」「育児に夫の協力が得られなかった」などが目立っている。

子供をつくらなければよかったと思ったことがありますか。(子どものいる男性)

子供をつくらなければよかったと思ったことがありますか。(子どものいる女性)

【連載「未来が見えますか」取材班】

■少子化アンケート 池本美香氏に聞く

毎日新聞社がNTTレゾナント社とgooリサーチの協力で行った少子化に関するアンケートの結果について、「失われる子育ての時間」(勁草書房)などの著書がある日本総研の池本美香主任研究員に聞いた。

豊かな時代の子育て支援を

子どもがほしくない理由から見えてくるのは、無理をすれば子育てできないことはないが、ある程度時間的・経済的ゆとりがある育児でなければやりたくないという意識だ。20代、30代は高度成長期で経済的にも豊かな時代に育ち、専業主婦の母親に育てられた人も多いため、「苦労してまで子どもを持つ必要はない」という意識が、本人だけでなくその親にもあるのではないか。このアンケート結果から、子どもをつくる世代の意識の変化がよく分かる。

少子化対策では保育所の待機児童ゼロ作戦など、仕事と子育ての両立ばかりが話題になるが、20歳代、30歳代で「子どもをほしいと思わない」という人を減らすために、保育所の整備にとどまらず、一人親家庭の支援などの経済的支援や、子どものいる生活がゆとりのあるものになるような、育児休業や時短など時間的支援に力を入れる必要がある。貧しい時代の子育てを想定せず、豊かな時代の子育てを実現する支援を考えるべきだ。

<調査概要>

  • 実施期間: 2004/11/22~2004/11/23
  • 有効回答数: 1,077

NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。

この調査結果の単純集計を無料にて提供しています。

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