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「食品のトレーサビリティ」に関する一般生活者の意識調査結果

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過半数がトレーサビリティ実現により"食の安全性が高まる"と回答

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報道発表資料 平成16年10月14日

gooリサーチ結果 (No.64)

「食品のトレーサビリティ」に関する一般生活者の意識調査結果

~過半数がトレーサビリティ実現により"食の安全性が高まる"と回答~

国内最大級のインターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」(*1)を共同で提供するNTTレゾナント株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:資宗 克行)と、株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、取締役社長:谷野 剛)は、平成16年7月26日(月)から平成16年7月30日(金)、「gooリサーチ」登録モニターを対象に「食品のトレーサビリティ(*2)に関する一般生活者の意識」について調査を実施しました。有効回答者数2,491名のうち、「食品のトレーサビリティ」が実現された場合、食の安全性が高まると回答した人が54.6%と過半数を超え、生産地を調べてみたいと思う人も82.0%と非常に多く、早期の実現が望まれていることがうかがえます。

総括

トレーサビリティは、政府の「e-Japan戦略II」において、食の安全・安心を支える手段として7つの重点分野の一つに掲げられております。平成16年12月1日に「牛の個体識別ための情報の管理および伝達に関する特別措置法(牛肉トレーサビリティ法)」の罰則規定の施行も控え、トレーサビリティへの取り組みが本格化していきます。

今回の調査結果により、一般生活者は食品購入時に重視する基準として、「鮮度」、「食品添加物使用の有無」、「産地」の順番に重視していると同時に、安全性を判断する際「表示されている原材料・成分表示」に最も関心を寄せていることがわかりました。また、「食品のトレーサビリティ」が実現された場合、過半数が食品の安全性が「高まると思う」と答え、生産地を「調べてみたい」と思う人も8割を超えることから、トレーサビリティ実現への期待感は大きいことがわかります。

調査結果のポイント

(1) 食品の安全性に対する判断基準

食品を購入する際の安全性について、「非常に気になる」23.4%と「やや気になる」63.8%を合わせると87.2%にも上り、安全性に対して関心が高いことがわかる。食品購入の際には、「鮮度(60.7%)」、「食品添加物使用の有無(41.0%)」を特に重視し、安全性の判断基準としては、「表示されている原材料・成分表示」とする回答が65.1%と高く、ラベル記載内容に基づき判断している割合が高いことがわかる。

(2) 信頼性とトレーサビリティ

一方、食品に記載されている内容は信頼できるかとの問いに対しては、「信頼できない」9.4%と、「どちらともいえない」73.1%を合わせると82.5%におよび、食品の記載事項に対する信用性に少なからず疑いを持っている人が多いことがわかる。「食品のトレーサビリティ」が実現された場合、食品の安全性が「高まると思う」とする人は54.6%、それを利用して食品の生産地を「調べてみたい」と思う人も82.0%と高く、トレーサビリティ実現への期待感が大きいことが見て取れる。反面、食品の安全性を向上させるためには「生産者・メーカーの意識の向上」が重要だとする人が78.9%と、生産者側の誠意ある姿勢が望まれている。

(3) 安全性に関する情報源と課題

食品の安全性に関する情報を日頃どこから得ているかとの設問には、「テレビ(報道番組)」70.3%、「新聞記事」48.0%とする回答が他を大きく引き離しており、情報伝達が迅速な第三者機関としての各報道機関からの情報が、食品の安全性に関する情報源として大きな比重を占めていることがわかる。

《 補足 》

(*1)【 gooリサーチ 】 http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。携帯電話でアンケートに答える「gooリサーチ・モバイル」モニター(4.5万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(2.1万人)を含め、24万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています。(モニターの人数はいずれもH16年9月現在)

(*2)【トレーサビリティ】
「追跡可能性」を指し、食品の安全を確保するために栽培・飼育から加工、製造、流通などの過程を明確にする仕組みのことです。

<本調査およびgooリサーチに関するお問合せ先>

NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 リサーチグループ
(Tel) 03-5224-5380、(FAX) 03-5224-5201、(E-mail)research@goo.ne.jp
NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 広報グループ
(Tel) 03-5224-5500、(E-mail) pr@nttr.co.jp

<gooリサーチに関するお問合せ先>

株式会社三菱総合研究所 E-リサーチ事業推進室
(Tel) 03-3277-0719、(Fax) 03-3277-0523、(E-mail) e-res@mri.co.jp
株式会社三菱総合研究所 広報部広報グループ
(Tel)03-3277-0003(Fax)、 03-3277-3490、(E-mail) ccd-mg@mri.co.jp

調査概要

1. 調査対象 一般インターネットユーザ及び「gooリサーチ」登録モニター
2. 調査方法 公開型インターネットアンケート
3. 調査期間 平成16年7月26日(月)〜平成16年7月30日(金)
4. 有効回答者数 2,491名
5. 回答者の属性 【男女内訳】
男性52.2% 女性47.8%

【年代別構成】
10代 14.8%、20代 15.7%、30代 16.2%、40代 19.0%、50代 18.8%、60代 13.7%、70代 1.90%

調査結果データ

1.食品の安全性に対する判断基準

(1) 食品を購入する際に安全性が気になる人は87.2%と大半を占める。

食品購入時の安全性について、「非常に気になる(23.4%)」と、「やや気になる(63.8%)」を合わせると87.2%と大半を占めており、食品の安全性への関心は非常に高いことがうかがえる。【図1】。

【図1】食品購入時の安全性への関心 (n=2,491)

【図1】食品購入時の安全性への関心

世代別に見ると、年代が高くなるほど「非常に気になる」とする人が顕著に増加していることから、年齢が高くなるにつれて食に対しての関心が高くなっていることがわかる。【図2】。

【図2】食品購入時の安全性への関心(世代別) (n=2,491)

【図2】食品購入時の安全性への関心(世代別)

(2) 食品購入時には「鮮度」、「食品添加物使用の有無」、「産地」を重視し、「表示されている原材料・成分表示」で安全性を判断している。

食品を選ぶ際に重視することとしては、「鮮度」と回答した人が60.7%と最も多く、次いで「食品添加物使用の有無(41.0%)」、「産地(輸入品か国産かを含む)(37.6%)」、「原材料(25.5%)」と続いている。【図3】

【図3】食品購入時に重視するポイント (n=2,173)

【図3】食品購入時に重視するポイント

また、食品の安全性の判断には、「表示されている原材料・成分表示」を参照するという人が65.1%と圧倒的に高く、「生産国・生産地」で判断する人も41.2%となっており、パッケージに表示された内容に基づき判断している割合が高いことがわかる。【図4】

【図4】安全性を判断する項目 (n=2,173)

【図4】安全性を判断する項目

(3) 食品購入時に特に気遣っている点は、「栄養バランス、機能成分」と「自宅での食品管理」。

食品を購入する際に、「栄養バランス、機能成分」に気をつかっている人が69.2%と最も高かったが、「自宅での食品管理(冷蔵庫の容量や機能による制限)」を考慮して購入する人も46.4%と多い。【図5】

【図5】食品購入時に気遣っている点 (n=2,173)

【図5】食品購入時に気遣っている点

2.信頼性とトレーサビリティ

(1) 食品に記載されている内容を「信頼できる」としている人は13.1%と低く、少なからず疑いを持っている消費者が多い。

1-(2)において、「表示されている原材料・成分表示」に基づき安全性を判断している人が最も多かったにもかかわらず、食品に記載されている内容を「信頼できない」、「どちらともいえない」と回答した人は合わせて82.5%にも上り、表示内容を必ずしも信用しているわけではないことがわかる。【図6】。

【図6】食品の記載内容への信頼度 (n=2,491)

【図6】食品の記載内容への信頼度

(2) 「食品のトレーサビリティ」の実現により、食品の安全性が高まると考える人は過半数を超える。

「食品のトレーサビリティ」が実現することで、食品に対する安全性が「高まると思う」と回答した人は54.6%と、トレーサビリティ実現による安全性向上への期待が高いことがうかがえる。一方で、「どちらともいえない」とする回答も30.4%あることから、トレーサビリティ実現による効果の認知向上も課題といえる。【図7】。

【図7】食品のトレーサビリティによる安全性向上 (n=2,491)

【図7】食品のトレーサビリティによる安全性向上

(3) 食品のトレーサビリティが実現したら、食品の生産地を確認したいと思う人は82.0%にもおよび、「肉・魚」、「野菜類」への関心が高い。

トレーサビリティの機能を活用して実際に生産地を確認したいと思う人は82.0%と非常に高く、食品のトレーサビリティの早期実現への期待感が感じられる。【図8】

【図8】トレーサビリティ活用による食品の生産地確認のニーズ (n=2,491)

【図8】トレーサビリティ活用による食品の生産地確認のニーズ

調べてみたい食品は「肉・魚」が55.2%と非常に高く、次いで「野菜類」23.0%、「卵・乳製品」6.0%と続いており、品質保持期限が比較的短い食品の生産履歴への関心が高い。【図9】

【図9】生産地を調べてみたい食品 (n=2,042)

【図9】生産地を調べてみたい食品

生産地を「調べたくない」とする回答も約2割を占めており、その理由として「面倒だから(47.0%)」、「必然性を感じないから(19.6%)」、「信頼性が低いから(16.3%)」などをあげている。多くの消費者の理解を得るためには、生産地確認などのトレーサビリティに関する一連のプロセスを簡易にすると共に、信頼性の向上が求められている。【図10】

【図10】食品の生産地を確認したくない理由 (n=449)

【図10】食品の生産地を確認したくない理由

(4) 食品の安全性向上のために重要なのは「生産者・メーカーの意識の向上」。

食品の安全性を向上させるために最も重要なのは「生産者・メーカーの意識の向上」と考える人が78.9%と非常に高く、生産者の安全性向上のための取り組みに期待が強いことがわかる。かたや「消費者の意識の向上」とする意見も42.9%と高いことから、購買側も食品の安全性に対しての関心を高めるべきとの考えも根付いてきている。【図11】

【図11】食品の安全性向上のために重要な要素 (n=2,491)

【図11】食品の安全性向上のために重要な要素

3.食品の安全性に関する情報源と課題

(1) 食品の安全性に関する情報は、主に「テレビ(報道番組)」と「新聞記事」から得ている。生産者側からのさらに多面的な情報発信が望まれる。

食の安全性に関する情報は「テレビ(報道番組)(70.3%)」と、「新聞記事(48.0%)」から得ているという回答が多く、情報伝達が迅速な報道機関の情報に頼る消費者が多いことがわかる。第三者機関としての報道機関への期待は高い一方で、テレビCM、新聞・雑誌の広告やホームページなど企業側が発する情報への関心は低く、その発信方法や内容について改善の余地があるといえる。【図12】。

【図12】食の安全性に関する情報源 (n=2,491)

【図12】食の安全性に関する情報源

NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。

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