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食の安全に敏感な消費者のアイキャッチ

食の安全に敏感な消費者

トレンド 食べる

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テーマ「食べる」

高まる食品への不安感

2008年は、1月末に明らかになった「中国産冷凍ギョーザ農薬中毒事件」、6月の「ウナギ加工品の産地偽装事件」、9月の「事故米転売事件」、10月の「中国産粉乳や乾燥卵を使った食品からのメラミン検出」など、消費者の食品への不信感、不安感が高まる1年となった。ここに並べた事件だけを見ても、食をめぐる問題は「異物混入」「産地(表示)偽装」「事故米(不適格食品)の流通・販売」など多岐にわたっている。

2008年2月に行われたgooリサーチと読売新聞社の共同調査、「食の安全に関する調査」によると、「食の安全について不安を感じるか」との問いに対して「常に不安を感じる」が19%、「たまに不安を感じる」が67%であった〔図1〕。8割以上の人が毎日口にする食品について不安を感じていることがわかる。これは考えてみれば異常な事態である。

図1 あなたは、食の安全性について不安を感じることがありますか?のグラフ

また、同調査の「具体的にどういう点について不安を感じるか」(複数回答)という質問に対しては、「産地や銘柄が正しく表示されているか」「製造年月日や賞味期限、消費期限が正しく表示されているか」「添加物の有無」「残留農薬の有無」の4項目がいずれも60%を超えている〔図2〕。この結果からも、消費者の不信感はメーカー、流通業者、小売業者など、広範囲に及んでいるらしいことがうかがえる。

図2 不安を感じたことがある人は、具体的にどういう点についてですか?のグラフ

「中国産冷凍ギョーザ農薬中毒事件」以降、消費者の食品に対する不安感は一層の高まりを見せ、特に外国産や輸入による食材、食品に対する不信感となって現れた。2008年5月に日本政策金融公庫が行った「平成20年度第1回消費者動向等に関する調査」で、「輸入品や外国産品を原料とする食品についてのイメージ」(複数回答)を聞いたところ、「安全性に問題」(81.1%)が「安い」(78.5%)を抑えてトップになった。また、中国からの輸入食品に対しては90.3%の人が「安全性に問題がある」と答え、前回調査(2007年2月)の76.8%を大幅に超えている。

消費者の「安全志向」。その中味は

食品に対する不安感、不信感が高まった結果、消費者の購買行動は、何かと問題を指摘されることが多い輸入食品をひかえて、「なるべく国内産を購入する」(69%)につながっているようだ(前出・gooリサーチと読売新聞社共同調査より)。

gooリサーチが2008年6月末に行った「食料品に関するアンケート」で、「食品に関するテーマやトピックス」について聞いたところ、知名度・認知度が最も高かったのは「メタボリック・シンドローム」(98.1%)だったが、関心の高さでは2位に「メタボリック・シンドローム」(70.0%)が入ったものの、1位「地産地消」(74.1%)、3位「トレーサビリティ」(68.0%)、4位「食育」(65.7%)という結果になっている。

「地産地消」は生産者の顔が見える食品であり、「トレーサビリティ」はいつどこで誰がつくり、加工したかがわかる(追跡可能な)食品である。いずれも入手するまでの食べ物の流れがわかるものを意味することから、そういう食品を食べたいという意識の現れだと考えられる。また、4位になった「食育」には、健全な食生活を実践できる人間を育てるという意味がある。将来の消費者となる子供への教育と同時に、消費者にも自らの知識で食品の安全を見極めたいとの思いがあって関心を持つ人が多いようである。

図3 食品に関するテーマやトピックスに対する知名度・認知度のグラフ

図4 食品に関するテーマやトピックスに対する関心の高さのグラフ

「安全志向」と「価格重視」のバランス

消費者側の食品への安心・安全志向の高まりに対して、食品業界や監督官庁ではさまざまな法律や制度を導入している。1950年に制定されたJAS法は、1999年の改正で消費者に販売されるすべての食品に表示が義務づけられ、2005年6月に以前は省令に書かれていた登録基準が法律に明記されるように改正された。2003年に制定された食品安全基本法では、「食品の安全性の確保に関する施策を総合的に推進」するとしている。また、「トレーサビリティ」「有機JAS認証制度」「特別栽培農産物」「HACCP」などの食品流通の特定、食品の認証・製造管理制度の導入も行っている。

ただし残念ながら、安全志向を標榜する消費者に、法律や制度の内容があまり知られていない。前出の日本政策金融公庫の調査で、「有機JAS認証」「特別栽培農産物」「都道府県認定食品」「地域ブランド(特許庁)など各種認証に対する認知度を調べたところ、「知っている」と答えた人は、いずれも50%に達していない〔図5〕。食品に対する不安感や不信感が増大している今こそ、業界や監督官庁はその安全に対する取り組みや施策を幅広く周知し、消費者にその意義を伝える活動を積極的に行う必要がありそうだ。

図5 各種認証に対する認知度のグラフ

また興味深いのは、各種認証制度を受けた食品が、認証を受けていない国産の食品よりも高い場合に購入するかを調べたデータである(図6)。いずれの認証制度を取得した食品に対しても、国産の食品と「同じ価格なら選ぶ」「認証の有無にこだわりはない」とする人が50%以上。つまり、高くても認証品を選ぶという人は半数にも満たないという結果が得られたのである。制度に対する理解度が浸透していないことが背景にはあると思われるが、不況感が増している中、消費者の「安全志向」と「価格重視」は今後どのようなバランスをとっていくのか気になるところだ。

図6 国産品から値上がりした場合、「認証を取得した食品」を選びますか?のグラフ

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