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大学のオープン化に関する調査結果(2015)

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MOOCの利用意向が経年的に上昇、講座内で直接的コミュニケーションを望む姿勢が高まる

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NTTコム リサーチ と 日本オープンオンライン教育推進協議会 による共同企画調査

お知らせ 2015年11月17日

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社

大学のオープン化に関する調査結果

~MOOCの利用意向が経年的に上昇、
講座内で直接的コミュニケーションを望む姿勢が高まる~

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本 良江、以下NTTコム オンライン) は日本オープンオンライン教育推進協議会事務局長 福原美三らと共同で「大学のオープン化に関する調査」を実施いたしました。

本調査は毎年実施しており、今回は9回目の実施となります。NTTコム オンラインが運営するインターネットアンケートサービス「NTTコム リサーチ」(旧 gooリサーチ)(*)の登録モニターのうち全年代の方を対象に調査を実施し有効回答者数は1228名でした。

総括

2012年にアメリカで複数立ち上がった「オンラインで公開された無料の講義を受講し、修了条件を満たすと修了証を取得できる」MOOC(Massive Open Online Courses 大規模公開オンライン講座)という教育サービスの取り組みが、昨年から国内でもスタートした。その認知度や利用意向率は年々上昇し、この取り組みへの好評価は約9割に上る。

学習したい分野として、男性は「歴史」の他、「経済学&金融」「ビジネス&マネジメント」等の実務系が強く、女性は「心理学」をはじめ、「音楽・映画」「栄養学」等の幅広い生活密着系に人気が集まっており、なかでも、健康への関心が高い傾向が読み取れた。なお、20〜40代のキャリア世代についてみると、男女ともに「経済学&金融」「ビジネス&マネジメント」への希望が強いことが伺えた。

日本独自の取り組みである“反転学習”(対面学習)には、受講したい層が約7割に達するほか、「MOOC」での学習の際に、ネット上で意見交換・質問などのやりとりをする「場」を必要とする意見が7割にも達している。これら意見は着実に増加していることから、直接的なコミュニケーションへの希望やソーシャルラーニングとしての必要性が高まってきていることが伺える。

また、受講後に得られる修了証の認定については、「勉強するモチベーションが上がる」ほか、「自己PRになるから」「就職・就学に有利になるから」等の理由で今後のアドバンテージにと考える層が目立った。

調査概要

1. 調査対象 「NTTコム リサーチ」登録モニター
2. 調査方法 非公開型インターネットアンケート
3. 調査期間 平成27年9月1日(火)~平成27年9月28日(月)
4. 有効回答者数 1228名
5. 回答者の属性 【年代】
・男性
10代:6.2%、20代:8.6%、30代:8.8%、40代:8.5%、50代:8.6%、60代以上:8.7%、
・女性
10代:8.1%、20代:8.3%、30代:8.8%、40代:8.5%、50代:8.6%、60代以上:8.4%

【職業】
会社員:30%、公務員・団体職員:5.3%、自営業:6.6%、学生:14.2%、
アルバイト・パート:13%、専業主婦・主夫:16.9%、無職:11.9%、その他:2.2%

調査結果のポイント

(1) MOOC利用意向率は年々上昇、学習場所は自宅や学校、交通機関など、様々な場所での活用が進む

大学の講義をベースとして無償オンライン講座の形で提供され、修了条件を満たした学習者には修了証が発行されるこのサービスには、年々利用意向率が上昇している。利用経験者と意向者を合わせると今回57%と半数以上に達しており、2年前から約5%ずつ増加を続けていることからも、MOOCの今後の成長に対する期待が伺える。

また、MOOCを主に学習する「場所」として、自宅が61.5%、その他の場所が68.8%(複数回答可)と、自宅以外が上回り、その内訳として学校39%、交通機関23%、会社20%など様々な場所を学習に充てている。それに伴い、利用端末もパソコンの他に、タブレット端末やスマートフォンなど、モバイル学習が進行していることが伺える。

(2) MOOCで学習したい分野は男性が「歴史」や実務系、女性は「心理学」や生活密着系が人気。キャリア世代、フルタイム就労者はビジネス系分野に人気が集まる

男性は「歴史」が、女性は「心理学」がそれぞれ多くの年代で人気が高い。20~40代のキャリア世代については男女ともに「経済学&金融」「ビジネス&マネジメント」への希望が強いが、それ以外の男性全般では「情報、テクノロジー&デザイン」「コンピュータサイエンス」などの実務系、女性は広く生活密着系の分野に人気があるが、なかでも「栄養学」「予防医学」「健康&社会」など、健康への関心が高いことが伺えた。

職業別では、会社員や公務員、自営業などの就労者では「経済学&金融」の人気が最も高く、パートや学生、主婦などの非就労者には「心理学」「音楽、映画」「健康&社会」などの生活につながる分野への人気が高い傾向がわかる。「歴史」は職業別、男女別いずれにおいても人気が高いことが特徴として見られる。

(3) 学習に於けるコミュニケーションの「場」の必要性や「反転学習」受講希望に高い割合。「修了証」の発行は受講モチベーションの維持に有効

日本版MOOCの特徴でもある反転学習(対面学習)に対し、受講希望層は約7割と高く、「分からないことを直接先生に質問できる」など、直接的なコミュニケーションを望む姿勢が高まっていることが伺える。また、MOOC利用時において、ネット上で意見交換・質問などをする場を「必要」とする意見が年々高まり、今年も約7割に達していることから、ソーシャルラーニングとしての必要性が高まってきていることが伺える。

講座受講後、修了条件をクリアすることで発行される修了証については、「勉強するモチベーションが上がる」の他、「自己PRになるから」「就職・就学に有利になるから」など、今後のアドバンテージにと考える層が目立ち、反転学習と合わせ、学習継続への動機付けとなっていることがわかった。

<本件に関するお問い合わせ先>

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
リサーチ&CRM本部
TEL: 03-4330-8402
URL: http://www.nttcoms.com/
メールアドレス:research-info@nttcoms.com

《 補足 》

(*1) NTTコム リサーチ(旧gooリサーチ) http://research.nttcoms.com/
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(http://www.nttcoms.com/)が提供する高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。自社保有パネルとしては国内最大級のモニター基盤(2014年10月現在 217万会員)を保有するとともに、「モニターの品質」「調査票の品質」「アンケートシステムの品質」「回答結果の品質」の4つを柱とした「クオリティポリシー」に基づく徹底した品質確保を行い、信頼性の高い調査結果を提供するインターネットリサーチとして、多くの企業・団体に利用されています。なお、2013年12月9日に、モニター基盤の拡大を機にサービス名称を「gooリサーチ」から「NTTコム リサーチ」と名称を変更し、サービスを提供しています。

調査結果データ

(1) MOOC(大規模公開オンライン講座)の認知・利用経験・利用意向

海外では既に活動が盛んであり、昨年から国内でも主要大学を中心に取り組みがスタートしているMOOC(Massive Open Online Courses インターネット上での大規模公開オンライン講座)であるが、その取り組みについて、「良い」と評価する層が合わせて9割近くを占め、高い割合を維持していることがわかる。【図1-1】

また、MOOCの認知や利用意向を確認したところ、認知度は「知っている」が10%台と依然として少ないが、「名前を聞いたことがある」が昨対約2倍の21%に上昇した。一方、「知らない」は66%と、昨年調査の79%より大幅に下がっており、認知度が年々上昇している。【図1-2】

MOOCの利用については、利用経験者は未だ2~3%と、大半で利用経験がないものの、今後の利用意向については、「利用したいと思う」が「利用したくないと思う」を逆転した昨年以降、利用意向率が上昇を続けており(利用経験者・意向者 前回時:52% 今回:57%)、MOOCの今後の成長に対する期待が伺える。【図1-3】

【図1-1】MOOCの取り組みの評価(N=1228)

【図1-1】MOOCの取り組みの評価のグラフ

【図1-2】MOOCの認知度(N=1228)

【図1-2】MOOCの認知度のグラフ

【図1-3】MOOCの利用経験・利用意向(N=1228)

【図1-3】MOOCの利用経験・利用意向のグラフ

(2) MOOCを学習する場所について

MOOCを主に学習する場所については、自宅が61.5%、その他の場所が68.8%と拮抗しているものの自宅以外での学習の割合が多くなった。その内訳としては、図に示すとおり会社、学校、交通機関、飲食店、図書館など、思い思いの場所での学習スタイルが見られ、パソコンだけでなくタブレット端末やスマートフォンを利用してのモバイル学習が進行していることが伺える。

【図2】MOOCを主に学習した場所(複数回答 N=29)

【図2】MOOCを主に学習した場所のグラフ

【図2】MOOCを主に学習した場所 自宅以外の内訳

【図2】MOOCを主に学習した場所 自宅以外の内訳のグラフ

(3) MOOCで学習したい分野についての希望

学習したい分野の調査結果は、昨対比でTOP10入りの分野に変動はなかった。なかでも上位4分野(心理学、歴史、音楽・映画、経済学&金融)に希望が集中した結果となった。

【図3-1】学習したい希望分野(全体)(複数回答 N=822)

【図3-1】学習したい希望分野(全体)のグラフ

■性年代別の希望分野について

男女別では、男性は「歴史」が、女性は「心理学」が人気であり、それ以外では、男性は実務系、女性は生活密着系の分野に人気が集まっている。

性年代別でみると、キャリア世代でもある20~40代の男女ともに「経済学&金融」「ビジネス&マネジメント」への希望が強い。その他男性の傾向としては、「情報、テクノロジー&デザイン」「コンピュータサイエンス」などの情報科学分野が強く、一方女性は、「音楽・映画」「芸術」「歴史」など幅広い分野に関心が集まる中でも、男性にはあまり傾向が見られない「栄養学」「予防医学」や「健康&社会」など、健康への関心が強いことが伺えた。

【図3-2】学習したい希望分野(性年代別)

【図3-2】学習したい希望分野(性年代別)の表

■職業別の希望分野について

職業別では、社会人層とそれ以外とで異なる傾向が見られ、会社員や公務員、自営業など就労者 には「経済学&金融」の人気が最も高く、パートや学生、主婦などの非就労者には、「心理学」「音楽、映画」などの生活系の分野に人気が集まる傾向がわかる。また、「歴史」はどの職種においても人気が高いことが特徴として見られた。

【図3-3】学習したい希望分野(職業別)

【図3-3】学習したい希望分野(職業別)の表

(4) 日本独自の講師対面による「反転学習コース」の受講意向

日本版MOOCの独自の取り組みとして、講師から直接授業を受けられる対面型の「反転学習コース」(有料)が約4割の講座で提供されている。

昨対では、反転学習(対面学習)への強い受講希望者は減少したものの、受講希望層全体では約7割と高い割合を示しており、微増だがポジティブな層が増え、積極的な姿勢が伺える。【図4-1】

また受講希望理由も、「先生から直接講義が受けられる」という単に大学で授業を受けることに価値を見出すだけではなく、「分からないことを直接先生に質問できる」「同じテーマに興味を持つ受講生と議論ができる」などの、直接的コミュニケーションを望む姿勢が高まっていることが伺える。【図4-2】

【図4-1】「反転学習コース」の受講意向(N=32)

【図4-1】「反転学習コース」の受講意向のグラフ

【図4-2】「反転学習コース」を受講したい理由(N=22)

【図4-2】「反転学習コース」を受講したい理由のグラフ

「MOOC」を利用する場合に、ネット上で意見交換・質問などをする「場」が必要かどうかについては、「必要」とする意見が今回調査では7割に達し、年々高まる傾向が見られる。ネット上でのやり取りを求める割合が着実に増加していることから、ソーシャルラーニングとしての必要性が高まってきていることが伺える。

【図4-3】「MOOC」を利用する場合、ネット上で意見交換・質問をする場が必要か(N=706)

【図4-3】「MOOC」を利用する場合、ネット上で意見交換・質問をする場が必要かのグラフ

修了認定を必要とする理由としては、「勉強するモチベーションが上がる」ことを求める層が最も多く、学習継続への動機付けになっている。また、「自己PRになるから」「就職・就学に有利になるから」など、今後のアドバンテージにと考える層が目立っている。

【図4-4】修了証の認定を必要とする理由(複数回答 N=554)

【図4-4】修了証の認定を必要とする理由のグラフ

この調査結果の単純集計を無料にて提供しています。

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