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「光コラボレーションモデル」に関する調査結果

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「それほど安くならない」と厳しい声もあるが、新しい付加価値とのコラボへの期待も大

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報道発表資料 2015年6月9日

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社

NTTコム リサーチ結果 (No.226)

「光コラボレーションモデル」に関する調査結果

~「それほど安くならない」と厳しい声もあるが、新しい付加価値とのコラボへの期待も大~

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本 良江)が運営するインターネットアンケートサービス「NTTコム リサーチ」(旧 gooリサーチ)(*)は、登録モニターのうち、全国18歳以上男女を対象に、「光コラボレーションモデル」について調査を実施しました。有効回答者数は2,188件でした。

総括

これまで、NTT東日本/NTT西日本が「フレッツ光」のブランド名で自社販売を行っていた光ファイバーサービスを、卸売り提供する「光コラボレーションモデル(以下、光コラボ)」が2015年2月からスタートした。これにより、さまざまな事業者が自社サービスと光ファイバーをセットにしたプランの提供を開始している。

代表的なコラボモデルは、NTTドコモやSoftBankといった携帯キャリアによるスマートフォンとのセット割引や、ISP(インターネットサービスプロバイダ)による光ファイバーとプロバイダのセット割引だ。その他、格安スマホや格安SIMとの割引も続々と登場し、従来より安価な料金設定で光ファイバーが利用できるようになっている。

ユーザーにとっては、一気に光ファイバーサービスが増え、選択の幅が広がったといえるが、この状況をユーザー自身はどのようにとらえているのか。サービス開始後3ヶ月時点での意識調査を行った。

結果、主に携帯キャリアによるプロモーション効果で「ドコモ光」「SoftBank光」といったブランド名の認知は広がっているが、光コラボを詳しく認識しているのは1割に満たなかった。

現時点で光コラボを利用している(申込んでいる)のは5%程度。「インターネット料金が安くなる」点に魅力を感じて申込んでいる一方で、実際に利用してみると「それほど安くならない」といった厳しい声もあげられた。ユーザーの大半は現状に不満がなく、変更手続きが必要な割には思ったより安くならない光コラボの利用意向は想定より高くない、というのが今の実態だ。

ただ、光コラボ事業者は今のところ携帯キャリアやISPといった通信系事業者に偏っている。さらに、提供プランのほとんどは料金メリットをうたったもので、必然的にユーザーの判断基準も価格重視となっている点は否めない。今後、NTT東西が本来目指している新しい付加価値とのコラボレーションモデルが誕生し、価格以外の判断基準で光ファイバーを選べるようになると利用意向も増加するのではないか。ユーザーは「自分にとってメリットのあるコラボレーションなら検討したい」と考えていることもわかっており、今は光コラボを検討していないユーザーの中には、「まだ始まったばかりで様子を見て考えたい」、「待っていれば他にも良いサービスが出そう」という期待の声もある。価値観の多様化した現代で、今後、どのようなコラボレーションモデルが登場するのかに注目したい。

調査結果のポイント

(1) 光コラボ、「聞いたことがある」まで含めた認知率は6割弱。

光コラボを「詳しく知っている」のは全体の5.8%。「なんとなく知っている」(27.4%)、「聞いたことがある程度」(25.5%)まで含めた認知率は58.6%。認知経路は「テレビCM」がトップで、「ドコモ光」や「SoftBank光」ら大手通信キャリアが大々的なプロモーションを行っている効果で、ブランド名の認知が広まっている。

(2) 光コラボ利用者、利用意向者を合わせても1割未満。7割が「検討意向なし」「様子見」の不動層。

光コラボの利用率は、「利用している」(1.9%)と、「既に申込を済ませている」(2.5%)を合わせて4.4%。「半年以内に検討したい」と回答した利用意向者は5.8%にとどまる。現時点で検討意向がない人が43.8%で大半を占めており、様子見としている人も30.7%となった。

(3) 「OCN光」、「ドコモ光」、「SoftBank光」が人気。利用意向者の半数が「ドコモ光」を検討している。

光コラボ利用者が選んだコラボ事業者は「OCN光」がトップ。2位「ドコモ光」、3位「SoftBank光」の順。これから利用したいと考えている人が検討しているのは「ドコモ光」がトップ。2位「OCN光」、3位「SoftBank光」。

(4) 「インターネット月額料金が安くなる」点に魅力を感じて申込んだが「それほど安くならない」と厳しい声。

光コラボを利用しようと思った理由のトップは「インターネットの月額料金が今より安くなる」で75.9%を占め、2番目以降の理由を大きく引き離した。一方、利用にあたって不満な点、検討時に不安だった点では「手続きが面倒」(33.5%)「結局、それほど安くならない」(32.4%)といった厳しい声が上位にあげられた。

(5) 半数は「現状に満足」しているため利用意向がない。

現時点で光コラボを検討していない理由は、第一に「現状に不満がないから」(53.7%)。以降、「それほど安くならなそうだから」(23.0%)、「手続きが面倒だから」(20.9%)が続く。

(6) 半数は、今後「自分にとってメリットのあるコラボレーション」があれば検討したいと考えている。

現時点では利用意向はないが「自分にとってメリットのあるコラボレーション」であれば検討すると回答した人が52.7%と半数にのぼる。メリットについては「価格が安く品質が良い」という意見が大半を占めたが、中には「ポイントプログラムとの提携」、「公共料金の割引」、「ガソリンや交通機関との連携」といったコラボを望む声もあった。

調査概要

1. 調査対象 「NTTコム リサーチ」登録モニター
2. 調査方法 非公開型インターネットアンケート
3. 調査期間 平成27年5月14日(木)
4. 有効回答者数 2,188名
5. 回答者の属性 【性別】
男性:62.3%、女性:37.7%

【年代】
18-29歳:4.4%、30-39歳:16.8%、40-49歳:28.5%、50-59歳:27.7%、60-69歳:16.7%、70歳以上:5.9%

《 補足 》

■「NTTコム リサーチ(旧gooリサーチ)」 http://research.nttcoms.com/
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(http://www.nttcoms.com/)が提供する高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。
自社保有パネルとしては国内最大級のモニター基盤(2015年5月現在 217万会員)を保有するとともに、
「モニターの品質」「調査票の品質」「アンケートシステムの品質」「回答結果の品質」の4つを柱とした
「クオリティポリシー」に基づく徹底した品質確保を行い、信頼性の高い調査結果を提供するインターネットリサーチとして、多くの企業・団体に利用されています。
なお、2013年12月9日に、モニター基盤の拡大を機にサービス名称を「gooリサーチ」から「NTTコム リサーチ」と名称を変更し、サービスを提供しています。

【本件に関するお問い合わせ先】

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
リサーチ&CRM本部 中田
TEL: 03-4330-8402
URL: http://www.nttcoms.com/
メールアドレス:research-info@nttcoms.com

調査結果データ

(1) 光コラボ、「聞いたことがある」まで含めた認知率は6割弱。

「光コラボ」を「詳しく知っている」のは全体の5.8%。「なんとなく知っている」(27.4%)、「聞いたことがある程度」(25.5%)を含め、認知率は58.6%で、全体の約6割が認知している結果になった。【図1】

認知率を年代別でみると、僅差ではあるが、若年層のほうが「詳しく知っている」人が多く、年代があがるほど「なんとなく知っている」「聞いたことがある程度」の人が増える傾向がある。【図2】

すでにサービスを開始している「ドコモ光」や「SoftBank光」などがマスメディアを利用して大々的にプロモーションを行っており、その影響で「詳しく知らないが、名前だけ聞いたことがある程度」の人が多いと考えられる。認知経路ではそれを裏付けるように「テレビCM」が37.7%を占めた。現状の認知は、光コラボの仕組みを理解しているというより、「ドコモ光」や「SoftBank光」といったブランド名を認知していると置き換えて良いだろう。【図3】

【図1】光コラボ認知率<SA>(対象:全員)

【図1】光コラボ認知率<SA>(対象:全員)

【図2】年代別:光コラボ認知率<SA>(対象:全員)

【図2】年代別:光コラボ認知率<SA>(対象:全員)

【図3】光コラボ認知経路<MA>(対象:認知している人)

【図3】光コラボ認知経路<MA>(対象:認知している人)

<参考>光コラボレーションモデルについて

光コラボレーションモデルとは、NTT東日本・NTT西日本が提供する光ファイバーサービス「フレッツ光」を他の事業者が借り受け、オリジナルの料金やサービスを再販する形態の光ファイバーサービスのことをいいます。

光ファイバー(インターネット回線)の信頼性や速度はNTTの「フレッツ光」のまま、それぞれの事業者が自社オリジナルのサービスと組み合わせて提供することができるようになり、様々な事業者が新しい光ファイバーサービスを提供しはじめています。

【光コラボ事業者の一例】

ドコモ光、SoftBank光、OCN光、So-net光コラボレーション、U-NEXT光、excite光、ビッグローブ光、IIJmioひかり、TSUTAYA光、hi-hoひかり、ぷらら光 等続々と増えています。

(2) 光コラボ利用者と利用意向者を合わせても1割未満。7割が「検討意向なし」「様子見」の不動層。

調査実施時点(2015年5月14日)で、光コラボを利用しているのは1.9%、既に申込を済ませているのは2.5%で、この2つを足し合わせた利用率は4.4%。また、見込み利用者である「半年以内に利用を検討したい」と回答した5.8%とあわせても、利用規模は全体の1割弱だった。

現時点では、「検討するつもりはない」(43.8%)、「様子見」(30.7%)で、不動層が7割以上を占めており、今後の動向に注目したい。【図4】

【図4】光コラボ利用意向<SA>(対象:全員)

【図4】光コラボ利用意向<SA>(対象:全員)

光コラボの利用状況をNTT東日本/西日本それぞれのエリアで比較したところ、NTT東日本エリアの方が利用率も利用意向もわずかに高い結果が出た。

この背景には、東日本と西日本で光ファイバーの市場価格が大きく違うことが影響していると考えられる。光ファイバーの需要が鈍化しつつある東日本では概ね月額5,000~6,000円で提供されているが、電力系通信事業者との競争が激しく、需要も伸長している西日本では月額4,000円台が主流となっている。市場を取り巻く環境の違いで、西日本地域では光コラボのコストメリットが出にくい状況になっているのではないだろうか。【図5】

【図5】NTT東日本/NTT西日本別:光コラボ利用意向<SA>(対象:全員)

【図5】NTT東日本/NTT西日本別:光コラボ利用意向<SA>(対象:全員)

(3) 「OCN光」、「ドコモ光」、「SoftBank光」が人気。利用意向者の半数が「ドコモ光」を検討している。

現時点で光コラボを利用している人(申し込んだ人)が選んだ事業者は、「OCN光」がトップで、2位に「ドコモ光」、3位に「SoftBank光」が続く。【図6】

一方、半年以内に利用したいと考えている人が検討している事業者では、「ドコモ光」がトップで、2位に「OCN光」、3位が「SoftBank光」の順となった。【図7】

現時点では、各コラボ事業者が自社サービス利用者のうち「フレッツ光」を利用している人の「転用(フレッツ光利用者が簡易な手続きでコラボ事業者に乗り換えができる仕組み)」を積極的に推進していることもあり、「フレッツ光」利用者を多く抱えるISP事業者であるOCN光が効率よく利用者の獲得に成功しているのではないだろうか。

【図6】利用している/申し込んだコラボ事業者<SA>(対象:光コラボ利用者、申込者)

【図6】利用している/申し込んだコラボ事業者<SA>(対象:光コラボ利用者、申込者)

【図7】利用を検討しているコラボ事業者<MA>(対象:半年以内利用検討者)

【図7】利用を検討しているコラボ事業者<MA>(対象:半年以内利用検討者)

(4) 「インターネット月額料金が安くなる」点に魅力を感じて申込んだが「それほど安くならない」と厳しい声。

光コラボを利用している人、申込を済ませた人に利用理由を尋ねたところ、「インターネットの月額料金が今より安くなるから」と回答した人が75.9%を占め、2番目以降の「スマホが割引になる」等の理由を大きく引き離す結果となった。

光ファイバーサービスである以上、インターネットの月額料金にメリットが出るかどうかが大前提ということだろう。

ただ、現在のコラボ事業者のラインナップが、携帯キャリアやISPといった通信事業者が多くを占め、通信料金のコストメリットを訴求しているため、ユーザー側も価格メリットで判断するしかない状況ともいえる。【図8】

【図8】光コラボを利用しようと思った理由<MA>(対象:利用者、申込者、半年以内利用検討者)

【図8】光コラボを利用しようと思った理由<MA>(対象:利用者、申込者、半年以内利用検討者)

一方、光コラボを申し込むにあたり不満に感じた点や検討していて不安に感じた点については、「手続きが面倒」(33.5%)、「結局、それほど安くならない」(32.4%)といった声があげられており、「料金メリット」に魅力に感じて利用を決めたものの、実際にはそれほどコストメリットを感じられないといった厳しい評価もあるようだ。【図9】

また、不満点、不安点として挙げられた項目の中には「回線が不安定になりそう」といった誤解も含まれている。ユーザーに対し、納得のゆく説明や誤解の生じないアナウンスにも注意を払う必要があるといえる。

【図9】光コラボの利用申込にあたり不満に感じた点、検討時に不安に感じた点<MA>
(対象:利用者、申込者、半年以内利用検討者)

【図9】光コラボの利用申込にあたり不満に感じた点、検討時に不安に感じた点<MA>(対象:利用者、申込者、半年以内利用検討者)

(5) 半数は「現状に満足」しているため利用意向がない。

現時点で、光コラボを検討していない、様子を見ている理由は、第一に「現状に不満がないから」(53.7%)。次に「それほど安くならなそうだから」(23.0%)、「手続きが面倒だから」(20.9%)が続いた。現状に不満がなく、それほどコストメリットがなさそうなので、手続き障壁を乗り越えて利用しようと考える人はまだ少ない、というのが今の実態のようだ。

しかし、中には、「まだ始まったばかりでどうなるのか様子をみて考えたい」「待っていれば他にも良いサービスが出そう」といった期待の声もあることから、今後、光コラボ利用者を増やすためには、コストメリットはもちろん、新しい付加価値を提供していく必要がありそうだ。【図10】

【図10】現時点で光コラボを検討していない理由<MA>(対象:様子見、検討意向なし)

【図10】現時点で光コラボを検討していない理由<MA>(対象:様子見、検討意向なし)

(6) 半数は、今後「自分にとってメリットのあるコラボレーション」があれば検討したいと考えている。

現時点では、現状に不満がなく、光コラボへの乗り換えを検討するつもりがない人が9割を占めるが、今後の意向はどうだろうか。「自分にとってメリットのあるサービスとのコラボレーションだったら検討する」と回答した人が52.7%。「どんなコラボレーションでも検討しない」人は12.6%。【図11】

では、メリットのあるサービスとはどのようなものなのか。自由に書いてもらったところ、回答のほとんどが、「価格が安いこと」、「価格が安く品質が良いこと」に集中した。「価格」は外せない要素であるが、それ以外でユーザーのメリットとなるもの、魅力となる付加価値とは何か。ピックアップしたコメントの中には「ポイントプログラムとの提携」や「電気、ガス、水道等の公共料金」、「ガソリンや交通機関」とのコラボを望む声もあった。今後、どのような付加価値サービスとのコラボレーションモデルが登場していくのか注目していきたい。【図12】

【図11】光コラボの可能性<SA>(対象:光コラボ利用者以外)

【図11】光コラボの可能性<SA>(対象:光コラボ利用者以外)

【図12】メリットのある、魅力的なコラボレーション例(任意自由回答抜粋)

手続きや設定に手間暇がかからず、料金が安いもの。通信速度が変わらないもの。
利用料金が安くなること。拘束期間が短いこと。ADSLより安くなるとよい。
手続きや設定に手間暇がかからず、料金が安いもの。通信速度が変わらないもの。セキュリティがついているもの。
通信やネット系以外とのコラボだったら検討するかも。例えば電気料金の割り引きが受けられるなど。
電気代などが割引。電気、ガス、水道料金。
こみこみ(固定電話/インターネット/テレビ/携帯/ガス/電気)で割引適用されるようなサービス。
加入しているポイントとの連携があれば検討する。
何かのポイントがたまる(マイレージ等)。
既存のポイントプログラムとのコラボ。
各コンビニのポイントが自動でキャッシュバックされる
テレビ番組と他の通信との融合。動画配信とセット。
モバイルWifiと光ファイバ-の回線の組み合わせプラン。SIMフリーとのセット。
ガソリンを沢山入れるとネットがタダになる。電車料金とのコラボレーション。

この調査結果の単純集計を無料にて提供しています。

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