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人気の高いコンパクトカーとミニバン

1966年に228万9665台だった日本の乗用車保有台数は、40年後の2006年には5709万7670台と25倍に膨れあがり、普通免許保有者数も7879万8821人に上る(自動車検査登録協力会、警察庁調べ)。国民の2人に1人が運転免許を持ち、マイカーを所有する現代、暮らしに欠かせないアイテムとなったクルマには、今どのような傾向があるのだろうか。

図1 新車乗用車販売台数ランキング

(社)日本自動車販売協会連合会によると、2006年4月から2007年3月までの1年間に最も売れた新車乗用車は、トヨタの「カローラ」で販売台数14万7874台。次いでトヨタの「ヴィッツ」で12万2733台、ホンダの「フィット」で9万6598台となり、コンパクトカーがトップ3を独占する圧倒的な人気だ(図1)。販売台数は多いものの前年比減となったヴィッツやフィットとは対照的に、前年比64.9%増で大躍進した4位のトヨタ「エスティマ」をはじめ、日産「セレナ」、トヨタ「ウィッシュ」など上位30位の約半数をミニバンが占めている。読売新聞とgooリサーチが共同で実施した「新型車に関するアンケート」でも「主に使っているクルマのタイプ」の1位に選ばれていることから、ミニバン人気は根強いことがわかる(図2)。

図2 主に使っている車のタイプ

コンパクト&ミニバン全盛の理由には使い勝手の良さと経済性、居住性にありそうだ。かつてクルマといえばステイタスの証であり、デザインや高級感のあるセダンが主流だった。それがバブル期に趣味性の高いクーペに人気が集まり、やがてバブル崩壊とともに実用性、経済性のある軽自動車へと移行。現在は実用性に加えてより空間が広く、さまざまな用途に使えるコンパクトカーへ、そしてファミリーカーとしてのミニバンへと人気が移り変わっているようだ。

高まるエコロジ−意識

決してセダンの人気が失われたわけではない。図3をみると2005年度下半期に発売された新型国産車の中で最も好きなクルマとして、人気のミニバンやコンパクトカーを抑えて、トヨタのセダン「レクサスGS450h」がナンバー1に選ばれている。8位にはホンダの「シビック ハイブリッド」がランクインしたが、いずれも低燃費で排気ガス量の少ないセダンのハイブリッドカー。ガソリン価格の上昇による低燃費志向や地球環境への関心から、近年はクリーンカーに大きな注目が集まっている。

図3 新型国内車で好きなクルマ

ハイブリッドカーは1997年にトヨタの「プリウス」が発売されたのを機に普及が広がっている。gooリサーチの調べによると、企業や団体で所有されている社用車のうち1割がハイブリッドカーを採用しており、環境に配慮した企業としてのイメージアップに一役買っているようだ。しかし、世界的にみるとクリーンカーと言えば「ディーゼル乗用車」が主流で、ガソリン車に比べて2割ほどCO2を削減できるのがウリ。実際にヨーロッパで販売されている新型車の約半数はクリーンディーゼル乗用車だ。日本では「燃費が悪い」「大気汚染に悪影響」などといったマイナスイメージが依然根強いが、日刊工業新聞とgooリサーチの共同調査で46%の人がクリーンディーゼルを「購入してみたい」と答えていることから、今後は日本でもシェアが拡大する可能性は高い。

また、エコ意識は車種選びだけでなく、乗る期間にも表れているようだ。ガリバー自動車流通研究所の「バリューカーイメージ調査」によると、6年以上同じクルマに乗っている人は全体の半数を占め、「10年以上乗っている」と回答した人が18%で最多となった (図4)。車検ごとに乗り換えるのではなく、同じクルマに長く乗る、ヨーロッパで多く見られる「乗りつぶし」型のドライバーが日本でも増加しているようだ。

図4 今までで一番長く乗ったクルマには何年乗ったか

渋滞解消とカーアクセサリーの充実

クルマを単なる交通手段だけでなく、室内空間やドライブそのものを楽しむドライバーが増えてきた。そのため最近では、カーアクセサリーに力を注ぐメーカーも少なくない。特に自動車メーカー各社が開発に力を入れているのがカーナビだ。新規開通の高速道路や設定エリアの最新情報をスピーディに更新し、地図の精度を上げたトヨタや、ヤフーと提携してグルメ情報を無料配信する日産、車上荒らしなどの犯罪情報を配信するホンダなど、生活に役立つ独自コンテンツで差別化を図っている。

また、渋滞解消を目的に2001年に導入された自動料金収受システム「ETC」は、スタート時には利用台数が1日5万台だったが、2007年3月には1日537万台と飛躍的に伸び、利用率は65%を突破(図5)。ETC搭載車は1684万台にのぼっている。ドライバーを悩ませている交通渋滞についても、ETC利用率の高まりと反比例して減少しており(図6)、CO2削減にも効果を発揮していると言えそうだ。

図5 本線料金所を先頭とした渋滞状況(首都高速)

図6 ゴールデンウィーク時期の渋滞状況

さらに2006年10月からは仙台やつくば、豊田など全国18カ所で新たな地域名表示ナンバー、いわゆる「ご当地ナンバー」がスタート。地元の街名入りの新しいプレートを掲げてドライブを楽しむ人も多いだろう。時代の流れを受け止め、新たなムーブメントを生み出し、クルマを取り巻く環境は常に変化し続けている。これからのクルマは私たちにどんな楽しみをくれるだろうか。

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