報道発表資料 平成18年3月9日
gooリサーチ結果 (No.106)
第1回ブロードバンドコンテンツ利用実態調査
~無料のインターネット動画配信利用率は34.4%と3人に1人が利用~
国内最大級のインターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」(*1)を共同で提供するNTTレゾナント株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:資宗 克行)と株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 田中 將介)は「gooリサーチ」登録モニター及びgooユーザを対象に「第1回ブロードバンドコンテンツ利用実態調査」を実施しました。
有効回答者数45,441名のうち、92.5%の大多数がブロードバンド回線(ADSL,FTTH,CATVインターネット)を利用しており、ブロードバンド環境の浸透度の高さがうかがえます。また、全体の34.4%と3人に1人が無料のインターネット動画配信を視聴しており、今後の継続意向者が約9割を占めるなど、サービスの定着化が進むことが予想されます。さらに、無料のインターネット動画配信について利用意向があるものの現在利用していない層においてサービスとしての認知度が低いことから、事業者側のプロモーション強化により、今後のサービス普及の拡大が想定されます。
本調査は、インターネット利用ユーザのブロードバンドコンテンツの利用状況について、最新の実態を把握することを目的とした定点調査であり、今後、毎月1回のペースで調査結果を公開する予定です。
総括
今回の「ブロードバンドコンテンツ利用実態調査」の目的は、ブロードバンド化が進展する中で重要性の高まりつつあるブロードバンドコンテンツの利用実態を定期的に把握することで、ブロードバンドコンテンツの動向を明らかにしようとするものです。第1回として、今回はインターネットによる動画コンテンツ配信について調査を行いました。
有効回答者数45,441名のうち、92.5%がブローバンド回線(ADSL,FTTH,CATVインターネット)を利用しており、ブロードバンド環境の浸透度の高さがうかがえる結果となりました。
インターネットによる動画コンテンツの配信には、これまでVOD(ビデオ・オン・デマンド)や専門チャンネルによる放送型の有料サービスが提供されてきましたが、最近ではこれらに加え、テレビ放送の様に無料で映像コンテンツを流すサービスが提供されてきています。
各サービスの利用状況についてみると、無料のインターネット動画配信は利用率が34.4%と高く、また利用意向も4割を超えているなど今後の拡大が予想されます。従来のテレビ放送の視聴時間への影響をみると、利用者の8割は変わらないと回答していますが、17.0%は減少したと回答しています。現状では少ないながらも従来のテレビの視聴にインパクトをもたらす存在となっており、今後の動向が注目されます。
調査結果のポイント
(1) 無料インターネットテレビ放送の利用が34.4%と3人に1人が利用
インターネットによる動画コンテンツの配信サービスの利用状況は、無料のインターネット動画配信サービスの利用率が34.4%を占めており、今後の利用意向も4割を超えている。
(2) 無料のインターネット動画配信の利用は週1回程度の利用が多い
利用頻度については、週1回程度の利用が多い。1回あたりの利用時間では、1時間未満の視聴が7割程度となっている。
(3) 利用者の継続利用意向は非常に高い
無料のインターネット動画配信視聴者の継続利用意向は、「是非利用したい」が40.1%、「利用したい」が46.9%を占めており、利用者の約9割が今後の利用意向を示す。
(4) 6割以上がCMを視聴
無料のインターネット動画配信時のCM視聴割合は、「ほとんど見ている(13.2%)」、「まあ見ている(47.1%)」と合わせて6割以上を占める。
(5) 約2割が従来のテレビ視聴時間の減少を指摘
従来のテレビ放送への影響としては、利用者の8割は変わらないと回答している一方で、17.0%がテレビ視聴時間の減少を指摘している。
(6) 未利用理由で最も多いのは認知の問題
無料のインターネット動画配信未利用の理由としては、無料の放送サービスの存在を知らないという認知の問題が最も多く、認知が進むことで利用が拡大していくと期待される。
《 補足 》
(*1)【 gooリサーチ 】 http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。携帯電話でアンケートに答える 「gooリサーチ・モバイル」モニター(5.2万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(3.2万人)、団塊世代・シニア層、ならびに若年層を中心とした郵送調査手法で回答する「郵送調査専属モニター」(1.3万人)を含め、63万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています。(モニターの人数はいずれもH18年3月現在)
<gooリサーチに関するお問合せ先>
NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 リサーチグループ
(Tel) 03-5224-5380、(FAX) 03-5224-5201、(E-mail)research@goo.ne.jp
NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 広報グループ
(Tel) 03-5224-5500、(E-mail) pr@nttr.co.jp
<本調査に関するお問合せ先>
株式会社三菱総合研究所 情報通信技術研究本部
(Tel) 03-3277-0719、(Fax) 03-3277-0523、(E-mail) e-res@mri.co.jp
株式会社三菱総合研究所 広報部広報グループ
(Tel)03-3277-0003、 (Fax)03-3277-3490、(E-mail) ccd-mg@mri.co.jp
調査概要
1. 調査対象 | 「gooリサーチ」登録モニター及びgooユーザ |
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2. 調査方法 | 公開型インターネット調査 |
3. 調査期間 | 2006年1月17日(火)〜2006年1月31日(火) |
4. 有効回答者数 | 45,441名 |
5. 回答者の属性 | 【男女内訳】 男性45.3% 女性54.7% 【年代別構成】 10代 2.3%、20代 22.8%、30代 39.7%、40代 24.2%、50代 8.1%、60代2.9% |
調査結果データ
(1) 無料のインターネット動画配信サービスの利用が34.4%
インターネットによる動画コンテンツの配信には、テレビ放送の様に無料で動画コンテンツを流すサービスが提供されており、USENのGyaOやソフトバンクのTVBankなどのサービスなどが挙げられる。また、テレビ局もVODによる配信サービスを開始している。
各動画コンテンツ配信サービスの利用状況について見ると、無料のインターネット動画配信サービスの利用率は34.4%と、他のサービスをはるかにしのぎ、今後の利用意向も4割を超えている。【図1】
【図1】インターネットを通じた各動画コンテンツ配信サービスの利用状況
(2) 無料のインターネット動画配信サービスの利用は週1回程度の利用が多い
利用頻度については、ほぼ毎日という層は少なく、「週1回くらい」から「週2−3回」の利用が多くなっている。また、一度見たこがある程度という層も約3分の1を占めており、まだ試し利用の域を出ていない視聴者も相当数いる。
また、1回あたりの利用時間は30分未満が約4割、30分〜1時間未満が約3割を占めており、両者を合わせて7割程度が1時間未満の視聴となっている。
テレビ放送は90%以上の方が毎日接しており、1日あたり視聴時間も平均で3時間以上が6割を占める(NHK「日本人とテレビ 2005調査」より)ことを考えると低い水準である。しかし、GyaOのサービス開始から1年経っていないことを勘案すると、高い浸透力を示していることがうかがえる。【図2】
【図2】無料のインターネット動画配信サービス利用頻度と1回当たり利用時間
(3) 利用者の継続利用意向は非常に高い
無料のインターネット動画配信サービス利用者の継続利用意向は、「是非利用したい」が40.1%、「利用したい」が46.9%であり、約9割の回答者が今後も利用することを望んでいる。【図3】
【図3】無料のインターネット動画配信サービス継続利用意向
(4) 6割以上がCMを視聴
無料のインターネット動画配信サービスにおけるCM視聴割合は、「ほとんど見ている(13.2%)」、「まあ見ている(47.1%)」を合わせると6割以上を占める。
男女年齢別では10代の若年層においてCM視聴者の割合がやや高くなっている。【図4】
【図4】CMの視聴状況(男女年齢別)
(5) 従来のテレビ放送の影響
「無料のインターネット動画配信を利用することで、従来のテレビ(NHK、民放)の視聴時間は変わりましたか」との質問に対して、従来のテレビ放送への影響は、「減った」が4.8%、「やや減った」が12.2%を占めており、合計すると17.0%がテレビ視聴時間の減少を指摘している。
男女年齢別に見ると、40代、50代といった中年層においてテレビ視聴が減少したとする層の割合が高い。これらの層は高齢層ほどではないが、テレビ視聴という観点からみるとヘビーユーザであり(NHK「日本人とテレビ 2005調査」より)、こうした層において高めに影響が出ている点は注目される。
現状では、少ないながらもテレビの視聴にインパクトをもたらす存在になっており、今後の視聴動向が注目される。【図5】
【図5】無料のインターネット動画配信によるテレビ視聴時間への影響(男女年齢別)
注:質問文「インターネットテレビ放送を視聴することで、
従来のテレビ(NHK、民放)の視聴時間は変わりましたか」の回答。
(6) 未利用理由で最も多いのは認知の問題
利用意向があるものの現在利用していない層に、その理由をたずねると、無料の動画配信サービスの存在を知らないという認知の問題が一番大きい。このため認知が進むことでさらに利用が拡大していくことが予想される。【図6】
【図6】無料のインターネット動画配信を現在利用していない理由(利用意向者のみ)
NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。