報道発表資料 平成17年8月31日
gooリサーチ結果 (No.84)
「モバイル端末でのテレビ視聴」に関する調査結果
~利用意向は過半数。技術面での課題克服やコンテンツ拡充が今後の普及の鍵~
国内最大級のインターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」(*1)を共同で提供するNTTレゾナント株式会社 (本社:東京都千代田区、代表取締役社長:資宗 克行)と 株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、取締役社長:谷野 剛)は、「gooリサーチ」登録モニターを対象に「モバイル端末でのテレビ視聴」に関する調査を実施しました。
有効回答者数2,156名のうち、現在外出先でテレビを視聴している人は、テレビ放送を視聴する回答者の約4%と少数にとどまっています。しかし、今後の視聴については、全体の半数以上が意欲を示しており、特に携帯電話での視聴に関する潜在的ニーズの高さが伺えます。また、現在は視聴者の少ない「スポーツ番組」、「映画」、「音楽番組」、「ドラマ」などへのニーズも高く、約6割が有料でも利用する意向を示していることから、今後、電池の持続時間や画面の見やすさなど技術面での課題が解決することにより、利用者の増加や有料コンテンツの利用の促進が期待できるものと予想されます。
総括
今回の調査結果により、外出先でのモバイル端末によるテレビ放送の視聴は、テレビ視聴者の約4%にとどまっており、実際に視聴されている番組のジャンルとしては、ニュース・報道番組、天気予報などの情報系番組が主流となっていることが分かりました。
また、半数以上の回答者が今後の視聴意向を示しており、中でも携帯電話による視聴意向が6割を占め、今後、各メーカーから、テレビチューナー付きモバイル端末の普及に比例した利用者の増加が予想されます。一方、サービス利用料金については、約6割が有料でも利用したいとしており、コンテンツの種類と質によっては、有料コンテンツの利用拡大も想定されます。
調査結果のポイント
(1) 外出先でのモバイル端末によるテレビ視聴者は、テレビ放送を視聴する回答者の約4%にとどまる。
外出先でのモバイル端末によるテレビ放送の視聴は、テレビ視聴者の約4%にとどまり、ノートパソコン、携帯電話の利用も共に3%前後と少数であった。また、週4〜5日以上視聴する人の割合を男女別に見ると、男性は女性の倍以上の利用率となっており、ジャンルとしてはニュース・報道番組、天気予報など情報系番組の人気が高い。
(2)移動中の利用が最も多く、技術面での不満の声が多い。
移動中の利用が46.5%と最も多い。また、視聴時の不満点として「画像の乱れ(綺麗に映らない)」が約8割と最も高く、続いて「電池が長時間持たない」が6割以上を占め、今後発売されるテレビチューナー付きの携帯電話について、技術面での改善の必要性が伺える。
(3)今後の視聴意向は半数以上を占め、有料での利用意向も6割を超える。
今後のモバイル端末でのテレビ視聴意向について、全体の半数以上が関心を示しており、有料でのコンテンツ視聴についても約6割が利用意向を示している。一方、非利用意向者における障壁要因においても、「画面サイズの小ささ(50.1%)」、「電池の持ちにくさ(44.6%)」などが挙げられており、今後の利用促進という観点でも技術的課題解決の必要性が伺える。
《 補足 》
(*1)【 gooリサーチ 】http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。携帯電話でアンケートに答える「gooリサーチ・モバイル」モニター(4.7万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(2.8万人)を含め、28万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています。(モニターの人数はいずれもH17年8月現在)
<本調査およびgooリサーチに関するお問合せ先>
NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 リサーチグループ
(Tel) 03-5224-5380、(FAX) 03-5224-5201、(E-mail)research@goo.ne.jp
NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 広報グループ
(Tel) 03-5224-5500、(E-mail) pr@nttr.co.jp
<gooリサーチに関するお問合せ先>
株式会社三菱総合研究所 E-リサーチ事業推進室
(Tel) 03-3277-0719、(Fax) 03-3277-0523、(E-mail) e-res@mri.co.jp
株式会社三菱総合研究所 広報部広報グループ
(Tel) 03-3277-0003 (Fax) 03-3277-3490、(E-mail) ccd-mg@mri.co.jp
調査概要
1. 調査対象 | 「gooリサーチ」登録モニター |
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2. 調査方法 | 非公開型インターネットアンケート |
3. 調査期間 | 平成17年7月28日(木)〜平成17年7月29日(金) |
4. 有効回答者数 | 2,156名 |
5. 回答者の属性 | ・性別 男性:55.1% 女性:44.9% ・年齢 10代:14.9% 20代:16.7% 30代:19.9% 40代:22.5% 50代:9.0% 60代:13.1% 70代:3.9% |
調査結果データ
1. テレビを視聴している回答者の約6%がモバイル端末で視聴。
(1) ノートパソコン、携帯電話での視聴者はそれぞれ3%前後と少数。
現在テレビの視聴に利用している端末は、従来の通常テレビが98%と大多数を占めており、次いで、デスクトップパソコン及びカーテレビでの利用が続く。ノートパソコンや携帯電話でのモバイル端末での視聴は、それぞれ3%前後と少数にとどまった。【図1】。
【図1】テレビを視聴している機器 (n=2,128)
(2) 外出先でモバイル端末を使用して視聴する人は、テレビ放送を視聴する回答者の約4%、男性は女性より外出先での視聴頻度が高い。
週に2日以上、外出先でモバイル端末(*2)を使いテレビを視聴する人は、同端末利用者のうちの35.9%を占めるが、外出先では視聴しない回答者も34.4%と同じ程度存在する。外出先では視聴しない回答者は自宅のみの視聴と想定されるため、外出先でモバイル端末を使用して視聴する回答者は、テレビ視聴者の4%(テレビ視聴者2,128人のうち、86名が外出先で視聴)と判断することができる。【図2】。
(*2)ここでのモバイル端末とは、ノートパソコン、携帯電話、専用端末の3つを対象としている。カーテレビは含んでいない。
【図2】外出先でモバイル端末を使ってテレビ放送を視聴する頻度 (n=131)
また、これを男女別で見ると、週4日以上見る人は男性が26.6%と4分の1以上に達しているのに対し、女性は11.6%と1割程度に過ぎない。【図3】
【図3】外出先でモバイル端末を使ってテレビ放送を視聴する頻度 (n=男性79 女性52)
(3) 視聴場所は、電車、バスなどでの移動中が最も多い。
外出先で視聴する場所としては、「電車、バスなどでの移動中」が最も多く、46.5%と全体の半数近くを占める。次いで「学校、会社内」も38.4%と4割近くに達している。【図4】。
【図4】外出先でモバイル端末を使ってテレビ放送を視聴する場所 (n=86)
(4) ニュース・報道番組、天気予報など情報系番組の視聴が高い。
外出先で視聴する番組のジャンルとしては、「ニュース・報道番組」「天気予報」など情報系番組の人気は高いが、生活情報や教養番組を視聴する割合は低い。【図5】。
【図5】外出先でモバイル端末を使って視聴する番組のジャンル (n=86)
(5) 「画面の乱れ」や「電池の持続時間」についての不満の声が高い。
外出先でのテレビ視聴時における不満は、「画面が乱れる」が77.9%と最も高く、次いで「電池が長時間持たない」が65.1%と続く。また、「録画のしにくさ」についても約1割が指摘しており、録画ニーズも少なからず存在することがわかる。【図6】。
【図6】外出先でのテレビ視聴についての不満 (n=86)
2. 今後の視聴意向は高く、視聴意向者における有料での利用意向も6割と高い。
(1) 今後の視聴意向は半数を超え、人気の高さがうかがえる。
外出先でのテレビの視聴について今後の意向を尋ねたところ、「ぜひ利用したい」、「やや利用したい」を合わせると、51.2%と過半数を占める結果となった。逆に「あまり利用したくない」、「全く利用したくない」は合わせて2割程度であり、利用意向の高さが伺える。【図7】。
【図7】外出先でテレビ放送を視聴する意向 (n=2,156)
また、これを年齢別で見ると、「ぜひ利用したい」、「やや利用したい」は10代が68.6%と7割近くに達しているが、年齢が高くなるにつれ徐々に利用意向が減少する傾向にある。【図8】
【図8】外出先でテレビ放送を視聴する意向 (n=2,156)
(2) ニュース、天気予報など情報系番組の視聴意向が高い。
外出先で視聴したい番組のジャンルとしては、現在視聴者の少ない「スポーツ番組」、「映画」、「音楽番組」、「ドラマ」の視聴意向が特に高い点が特徴的である。また現在視聴者の少ない「教養番組」の利用意向が、10.6%と5倍近くになっている点が注目される。【図9】。
【図9】外出先でモバイル端末を使い視聴したい番組のジャンル (n=1,105)
(3) 携帯電話での利用意向が約60%と圧倒的に高い。
外出先で利用したい端末は、携帯電話が60.8%と最も高かった。現在、0.4%と利用者の少ないモバイル放送専用端末の利用意向は13.6%と比較的に高く、今後の展開次第では大幅に加入者を増加させることも可能だといえる。【図10】。
【図10】外出先で利用したい端末 (n=1,105)
(4) 「有料でも利用したい」と考える人は視聴意向者の60.1%
利用料金は「無料なら」の声が4割弱を占める一方で、「有料でも利用したい」と考える人は全体の60.1%に達している。提供されるコンテンツの内容次第では、サービスの有料化も期待できる結果となった。【図11】。
【図11】外出先での利用に払ってもいいと思う料金 (n=1,105)
(5) モバイル利用に否定的な理由は、「画面サイズの小ささ」、「電池の持ちにくさ」。
外出先での視聴を「あまり利用したくない」、「利用したくない」(「どちらともいえない」を含む)理由としては、「画面サイズの小ささ」、「電池の持ちの悪さ」など技術面を指摘する回答者が多い。実際の利用者における不満点について、上位を占めた「画面の乱れ」に関しては約3割と、それほど高くないことがわかる。その他の自由記述回答としては、「外出してまでテレビを見る必要性を感じない」、「視聴料が高そう」などの意見もあった。【図12】。
【図12】外出先でのテレビ視聴をしたくない理由 (n=1,051)
NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。