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「市販薬購入に関する一般生活者の意識」調査結果

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コンビニエンスストアでの購入経験者は1割未満。 利用拡大に向けて不安を払拭する対策が求められている

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報道発表資料 平成17年7月20日

gooリサーチ結果 (No.82)

「市販薬購入に関する一般生活者の意識」調査結果

~コンビニエンスストアでの購入経験者は1割未満。
利用拡大に向けて不安を払拭する対策が求められている~

国内最大級のインターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」(*1)を共同で提供するNTTレゾナント株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:資宗 克行)と株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、取締役社長:谷野 剛)は、「gooリサーチ」登録モニターを対象に「市販薬購入に関する一般生活者の意識」に関する調査を実施しました。

有効回答者数2,000名のうち、薬剤師の説明を受けずに自分で選択して購入しているとの回答が半数以上を占める一方で、「自分が必要と思う時には説明を受けたい」と意向もほぼ同程度の割合に上っています。また、昨年7月から一部の薬に限って開始されたコンビニエンスストアでの薬の販売(*2)について尋ねたところ、購入経験者は全体の1割にも達しておらず、本格的な利用拡大を迎えるのはこれからであることがうかがえます。

総括

今回の調査結果により、市販薬を購入する際、薬剤師の説明を受けずに自分で選択して購入しているとの回答が過半数を占める一方で、自分が必要と思う時には説明を受けたいと考えている人も同程度いることが分かりました。また、昨年7月から一部の薬に限って開始されたコンビニエンスストアでの薬の販売における購入経験者は1割未満にとどまっており、さらに、全体の3割の回答者が「薬剤師のいないコンビニエンスストア」での薬の購入対して不安を感じていることから、消費者の市販薬購入に際しての不安を解消する対策の実施が、コンビニエンスストアチェーンや製薬会社に求められていることがうかがえます。

調査結果のポイント

(1) 薬を購入する際は、効果や価格を重視し、自分で選択する人が多い

調査対象者のうち、1年以内に何らかの市販薬を購入した人は9割以上にのぼっている。薬剤師による推奨よりも、自分でパッケージを見て選択する回答者の割合が高く、6割近くに達している。

(2) 必要時には薬剤師の説明がほしいと考える人が9割以上

普段、薬剤師の説明を受けずに薬を購入している人が半数以上に達しているが、説明がほしいとの回答は9割以上を占めている。その中でも「自分の希望時に説明を求める」との回答が52.5%と過半数を占めており、具体的に説明を要する場面として、「その薬の効能に予め細かい要望がある場合」、「初めてその薬を使用する場合」などが挙げられる。

(3) コンビニでの薬の購入経験者は1割に満たず、不安を感じる人も3割を超える

コンビニエンスストアでの購入経験者は全体のわずか7.4%にすぎず、大部分の回答者は販売されている事実は知っているが、購買行動には至っていないことがうかがえる。また、薬剤師のいない店舗での薬の購入に対する不安を感じている回答者が3割を超えており、利用に際しての障壁の一つとなっていることが想定される。

《 補足 》

(*1)【 gooリサーチ 】http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。携帯電話でアンケートに答える「gooリサーチ・モバイル」モニター(5.3万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(2.7万人)を含め、28万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています。(モニターの人数はいずれもH17年7月現在)

(*2)【コンビニエンスストアでの薬の販売】
薬事法の改正により、安全上問題がないとされる医薬品について、薬剤師がいない店舗でも販売できるようにすることを2004年7月に厚生労働省が発表しました。指定された医薬品について、成分はそのままで医薬部外品として扱われることになり、同年7月30日以降に一般店舗での販売が解禁となっています。対象となっているのは、胃腸薬や下剤、コンタクトレンズ関連商品などが中心です。

<本調査およびgooリサーチに関するお問合せ先>

NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 リサーチグループ
(Tel) 03-5224-5380、(FAX) 03-5224-5201、(E-mail)research@goo.ne.jp
NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 広報グループ
(Tel) 03-5224-5500、(E-mail) pr@nttr.co.jp

<gooリサーチに関するお問合せ先>

株式会社三菱総合研究所 E-リサーチ事業推進室
(Tel) 03-3277-0719、(Fax) 03-3277-0523、(E-mail) e-res@mri.co.jp
株式会社三菱総合研究所 広報部広報グループ
(Tel)03-3277-0003、(Fax)03-3277-3490、(E-mail) ccd-mg@mri.co.jp

調査概要

1. 調査対象 「gooリサーチ」登録モニター
2. 調査方法 非公開型インターネットアンケート
3. 調査期間 平成17年5月31日(火)〜平成17年6月1日(水)
4. 有効回答者数 2,000名
5. 回答者の属性 【男女内訳】
男性48.8% 女性51.2%

【年代別構成】
10代 17%、20代 17%、30代 20.1%、40代 22.4%、50代 18.2%、60代 4.4%、70代 1%

調査結果データ

1. 薬を購入する際は、効果や価格を重視し、自分で選択する人が多い

(1) 回答者の9割が、1年以内に何らかの薬を購入

今回の調査対象者の9割が過去1年以内に何らかの薬を購入しており、種類としては風邪薬、目薬が多く、それぞれ半数以上を占める。【図1】

【図1】1年以内に購入した市販薬の種類 (n=2,000)

【図1】1年以内に購入した市販薬の種類

(2) 購入時には「効能・効果」「価格」を重視し、パッケージやマスコミ記事による影響は少ない

全体の82.1%の人が、購入時にその薬の「効能・効果」を重視すると回答している。次いで多いのは、「価格」で64.2%。一方、「製品のネーミングやパッケージのデザイン」、「新聞・雑誌の記事」はそれぞれ5%前後となっており、さほど重視されていないことがわかる。【図2】

【図2】薬の購入時に基準とするもの (n=2,000)

【図2】薬の購入時に基準とするもの

(3) 年代により、店頭での薬の選び方に特徴がある

薬購入時の選択方法として、「パーケージなどを見て自分で選択する」が約6割を占めており、次いで、約3割が「お店の人に相談して勧めてもらう」と回答している。【図3】

【図3】薬の購入の仕方 (n=2,000)

【図3】薬の購入の仕方

また、これを年代別に見てみると、10代〜50代では「自分で選択する」という買い方が多いのに対し、60代及び70代以上の回答者では「直接、商品名を言って購入する」という回答が多い。これは、年齢を重ねる毎に、普段使い慣れている薬を選ぶケースが多いためであると考えられる。【図4】

【図4】薬の購入の仕方<年代別> (n=2,000)

【図4】薬の購入の仕方<年代別>

2. 普段は希望しないが、必要時には薬剤師の説明がほしいと考える人が半数以上

(1) 比較的軽い症状でも手軽に薬を購入するケースが多い

市販薬を「軽い症状で購入する(45.2%)」、「症状が出たらすぐに購入する(17.0%)」と合わせて6割を超えており、多くの人が比較的軽い症状において市販薬を購入していることがわかる。【図5】

【図5】市販薬を購入する場面 (n=2,000)

【図5】市販薬を購入する場面

(2) 薬剤師の説明なしでの購入が半数以上にのぼる

購入時に薬剤師から「必ず説明を受ける」と回答している人は、わずか7.4%にすぎない。「あまり説明を受けない」、「ほとんど説明を受けない」の回答を合わせて半数を超えており、薬剤師の説明なしで購入する人が多い傾向にある。【図6】

【図6】 購入時に、薬剤師から説明を受けるかどうか(n=2,000)

【図6】 購入時に、薬剤師から説明を受けるかどうか

またこれを年代別に見てみると、10代では、薬剤師からの説明を受ける割合が圧倒的に少ないことが見て取れる。【図7】

【図7】購入時に、薬剤師から説明を受けるかどうか<年代別>(n=2,000)

【図7】購入時に、薬剤師から説明を受けるかどうか<年代別>

(3) 「自分が希望した場合」に、薬剤師から説明を受けたいと考えている人が多い

「自分が要望した場合に限り、薬剤師の説明を受けたい」と考える人が全体の52.5%と過半数を占めている。次いで「薬剤師の判断で」との回答も32.7%と多い。「必ず受けたい」「説明は不要」と考える人は、それぞれ1割未満にとどまっている。【図8】

【図8】購入時に、薬剤師から説明を受けたいかどうか(n=2,000)

【図8】購入時に、薬剤師から説明を受けたいかどうか

(4) 初めて使う薬の効能や、効能に関する要望について、薬剤師の説明を求める人が多い

前の設問で「自分が要望した場合に説明を受けたい」と回答した人に、具体的な場面を尋ねたところ、「薬の効能について予め細かい要望がある場合」、「その薬を使うのが始めての場合」がそれぞれ3割強とほぼ同じ割合になった。その他の自由回答として「どの薬を選ぶかわからない場合」、「他に薬を飲んでいる場合」といった回答が挙げられる。【図9】

【図9】購入時に、薬剤師から説明を受けたい場合(n=1,049)

【図9】購入時に、薬剤師から説明を受けたい場合

3. コンビニでの薬の購入経験者は少なく、不安を感じる人も3割近く存在する

(1) コンビニでの薬の販売は、「知ってはいるが購入経験なし」が大半を占める

コンビニエンスストアで一部の薬が販売されていることについて、「知ってはいるが購入経験なし」が76.9%を占める。一方、購入経験者については7.4%と1割にも満たない。【図10】

【図10】コンビニでの薬の販売について (n=2,000)

【図10】コンビニでの薬の販売について

(2) 「コンビニでの購入は不安」と3割を超える人が回答

薬剤師不在のコンビニエンスストアで薬を購入することに対して、「非常に不安」、「やや不安」の回答者を合わせると3割を超える。【図11】

これらの不安を解消するための手段について、自由回答で質問したところ、「店内にあるマルチメディア端末を使い、テレビ電話で薬剤師に相談したい」、「売られている薬について詳しく調べられる機能が欲しい」といった声が多い。また、「誰でも知っているような薬に限って販売してほしい」といった意見もあった。

【図11】コンビニで薬を買うことが不安かどうか(n=2,000)

【図11】コンビニで薬を買うことが不安かどうか

(3) 「これまで副作用の経験なし」が8割以上

市販薬の使用により、副作用の経験がない人は、全体の81.4%と8割を超えている。一方、自分や周囲の人で副作用の経験があるという人も2割近く存在していることが分かる。【図12】

【図12】市販薬で副作用の経験があるかどうか (n=2,000)

【図12】市販薬で副作用の経験があるかどうか

NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。

この調査結果の単純集計を無料にて提供しています。

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