報道発表資料 平成16年12月8日
gooリサーチ結果 (No.69)
第5回 環境・社会報告書に関する読者の意識調査結果
~一般消費者への到達率はまだ低く、情報提供者側の企業努力が求められる~
国内最大級のインターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」(*1)を共同提供するNTTレゾナント株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:資宗 克行)と 株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、取締役社長:谷野 剛)は、一般消費者に対する「環境・社会報告書に関する意識調査」を実施しました。有効回答者数は3,047名でした。
「gooリサーチ」における「環境・社会報告書に関する意識調査」の実施は、今回で5回目となります。なお、本調査にあたっては「gooリサーチ」に加え環境情報ポータルサイト「環境goo」(http://eco.goo.ne.jp/)(*2)も連動し、読者へのアンケート、設問設定および、調査結果詳細内容の掲載も行います。
なお、NTTレゾナントは、本調査結果をもとに、環境・社会報告書に関するシンポジウムを開催します。シンポジウムでの討議内容については、平成17年1月下旬に「環境goo」上で公開する予定です。
※シンポジウムの詳細については、こちらをご覧ください。
調査結果のポイント
環境・社会報告書の一般消費者への到達率(認知・閲読状況)は低く、専業主婦では「知らない」という回答が5割近くにのぼっている。
環境・社会報告書の閲読体験が、企業に対する信頼感、商品やサービスに対する魅力度を高めており、消費者の企業に対するイメージに好影響を及ぼしている。
公開すべきCSR項目を男女別にみた場合、男性は倫理、法令、規制などへの対応状況を重要と考える傾向にあり、女性は、権利保護(従業者、消費者、社会的弱者に対する)への取り組み情報に重きを置く傾向にある。
《 補足 》
(*1)【 gooリサーチ 】 http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。携帯電話でアンケートに答える「gooリサーチ・モバイル」モニター(4.7万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(2.3万人)を含め、25万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています。(モニターの人数はいずれもH16年12月現在)
(*2)【 環境goo 】 http://eco.goo.ne.jp/
「環境goo」は、平成11年のサービス開始当初から、企業向けの環境経営情報やリサイクル事例、消費者向けの生活保護、エコライフ情報など、国内唯一と言える環境情報の総合情報サイトとして、企業・個人に向けて的確な情報発信を行ってきました。また、平成16年10月に発表のあった、資源循環型社会を促進することを目的とし、広範囲に環境保護社会へ貢献している諸施設や機器・技術、活動や取り組み、出版事業などを顕彰する「ウェステック大賞2004」において「ウェステック大賞2004 出版・情報通信部門賞」を受賞するなど、環境分野のNo.1サイトとして評価されています。
<本調査およびgooリサーチに関するお問合せ先>
NTTレゾナント ポータル事業本部 メディア事業部
山澤:(Tel) 03-5224-5290、(E-mail) info@ecomail.goo.ne.jp
NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 リサーチグループ
(Tel) 03-5224-5380、(FAX) 03-5224-5201、(E-mail)research@goo.ne.jp
NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 広報グループ
(Tel) 03-5224-5500、(E-mail) pr@nttr.co.jp
<gooリサーチに関するお問合せ先>
株式会社三菱総合研究所 Eリサーチ事業推進室
(Tel) 03-3277-0719、(Fax) 03-3277-0523、(E-mail) e-res@mri.co.jp
株式会社三菱総合研究所広報部広報グループ
(Tel) 03-3277-0003(Fax) 03-3277-3490、(E-mail) ccd-mg@mri.co.jp
調査概要
調査企画・協力 | ・後藤敏彦氏 (環境監査研究会、GRI日本フォーラム代表理事) ・川北秀人氏 (IIHOE:人と組織と地球のための国際研究所代表) ・環境情報ポータルサイト「環境goo」 |
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1. 調査方法 | 「gooリサーチ」上のインターネット・アンケート画面での回答 |
2. 調査対象 | 1)「環境goo」にアクセスする一般ユーザ 2)「環境goo」個人会員 3)「gooリサーチ」モニター ※2)3)はメールでアンケート協力を依頼し、「gooリサーチ」上のインターネット・アンケート画面で回答 |
3. 調査期間 | 平成16年9月30日(木)〜10月22日(金) |
4. 総回答者数 | 3,047名 【男性1,426名、女性1,621名】 |
【図1】回答者の属性
調査結果データ
(1) 一般消費者への到達率はまだまだ低い
環境・社会報告書を「読んだことがある」割合は17%、「読んだことはないが目にしたことがある」が同じく17%程度で、昨年と比較して数値は若干減少している。むしろ「環境・社会報告書というものがあることを知らない」との回答が約35%にも上り、認知度および到達率はまだまだ低い。【図2】
【図2】環境・社会報告書との接触状況
閲読率(「読んだことがある」の割合)は、既婚男性で約25%と高く、また環境関連職業従事者では約55%にのぼる反面、一般社会人男女や専業主婦などでは1割前後と低く、専業主婦では「知らない」という回答が5割近くにのぼっている。【図3】
【図3】属性別に見た報告書との接触状況

(2) 報告書は企業イメージの向上に役立っている
報告書を読んで、その企業とのコミュニケーション(相互理解)が深まったと感じるかについて、6割程度の読者が「やや深まった」と回答している。また、その企業への信頼感や、商品・サービスの魅力度が高まったかについては「ある程度高まった」「多少は高まった」と答える読者が多く、報告書の閲読体験が、消費者の企業に対するイメージに好影響を及ぼしていることは間違いないと考えられ、これらは昨年に比べて改善している。【図4】
【図4】コミュニケーションの変化、企業への信頼感の変化、サービスの魅力度の変化
ただし、報告書に対する評価は読者の属性によってやや違いが見られ、総じて男性より女性の方が、また年配者の方が良い評価となっている。
特に未婚30代男性や既婚20代男性など、比較的若い男性で評価が低い傾向があり、例えば「内容のわかりやすさ」については、既婚20代男性では3割が「分かりにくい」と答えており、また既婚30代男性では「コミュニケーションが深まったと感じない」という割合が3割を超え、男性一般社会人でも「深まったと感じない」という回答が相対的に多い結果となった。
さらに、発行企業が想定する読者として、自社従業員は重要なターゲットとなっているが、若い世代の従業員に対してどのようにアプローチしていくかが一つの課題になると考えられる。【図5】
【図5】属性別に見た、内容のわかりやすさとコミュニケーション変化度合いの評価
(3) 報告書の信頼度を高める方法
「どのようなことがあったら報告書への信頼感が高まるか」という問いについて、「第三者の検証を受けている」を選択した数が56%と、高い数値となっており、読者の客観性へのニーズが表れている。
男女別にみると、男性では「第三者検証」の他、「権威ある機関の評価・格付け」「NPO・NGOのコメント」など、専門家や権威ある機関のお墨付きを重視する傾向があるのに対して、女性は「工場・サイト見学」「具体的な資料や数値情報」「複数企業の報告書の比較」「読者アンケート」などの数値が高い。女性に対しては、客観的な納得性とともに、企業との直接的な対話、もしくは具体的な見聞が信頼感を高める方法になると考えられる。【図6】
【図6】どのようなことがあったら信頼感が高まるか(複数回答)
(4) 公開すべきCSR項目
サステナビリティ・レポートによる情報公開が必要だと思う項目として、最も多かったのは「雇用・正当な労働(従業員の構成や福利厚生)」で、8割以上の報告書読者があげており、「従業員の健康・安全」「顧客の健康・安全」「プライバシーの尊重」「企業倫理」などの項目が6割を超える数値で続いている。
男女別にみた場合、全体の優先順位はさほど変わらないが、男性は「企業倫理」「人権擁護」「企業市民」など、倫理、法令、規制などへの対応状況を重要と考える傾向がある。
女性では「雇用・正当な労働」を始め、「機会均等」や「従業員の教育研修」など"従業者の権利保護"、「顧客の健康・安全」や「プライバシー保護」「製品・サービスのラベリング」など"消費者の権利保護"、「差別禁止」や「ハンディキャップへの対応」といった"社会的弱者の権利保護"への取り組みの情報に重きをおく傾向が見られる。【図7】
【図7】サステナビリティ・レポートで公開が必要だと思う情報項目(複数回答)
環境・社会報告書シンポジウムについて
名称 | 環境・社会報告書シンポジウム2004 |
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テーマ | 「社会・社内と対話は進んだか 〜環境報告書からCSRコミュニケーションへ〜」 |
日時 | 平成16年12月9日(木) 13:30〜16:30 |
コーディネーター | 川北秀人氏(IIHOE 人と組織と地球のための国際研究所代表) |
パネリスト[敬称略] | 公文 正人氏 (サントリー株式会社 環境部) 後藤 敏彦氏 (環境監査研究会) 佐橋 康伯氏 (株式会社デンソー 広報部) 土屋 晴子氏 (環境goo読者代表) 野村 浩一氏 (富士ゼロックス株式会社 品質・環境経営部) |
主催 | NTTレゾナント (環境goo) |
後援 | サステナビリティ・コミュニケーション・ネットワーク(NSC) |
協賛 | 中央青山サステナビリティ認証機構 凸版印刷株式会社 |
場所 | 東京ビッグサイト1FレセプションホールA |
参加方法 | 参加ご希望の方は下記までご連絡ください。 NTTレゾナント 環境goo事務局 TEL:03-5224-5290 |
<本調査およびシンポジウムに関するお問合せ先>
NTTレゾナント ポータル事業本部 メディア事業部
山澤:(Tel) 03-5224-5290、(E-mail) info@ecomail.goo.ne.jp
NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。