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「携帯電話のパケット通信定額サービスに関する調査」

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割高イメージの払拭、機種制限の緩和、コンテンツ拡充が普及に向けての課題

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報道発表資料 平成16年12月7日

gooリサーチ結果 (No.68)

「携帯電話のパケット通信定額サービスに関する調査」

~割高イメージの払拭、機種制限の緩和、コンテンツ拡充が普及に向けての課題~

国内最大級のインターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」(*1)を共同で提供するNTTレゾナント株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:資宗 克行)と、株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、取締役社長:谷野 剛)は、携帯電話からのインターネット接続によりアンケート回答を募る「gooリサーチ・モバイルモニター」(※)を対象に、「パケット通信定額サービス」に関する利用実態調査(調査期間:平成16年9月3日〜9月9日)を実施しました。

有効回答者数4,237名で、このうちサービス加入者は約1割にとどまりました。今後の利用意向予定者は約3割と関心度の高さが表れる一方で、加入予定がないという回答も過半数占めており、より一層の普及拡大を迎えるのはこれからであることが伺えます。

(※)「gooリサーチ・モバイルモニター」について

「iモード」「ボーダフォンライブ!」「EZweb」対応機種所有者を対象とした、ブラウザフォン(携帯電話)上でアンケートに回答するモバイルモニターで、2004年12月現在、モニター登録者数が47,054人と国内最大規模を誇っています。

「gooリサーチ・モバイルモニター」を動員するアンケート調査サービス「gooリサーチ・モバイル」は、2004年7月に基本料金を大幅に値下げすると共に、メニュー体系を"回収目標型"サービスに変更するなど、従来より手軽にご利用いただけるようリニューアルしました。携帯電話の特性を活かしたリアルタイムな調査が可能で、モバイルモニター属性として事前に登録された「都道府県」「年齢」「性別」などをもとに、あらかじめ調査対象を絞り込んでのピンポイント調査も可能です。

総括

今回の調査結果により、携帯電話のパケット通信定額サービスに対する利用意向は3割以上を占める一方、加入予定のない回答者が過半数を超えており、現状契約中のサービスに満足している回答者が多いことが分かります。また加入予定がない理由として、加入後の割引効果に対する疑問やサービス対応機種の制約が挙げられ、これらが加入の障壁要因となっていることが推察されます。また、サービス加入中とした回答者の約9割においてパケット通信が増加し、コンテンツ購入の機会が増えたとする回答者も約半数にのぼることから、コンテンツの拡充もサービス普及拡大の要素になることが想定されます。

調査結果のポイント

(1) パケット通信料定額制サービスの加入状況と時期について

定額制サービスの加入状況(本年9月時点)について聞いたところ、加入者は9%程度であるが、今後加入予定とした回答者が3割を占め、3人に1人の割合で利用意向を示している。また加入年月別では、全体の約6割が今年の6月以降に加入しており、特に8月の単月では、加入の割合は全体の25%以上を占めるなど、各通信キャリアの新定額制サービス開始時期に合わせて加入者が増えていることがわかる。

(2) 加入前後での月額使用料金、パケット通信頻度、コンテンツ購入頻度の推移

パケット通信定額サービス加入前後の月額利用料金の変化について、「わからない」が19.6%ともっとも多く、次いで「加入前より料金が高くなった」が15.8%と続いており、利用者側における割引効果の印象が比較的薄い。一方、パケット通信を行う回数については、加入者の約9割近くが「増えた」と回答しており、また、コンテンツ購入の機会も46%以上が「増えた」と回答していることから、サービス加入によりパケット通信の利用頻度は明らかに増えている。

(3) パケット通信定額サービス加入前後の携帯電話の主な利用用途の変化

パケット通信定額サービス加入前後の携帯電話の利用用途の変化については、「アプリ(22.5%)」、「位置情報(16.3%)」、「ゲーム(15.0%)」などのアプリケーション系サービスの利用が顕著に伸びていることがわかる。さらに、キャリア別で見ると、i-mode利用者が「iアプリ(31.0%)」、「画像ダウンロード(23. 0%)」などの利用が加入前と比較して伸びているのに対し、EZweb利用者では、「位置情報(20.3%)」や「ゲーム(15.3%)」などが伸びており、各キャリアが注力しているサービスによって利用用途の変化にも違いが表われている。また、今まで利用用途としては比較的高くなかった分野でも利用が増えているものもあり、サービス加入により、携帯電話を活用するシーンが拡大していることがわかる。

(4) パケット通信定額サービスについて、今後加入予定のない理由

パケット通信定額サービスに対して、今後も加入予定がない理由として「利用している端末や料金プランで満足している」、「パケット通信をあまり使わない」など、現状のサービス内容に満足していると思われる利用者が3割を超えているが、加入後の割引効果に対する疑問や利用している端末による制約などが多く、これらの諸課題を改善することにより、より一層のサービス普及拡大につながるものと想定できる。

《 補足 》

(*1)【 gooリサーチ 】 http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。携帯電話でアンケートに答える「gooリサーチ・モバイル」モニター(4.7万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(2.3万人)を含め、25万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています。(モニターの人数はいずれもH16年12月現在)

<本調査およびgooリサーチに関するお問合せ先>

NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 リサーチグループ
(Tel) 03-5224-5380、(FAX) 03-5224-5201、(E-mail)research@goo.ne.jp
NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 広報グループ
(Tel) 03-5224-5500、(E-mail) pr@nttr.co.jp

<gooリサーチに関するお問合せ先>

株式会社三菱総合研究所 Eリサーチ事業推進室
(Tel) 03-3277-0719、(Fax) 03-3277-0523、(E-mail) e-res@mri.co.jp
株式会社三菱総合研究所広報部広報グループ
(Tel) 03-3277-0003(Fax) 03-3277-3490、(E-mail) ccd-mg@mri.co.jp

調査概要

1. 調査対象 gooリサーチ・モバイルモニター
2. 調査方法 非公開型モバイルアンケート
3. 調査期間 平成16年9月3日(金)〜9月9日(木)
4. 有効回答者数 4,237名
5. 回答者の属性 【男女内訳】
男性43.5% 女性56.6%

【年代別構成】
10~14歳 0.1%、15~19歳 4.5%、20~24歳 15.0%、25~29歳 22.5%、30~34歳 23.2%、35~39歳 17.6%、40~44歳 10.8%、45~49歳 4.1%、50~59歳 2.0%、60代以上 0.3%

【職業別構成】
会社員 40.7%、契約社員・派遣社員 6.4%、公務員・教員 4.6%、自営業等 4.6%、パート・アルバイト 10.6%、学生 12.9%、主婦 16.9%、その他 3.3%

調査結果データ

1.パケット通信料定額サービスの加入状況と時期について

(1) 定額サービスへの関心は3割を超える

NTTドコモの「パケ・ホーダイ」がサービス開始して3ヶ月が経過した時点でのパケット通信定額サービスの加入状況は、9月の時点で加入者は9%程度にとどまっているが、今後の加入予定者が3割を超えており、関心度が比較的高い一方、「加入予定がない」という回答も過半数を占めている。【図1】

【図1】パケット通信料定額制サービスの加入状況 (n=4237)

【図1】パケット通信料定額制サービスの加入状況

(2) 加入時期は6月以降で全体の6割を占める

加入年月別で見ると、6月のNTTドコモ提供による「パケ・ホーダイ」の開始時期を境に加入者の割合が前月と比較して3倍以上の伸びを示しており、全体の約6割が今年の6月以降に加入していることがわかる。特に、auが「EZフラット」から「ダブル定額」にサービスを改定した8月では、加入者の割合は全体の25%以上を占める結果となった。【図2】

【図2】パケット通信定額サービス加入時期 (n=387)

【図2】パケット通信定額サービス加入時期

2.加入前後での月額使用料金、パケット通信利用頻度、コンテンツ購入頻度の推移

(1) パケット通信利用コストに対して、割引効果の印象が薄い傾向

加入前後の月額使用料金の変化について、「わからない」が19.6%ともっとも多く、次いで「加入前より料金が高くなった」が15.8%と続いており、割引効果の印象が比較的薄いことが伺える。【図3】

【図3】加入後の月額使用料金の減少度合 (n=387)

【図3】加入後の月額使用料金の減少度合

(2) パケット通信を行う回数は約9割近くが加入によって利用機会が増加

次に、加入以前と比較してパケット通信を行う回数が増えたかの問いについては、「かなり増えた」という回答は62.5%に達しており、「多少増えた」の25.1%を合わせ、約9割が加入によって利用頻度が増えている。【図4】

【図4】加入以前と比較した場合のパケット通信を行う回数の増減 (n=387)

【図4】加入以前と比較した場合のパケット通信を行う回数の増減

(3) パケット通信定額サービス加入がコンテンツ購入機会拡大のきっかけに

また、加入後に各種コンテンツを購入する機会の頻度ついては、「以前と変わらない」が半数を占める一方、「増えた」という回答も46%以上に達しており、定額サービスへの加入は、パケット通信の利用を促すだけでなく、コンテンツ購入のきっかけを作り出していることがこれらの点から伺うことができる。【図5】

【図5】加入以前と比較した場合の各種コンテンツの購入機会の増減 (n=387)

【図5】加入以前と比較した場合の各種コンテンツの購入機会の増減

3.パケット通信定額サービス加入前後における利用用途の変化

(1) 従来とは異なる利用用途に増加の傾向を示す

パケット通信定額サービス加入前後での利用が特に伸びているものとして、「位置情報」の16.3%(加入前と比較して+12.7%)、「アプリ(iアプリ)、ezアプリ」の22.5%(+9.6%)、「動画メール」の11. 1%(+9.0%)、「ゲームの15.0%(+8.0%)」が挙げられる。今まで利用用途としては比較的高くなかった分野での利用が増えており、定額サービス加入により携帯電話での活用シーンが拡大していることが推察できる。【図6】

【図6】加入前後の携帯電話の主な利用用途の変化 (全体 n=387)(複数選択3つまで)

【図6】加入前後の携帯電話の主な利用用途の変化

(2) i-modeはアプリ,画像ダウンロード,動画メールなどで倍以上の利用率増加

キャリア別の比較でみると、i-mode利用者の場合、「アプリ(iアプリ)」の利用が加入後で31.0%、(加入前と比較して+16.1%)と最も高く、次いで「画像ダウンロード」の23. 0%(+14.9%)、「動画メール」の16. 1%(+13.8%)、「画像メール」の24. 1%(+11.5%)などの伸びが目立つ。iアプリや画像コンテンツには有料なものもあるが、ジャンルが豊富でかつ、バージョンアップも頻繁に行われることから、ダウンロードによるパケット料金を気にしなくなったことが、利用増加の要因として推測できる。【図7】

【図7】加入前後の携帯電話の主な利用用途の変化 (i-mode n=87)(最大3つまで選択)

【図7】加入前後の携帯電話の主な利用用途の変化(i-mode利用者)

(3) EZwebは位置情報で利用率が急増、ゲームなどでも増加

一方のEZweb利用者では、「位置情報」の利用が20.3%(+16.0%)と非常に高い伸び率を示した。また、i-modeに比べてゲームの利用率が15.3%(+9.60%)と加入前との比較で伸びており、アプリの動作がJavaよりも速いとされるBREW搭載のEZweb端末でゲームを楽しむ、ゲーム志向のユーザが多いことが推測できる。但し、「EZチャンネル」などのezアプリ(20.0%)、動画メール(9.70%)の利用に関しては7〜8%程度の伸びを示しており、i-modeに比べてやや低い結果となっている。【図8】

【図8】加入前後の携帯電話の主な利用用途の変化 (EZweb n=300)(最大3つまで選択)

【図8】加入前後の携帯電話の主な利用用途の変化(EZweb利用者)

4.定額制サービスに今後加入する予定のない理由

携帯電話利用者の約6割弱を占める非加入予定者の理由として、「利用している端末や料金プランで満足している(34.1%)」がもっとも多く、次いで「パケット通信をあまり使わない(32.2%)」が多いことから現状に満足している利用層が多いことがわかる。また、「加入したら料金が高くなりそう(27.2%)」、「使っている端末や料金プランが対象ではない(20.0%)」も比較的占める割合が高く、加入した場合の割引効果に対する疑問、端末の制限など、実質的かつ物理的要因の回答も多く、これらの諸課題を改善することにより、より一層のサービス普及拡大につながるものと想定できる。【図9】

【図9】定額制サービスに加入予定がない理由(2つまで) (n=2,445)

【図9】定額制サービスに加入予定がない理由

5.パケット通信料の定額制に関しての主なコメント(自由回答)

また最後に、パケット通信定額サービスに関して意見や要望を自由記述で聞いたところ、定額であっても料金が依然高いという意見や、対応機種が制限されているため加入できないという声が多い。料金設定の考え方や対応機種の制限などが提供事業者側に求められている。

  • 定額制に加入できる条件が高すぎて、よほどデータ通信する人しか取り入れにくい、もう少し気楽に入れたら入るし、もっといろんなコンテンツを楽しめると思う。(30代女性 i-mode利用)
  • パケットだけじゃなくて通話料も一緒に定額にしてほしい。(20代女性 i-mode利用)
  • 定額制はあくまでヘビーユーザーが対象。ライトユーザーにも加入しやすいプランも開発すべきだと思う。(10代男性 EZweb利用)
  • パケット定額の魅力が感じられるようなコンテンツが出てくるとよいと思う。(20代男性 EZweb利用)
  • 一部機種やサービスでしか使えないのではなく、全ての機種サービスで使用出来るようにして欲しい。(30代女性 EZweb利用)
  • サービスとしてはとても良いと思う。PCを接続してのデータ通信の定額サービスならもっと良い。(30代男性 EZweb利用)
  • 通信速度が向上し、料金が値下がり、携帯ならではの(位置情報を利用するなどの)コンテンツが充実すれば使いたいと思う。(20代男性 ボーダフォンライブ!利用)
  • パソコンのように早さ、情報の多さ、見やすさが携帯電話にもあれば利用価値があがる。(20代女性 EZweb利用)
  • 子供は定額制を利用するようになって、ぐっと料金が安くなりありがたく思っています。携帯が身近な便利グッズになりました。(50代女性 EZweb利用)

【参考】「gooリサーチ・モバイル」の回答スピード(9/3 AM10時45分から翌日AM10時)

【参考】「gooリサーチ・モバイル」の回答スピード

NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。

この調査結果の単純集計を無料にて提供しています。

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