報道発表資料 平成16年10月29日
gooリサーチ結果 (No.65)
「移動体端末のGPS利用に関する一般生活者の意識」調査結果
~機能搭載機種でも「日常的に利用している」のは1.2%。活用方法の提案が課題~
国内最大級のインターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」(*1)を共同で提供するNTTレゾナント株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:資宗 克行)と株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、取締役社長:谷野 剛)は、本年8月13日(金)から8月18日(水)の期間、「gooリサーチ」登録モニターを対象に「移動体端末のGPS利用に関する一般生活者の意識」に関する調査を実施しました。有効回答者数は2,098名でした。
既に自分の保有している端末に位置情報通知機能が搭載されていると回答した中で、今後の買い替えに際して「位置情報通知機能の有無にはこだわらない」との回答が60.0%に達し、また、位置情報通知機能を「日常的に利用している」人はわずかに1.2%と低い数値となり、本格的な普及段階を迎えるのはこれからであることが伺えます。
総括
昨今、携帯電話サービス提供各社から、GPS対応携帯電話の利用拡大に向けて、カーナビゲーションとの連動、QRコードの活用やタウン情報誌との連携による位置情報を基にした各種情報の提供など、ユーザサービスの強化が発表されていますが、今回の調査結果により、一般生活者における移動体端末の位置情報通知機能へのニーズはまだ本格化しておらず、必要性を感じていない消費者が圧倒的に多いことが浮き彫りになりました。今のところ、現在位置の確認のために利用しているユーザが多数を占めますが、今後の活用が期待される領域としては、道案内などの他にも、高齢者や幼児など第三者の安全確保のために有効であるとの回答が多く、こうした潜在需要への対応と活用方法の提案を積極的に進めていくことが、利用拡大の大きなポイントになると予想されます。
調査結果のポイント
(1) GPS搭載機種の普及度合
位置情報通知機能の搭載機種に関して、自分の保有している端末に機能が「ある」とする人は18.1%にとどまっている。また、既に位置情報通知機能搭載機種を保有していても、今後の買い替えに際して「機能の有無にはこだわらない」とする人が60.0%と圧倒的に多かった。本結果から、GPSの一般利用はまだ始まったばかりで、本格的な需要拡大はこれからであることがわかる。
(2) GPSの利用率と利用目的
GPS機能搭載機種保有者のうち、「日常的に利用している」のは1.2%と少数で、「必要に応じて利用している(19.4%)」と、「数回利用したことがある(40.3%)」が大半を占める。加えて、搭載機種でありながら「GPSを利用していない」割合も39.1%と高く、そのうちの81.5%が「特に必要性を感じない」と回答していることからも、今後の需要の喚起に向けてはサービス提供事業者側からの利用方法の積極的な提案が課題となっている。また、現在の利用目的としては「現在位置の確認」が66.2%と高い。
(3) GPS活用の有効性
携帯電話保有者における位置情報通知機能の活用法については、「道案内[ナビゲーション](65.2%)」、「現在位置の確認(42.9%)」、「緊急時向け安全サービス(21.4%)」、「携帯電話の位置検索[人物探し](16.8%)」といった様々な分野への興味が存在している。また、GPSが有効な領域としては、「高齢者の安全確保のため(43.1%)」、「幼児の安全確保のため(41.5%)」とする回答が大変多く、これら安全確保に関する分野で潜在的な利用ニーズがあることがわかる。
《 補足 》
(*1)【 gooリサーチ 】 http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。携帯電話でアンケートに答える「gooリサーチ・モバイル」モニター(4.6万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(2.2万人)を含め、24万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています。(モニターの人数はいずれもH16年10月現在)
<本調査およびgooリサーチに関するお問合せ先>
NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 リサーチグループ
(Tel) 03-5224-5380、(FAX) 03-5224-5201、(E-mail)research@goo.ne.jp
NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 広報グループ
(Tel) 03-5224-5500、(E-mail) pr@nttr.co.jp
<gooリサーチに関するお問合せ先>
株式会社三菱総合研究所 E-リサーチ事業推進室
(Tel) 03-3277-0719、(Fax) 03-3277-0523、(E-mail) e-res@mri.co.jp
株式会社三菱総合研究所 広報部広報グループ
(Tel)03-3277-0003(Fax)、 03-3277-3490、(E-mail) ccd-mg@mri.co.jp
調査概要
1. 調査対象 | 一般インターネットユーザ及び「gooリサーチ」登録モニター |
---|---|
2. 調査方法 | 公開型インターネットアンケート |
3. 調査期間 | 平成16年8月13日(金)〜平成16年8月18日(水) |
4. 有効回答者数 | 2,098名 |
5. 回答者の属性 | 【男女内訳】 男性50.1% 女性49.9% 【年代別構成】 10代18.5%、20代16.8%、30代20.7%、40代22.6%、50代15.6%、60代 5.1%、70歳以上 0.8% |
調査結果データ
1.GPS搭載機種の普及度合
(1) 位置情報通知機能を搭載している機種の保有者は18.1%、10代が最も多い。
アンケート回答者のうち45.6%が「NTT DoCoMo」の携帯電話の利用者で、以下「au」20.9%、「Vodafone」19.5%と続く。【図1】
【図1】移動体端末のキャリア (n=2,098)
このうち、利用している携帯電話にGPSによる位置情報通知機能を搭載しているかどうかについては、「ない」が70.5%と圧倒的に多く、「わからない」という回答も11.4%あることから、機能搭載端末そのものの普及促進が今後の大きな課題となっていることがわかる。【図2】
【図2】GPSによる位置情報通知機能の有無 (n=1,910)
自分の端末に位置情報通知機能が「ある」と回答した人を年代別に見ると、10代が28.0%と最も高く、40代にかけての保有率は10%台を保っているが、年齢が高くなるにつれ減少していることがわかる。【図3】
【図3】GPSによる位置情報通知機能の有無(年代別) (n=1,910)
(2) 60.0%が買い替えの際GPS機能の「有無にはこだわらない」と回答。
現在の保有端末にGPS機能が搭載されている人のうち、端末購入に際して位置情報通知機能の有無を重視するかどうかについては、「搭載した端末しか購入しない(4.1%)」、「できれば欲しい(33.6%)」に対して、「機能の有無にはこだわらない」とする人が60.0%と多く、GPSに対する需要が充分に広がりを見せていないことがうかがわれる。【図4】
【図4】位置情報通知機能の重視度合 (n=345)
2.GPSの利用率と利用目的
(1) 位置情報通知機能を搭載した端末を保有している人のうち、「日常的に利用している」のは1.2%にとどまり、全く「利用したことがない」との回答が39.1%と多い。
GPSによる位置情報通知機能を搭載した機種を保有している人の中で、19.4%が「必要に応じて利用している」、40.3%が「数回利用したことがある」と回答。一方で、機能がありながら利用したことがない人の割合も39.1%と高く、メール機能のように生活に密着した形での普及にはまだ至っていないことがうかがわれる。【図5】。
【図5】位置情報通知機能の利用率 (n=345)
利用範囲としては、「プライベートのみ」で活用している人が77.6%と圧倒的に多く、ビジネスにおける利用ニーズの開拓と活用方法の積極的提案が、今後の普及拡大のための課題の一つであるとも考えられる。【図6】。
【図6】位置情報通知機能の利用範囲 (n=210)
(2) 利用目的は「現在位置の確認」が圧倒的。
プライベートで利用している人のうち、GPS機能の利用目的に関する質問に対しては、「現在位置の確認」が66.2%と圧倒的に高く、次いで「道案内[ナビゲーション](23.7%)」と続き、現状では用途が限定的であることが伺える。【図7】。
【図7】位置情報通知機能の利用目的 (n=207)
(3) GPSを利用していない人の81.5%が「特に必要性を感じない」と回答。利用方法やメリットの積極的な提案が課題。
位置情報通知機能が搭載された機種でありながら「利用したことがない」最大の理由は、「特に必要性を感じないから」が81.5%と大勢を占め、GPSに利用価値を見出していないことが伺える。また、28.9%が「パケット料金が高いから」という理由をあげており、サービス提供事業者側の対応として、利用方法やメリットの積極的な提案や、利用価格面での検討も求められている。【図8】
【図8】位置情報通知機能を利用しない理由 (n=135)
3.GPS活用の有効性
(1) GPS活用への興味は潜在的に存在。需要の喚起が課題。
関心のある位置情報通知機能の活用法に関する問いには、「道案内(ナビゲーション)」と答えた人が65.2%と最も高い。現在の利用率が高い「現在位置の確認」も42.9%と多いが、この他にも「緊急時向け安全サービス(21.4%)」、「携帯電話の位置検索[人物探し](16.8%)」、「現在位置を第三者へ連絡(16.7%)」といった様々な利用方法に対するニーズが存在していることがわかる。今後は、こうした潜在需要をより引き出せるかどうかが本格的な普及にあたってのポイントの一つであると考えられる。【図9】
【図9】興味ある位置情報通知機能の活用法 (n=1,910)
(2) 「高齢者」と「幼児」など第三者の安全確保に有効であると考える人が多く、活用法の一層の拡大が期待される。
一方、移動体端末の利用者が自分の位置を第三者に知らせる位置通知機能の普及についてどう思うかとの問いに対しては、「高齢者の安全確保のためには有効である(43.1%)」、「幼児の安全確保のためには有効である(41.5%)」との回答が際立って高く、位置情報通知機能が、自分自身の興味の範囲とは別に、高齢者や幼児の安全確保において多いに期待されていることがわかる。今後需要喚起に向けては、こうした利用ニーズを掘り起こし、活用方法の認知向上をさらに進めていくことが求められる。【図10】
【図10】位置情報通知機能の有効性 (n=1,910)
(3) 「個人情報取り扱いに関する安全性の明確化」を求める回答が34.0%と多く、ユーザデータ流出などに対する徹底した対策が課題。
位置情報通知機能に望むことは、「個人情報取り扱いに関する安全性の明確化」が34.0%と最も高く、技術面での向上よりもデータ管理の徹底に対する一般生活者の意識の高さが見て取れる。また、「位置情報の制度の向上(25.6%)」といった技術面への期待も大きく、普及への課題の一つと考えることができる。【図11】。
【図11】位置情報通知機能に望むこと (n=1,910)
NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。