買い物をする“店”も変化

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かつての高度経済成長期における日本の消費者の購買行動は、いたって画一的だった。日々の買い物は地元の個人商店やスーパーで済ませ、少々値の張るような「ハレの商品」などは中心市街地の百貨店や商業ゾーンで、というパターン。しかし、バブル経済の発生と崩壊、ITの発達などを契機に大きく様変わりしてしまった。

女性の社会進出は進んでいるか

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「夫が外で働き、妻は家庭を守る」という伝統的な男女の役割分担を良しとする傾向は依然として強い。こうしたなか、女性の労働力人口は1970年代中盤を底に増加傾向にあり、およそ半数が仕事をしている、または働く意思を持っているということになる。女性の労働力率は男性と比べると25ポイント程度低いが、その差は徐々に縮小してきている。だが、男女の賃金を比較してみると、依然としてその差は大きい。

高齢者の再雇用

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年金受給年齢の段階的引き上げ、全事業所への高年齢者雇用確保措置の義務付けなど、高齢者と仕事を取り巻く環境が近年大きく変わっている。こうしたなか、団塊の世代の数百万人が定年退職を迎える「2007年問題」が顕在化した。とはいえ、大多数が定年を迎える60歳はまだまだ気力・体力ともに充実しており、"現役"を続けたいと望む人も多い。

増える非正規雇用

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1990年代中盤以降、企業はリストラや新卒社員の採用抑制により人員のスリム化を進めてきた。一方で、派遣社員やパート、アルバイト、嘱託社員などの非正規雇用者が社員の減少を補うように増加してきた。今や働いている人の3人に1人は非正規雇用、女性の半数以上が非正規雇用で働いていることになる。賃金面からみてみると、非正規雇用者の所得は正社員の半分から3分の1程度の水準に過ぎないということになる。

若者の労働事情

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近年、若者の就労形態で増えてきている「フリーター」。2003年には217万人にまで増加したが、その後は漸減傾向にある。フリーターとともに、若年層の間で増加しているのが、就学、就労、職業訓練のいずれも行っていない「ニート(NEET)」と呼ばれる層。その数は2005年には64万人と、ここ4年間横ばいの状態が続いている。フリーターやニートの増加は労働力の質の低下、ひいては日本経済の競争力の減退という事態にもつながりかねない。少子高齢・人口減少社会が本格化した日本にとっては早急に手を打つべき問題となっている。

少子化はどこまで進むか

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日本の年間出生数は第2次ベビーブーム期のピークだった1973年以降、30年以上にわたって減り続けている。第1次ベビーブーム期の年間出生数は約270万人だったから、今はその4割程度しか生まれていないことになる。なぜ少子化が進んでいるのか。大きな要因としては、晩婚化・晩産化、そして未婚化が挙げられる。少子化は労働力人口や消費人口の減少につながり、総体としてのマーケットは縮小するかもしれない。だがビジネスチャンスまで減っていくわけではないのである。

超高齢社会がやってくる

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日本は1970年に高齢化率が7%を超え、1994年に14%、2005年には20%を突破した。高齢者の一人暮らしも増えてくる。この25年で子どもや孫との同居を強く望む高齢者は減ってきている。2010年以降は戦後生まれの高齢者が登場し、高齢者の嗜好やライフスタイルなどが劇的に変化していく可能性もある。世界一の長寿国でありながら、日本は寝たきりの高齢者が非常に多い。豊かな高齢社会を実現するためには、介護老人を減らすことよりも、高齢者の健康を増進するというアンチエイジングの考え方を普及させていく必要がありそうだ。

人口減少期を迎えた日本

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日本の人口問題を語るとき、初めて人口の自然減を体験した2005年はターニングポイントとして記憶されるだろう。今後44年間で3260万人、1年平均すると約74万人減ることになる。静岡市規模の都市が毎年一つずつ減っていくことになる。労働力人口の減少は経済成長率にマイナスの影響を及ぼす。出生数の減少により若年労働者は減りつつある。労働力人口は高齢化しながら減っていくことになる。人口の減少が日本の社会に及ぼす影響は不透明だが、新しい経営戦略、新しいビジネスモデル、新しいマーケティングが求められることは間違いない。

和んで老後を送れるか

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定年になったら、実際のところ年金はいくらもらえるのだろう。2002年の東京都の場合、年金は月額21万2500円、消費支出のほうは25万121円になり、赤字になるという。老後の生活を営むのはかなり厳しいようだ。年金ゼロが危惧される現象も近年目立っている。若年層における納付率の低下は、将来、大量の年金ゼロ予備軍の発生が危惧されるばかりか、年金制度の土台そのものを揺るがしかねない。

2つの離婚率で見る離婚の実態

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離婚率を調べてみると、同じ離婚率という用語で2種類の指標が使われていることに気づく。一つは、人口1000人当たりの離婚件数で、国民生活白書や国際比較などで使われている。離婚は景気の先行指標であるという指摘はしばしばされるところである。これに対して、もう一つの離婚率は、その年に何組が結婚して何組が別れたかを計る。いわゆる「できちゃった婚」をした24歳以下の若年層の離婚率が飛び抜けて高い。