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「訪日アジア観光客の東京の街に対するイメージ」調査結果

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便利/活気の「新宿」、最新トレンドを感じる「渋谷」、高級感/物価高の「銀座」

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NTTコム リサーチ と 実践女子大学 による共同企画調査

プレス・リリース 2016年8月5日

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
実践女子大学 斎藤明研究室

「訪日アジア観光客の東京の街に対するイメージ」調査結果

~便利/活気の「新宿」、最新トレンドを感じる「渋谷」、高級感/物価高の「銀座」~

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本 良江、以下NTTコム オンライン)と実践女子大学人間社会学部准教授 斎藤明(以下 斎藤明研究室)は、NTTコム オンラインが運営するインターネットアンケートサービス「NTTコム リサーチ」の、中国,台湾,タイ在住の海外モニターのうち、直近過去1年以内に観光目的で日本に訪れた経験のある629人を対象に、国内/都内で訪問した観光地・スポットや街のイメージ、印象についての調査を行いました。本調査は、NTTコム オンラインと斎藤明研究室が共同で調査の企画・設計・分析を行ったものです。

総括

アジア系観光客が訪問する国内観光スポットとしては依然として東京・大阪・京都が定番の人気でありますが、タイ人観光客には北海道が人気、20代など若い世代には大阪が人気など、国や年代により傾向に違いが見られます。

また都内の観光地に関しても新宿、渋谷、銀座の3大エリアが人気ではありますが、各国の観光客からの自由意見を読み解くと、国籍や年代の違いにより微妙な傾向の違いが見られ、上記以外のスポットへの集客の状況が伺えます。一例として、中国人の20-30代では「秋葉原」、同じく30代で「浅草寺」などに印象深く感じたとの回答や、台湾人では男女による違いが見られ、「浅草雷門」や「東京スカイツリー」(以上特に男性)や「上野公園」や「東京ディズニーランド」(以上特に女性)に感銘を受けたとの回答がありました。また、台湾と中国観光客との間で異なるスポットに深い印象を持っていることが結果から読み取れます。

街のイメージについては、新宿は「便利」「にぎやか、活気がある」の印象が、渋谷は「最新トレンドを感じる」との印象が、銀座は「高級的な」「物価が高い」のイメージが高く表れております。

調査結果のポイント

(1) 国内観光の訪問都市は「東京」が7割以上、「大阪」は若い世代ほど訪問率が高い傾向

直近1年以内に日本国内を訪れたことがあるアジア観光客に、訪れた国内都市を聞いた結果、「東京」が74.4%と最も高く、以下「大阪」「京都」「北海道」が続いた。

国別での訪問都市の比較では、タイ人の「北海道」(48.6%)への訪問率が高く、年代別での比較では「東京」はどの年代も訪問率に差がないものの、「大阪」は20-29歳が最も高く、年代が若いほど訪問率が上がっていく傾向が見られる。

(2) 都内観光は中国人が「銀座」、台湾人は「新宿」へ、タイ人は「渋谷」「新宿」へ分散の傾向

都内で観光に訪れた街については、「新宿」(65%)が最も高く、以下「銀座」(56%)、「渋谷」(54.1%)の順で続いた。

国別の比較では、中国人の「銀座」への訪問率が76.3%と大半を占め、「新宿」(61.6%),「渋谷」(46.3%)との間で訪問率に大きな差がある。台湾人では73%が「新宿」に訪問しており、同じく次位の「秋葉原」(58.3%),「浅草」(56.5%)との間に訪問率の差が出ている。タイ人は「渋谷」(68.7%),「新宿」(63.2%)との間に差がなく分散(もしくは同時に)訪問している傾向が伺える。年代別比較では、40代が「新宿」(75%),「銀座」(64.1%)に訪問する割合が他の年代と比べて最も高く、年代が若くなるほど「渋谷」への訪問率が上がる傾向が見られた。

(3) 街のイメージ、新宿は「便利」「にぎやか、活気」、渋谷は「最新トレンドを感じる」

特に訪問客が多い新宿、渋谷について、新宿は「便利」「にぎやか、活気がある」の印象が、渋谷は「最新トレンドを感じる」ことへのイメージが高く出ている。国別の比較では、渋谷で「最新トレンドを感じる」ことへの印象が強いのは、タイ、台湾人で5割前後に達しており、中国人は25%ほどに留まっている。

銀座は「高級的な」「物価が高い」のイメージが高く、予想されうる傾向となっている。特に台湾人が「高級的な(56.1%)」「物価が高い(54.4%)」のイメージ・印象を強く持たれている傾向が見られ他国に比べて高くなっている。

(4) 訪れた街・観光名所で、最も印象深かったものについて

訪れた街や観光名所で、最も印象深かった場所を聞いた自由回答では、中国人は全年代で「銀座」の回答が最も多いが、年代別にみると、20-30代を中心に「秋葉原」、30-40代では「富士山」、「浅草寺」(30代)などの回答も多く見られた。

台湾人は年代別の偏りはあまり見られず、「浅草雷門」「浅草寺」の回答が最も多く、特に男性のほうが多い傾向であった。その他、女性は「上野公園」「東京ディズニーランド」などが、男性は「東京スカイツリー」などに印象深かったとの回答が多く見られ、台湾と中国観光客との間で全く異なるスポットに深い印象を持っていることが結果から読み取れる。

調査概要

1. 調査対象 「NTTコム リサーチ」グローバル調査モニター
2. 調査方法 非公開型インターネットアンケート
3. 調査期間 平成28年6月28日(火)~平成28年6月30日(木)
4. 有効回答者数 629名(中国217名,台湾202名,タイ210名)
5. 回答者の属性 【男女】
男性48.2%,女性51.8%

【年代】
20-29歳:23.7%,30-39歳:52.6%,40-49歳:19.7%,50-59歳:3.7%,60歳以上:0.3%

《 本件に関連するサービス 》

■「NTTコム リサーチ・クローバル調査」 http://research.nttcoms.com/lineup/oversea.html
世界86ヶ国の消費者モニターを対象に、海外でマーケティング調査・市場調査を提供するインターネットリサーチ・サービスです。
一般消費者から特定のビジネス、専門分野に限定された人々に至るまで幅広くカバーしており、世界中の消費行動・ビジネス活動を迅速かつ効果的にリサーチでき、お客様のグローバル戦略をサポートします。

《 補足 》

■「NTTコム リサーチ(旧gooリサーチ)」 http://research.nttcoms.com/
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(http://www.nttcoms.com/)が提供する高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。
自社保有パネルとしては国内最大級のモニター基盤(2016年6月現在 217万会員)を保有するとともに、「モニターの品質」「調査票の品質」「アンケートシステムの品質」「回答結果の品質」の4つを柱とした「クオリティポリシー」に基づく徹底した品質確保を行い、信頼性の高い調査結果を提供するインターネットリサーチとして、多くの企業・団体に利用されています。
なお、2013年12月9日に、モニター基盤の拡大を期にサービス名称を「gooリサーチ」から「NTTコム リサーチ」と名称を変更し、サービスを提供しています。

<本件に関するお問い合わせ先>

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
リサーチ&CRM本部
TEL: 03-4330-8402
URL: http://www.nttcoms.com/
メールアドレス:research-info@nttcoms.com

調査結果データ

(1) 国内観光の訪問都市は「東京」が7割以上、「大阪」は若い世代ほど訪問率が高い傾向

中国,台湾,タイ在住の海外モニターのうち、直近過去1年以内に観光目的で日本に訪れた経験のある629人を対象に調査を行った。観光に訪れた都市としては「東京」が74.4%と最も高く、以下、「大阪」「京都」「北海道」の順で続いた。

観光客別の比較でもいずれも「東京」「大阪」「京都」「北海道」の順で訪問者が多いが、タイ人については、「北海道」(48.6%)への訪問率が高く依然として根強い人気があることや、「福岡」や「奈良」への訪問が中国や、台湾の方と比べて高い傾向が見られる。

【図1-1】観光客の居住国別内訳(N=629・SA・単位:%)

【図1-1】観光客の居住国別内訳(N=629・SA・単位:%)

【図1-2】国内観光での訪問都市(N=629・MA・単位:%)

【図1-2】国内観光での訪問都市(N=629・MA・単位:%)

【図1-3】国内観光での訪問都市(国別)(N=629・MA・単位:%)

【図1-3】国内観光での訪問都市(国別)(N=629・MA・単位:%)

また国内観光での訪問都市について、年代別での比較では「東京」はどの年代も訪問率に差がないが「大阪」は20-29歳が最も高く、ユニバーサル・スタジオ等の若年層に人気のスポットが誘引要素となっている事が伺え、年代が若いほど訪問率が上がっていく傾向が見られる。

【図1-4】国内観光での訪問場所(年代別)(N=629・MA・単位:%)

【図1-4】国内観光での訪問場所(年代別)(N=629・MA・単位:%)

(2) 都内観光は中国人が「銀座」、台湾人は「新宿」へ、タイ人は「渋谷」「新宿」へ分散の傾向

東京都内に観光で訪れた方に対して、訪問した街について伺ったところ、全体としては「新宿」と回答した方が65%と最も高く、以下「銀座」(56%)、「渋谷」(54.1%)の順で高くなっている。

【図2-1】都内観光での訪問した街(全体)(N=468・MA・単位:%)

【図2-1】都内観光での訪問した街(全体)(N=468・MA・単位:%)

国別の比較で見た場合に、台湾人は「銀座」への訪問が76.3%と大半を占めており、銀座の洒落た雰囲気や高級感、免税品店でのショッピングなどを理由に挙げた方が直近1年以内に訪れた観光客のコメントに見られる。以下の訪問率は「新宿」の約6割(61.6%),「渋谷」の5割弱(46.3%)であり「銀座」との間には訪問率に開きが出ている。台湾人は7割以上(73%)が「新宿」に訪問しており、以下「秋葉原」(58.3%),「浅草」(56.5%)が5割半程の訪問率であった。タイ人は「渋谷」が7割弱(68.7%)で最も高いが「新宿」(63.2%)も6割を超えており分散もしくは同時に訪れている傾向が伺える。以下「原宿」が5割程(51.5%)の訪問率であった。

【図2-2】都内観光での訪問した街(国別)(N=468・MA・単位:%)

【図2-2】都内観光での訪問した街(国別)(N=468・MA・単位:%)

また年代別の比較では、40代が「新宿」(75%),「銀座」(64.1%)に訪問する割合が他の年代と比べて最も高くなっている。30代、20代と年代が若くなるにつれて「新宿」「銀座」への訪問傾向が徐々に下がり、「渋谷」への訪問率が上がる傾向(20代では「銀座」が45.5%と大きく下がるのに対して、「渋谷」が57.1%まで上昇する傾向)が見られた。

【図2-3】都内観光での訪問した街(年代別)(N=468・MA・単位:%)

【図2-3】都内観光での訪問した街(年代別)(N=468・MA・単位:%)

(3) 街のイメージ、新宿は「便利」「にぎやか、活気」、渋谷は「最新トレンドを感じる」

新宿、渋谷、銀座などの、特に訪問観光客の多い街についてイメージを聞いた結果では、新宿は「便利(47%)」「にぎやか、活気がある(44.7%)」の印象を持たれている方が多く、渋谷は「最新トレンドを感じる」「楽しめる」(43.5%)ことへの印象が強い傾向となっている。銀座は「高級的な(45.8%)」「物価が高い(43.5%)」がイメージとして最も高く出ており、予想できる結果となっている。

【図3-1】新宿のイメージ (N=304)

【図3-1】新宿のイメージ	(N=304)

【図3-2】渋谷のイメージ(N=253)

【図3-2】渋谷のイメージ(N=253)

【図3-3】銀座のイメージ(N=262)

【図3-3】銀座のイメージ(N=262)

【図3-4】青山のイメージ(N=135)

【図3-4】青山のイメージ(N=135)

【図3-5】表参道のイメージ(N=90)

【図3-5】表参道のイメージ(N=90)

【図3-6】原宿のイメージ(N=173)

【図3-6】原宿のイメージ(N=173)

【図3-7】六本木のイメージ(N=112)

【図3-7】六本木のイメージ(N=112)

【図3-8】浅草のイメージ(N=186)

【図3-8】浅草のイメージ(N=186)

【図3-9】上野のイメージ(N=166)

【図3-9】上野のイメージ(N=166)

【図3-10】秋葉原のイメージ(N=195)

【図3-10】秋葉原のイメージ(N=195)

国別の比較でみると、新宿で「便利」「にぎやか、活気がある」の印象を持たれているのは、タイ、台湾人となっている(「便利」:タイ人58.3%,台湾人48.8% 「活気がある」:タイ人51.5%,台湾人47.6%)。タイ人については「最新トレンドを感じる」も53.4%と高い傾向である。

【図4-1】新宿のイメージ(国別)

【図4-1】新宿のイメージ(国別)

渋谷について「最新トレンドを感じる」ことへの印象が多くなっているのは、タイ(55.4%)、台湾人(49.1%)であり、中国人は25%ほどに留まっている。タイ人に関しては「綺麗・清潔な(54.5%)」や「食事が美味しい(55.4%)」などの項目の評価も高くなっている。

【図4-2】渋谷のイメージ(国別)

【図4-2】渋谷のイメージ(国別)

銀座については台湾の方が「高級的な(56.1%)」「物価が高い(54.4%)」のイメージ・印象を持たれている傾向が他国の方に比べて高くなっている。

【図4-3】銀座のイメージ(国別)

【図4-3】銀座のイメージ(国別)

また街のイメージについてコレスポンデンス分析を行った結果では、新宿,渋谷,原宿,銀座が「興奮する」「食事がおいしい」「便利な」「若者が多い」などの共通のイメージを持たれていることが伺える。

一方で六本木、秋葉原、池袋、上野に関しては、街のイメージについて特徴的な傾向がほとんど見られない結果となっている。

【図4-4】訪れた街のイメージについて(MA・単位:%)

【図4-4】訪れた街のイメージについて(MA・単位:%)

(4) 訪れた街・観光名所で、最も印象深かったもの

訪れた街や観光名所で、最も印象深かった場所について自由回答で聞いたところ、中国人は年代に偏りなく「銀座」の回答が最も多かったが、20-30代を中心に「秋葉原」(例:漫画やコスプレ等)、30-40代では「富士山」、「浅草寺」(30代)などの回答も多く見られ、それ以外に、街の清潔さや、人の親切さ、高品質などの印象を持った回答も見られた。

台湾人では年代別での偏りはあまり見られないが、「浅草雷門」「浅草寺」の回答が最も多く、特に男性の回答者が多い傾向であった。その他、特に女性には「上野公園」「東京ディズニーランド」などが、男性には「東京スカイツリー」などに印象を持ったとの回答が多く見られ、台湾の方が中国観光客の方とは全く異なるスポットに深い印象を持ったことが結果から読み取れる。 タイ人はスカイツリーや浅草の他に、「原宿」への思い入れや、「北海道」の広大な風景やカニや豊富な魚介類を食することの興奮を印象に挙げている回答も見られた。

NTTコム リサーチ・グローバル調査

この調査結果の単純集計を無料にて提供しています。

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