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ダイバーシティ・マネジメントに関する調査

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取り組みの成果は「従業員のモチベーション向上」と「優秀な人材登用」

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2010年7月2日

NTTレゾナント株式会社

「ダイバーシティ・マネジメント」に関する調査結果

~取り組みの成果は「従業員のモチベーション向上」と「優秀な人材登用」~

インターネットアンケート・サービスを提供する「gooリサーチ」は、「gooリサーチ」消費者モニターの中から従業員数50人以上の企業・団体の人事担当者を対象に「ダイバーシティ・マネジメント」に関する調査を実施しました。有効回答者数は930名でした。

総括

今回の調査は、日本で近年定着しつつあるダイバーシティ・マネジメントについて、企業の取り組み実態を調べることを目的としました。

結果、9割以上の企業で何らかのダイバーシティ・マネジメントを行っていることがわかりました。ほぼすべての活動種目において外資系企業が日系企業の取り組み状況を上回る傾向にあります。取り組みの成果は「従業員のモチベーション向上」と「優秀な人材登用」が多く挙げられています。

しかしながら、ダイバーシティという考え方自体が周知徹底されていない、社員の理解や意識が低いといった企業側、社員双方の認識に伴う課題が払拭できていない現状も浮き彫りとなっています。

また、今年度ダイバーシティ・マネジメントにかける費用は昨年と比較して増加、もしくは横ばいと、長引く不況の影響を受けずに確実に企業運営における重要なファクターとなっていることが伺えます。

調査概要

1. 調査対象 「gooリサーチ」登録モニター
2. 調査方法 非公開型インターネットアンケート
3. 調査期間 平成22年6月16日(水)~平成22年6月21日(月)
4. 有効回答者数 930名
5. 回答者の属性 【業種内訳】
農林水産・鉱業・電気・ガス・熱供給・水道 1.6%、 建設・不動産 6.8%、 製造業 23.3%、 運輸業 4.3%、 卸売・小売業 9.8%、 サービス・飲食業 14.9%、 金融・保険業 5.6%、 情報・通信 9.5%、 官公庁・公共機関 10.5%、 その他13.7%

【従業員数内訳】
50~99人 16.3%、 100~499人 30.1%、 500~999人 11.0%、 1,000~4,999人 19.9%、 5,000人以上 22.7%

調査結果のポイント

本調査では、ダイバーシティ・マネジメントを以下のように定義しています。

ダイバーシティ・マネジメント:
多様な属性(性別、年齢、国籍など)や価値観を受け入れることで、ビジネス環境の変化や多様なニーズに対応し、個人と企業双方にプラスとなる組織にしていこうとする企業活動

(1) 外資系企業で活発なダイバーシティ・マネジメント

「出産・育児休暇制度」を筆頭に、9割以上の企業がダイバーシティ・マネジメントに取り組んでいることがわかった。日系企業よりも外資系企業の方が取り組みに対して活発で、特に「女性管理職の登用」、「フレックスタイム制度」においては日系企業を3割程度上回る結果となった。

(2) 取り組みの課題は認識不足と公平な評価制度づくり

ダイバーシティ・マネジメントに取り組む企業にとって主な問題点は、「ダイバーシティという考え方が周知徹底されない」、「社員のダイバーシティに対する理解や意識が低い」、「多様な雇用形態に対応する公平な評価制度づくりが難しい」が挙げられた。

(3) 取り組みの成果は「従業員のモチベーション向上」と「優秀な人材登用」

従業員数99人以下と5000人以上の企業の約3割は、ダイバーシティ・マネジメントの成果として従業員のモチベーション向上と優秀な人材登用を挙げている。離職率の減少に最も効果が見られたのは従業員数100~499人の企業であった。

(4) ダイバーシティ・マネジメントの重要性は高まっている

勤務先においてダイバーシティ・マネジメントの重要性が今後高まるという回答は9割を占めた。その割合の増加は、従業員数と比例している。

(5) ダイバーシティ・マネジメントの取り組み費用は増加もしくは横ばい

7割の企業で前年比横ばいとなっている。ダイバーシティ・マネジメントの重要性と同様に、従業員数が増加するのに比例して、取り組み費用が増加傾向であることがわかった。

調査結果データ

(1) 勤務先で取り組んでいるダイバーシティ・マネジメントの種類

全体では「出産・育児休暇制度」が最も多く、73.1%を占めた。次いで、「介護休暇制度(60.0%)」、「再雇用制度(59.5%)」の順になった。一方で、いずれのダイバーシティ・マネジメントも取り組んでいない企業/団体が約1割という結果となった。【図1-1】

また、企業属性別で見ると、「高齢者の雇用」以外のすべての取り組みについて、『外資系の会社』が『日本の会社』を上回った。中でも、「女性の管理職登用」、「フレックスタイム制度」においては、3割程度の差が見られ、外資系企業のダイバーシティ・マネジメントの関心の高さが顕著に表れる結果となった。【図1-2】

【図1-1】勤務先で取り組んでいるダイバーシティ・マネジメント

【図1-1】勤務先で取り組んでいるダイバーシティ・マネジメント

【図1-2】勤務先で取り組んでいるダイバーシティ・マネジメント_企業属性別

【図1-2】勤務先で取り組んでいるダイバーシティ・マネジメント_企業属性別

(2) ダイバーシティ・マネジメントの取り組みにおける問題点

8割以上の企業がダイバーシティ・マネジメントの取り組みにおいて課題を抱えていることがわかった。特に、「ダイバーシティという考え方が周知徹底されていない(38.2%)」、「社員のダイバーシティに対する理解や意識が低い(37.8%)」といった、ダイバーシティ制度に対する企業と社員双方による認識に伴う課題が目立つ。「新たな制度導入に当たりコストがかかる」という回答は1割程度に留まり、コスト面での課題意識は相対的に低い。【図2】

【図2】ダイバーシティ・マネジメントの取り組みにおける問題点

【図2】ダイバーシティ・マネジメントの取り組みにおける問題点

(3) ダイバーシティ・マネジメントの成果

ダイバーシティ・マネジメントによる成果は、全体では「従業員のモチベーションが向上した」が25.9%と最も多く、次いで「優秀な人材を登用することができた」25.2% という結果になった。特に、従業員数99人以下と5000人以上の企業ではともに3割を超えた。最も離職率の減少に効果を挙げたのは従業員数100~499人の企業だった。「企業イメージが向上した」との回答は、従業員数5000人以上の企業が突出して高く27%を占め、従業員数99人以下の企業の約3倍となった。【図3】

【図3】ダイバーシティ・マネジメントの成果_従業員数別

【図3】ダイバーシティ・マネジメントの成果_従業員数別

(4) ダイバーシティ・マネジメントの重要性

ダイバーシティ・マネジメントの重要性が、今後勤務先においてどのように変化するかを尋ねた。全体では「大きく高まる」と「高まる」を合わせると、およそ9割が重要性が高まっていくと回答した。従業員数別で見ると、従業員数が増加するのと比例して重要性が高まる傾向にあることがわかった。【図4】

【図4】ダイバーシティ・マネジメントの重要性_従業員数別

【図4】ダイバーシティ・マネジメントの重要性_従業員数別

(5) 昨年度と比較した今年度のダイバーシティ・マネジメントの取り組み費用

昨年度と比較した今年度のダイバーシティ・マネジメントに対する取り組み費用は、全体では「変わらない」が7割を超えた。従業員数別で見ると、ダイバーシティ・マネジメントの重要性【図4】と同様、従業員数が増加するのと比例して取り組み費用が増加傾向である。中でも、従業員数5000人以上の企業では、35.1%が「増加」と回答している。【図5】

【図5】ダイバーシティ・マネジメントの取り組み費用_従業員数別

【図5】ダイバーシティ・マネジメントの取り組み費用_従業員数別

NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。

この調査結果の単純集計を無料にて提供しています。

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