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なぜ売れる?高価な商品

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「ちょっとした贅沢」という切り口

日本のGDP(国内総生産)の6割近くを占める個人消費。景気循環の影響を受けやすいものの、後退局面においても総額が大きく落ち込むということはなく、家庭内での使途がシフトしていることが多いようだ。全般的に消費マインドが冷え込んだとしても、それを補う魅力や付加価値を提供できれば、消費意欲に刺激を与えて新たなトレンドを生み出すことができる。そうした事例は、これまでにも幾度も見られた。

三井住友銀行グループのSMBCコンサルティングが、毎年発表している年間の「ヒット商品番付」。その2007年版で、東の大関に選ばれたのは「プレミアム商品」だった〔図1〕。1990年末からの個人消費は、景気の先行き不透明感から低価格優先の「我慢」が基調となっていた。これは、今も大きく変わっていないが、消費意欲は決して小さくなくマインドが刺激されると動き出す潜在的な要素を持っていると言える。

図1 2007年のヒット商品番付のグラフ

プレミアム商品は、まさにここを刺激したようだ。「我慢」の消費が続いた反動として、「ちょっとした贅沢」が消費マインドを動かした。ビールに始まり高級スイーツなどこだわりや素材をこらした食品、こだわりの機能が魅力的なスチーム電子レンジや炊飯器などの家電製品、あらゆる分野で日常に「ちょっとした贅沢」をプラスした商品が登場。さらに航空機や映画館の座席といったサービス部門での「プレミアム」も拡大傾向にある。

同じくヒット商品番付で東の横綱となった「ニンテンドーDS」&「Wii」に関しても、普及が加速した高精細・高画質の「大型薄型テレビ」と相まって消費マインドを刺激しているようだ。

別の調査になるが、ジーエフケー マーケティングサービス ジャパンが2008年5月に発表した「2007年下半期 購入製品メーカー満足度ランキング」。これは同社が毎月主要家電製品17品目の満足度を調査し、品目ごとメーカー別にランキング発表したものだ。この調査によれば、購買行動には以前と比べて口コミや比較サイトによる事前検討が加わるものの、消費者満足度の基準が製品を使用した印象は、広告・その他媒体などでの訴求内容とどれだけ合致しているかという点にあるという。つまり、製品の機能特徴、メリットをいかにわかりやすく消費者に伝え、かつ購入者の期待に応えられる製品をつくるかが満足度の向上、ひいてはヒット商品へとつながるのである。

これらの調査でわかるのは、「低価格優先」という消費マインドが万人に当てはまるわけではないということだ。高額でも「価値がある」と思えば買うし、この商品なら「百均ショップでもいい」と考えるのが現代人。つまり、われわれの「消費意欲」は基本的に決して弱くないのである。その弱くない「消費意欲」を刺激する商品の魅力とそれをどれだけわかりやすく伝えるか。そこに売れるものづくりのヒントがある。

自分への投資は「惜しまない」

日本総合研究所が2007年12月に発表した「値段が高くても買いたい商品に関する意識調査」。20歳代以上の各年齢層を均等に抽出し、実施している。それによると、値段が高くても買いたい商品は「自分自身のため」という回答が全体の8割近くを占めた。

これを細かに分析すると、「ブランドを重視する」人が全体では6割を超えている。また、「値段が高くても買いたいブランド」を評価する理由では、「品質や性能などが高いから」(40.3%)が全体でのトップで、「デザイン性が高いから」(18.2%)、「信頼感」(12.8%)が続く〔図2〕。さらに「自己表現したいか」との設問には、全体の4割超が「自己表現したい」と答えている。

図2 値段が課高くても買いたいブランドを評価する理由のグラフ

消費力が低いと言われるM1・F1層(20歳から34歳までの若者層)に特化してさまざまな調査を行っているM1・F1総研(R)が、2008年9月に発表した「女性の貯蓄と消費意欲の特徴」で2008年1月から6月までの半年間の消費内容と金額を聞いている。そこには生活や趣味にかけるお金を抑えて貯蓄をすると答えた男性が34.5%、女性が40.8%いた。その理由を見ると「漠然とした将来への不安から」という答えが男女とも最も多かった。

では、実際にまったくモノを買わないのかというとそうではない。「自分自身への投資」に男性は19万1000円、女性は34万1000円を費やしている。また、女性のほうが消費意欲は高く、旅行には男性の1.3 倍を、衣服・靴には男性の1.7 倍の金額をこの半年に消費していることがわかった。節約はするが、「自分を磨くこと」「自分を表現すること」までは抑制したくないと考えている若い女性が多いのである。

これは今後の行動についても同じで、「今後最もお金をかけたいもの」という設問にも、「自分磨きができるもの」「自分の感性に合うもの」「自分を表現するもの」などという回答が高い数値を示していることからも伺える〔図3〕。この設問では男性も「知的好奇心を満たせるもの」「自分磨きができるもの」との回答が多く。若者全体として、自分自身への投資意欲は高いことがわかる。

図3 今後最もお金をかけたいもののグラフ

キーワードは「信頼」と「安全」

高くても理由があれば購入するのは、食品に対しても同じである。gooリサーチの「食料品に関するアンケート」で「食料品の要素に対する価格プレミアム(どれくらい価格が高くても購入するか)」について聞くと、価格が1割以上高くても買うという人は、「国産」「鮮度」「信用のおける銘柄(ブランド)」でいずれも60%以上を超えている〔図4〕。つまり、「安全」を裏付ける「信頼」が価格に反映されているのである。

このように現代人の消費志向は、嗜好的要素の強い商品や製品に対しては、「自分自身に投資(消費)し、自分自身を高め、表現したい」という意識が強いという前提はあるものの、投資(消費)余力さえあれば基本的に「多少高くてもいいもの」を買いたいと考えている。

図4 食料品の要素に対する価格プレミアムのグラフ

人気の続いている「ちょっと贅沢」なプレミアム商品にも、高額なブランド商品やちょっと高めのブランド食品にも、商品の確かさ、「信頼」や「安全」がその背景にあるように思える。高くてもいいものを自分に投資するのは、それらの商品が"間違いなく"おいしいモノであり、本物であり、安全なモノであるからに相違ない。

こうしたデータから商品開発のポイントは、「信頼」「安心」を前提にしたうえで、購買行動を刺激する副次的効果や魅力をどのように加味していくかにあるようだ。

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