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インドア化する若者のレジャー

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ひもが固い若者の財布

2008年の国内自動二輪車販売台数は、60万台を割り込み、過去最低水準の見通しとなった。「バイクが若者のシンボルであったのは、昔の話」と、自動二輪車メーカーは嘆く。少子化や都市交通の利便性の向上、さらには排ガス規制や駐車規制の厳格化など確かに逆風ばかりだ。しかし、この逆風は、自動二輪車だけに吹いているわけではない。バイクを卒業した若者が次に求めた四輪車も、1998年以降は国内販売が600万台を下回ったままで、2007年には535万台あまりに落ち込んでいる〔図1〕。若者はバイクや自動車などに関心がなくなったのだろうか。仮にそうなら、その関心は何に向かっているのか。

図1 自動車とバイクの販売統計のグラフ

ガリバー自動車研究所が2008年春の新社会人を対象に行った意識調査によると、初任給を自動車購入に使うという回答は7.6%、その一方で貯金するとの回答が70.0%に上った。さらに、今後1年程度の間に自家用車を購入する予定があるかとの設問では、「ある」が27.2%に対し、「ない」が72.8%と圧倒的に多い。また、購入を予定している27.2%に「購入するとしたらどのタイプ?」との設問では、「コンパクトカー」が31.9%でトップ、次いで「軽自動車」が23.1%だが、「特にない」という回答も10.6%を占めた。

では、自動車そのものに関心がないのかというと、そうでもない。休日の過ごし方に関する設問には、「ドライブ」という回答が49.7%あった。このことから、自動車は利用したいが購入してまでという気持ちはなく「相乗り」「レンタカー」など、マイカー以外の手段を考えていると思われる。

これは、若者がモノを買わなくなった一つの事例ともいえる。さまざまな調査もそれを裏付けているが、たとえば総務省の調査によれば、34歳以下の単身世帯1世帯あたりの1カ月の消費支出は1995年の19万6992円(単身世帯収支調査年報)に対し、2005年には17万7597円(家計調査年報)と10%も少なくなっている。また、ビデオリサーチが20歳以上35歳未満を対象に消費意欲を調査したところ、「今の生活を楽しむためにお金を使うほうだ」と考える人の割合は、2000年の69.2%から2007年65.7%に減少している。

その反面、貯蓄率は増えており、可処分所得の減少、将来への漠然とした不安が、若者の財布のひもを固くしているとも考えられる。

インドア化から見える若者心理

つねに時代のトレンドの牽引者となってきた若者だが、最近はそうした「流行」に対して必ずしも能動的ではないようだ。M1・F1層と呼ばれる20歳から34歳までの若者層に特化してさまざまな調査を行っているM1・F1総研(R)が2008年4月に行った調査では、東京ミッドタウンや東京新丸ビル、有楽町ITOCIAなど2007年中にオープンした新スポットに対する行動について、「真っ先に行く」との回答は2.0%に過ぎず、「なるべく早く行く」という回答とあわせても19.0%であった。「ブームが一段落してから」や「機会があれば」という回答が多数を占め、さらに「興味を持つことが少なく、行かないことが多い」も15.0%に達している〔図2〕。つまり、トレンドとして受け止めてはいるものの、実際に自分が出掛けるといった「行動力」には結び付かないようだ。

図2 新スポットへの行動のグラフ

もっとも、行動力に欠けるのは若者だけではない。オールアバウトとgooリサーチが共同で、22歳~49歳の勤労者を対象に、2008年春に行った「ライフスタイルについてのアンケート」によると、休日を家族と過ごす場合でも、買い物や外食に出掛けるなど日常の延長としてあまり行動力を必要としない回答が、「レジャー」や「ドライブ」よりも多くなっている。1人で過ごす場合ではインターネットやテレビ観賞などが多く、外出するという回答は圧倒的に少ない〔図3〕。社会経済生産性本部の余暇総研がまとめた「レジャー白書2008」は、身近な行楽系やインドア系のレジャーが好調に参加人口を伸ばしている半面、旅行などの遠距離移動をともなうレジャーは伸び悩んでいると結論付けている。

図3 休日の過ごし方のグラフ

前述のM1・F1総研(R)は、2008年上半期に話題になった商品やサービス、人物などを対象としたアンケート結果から「M1F1グランプリ」を選考した。男女ともに高い支持を集めグランプリを獲得したのは任天堂の「Wii Fit」〔図4〕。まさに、レジャー白書がいうところの「インドア系レジャー」の典型ともいえる商品である。

図4 2008年上半期 M1F1グランプリトップ10のグラフ

「Wii Fit」には、家族みんなで手軽に健康というコンセプトがあり、ヒットの背景には「日頃の運動不足への罪悪感を払拭したい心理や、誰かと仲間としての経験を共有したいという気持ち」があると、M1・F1総研(R)では分析している。

実際に「行かなければ経験できない」「やらなければわからない」、こうした行動によって初めて得られる感覚ではなく、擬似的に手軽な実感や共感を得られるゲームや情報などで満足する若者像。しかし、そこには"仲間"としての意識や一体感は欲しながらも、自分のできる範囲(収入面・肉体面)内で満足感を得ようという現実的な若者の心理が垣間見える。

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