第15回［トピＱ・ネット調査］＜成人年齢＞

「１８歳に引き下げ」３０％。大人は何歳から？

国の法制審議会（法相の諮問機関）で、成人年齢引き下げの是非が議論されることになりました。１０〜３０歳代がどう考えているのか、意識を探ってみました。

調査結果について

「２０歳以上」とする成人年齢について、今のままの方が良いと思うか「１８歳以上」に引き下げた方が良いと思うか聞いたところ、「今のままの方が良い」が７０％で、「引き下げた方が良い」（３０％）を大きく上回りました。

年代別では、「今のまま」としたのは２０歳代が最も多く７５％。１０歳代は６９％、３０歳代は６８％でした。男女別に見ると、「今のまま」は男性の６６％に対し、女性は７５％に上りました。

若者の自立問題に詳しい放送大学の宮本みち子教授（青年社会学）は「若者の社会参画を促そうという議論はこれまで低調だったので、『今のままで』が多数を占めるのは自然」と話しています。

「今のまま」とした"現状肯定派"にその理由を一つだけ選んでもらうと、「１８歳では、精神的に未熟」（３１％）、「１８歳では、社会常識が十分身についていない」（２８％）、「１８歳では、経済的に自立していない人が多い」（２２％）が上位でした。

一方、"引き下げ派"の理由では、「１８歳から、大人として扱うことで責任や自覚を促すことができる」（５６％）が半数を超え、「１８歳でも、経済的に自立している人はいる」、「多くの国で、成人年齢を『１８歳以上』としている」（各１０％）など他の理由を大きく引き離しました。

２０歳以上に認められているもので、１８歳以上に認めても良いと思うもの（複数回答）では、「選挙権」（５３％）が過半数となり、以下、「親の同意なしの結婚」（３３％）、「飲酒」（２８％）などの順。「選挙権」以外は慎重に扱った方が良いと見る人が多いようです。

「選挙権」は、引き下げ派で７８％、現状肯定派でも４２％と比較的高くなりました。「親の同意なしの結婚」「飲酒」は引き下げ派でもそれぞれ４９％、４６％と５割を割り込みました。

（世論調査部・足利浩一郎）

◎調査方法

ＮＴＴレゾナントのインターネット・アンケートサービス「ｇｏｏリサーチ」で２月１９〜２２日に実施、全国の１０〜３０歳代の男女５１７人が回答した。 男女比は１：１。職業別の内訳は学生４１％、正社員２８％、専業主婦・主夫８％などでした。