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第6回 「小学生のインターネット利用に関する調査結果」

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フィルタリングの機能の利用は約2割、認知度は約9割に向上

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報道発表資料 平成20年10月2日

NTTレゾナント株式会社
株式会社三菱総合研究所

gooリサーチ結果 (No.174)

小学校の子どもを持つ保護者8800人対象
第6回 「小学生のインターネット利用に関する調査結果

~フィルタリングの機能の利用は約2割、認知度は約9割に向上~

国内最大級のインターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」(*1)を共同で提供するNTTレゾナント株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:中嶋 孝夫)と株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:田中 將介)は、小学生向けポータルサイト「キッズgoo」(*2、http://kids.goo.ne.jp/)上において、小学生の子どもを持つ保護者を対象に、小学生のインターネット利用に関するアンケートを実施しました。有効回答数は8,818名でした。

本調査は、平成14年7月に実施した第1回調査「小学生のインターネット利用に関する調査」、平成16年5月に実施した第2回調査以降毎年実施している調査で、今回は第6回調査として、国内最大級の子供向けポータルサイト「キッズgoo」上で平成20年7月28日(月)から8月5日(火)にかけて実施しました。

【総括】

今回の調査結果により、子どものいる家庭での光回線の導入がこの1年で急速に増加し、またブロードバンド化はほぼ完了したことから、家庭におけるインターネット接続環境については充分整ったと言えます。

こうした状況の中、家庭における子どものインターネット利用については、平成19年実施の調査と比べると「週に2時間」を境に利用が減少傾向にあることが明らかになりました。利用目的も「ネットサーフィン」は減少し、「ゲーム」や「検索(勉強や宿題のため)」は増加していることから、漠然とインターネットを利用するケースよりも、何か目的をもって効率的にインターネットを利用しているケースが増えてきていることが推測されます。

パソコンのインターネット利用についてはルール設定のみでとどまっている家庭が多いのに対し、携帯電話利用に関してはルールのみにとどまらず、実際にサービス制限などの利用制限機能を導入している家庭が多いという結果となりました。また、子どもからインターネット利用に伴うトラブルの相談を受けた場合に備え、普段から何らかの対策を行っている家庭と何も行っていない家庭との割合は半々に二分されました。特筆すべきは、約15%の保護者が「的確な対応を子どもにアドバイスできるかあまり自信がない」と回答していることで、昨今の子どもに対する事件やトラブルについて保護者も対応策に苦慮している様子が浮き彫りになる結果となりました。

調査結果のポイント

1. 光回線の普及率が上昇。子どものいる家庭の約5割が利用。

自宅でインターネットを利用する子どもがいる家庭では、光回線を利用しているとの回答が前回調査の38.8%を大きく上回る47.1%となり、ここ一年で光回線が大幅に普及したことが顕著となった。その分ADSLは43.6%から37.5%に減少したものの、全体的に見ると97.9%の家庭がブロードバンド回線(光回線、ADSL、CATV)を利用しており、インターネット環境の高速化はほぼ浸透していることが伺える結果となった。

2. フィルタリング機能の利用は約2割、さらに認知度は約9割に向上。

フィルタリング機能(有害サイトアクセス制限サービス:フィルタリングサービスやフィルタリングソフトなどがある)の認知度は、前回調査の75.5%を大きく上回り87.7%に達した。実際に利用している割合についても前回調査の16.7%から20.8%へと増加しており、着実に普及が進んでいることが伺える。

利用していない理由の1位は、「不適切なページにアクセスしないと思っているので必要ない」で約5割の回答となり、2位は「大人が使うときに不便だから」と前回調査と同様の順位となった。

3. インターネット利用のルールを設ける家庭は7割と増加傾向。ルールの1位は接続時間。

インターネットを利用するにあたり何らかのルールを設けている家庭の割合が、前回結果の62.2%から大幅に増加し74.1%となり、7割以上の家庭でルールが決められていることが明らかとなった。ルールの内容で最も多かったのは前回同様「接続時間」で、3割以上の家庭が接続時間についての取り決めがあることがわかった。

4. 利用目的は「ゲーム」「勉強や宿題のため」がともに上昇。「ネットサーフィン」は減少。

子どものインターネット利用目的について、前回調査で5割近くの回答を得た「Webサイトの閲覧(ネットサーフィン)」が大幅な減少をみせ、24.2%となった。その一方で、「ゲーム」(61.9%)、「検索(勉強や宿題のため)」(51.9%)は前回と比較して伸びをみせており、目的に準じた効率的な利用をする子どもが増加している傾向が伺える。

5. 家庭でのネット利用時間は減少傾向。約8割は週に2時間未満の利用にとどまる。

家庭での子どものインターネット利用時間は、週に2時間未満の利用が66.4%から79.5%と大幅に増加したのに対し、週に2時間以上の割合は33.8.から20.5%へと大幅な減少を見せ、従来に比べ利用時間は減少傾向にあるという結果となった。前回調査に比べ最も増えたのは「週に30分〜1時間未満」の利用層で全体の約3割を占めた。

6. 約5割の保護者が、子どもからのトラブル相談に"備え"

子どもからインターネットを介したトラブルの相談を受けた場合に備え、「そもそもトラブルに巻き込まれないよう、普段から子どもにインターネット教育を行っている」(30.2%)「普段から新聞や雑誌をチェックし、情報収集につとめている」(27.2%)など、約5割の保護者が何らかの対応の準備をしていることが明らかとなった。その一方、「特に何も行っていないが、それほど心配していない」という割合も3割以上おり、各家庭における危機意識の二分化ともとれる結果となった。

7. 5人に1人が携帯からインターネットへアクセス。利用制限サービスは6割以上が加入。

小学生の携帯電話・PHS所有者のうち、携帯電話・PHSからインターネットを利用している子どもは21.2%おり、約5人に1人は携帯電話・PHSからインターネットへアクセスしている現状が伺える。そのうちの62.8%は、携帯電話各社が提供しているウェブ利用制限などの利用制限機能(サービス)を導入していた。パソコンは家族で共有している場合が多いため、インターネットのフィルタリング機能の利用は2割程度だったが、携帯電話は個人利用が多く"子ども専用"という使い分けがしやすいため、利用制限サービスの導入も比較的スムーズに進み普及につながっていると思われる。

8. 携帯利用についてルールのある家庭は約8割。

先述の「パソコンのインターネット利用についてルールがある」という7割の家庭を上回る8割の家庭で、携帯電話の利用について何らかのルールがあることがわかった。インターネット利用でのルールの1位が「接続時間」(34.1%)であったのに対し、携帯電話利用についてのルールの1位は「通話やメールの通信相手について」(49.7%)であり、約5割の家庭で、コミュニケーションをとる相手に対して制限を行っていることが判明した。

《 補足 》

(*1)【 gooリサーチ 】 http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。
携帯電話でアンケートに答える 「gooリサーチ・モバイル」モニター(9.6万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(6.3万人)、団 塊世代・シニア層、ならびに若年層を中心とした郵送調査手法で回答する「郵送調査専属モニター」(3.5万人)を含め、253万人の登録モニターを擁し、 消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています。 (モニターの人数はいずれも2008年9月現在)

(*2)【 キッズgoo 】http://kids.goo.ne.jp/
平成13年7月に開設した「キッズgoo」は、『子ども向けWeb検索サービス』と遊び心をくすぐる『コンテンツ』の提供により"小学生向けポータルサイト"として人気を博しています。
閲覧内容の安全性に配慮し、安全と思われるページのみを表示する、独自のプログラミングによるフィルタリング機能を取り入れたウェブ検索サービスを提供すると共に、ウェブページにふりがな(ルビ)を振って閲覧できる機能を提供するなど、実用性と安全性の両方を兼ね備えています。
また「キッズgoo」では、インターネット自体がプル型の情報収集形態である以上、情報発信および閲覧規制等を強化するのではなく、子どもたちがネットの良いところを有効に利用できるように教育していくなど、子どもたちが利用するインターネットの玄関として安心・安全なサービスの提供を推進しています。

<gooリサーチに関するお問合せ先>

NTTレゾナント株式会社 リサーチ部門
(Tel) 03-5224-5380、(FAX) 03-5224-5201、(E-mail)research@goo.ne.jp

NTTレゾナント株式会社 メディア事業部 広報担当
(Tel) 03-5224-5500、(E-mail) pr@nttr.co.jp

<本調査に関するお問合せ先>

株式会社三菱総合研究所 経営企画部広報グループ
(Tel) 03-3277-0003、(Fax) 03-3277-3490、(E-mail) ccd-mg@mri.co.jp

NTTレゾナント株式会社 メディア事業部 広報担当
(Tel) 03-5224-5500、(E-mail) pr@nttr.co.jp

本資料は、「文部科学記者会」、「総務省記者クラブ」「情報通信記者会」「NTTコーポレートニューズルーム」に配布しております。

<参考>

調査概要

1. 調査対象 小学生の子どもを持つ保護者
2. 調査方法 「キッズgoo」上での公開型インターネットアンケート
3. 調査期間 平成20年7月28日(月)〜8月5日(火)
4. 有効回答者数 8,818名
5. 回答者の属性 【性別】
男性:46.0% 女性:54.0%

【年代別構成】
10代:1.9% 20代:3.8% 30代:43.2% 40代:48.9% 50歳以上:4.1%

調査結果データ

(1) 光回線の普及率が上昇。子どものいる家庭の約5割が利用。

自宅でインターネットを利用する子どもがいる家庭では、ブロードバンド回線(光回線、ADSL、CATV)の利用者が97.9%となり、前回調査の94.5%を上回る結果となった。ブロードバンド回線の中でも、とくに光回線の利用が前回調査の38.8%から47.1%と大幅に増加しており、この1年で光回線化が加速したことが伺える。【図1】

【図1】家庭でのインターネット接続環境(n=8818)

家庭でのインターネット接続環境(n=8818)のグラフ

(2) フィルタリング機能の利用は約2割、ただし認知度は8割以上に向上。

フィルタリング機能(フィルタリングサービスやフィルタリングソフトなど)の認知度は、前回調査の75.5%を大きく上回り87.7%に達した。実際に使用している割合についても前回調査の16.7%から20.8%へと増加しており、着実に普及が進んでいることが伺える。【図2】

フィルタリング機能を利用していない理由の1位は、「不適切なページにアクセスしないと思っているので必要ない」が48.1%と約5割の回答となっており、2位は「大人が使うときに不便だから」(23.7%)、3位は「手続きや設定が面倒だから」(19.4%)と、保護者側の利便性を重視する理由が続いた。【図3】

【図2】フィルタリング機能(サービス)の利用について(n=7377)

フィルタリング機能(サービス)の利用について(n=7377)のグラフ

【図3】フィルタリング機能(サービス)を使っていない理由(n=4936、複数回答)

フィルタリング機能(サービス)を使っていない理由(n=4936、複数回答)のグラフ

(3) インターネット使用ルールを設ける家庭は7割と増加傾向。ルールの1位は接続時間。

インターネットを利用するにあたり何らかのルールを設けている家庭の割合が、前々回結果の59.2%、前回調査の62.2%から大幅に増加し74.1%となり、家庭でのルール付けが年々着実に浸透してきている様子を伺わせる。【図4】

具体的なルール内容は、1位「接続時間」(34.1%)、2位「インターネットを利用する条件(例:宿題を終わらせてからなど)」(29.1%)、3位「利用するサービスや閲覧ページ」(27.5%)であった。

【図4】自宅でインターネットを利用する際のルール(n=5533、複数回答)

自宅でインターネットを利用する際のルール(n=5533、複数回答)のグラフ

(4) 利用目的は「ゲーム」「勉強や宿題のため」がともに上昇。「ネットサーフィン」は減少。

インターネットを利用する目的については、1位「ゲーム(61.9%)」、2位「検索(勉強や宿題のため)(51.9%)」、3位「検索(趣味や娯楽に関するもの)(48.3%)」、4位「Webサイトの閲覧(ネットサーフィン)(24.2%)」と上位4位までの順位は前回調査と同様であった。【図5】

しかし、4位の「Webサイトの閲覧(ネットサーフィン)」が前回調査45.4%から大幅に減少し24.2%になり、その一方1位の「ゲーム」が前回調査の55.4%を大きく上回る61.9%となり、2位の「検索(勉強や宿題のため)」も前回調査の49.9%を上回る51.9%と増えるなど、目的に応じた効率的な利用をする子どもが増加している傾向が伺える。

【図5】自宅でのインターネット利用目的(n=5533、複数回答)

自宅でのインターネット利用目的(n=5533、複数回答)のグラフ

(5) 家庭でのネット利用時間は減少傾向。約8割は週に2時間未満の利用にとどまる。

家庭での子どものインターネット利用時間は、週に2時間未満の利用が前回調査66.4%から79.5%と大幅に増加したのに対し、週に2時間以上の割合は前回調査33.8%から20.5%へと大幅な減少を見せ、従来に比べ利用時間は減少傾向にあるといえる結果となった。

前回調査に比べ最も増えたのは「週に30分〜1時間未満」の利用者で全体の約3割を占め、「週に30分未満」と合わせると、週に1時間未満の利用者は63.9%と最も多い層となった。その背景には、子どものいる家庭でのブロードバンド化が加速したことや、インターネットが一部の特別な子どもの利用メインから、誰でも簡単に使えるものになってきて利用者の裾野が広がったことなどが考えられる。【図6】

【図6】自宅でのインターネット利用時間(n=5533)

自宅でのインターネット利用時間(n=5533)のグラフ

(6) 約5割の保護者が、子どもからのトラブル相談に"備え"

子どもからインターネットを介したトラブルの相談を受けた場合に備え、約5割の保護者がなんらかの対応の準備していることが明らかとなった。具体的な対応策として最も多かったのが「そもそもトラブルに巻き込まれないよう、普段から子どもにインターネット教育を行っている」が30.2%、次いで「普段から新聞や雑誌をチェックし、情報収集につとめている」が27.2%と各家庭での積極的な取り組みが伺える。

その反面、「特に何も行っておらず、それほど心配していない」という回答が34.7%、「特に何も行っておらず、的確な対応を子どもにアドバイスできるかあまり自信がない」が15.2%と、各家庭における危機意識管理の二分化ともとれる結果となった。【図7】

【図7】子どものトラブル相談に備え普段から行っていること(n=8818)

子どものトラブル相談に備え普段から行っていること(n=8818)のグラフ

(7) 5人に1人が携帯からインターネットへアクセス。利用制限サービスは6割以上が加入

小学生の携帯電話・PHS所有率は24.4%と約4人に1人は携帯電話・PHSを既に所有し、今後子ども用に購入を検討している家庭も10.0%と1割存在した。【図8】

【図8】子どもの携帯電話・PHS所有率(n=5533)

子どもの携帯電話・PHS所有率(n=5533)のグラフ

子どもは21.2%おり、5人に1人は携帯電話・PHSからインターネットへアクセスしている現状が伺える。そのうちの62.8%は、携帯電話各社が提供しているウェブ利用制限などの利用制限機能(サービス)を導入していた。【図9】【図10】

【図9】携帯電話・PHSからのインターネット利用(n=1347)

携帯電話の子供向け利用制限サービスについて(n=285)のグラフ

【図10】携帯電話の子供向け利用制限サービスについて(n=285)

子どもの携帯電話・PHS所有率(n=5533)のグラフ

パソコンのインターネットフィルタリング機能の利用が20.8%と約2割の導入率に対し、携帯での利用制限機能(サービス)の利用がネット利用者の約6割という、パソコンと携帯電話では大きく差がつく結果となった。この要因としては、インターネットのフィルタリング機能を利用していない理由の第2位が「大人が使うときに不便だから」とのことから【図3】、パソコンは家族で共有しているケースが多くフィルタリング機能を導入すると大人の利用が不便であると感じられているのに対し、携帯電話は個人利用がメインであるため利用制限サービスの導入がしやすい、ということが挙げられる。そのほかの理由としては、携帯電話を用いた事件やトラブルに子どもが巻き込まれるケースが増えていることなどから、パソコンのインターネット利用より携帯電話の利用に敏感になる保護者が増え、積極的に対応策を講じていることなどが考えられる。

(8) 携帯利用についてルールのある家庭は約8割。

子どもが携帯電話も持っている家庭では、携帯電話の利用について「特にルールはない」との回答は18.4%にとどまり、約8割の家庭で何らかのルール設定がされていることが明らかとなった。

具体的なルールの内容は、1位「通話やメールの通信相手について」(49.7%)で、約5割の家庭でコミュニケーションを取る相手に対して制限を行っており、次いで「利用する状況(外出時のみなど)」(34.7%)、「利用するサービスや閲覧するページ」(31.1%)との結果になった。【図11】

【図11】携帯電話の利用についてのルール(n=1347,複数回答)

携帯電話の利用についてのルール(n=1347,複数回答)のグラフ

NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。

この調査結果の単純集計を無料にて提供しています。

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