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「少子化と生活の安定感との関係」調査結果

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日常生活の不安定感が少子化を促進している

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報道発表資料 平成19年4月24日

gooリサーチ結果 (No.151)

「少子化と生活の安定感との関係」調査

~日常生活の不安定感が少子化を促進している~

国内最大級のインターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」(*1)を共同で提供するNTTレゾナント株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:和才 博美)と株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:田中 將介)は、「gooリサーチ」登録モニターおよび「gooユーザ」を対象に「少子化と生活の安定感との関係」調査を実施しました。

gooリサーチ結果 (No.151)「少子化と生活の安定感との関係調査」
資料訂正のお知らせ(2007年5月7日)

2007年4月24日(火曜日)配布のプレスリリース「gooリサーチ結果 (No.151)『少子化と生活の安定感との関係』調査結果 〜日常生活の不安定感が少子化を促進している〜」について、訂正がございますので、お知らせいたします。

■訂正内容

配付資料8ページ「4. 「人生の目標」を持つことや「友人」を持つことは、結婚行動にプラスの影響を及ぼす可能性がある」において、下記の通り、訂正させていただきます。

【誤】

「人生の目標」を持つことや「友人」を持つことは、結婚行動にプラスの影響を及ぼす可能性がある

未婚者の日常生活の行動や意識と今後の結婚意向との関係には次のことが見られた。
まず、「老後までの人生設計をある程度思い描いており、そのための行動をしている女性」が結婚意向を持つ確率は、「人生の目標や行動目標のない女性」(が結婚意向を持つ確率)の1.7倍である。(男性の場合は1.8倍)
また、「結婚は生活上の安定感を高める」と考えている女性が結婚意向を持つ確率は、そのように考えていない女性(が結婚意向を持つ確率)の18倍である。(男性の場合は28倍)
さらに、「共通の趣味などで交流している友人がいる女性」が結婚意向を持つ確率は、「とくに(友人が)いない女性」(が結婚意向を持つ確率)の2.6倍である。(男性の場合は1.7倍)

↓↓↓

【正】

「人生の目標」を持つことや「友人」を持つことは、結婚行動にプラスの影響を及ぼす可能性がある

未婚者の日常生活の行動や意識と今後の結婚意向との関係には次のことが見られた。
まず、「老後までの人生設計をある程度思い描いており、そのための行動をしている女性」が結婚意向を持つ確率は、「人生の目標や行動目標のない女性」(が結婚意向を持つ確率)の2.5倍である。(男性の場合は2.4倍)
また、「結婚は生活上の安定感を高める」と考えている女性が結婚意向を持つ確率は、そのように考えていない女性(が結婚意向を持つ確率)の7.9倍である。(男性の場合は11.1倍)
さらに、「共通の趣味などで交流している友人がいる女性」が結婚意向を持つ確率は、「とくに(友人が)いない女性」(が結婚意向を持つ確率)の2.6倍である。(男性の場合は1.7倍)

なお、以下の内容は、本修正を反映した内容となっております。また、回答の原データ(データストアからご提供している単純集計データ等)の修正はございません。

ご迷惑をおかけして、誠に申し訳ございません。よろしくお願いいたします。

総括

日常生活の安定感と我が国の少子化との関係について調査を実施しました。

今回の調査結果により、第一に子育てをしにくい、将来に希望が持てない、努力が報われないといった生活の不安定感が未婚者の結婚行動および既婚者の出産行動にマイナスに影響を与えていること、第二に人生に目標を持つことが結婚行動にプラス、結婚生活に安定感を感じることが出産行動にプラスの影響を与えている可能性が明らかになりました。

調査結果のポイント

(1) 未婚者は既婚者よりも日常生活に不安定感を感じる傾向が高い

未婚者は既婚者よりも「安定感のある日常生活を送ることができている」との意識が低い傾向にある。

(2) 子育てしやすい社会ではない・将来に希望が持てる国ではない・努力が報われる社会ではない、という意識は、「日常生活の不安定感」と密接な関係にある

日常生活に安定感を感じている人ほど、今の社会を「子育てのしやすい社会」、「努力が報われる社会」、あるいは我が国を「将来に希望が持てる国」と思う傾向が強く、逆に、日常生活に不安定感を感じている人ほど、「子育て」、「努力の反映」、「将来希望」に否定的な意識を持っている傾向が高い。

子育てしやすい社会ではない・将来に希望が持てる国ではない・努力が報われる社会ではない、という意識と、「日常生活の不安定感」は関連があるといえる。

(3) 日常生活に安定感を感じていない既婚女性ほど、「生涯予定子ども数」は少ない傾向にある

「安定感のある日常生活を送ることができている」と感じる程度が低い既婚の女性ほど、「生涯予定子ども数」(*2) が少ない傾向にある。

(4) 「人生の目標」を持つことや「友人」を持つことは、結婚行動にプラスの影響を及ぼす可能性がある

人生に目標があること、結婚生活に安定感を感じていること、親しい友人がいることなどは、結婚行動にプラスに影響を与える可能性が見られる。

(5) 「結婚生活」や「子育て」に肯定的な意識を持つ人は、出産行動にプラスの影響を及ぼす可能性がある

両親や兄弟との交流が活発であること、人生に目標があること、結婚生活に安定感を感じていること、子育て費用で出産を抑制する発想を否定する考えなどは、出産行動にプラスに影響を与えている可能性が見られる。

《 補足 》

(*1)【 gooリサーチ 】 http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。携帯電話でアンケートに答える 「gooリサーチ・モバイル」モニター(6.4万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(4万人)、団塊世代・シニア層、ならびに若年層を中心とした郵送調査手法で回答する「郵送調査専属モニター」(3.5万人)を含め、134万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています。(モニターの人数はいずれも2007年4月現在)

(*2)生涯予定子ども数とは現在の子ども数に今後の出産予定数を加えたもの

<gooリサーチに関するお問合せ先>

株式会社三菱総合研究所 社会システム研究本部 ヒューマン・ケア研究グループ 奥村、吉田
(Tel) 03-3277-0569、(Fax) 03-3277-3464、(E-mail) okuty@mri.co.jp myoshida@mri.co.jp
株式会社三菱総合研究所 Eリサーチグループ
(Tel) 03-3277-0719、(Fax) 03-3277-0523、(E-mail) e-res@mri.co.jp
株式会社三菱総合研究所 経営企画部広報グループ
(Tel) 03-3277-0003、(Fax) 03-3277-3490、(E-mail) ccd-mg@mri.co.jp

<本調査およびgooリサーチに関するお問合せ先>

NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 リサーチグループ
(Tel) 03-5224-5380、(FAX) 03-5224-5201、(E-mail)research@goo.ne.jp
NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 広報グループ
(Tel) 03-5224-5500、(E-mail) pr@nttr.co.jp

調査概要

1. 調査対象 gooリサーチ登録モニターおよびgooユーザ
2. 調査方法 公開型インターネットアンケート
3. 調査期間 2006年8月8日〜2006年8月10日
4. 有効回答者数 10,079名(*3)
5. 回答者の属性 【男女内訳】
男性 50.01% 女性 49.99%

【年代別構成】
10代1.6%、20代22.3%、30代41.1%、40代23.4%、50代9.0%、60代2.0%、70代0.5%

《 補足 》

(*3)本調査では、有効回答の中から、「20〜49歳の既婚女性」2,943、「20〜49歳の未婚女性」1,593、「20〜49歳の既婚男性」2,339、「20〜49歳の未婚男性」1,707を抽出し、分析を行っている。

調査結果データ

1.未婚者は既婚者よりも日常生活に不安定感を感じる傾向が高い

安定感のある日常生活を送ることができている」との意識は、既婚者と未婚者では異なる。安定感のある日常生活を送ることができている(「そう思う」と「ややそう思う」の合計)と感じている人は、既婚女性では7割近く見られるのに対し、未婚女性では半数程度にとどまっている。また、未婚女性の7人に1人は、安定感のある日常生活を送れることができていない(「そう思わない」)と感じている。

一方、男性についても安定感のある日常生活を送れていると感じている既婚男性は6割弱であるのに対し、未婚男性は半数弱にとどまる。

結婚状況と日常生活感との関係(女性)

結婚状況と日常生活感との関係(女性)のグラフ

結婚状況と日常生活感との関係(男性)

結婚状況と日常生活感との関係(男性)のグラフ

結婚状況と日常生活感との関係(女性)のグラフ

結婚状況と日常生活感との関係(男性)のグラフ

2.子育てしやすい社会ではない・将来に希望が持てる国ではない・努力が報われる社会ではない、という意識は、「日常生活の不安定感」と密接な関係にある

安定感のある日常生活を送ることができているか、との問に対して「そう思う」と答えた人を「生活の安定感の高いグループ」、逆に「そう思わない」と答えたグループを「生活の安定感の低いグループ」とすると、既婚、未婚、および男女を問わず、前者のグループは、今の社会を「子育てのしやすい社会」、「努力が報われる社会」、あるいは我が国を「将来に希望が持てる国」と思う傾向が強く、逆に、後者のグループは、今の社会の「子育て」、「努力の反映」、「将来希望」に否定的な意識を持っているという傾向が見られる。

子育てしやすい社会ではない・将来に希望が持てる国ではない・努力が報われる社会ではない、という意識は、「日常生活の不安定感」と密接な関係にあるといえる。

<子育てのしやすさ(*4) と生活安定感との関係>

結婚状況と日常生活感との関係(女性)のグラフ

<努力の反映(*5) と生活安定感との関係>

<努力の反映 と生活安定感との関係>のグラフ

<将来への希望(*6) と生活安定感との関係>

<将来への希望 と生活安定感との関係>のグラフ

3.日常生活に安定感を感じていない既婚女性ほど、「生涯予定子ども数」は少ない傾向にある

安定感のある日常生活を送ることができている」との問いに対して、否定的な(「そう思わない」と考える)既婚女性ほど、「生涯予定子ども数」(現在の子ども数に今後の予定子ども数を加えたもの)は少ない傾向が見られる。

「安定感のある日常生活を送ることができている」と感じる程度別の「生涯予定子ども数」

「安定感のある日常生活を送ることができている」と感じる程度別の「生涯予定子ども数」のグラフ

また、「安定感のある日常生活を送ることができている」との問いに対して、否定的な(「そう思わない」と考える)既婚女性ほど、今後の出産予定する回答者の割合も低い傾向が見られる。なお、出産予定のある人の割合が高い25〜39歳の年齢層の既婚女性においては、年齢層が高いほど、出産予定のある人の割合は低い(折れ線は下方に移動している)が、安定感の低い人ほど出産予定割合が低い点は、全体と同様の傾向となっている。

「安定感のある日常生活を送ることができている」と感じる程度別の
「今後出産を予定する子どもが1人以上」の人の割合(既婚女性年齢階層別)

「安定感のある日常生活を送ることができている」と感じる程度別の「今後出産を予定する子どもが1人以上」の人の割合(既婚女性年齢階層別)のグラフ

4.「人生の目標」を持つことや「友人」を持つことは、結婚行動にプラスの影響を及ぼす可能性がある(*7)

未婚者の日常生活の行動や意識と今後の結婚意向との関係には次のことが見られた。

まず、「老後までの人生設計をある程度思い描いており、そのための行動をしている女性」が結婚意向を持つ確率は、「人生の目標や行動目標のない女性」(が結婚意向を持つ確率)の2.5倍である。(男性の場合は2.4倍)

また、「結婚は生活上の安定感を高める」と考えている女性が結婚意向を持つ確率は、そのように考えていない女性(が結婚意向を持つ確率)の7.9倍である。(男性の場合は11.1倍)

さらに、「共通の趣味などで交流している友人がいる女性」が結婚意向を持つ確率は、「とくに(友人が)いない女性」(が結婚意向を持つ確率)の2.6倍である。(男性の場合は1.7倍)

人生に目標があること、結婚生活に安定感を感じていること、親しい友人がいることなどは、結婚行動にプラスに影響を与える可能性が見られる。

なお、未婚の正規雇用男性社員が結婚を希望する確率はパート・アルバイト・契約社員・派遣社員の男性(が結婚を希望する確率)の1.9倍であり、就業状態が結婚行動に与える影響も伺われる。

2項ロジスティック回帰分析(女性)のグラフ

2項ロジスティック回帰分析(男性)のグラフ

5.「結婚生活」や「子育て」に肯定的な意識を持つ人は、出産行動にプラスの影響を及ぼす可能性がある(*8)

既婚者の日常生活の行動や意識と今後の出産意向との関係には次のことが見られた。

まず、「両親や兄弟と日常的に会ったり、話をしたりしている女性」が出産を希望(*9)する確率は、「両親や兄弟と会ったり、話をしたりしていない女性」(が出産を希望する確率)の2.1倍である。(男性の場合は3.1倍)

また、「老後までの人生設計をある程度思い描いており、そのための行動をしている女性」が出産を希望する確率は、「人生の目標や行動目標のない女性」(が出産を希望する確率)の1.5倍である。(男性の場合は1.7倍)

さらに、「結婚は生活上の安定感を高める」と考えている女性が出産を希望する確率は、そのように考えていない女性(が出産を希望する確率)の2.2倍である。(男性の場合は2.6倍)

同様に、「子どもとお金を天秤にかける発想は理解できない」と思う女性が出産を希望する確率は、そのように思わない女性(が出産を希望する確率)の2.1倍である。(男性の場合は1.4倍)

両親や兄弟との交流が活発であること、人生に目標があること、結婚生活に安定感を感じていること、子育て費用で出産を抑制する発想を否定する考えなどは、出産行動にプラスに影響を与えている可能性が見られる。

なお、既婚の正規雇用女性社員が出産を希望する確率はパート・アルバイト・契約社員・派遣社員の女性(が出産を希望する確率)の1.9倍であり、就業状態が出産意向に与える影響も伺われる。

2項ロジスティック回帰分析(女性)のグラフ

2項ロジスティック回帰分析(男性)のグラフ

《 補足 》

(*4)「我が国の社会は子育てしやすい社会だと思うか」との問に対する回答が、「そう思う」と「ややそう思う」を合わせて「そう思う」、「そう思わない」と「あまりそう思わない」を合わせて「そう思わない」とした。

(*5)「努力が報われる社会になってきたか」との問に対する回答が、「そう思う」と「ややそう思う」を合わせて「そう思う」、「そう思わない」と「あまりそう思わない」を合わせて「そう思わない」とした。

(*6)「将来に希望が持てる国か」との問に対する回答が、「そう思う」と「ややそう思う」を合わせて「そう思う」、「そう思わない」と「あまりそう思わない」を合わせて「そう思わない」とした。

(*7)推定にあたっては、2項ロジスティック回帰分析(ロジット分析)を実施した。ロジット分析とは、回帰分析の従属変数が「結婚意向を持つか、持たないか」「出産意向を持つか、持たないか」というような二者択一の変数の場合に用いられる方法のことである。

(*8)推定にあたっては、2項ロジスティック回帰分析(ロジット分析)を実施した。

(*9)現時点で子どもを持たない人は子どもを持つ意向、すでに子どものいる人の場合は今後さらに子どもを持つ意向を意味する。

注:出産行動の主体は女性であるが、配偶者(男性)が影響を及ぼす可能性も否定できないため、本調査では男性も対象に含めた。

NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。

この調査結果の単純集計を無料にて提供しています。

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