報道発表資料 平成17年11月8日
gooリサーチ結果 (No.91)
「看護師の就業意識に関する調査結果」
~仕事への不満の声は高く、看護師向けコミュニティサイトに対する期待感は高い~
国内最大級のインターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」(*1)を共同で提供するNTTレゾナント株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:資宗 克行)と株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、取締役社長:谷野 剛)は、「gooリサーチ」登録モニターの中から看護師を対象に、「看護師の就業意識」に関する調査を実施しました。
有効回答者数166名のうち、「仕事にやりがいは感じるが、不満はある」と回答した看護師が全体の7割近くにのぼります。特に労働条件の過酷さや職場での人間関係についての不満が4割以上を占めています。それらの解消のために、コミュニティサイト等を通じて他病院の看護師やメンタルヘルスの専門家にアドバイスを求めているほか、看護業務や医薬品・医療器具などの最新知識についての情報を得たいと考える回答者が多いことが分かりました。
また、転職経験者は全体の約6割を占めており、その決め手となった手段として、ハローワークや周囲の人の紹介が上位に挙げられています。一方、今後はインターネットの転職情報サイトでの利用意向が7割以上を占めており、通常の給与や休暇などの情報に加え、その病院での勤務実態や職場環境といった表には出にくい情報を求めていることが分かります。看護師向けのコミュニティサイトや転職サイト等の内容をより充実させることで、全国の看護師がよりよい就業生活を送ることができるよう支援する体制が求められていることがうかがえます。
総括
今回の調査結果より、看護師の7割近くが「仕事にやりがいは感じるが、不満はある」と回答し、その理由として重労働や職場内の人間関係の問題を挙げています。これらの不満の解消や仕事面での知識習得のために、従来の書籍・マニュアルに加え、ネット上のコミュニティサイトを使ってみたいと考える人も多く、他の病院の看護師やメンタルヘルスの専門家からアドバイスがほしいとの意見が上位を占めています。
また、これまでに転職をしたことのある看護師は約6割を占めており、ハローワークや知り合いの紹介といった手段が最終的な決定要因となっています。しかし今後は、ネット上における転職サイトの利用意向が7割を超えておりもっとも高く、なかなか知ることのできない勤務実態や職場環境といった情報を求めています。今後は、コミュニティサイトや転職情報サイトが、時間の不規則な看護師にとっては悩みごとの相談や知識の習得、また転職先の生の情報を得たりする上で、欠かすことのできない場所になっていくことがうかがえます。
調査結果のポイント
(1) 全体の7割近くが「やりがいは感じるが、仕事には不満あり」と回答。
不満の内容として多いのは、勤務の過酷さや職場の人間関係の悪いことなどを挙げており、ともに4割以上を占める。また、こうしたストレス解消がなかなかできないという意見も4割近くと根強い傾向にあり、看護師の勤務の過酷さが改めて浮き彫りになった。
(2) 情報・知識を得る手段として、PCによるコミュニティサイトの利用意向が高い。
情報・知識を得る手段として、従来の書籍・マニュアルの他に、PCを利用してコミュニティサイト上の最新情報や他の看護師の経験・ノウハウなどを知りたいという声が約6割を占めており、利用意向が高い。
(3) 転職サイトで実際の職場環境を知りたいという意見が強い。
今後は、従来のハローワークなどの転職手段に加え、インターネットの転職情報サイトで好きな時に求人情報を検索する人が増えていくと予想される。求められる内容としては、給与や休暇などの基礎的な情報が9割以上と大多数を占めるが、勤務実態や職場環境などを表面にはなかなか出にくい情報を知りたいという声が7割以上を占める。
《 補足 》
(*1)【 gooリサーチ 】 http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。携帯電話でアンケートに答える 「gooリサーチ・モバイル」モニター(5.0万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心 とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(3.0万人)、団塊世代、シニア層を中心と した郵送調査手法で回答する「郵送調査専属モニター」(1万人)を含め、30万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューま で、様々な市場調査ニーズに対応しています。(モニターの人数はいずれもH17年11月現在)
<本調査およびgooリサーチに関するお問合せ先>
NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 リサーチグループ
(Tel) 03-5224-5380、(FAX) 03-5224-5201、(E-mail)research@goo.ne.jp
NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 広報グループ
(Tel) 03-5224-5500、(E-mail) pr@nttr.co.jp
<gooリサーチに関するお問合せ先>
株式会社三菱総合研究所 Eリサーチ事業推進室
(Tel) 03-3277-0719、(Fax) 03-3277-0523、(E-mail) e-res@mri.co.jp
株式会社三菱総合研究所 広報部広報グループ
(Tel) 03-3277-0003、(Fax) 03-3277-3490、(E-mail) ccd-mg@mri.co.jp
調査概要
1. 調査対象 | 「gooリサーチ」登録モニターより看護師を対象 |
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2. 調査方法 | 非公開型インターネットアンケート |
3. 調査期間 | 平成17年9月1日(木)〜平成17年9月7日(水) |
4. 有効回答者数 | 166名 |
5. 回答者の属性 | 【男女内訳】 男性10.2% 女性89.8% 【年代別構成】 20代 28.3%、30代 51.8%、40代 15.7%、50代 4.2% 【職歴別構成】 2年未満 4.2%、2年以上−5年未満 11.5%、5年以上−10年未満 36.8%、10年以上−20年未満 39.2%、20年以上−30年未満 8.4% |
調査結果データ
1. 勤務状況についての不満が高く、ノウハウや最新知識を得たいという欲求も強い。
(1) 回答者の大半が「やりがいは感じるが、仕事への不満あり」と回答。
今回の調査対象者のうち66.3%が「やりがいはあるが、仕事面での不満がある」と回答しており、仕事面では不満の声が高いことが分かる。やりがい・仕事面の両方に満足をしている人は、わずか14%程度にすぎない。【図1】
【図1】現在の仕事へのやりがいと満足度 (n=166)
(2) 勤務実態の過酷さや人間関係の悪さを指摘する声が多い。
仕事に不満を感じると回答した人に、その内容を聞いたところ、「労働がきつい」という声が44.8%で約半数を占めた。次いで多いのは、「職場内の人間関係の悪さ」で40.8%となっている。また、勤務時間の長さや不規則さを指摘する声も多く、看護師の勤務の過酷さが改めて浮き彫りになった。その他の自由記述回答として、仕事内容の割に賃金が安いとの声も多い。【図2】
【図2】不満を感じている点 (n=125)
(3) 業務上の最新知識・情報を求める声が高い
不満やストレスを解消するために欲しい情報として最も多かったのが「看護をする上での基本的な知識」で、44.0%が回答している。また「ケアのノウハウ」や、「医薬品・医療機器などの最先端の知識」などへの要望も多い。年々情報が更新され、今までに習得した知識が陳腐化してしまうため最新知識を求めていることが想定される。また、他の病院における看護師の経験やノウハウを求める声も多い。【図3】
【図3】仕事への不満・ストレス解消に向けて必要な情報 (n=166)
(4) 書籍・マニュアルのほか、PC向けのコミュニティサイトからの情報収集にも積極的
上記の情報について、どのような手段で得たいかを尋ねたところ「書籍やマニュアル」が57.0%でトップ。また、「PC向けのコミュニティサイト」との回答も56.3%とほぼ同数であった。これに対し、携帯電話向けのコミュニティサイトとする回答は4.4%と、PC向けの10分の1以下に留まった。【図4】
【図4】情報を得るのによいと思う手段 (n=135)
2. サイトでは、他の看護師や専門家の意見を求める声が強い。
(1) PC向けウェブサイトを有料でも利用したいとの意見も強い。
看護師向けのPCを通じたウェブサイト利用については、「内容次第で有料でも利用したい」、「無料でないと利用しない」は、それぞれ48.7%とほぼ半数ずつであった。【図5】
【図5】PCサイトの利用料金について (n=76)
(2) 他病院の看護師や、専門家からの情報やアドバイスを求める人が多い。
情報やアドバイスの入手先については、88.3%と9割近くの回答者が「他の病院で働く看護師」を挙げている。次いで「メンタルヘルスの専門家」が約7割。「一般の人」は23.4%と最も低い。病院間でのノウハウの共有化等、病院内で不足している情報を求める声の強さが見受けられる。【図6】
【図6】情報やアドバイスを入手したい相手(n=77)
(3) 「医療過誤」の原因は、「コミュニケーション不足」、「業務多忙による注意力の低下」が原因との声が強い。
最近話題となっている「医療過誤」の原因については、「同僚(医師、看護師)とのコミュニケーション不足」、「忙しさによる注意力の低下」が75.9%と最も多い。「大きな問題とは思わない」との回答は、わずか0.6%(1名)にすぎなかった。【図7】
【図7】医療過誤の原因(n=166)
(4) 解決策としては、「看護師の増員」や「積極的なコミュニケーション」を望む声が多い。
医療過誤の解決策については、「看護師の人数を増やすこと」が8割を超えており、圧倒的に多い。次いで「医師に、もっと看護師の対応について考えてもらうこと」、「1人ではなくチームで業務に対応すること」が続く。また「医薬品・医療器具の情報をわかりやすい内容にしてほしい」との意見も43.6%と比較的高い。【図8】
【図8】「医療過誤」の解決策(n=165)
3. 回答者の6割は転職経験あり。今後、転職サイトの利用意向が高い。
(1) 転職経験者は6割近くにのぼる。
これまでに転職(勤務病院を移る)を経験した人は、58.4%と6割近くに達している。また、「転職経験はないが考えたことがある」人は30.1%であり、両方を合わせると約9割を占める。【図9】
【図9】転職の経験 (n=166)
(2) インターネットの転職情報サイトは、現段階で最終的な決定手段にはなり得ていない。
転職した際に情報を入手した手段としては、「ハローワーク」が75.3%と圧倒的に多い。次いで「インターネットの転職情報サイト」が57.7%と続く。「友人、知人の紹介」も4割強と高く、人的ネットワークによる転職先探しが活発に行われていることが分かる。【図10】
【図10】転職の際に情報を入手した手段 (n=97)
また、その中で最終的な決め手になった手段としては、「ハローワーク」が29.9%と上記同様に高い。しかし、回答者が2番目に多い「インターネット(PC)上の転職情報サイト」は、最終的な決め手としては5位に挙がっており、情報は参考にはするが、決定手段としてはまだ主流になっていないことがうかがえる。【図11】
【図11】最終的な転職の決め手となった手段 (n=97)
(3) 勤務実態や職場環境など、表面化しない情報を求める声が高い。
転職の際に欲しい情報として、「(勤務先の)給与や休暇制度」を挙げる声が最も多く、9割以上を占める。また、「勤務の実態」や「職場環境」など、表面にはなかなか出にくい情報を求める声も多い。【図12】
【図12】転職にあたって欲しい情報 (n=166)
(4) 今後利用したい手段としては、PC向けのの転職情報サイトの人気が高い。
今後転職の際に利用したい手段としては、インターネットの転職情報サイトを挙げる声が72.9%と最も高くなっている。現在の情報入手手段【図10】との比較でも、最も期待が大きいことが分かる。忙しい勤務状況の中、好きな時間にアクセスして情報検索のできるインターネットの人気が高いことが想定できる。【図13】
【図13】今後、転職の際に利用したい手段 (n=166)
NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。