報道発表資料 平成17年7月11日
gooリサーチ結果 (No.81)
ソーシャルネットワーキングサービス利用実態調査
~利用者の半数以上が週4日以上アクセス、8割以上が高い継続意向を示す~
国内最大級のインターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」(*1)を共同で提供するNTTレゾナント株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:資宗 克行)と株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、取締役社長:谷野 剛)は、「gooリサーチ」登録モニターを対象に「ソーシャルネットワーキングサービス(以下、SNS)(*2)の利用実態」に関する調査を実施しました。
有効回答者数2,070名のうち、SNSの利用経験者は1割弱にとどまりましたが、利用者の半数以上が週4日以上アクセスしており、また、8割以上が継続的な利用意向を示していることから、今後も発展していく可能性のあるサービスであることが予想されます。なお、今後の利用意向予定者は3割弱と一定の関心が表れる一方で、利用しないという回答が7割以上を占めるなど、より一層の普及拡大を迎えるのはこれからであることがうかがえます。
総括
今回の調査結果により、SNSの利用経験者(以前登録していたが現在はしていない者を含む)は8.8%にとどまりましたが、利用者のアクセス頻度や継続的な利用意向は高く、今後も堅調に発展していく可能性のあるサービスであることが予想されます。しかしながら、未利用者の中には、利用したいと思わないとの意見が7割以上を占めており、その理由として、主に、個人情報の公開への不安、紹介制度への不満等が挙げられています。今後、サービス運営会社において、これら未利用者における不安や不満を取り除くための諸施策を積極的に実施することが、より一層のサービス普及拡大につながると想定されます。
調査結果のポイント
(1) 利用経験者は1割未満、サービスの存在を知らない人も過半数を占める
調査対象者のうち、現在SNSを利用している人は6.6%、過去に利用経験がある人は2.2%を占めており、利用経験者の占める割合は1割未満にとどまった。また、SNSというサービスの存在を知らない人も52.6%と過半数を占めており、SNSの認知度はまだ低い実態がうかがえる。
(2) 利用者の利用頻度は高いが、サービスの有料化へは反対の意見が強い
利用者の半数以上が週4日以上アクセスしており、また今後の利用意向についても84.5%の利用者が継続意向を示すなど、定着化の傾向にある。しかし、サービスが有料化した場合、継続利用に対する否定的な意見は8割以上と大多数を占めており、有料化への抵抗意識は強い。
(3) 未利用者の利用意向は低い水準にあり、個人情報公開への不安などが課題
未利用者の7割以上が、今後の利用について否定的な考えを持っている。その原因としては、自分の個人情報を不特定多数に公開することへの不安が圧倒的割合で多い。その他、紹介による現在の入会制度についての不満を指摘する声も根強いことが分かった。
《 補足 》
(*1)【 gooリサーチ 】http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。携帯電話でアンケートに答える「gooリサーチ・モバイル」モニター(5.0万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(2.6万人)を含め、27.5万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています。(モニターの人数はいずれもH17年6月現在)
(*2)【 SNS 】
「ソーシャルネットワーキングサービス」の略称で、友人・知人を紹介することで人脈を拡大することができるサイトを指します。従来のコミュニティサイトと異なり、登録(参加)には既に参加している人から招待メールを受け取ることが必要です。サイト上では自分のプロフィールや写真を公開できるほか、特定のコミュニティ(例・「○○小学校の×年度卒業生」)に登録してコミュニケーションの相手を探したり、任意のユーザにメッセージを送るなどの機能があります。多くのサイトは無料で参加できます。
<本調査およびgooリサーチに関するお問合せ先>
NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 リサーチグループ
(Tel) 03-5224-5380、(FAX) 03-5224-5201、(E-mail)research@goo.ne.jp
NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 広報グループ
(Tel) 03-5224-5500、(E-mail) pr@nttr.co.jp
<gooリサーチに関するお問合せ先>
株式会社三菱総合研究所 E-リサーチ事業推進室
(Tel) 03-3277-0719、(Fax) 03-3277-0523、(E-mail) e-res@mri.co.jp
株式会社三菱総合研究所 広報部広報グループ
(Tel)03-3277-0003、(Fax)03-3277-3490、(E-mail) ccd-mg@mri.co.jp
調査概要
1. 調査対象 | 「gooリサーチ」登録モニター |
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2. 調査方法 | 非公開型インターネットアンケート |
3. 調査期間 | 平成17年5月31日(火)〜平成17年6月2日(木) |
4. 有効回答者数 | 2,070名 |
5. 回答者の属性 | 【男女内訳】 男性47.4% 女性52.6% 【年代別構成】 10代 17.9%、20代 16.7%、30代 20.3%、40代 21.9%、50代 17.4%、60代 5.0%、70代 0.9% |
調査結果データ
1. 利用経験者は1割未満で、サービスの存在自体を知らない人も多い
(1) 現在のSNS利用者は6.6%で、半数以上が「まったく知らない」
SNSの利用状況については、現在何らかのSNSサイトに登録して利用している人が6.6%で、「過去に利用経験がある(2.2%)」と合わせても10%に達していない。また「名前だけを知っている」人は27.0%存在するが、「まったく知らない」人は52.6%と半数を超えている。【図1】
【図1】「SNS」についての利用状況、および認知度(n=2,070)
(2) 利用者数は「mixi」「livedoorフレンドパーク」の順で多い
現在最も利用されているSNSのサイトは「mixi」(運営:株式会社イー・マーキュリー)で、利用者の44.1%が利用していると回答している。次いで「livedoorフレンドパーク」(運営:株式会社ライブドア)で23.5%、「GREE」(運営:グリー株式会社) 20.6%と続く。ライブドアは2005年1月からのサービス開始と、他2社に比べ1年近く参入が遅かったが、ポータルサイト上での運営という利点を活かし、利用者を増やしつつある。【図2】
【図2】現在利用中のSNSのサイト(n=136)
(3) 「仲間との出会いの場」としての利用が圧倒的だが、広告としての活用もある
SNSを利用する目的は、「趣味仲間との出会いの場として(63.2%)」が最も割合が高い。また、低い水準ではあるが「広告や宣伝を目的として利用」も4.4%が回答している。この要因としては、個人でのアフィリエイト広告の利用が盛んになってきていることが推測される。その他の自由回答としては、「同級生を探す」、「離れた友人との交流」などが挙げられている。【図3】
【図3】SNSを利用する目的(n=136)
2. 利用頻度は高いが、サービスの有料化には反対の声が強い
(1) 登録している友達の数は、2〜4名が41.9%と最も多い
登録している友達の数は2〜4名が最も多く、10名未満の人は、全体の74.3%を占めている。20名以上との回答は全体の11.9%に過ぎず、大半が少人数の友達の登録に留まっていることが分かる。【図4】
【図4】SNSで登録している友達の数(n=136)
(2) 半数以上が、週4日以上アクセスしていると回答
利用者のうち、ほぼ毎日、SNSのサイトにアクセスする人は33.1%、週4〜5日とする人も18.4%に達しており、合わせて51.4%と半数を超えている。【図5】
【図5】 SNSのサイトにアクセスする頻度(n=136)
さらに、これを年齢別に見てみると、20代の利用者が他の全ての年代に比べ、アクセスする頻度が非常に高いことが分かる。20代でほぼ毎日アクセスする人は44.7%、週4〜5日アクセスする人は34.2%と合わせて8割近くに達している。【図6】
【図6】 SNSにアクセスする頻度<年代別>(n=136)
(3) 利用経験のある行為は、「掲示板への書き込み」や「個人の日記」などが多い
今までにSNSで行ったことがある行為として、「掲示板への書き込み(62.5%)」が圧倒的に多く、次いで過半数の人が「個人の日記を書くこと(52.9%)」を挙げている。「特に(何も)したことがない」と回答している人は15.4%に過ぎず、大多数の参加者が登録のみならず、何らかの積極的な行動を起こしていることが分かる。【図7】
【図7】SNSで利用経験があるもの(n=136)
これを男女別に見てみると、「個人の日記を書く」ことについて特に差が大きく、女性の方が積極的に行っている傾向にある。男性は42.7%であるのに対し、女性は63.2%と20%以上の差がついている。【図8】
【図8】SNSで利用経験があるもの<男女別>(n=136)
(4) 利用者の84.5%が、継続利用意向を示す
利用者における今後の利用意向については、「ぜひ利用したい」、「できれば利用したい」とする回答者が合わせて84.5%に達しており、大多数の利用者が引き続き利用したいと考えていることがわかる。「絶対に利用したくない」と回答した人は一人もいなかった。【図9】
【図9】今後の利用継続の意向(n=136)
(5) 有料化になったら「利用しない」が8割以上と大多数を占める
今後、利用しているSNSが有料になった場合、「必ず利用する」と回答したのはわずか2.9%に過ぎず、「おそらく利用する」も14.7%と低い。逆に「絶対に利用しない」は21.3%、「おそらく利用しない」は61.0%と高く、利用者がサービスの有料化に強い抵抗感を示していることがうかがえる結果となった。【図10】
【図10】有料化に伴う、今後の利用継続の意向(n=136)
3. 未利用者の利用意向は12%と少ない
(1) 思ったほど利用しないことによるサービス解約が7割近くを占める
「過去に利用していた」と回答した人に利用をやめた理由を尋ねたところ、「実際にはあまりアクセスしなかった」という回答が7割近くを占め、思ったほど利用しないことによる解約が最も多いことが分かった。その他、登録する友達の数が増えなかった、自分自身のプライバシーか守られているかどうかについて不安を感じたことや、「実際に不愉快な思いをした」という回答もあった。【図11】
【図11】SNSの利用をやめてしまった理由(n=45)
(2) 未利用者における今後の利用意向は低く、否定的な意見が強い
「利用したことがない」と回答した人に、SNSの内容を説明(※)した上で今後の利用意向を尋ねたところ、「あまり利用したくない」、「絶対利用したくない」という回答を合わせて72.7%に達した。逆に「ぜひ利用したい」はわずか2.3%に過ぎず、利用に対して否定的な考えが強いことがうかがえる。
今後の普及に向け、一般的にはネガティブに語られることが多いインターネットにも、「リアルな社会と変わらず心地よくコミュニケーションを交わせる場」があることを、サービス事業者側からユーザに訴えかけていく努力が必要と考えられる。【図12】
【図12】今後のSNSの利用意向<未利用者対象>(n=1,889)
(※)SNSとは「ソーシャルネットワーキングサービス」の略称で、友人・知人を紹介することで人脈を拡大することができるサイトである。登録(参加)には既に参加している人から招待メールを受け取ることが必要で、この点が従来のコミュニティサイトと異なる点だ。サイト上では自分のプロフィールや写真を公開できるほか、特定のコミュニティ(例・「○○小学校の×年度卒業生」)に登録して人を探したり、見つけた人にメッセージを送るなどの機能がある。多くのサイトは無料で参加できる。
(3) 「イベントへの参加」が、サービス利用の要因になり得る
「ぜひ利用したい」、「できれば利用したい」と答えた人に、利用したいサービスを尋ねた結果は、「掲示板への書き込み(53.7%)」、「イベントに参加する(46.9%)」と続いた。SNS利用経験者の中でイベント参加経験者は18.4%と少数であるため(図7参照)、未利用者の「イベントに対する期待」は、実態以上に非常に高いことが分かる。【図13】
【図13】SNSで利用したいもの(n=516)
(4) 「紹介制による入会は面倒」と全体の8割以上が回答
同様に「ぜひ利用したい」、「できれば利用したい」と答えた人に、知り合いからの紹介制による入会制度をどう感じるか尋ねたところ、83.5%の人が「非常に面倒」もしくは「多少は面倒」と答えている。「まったく面倒だと思わない」はわずか2.1%に過ぎず、紹介制が入会への大きなハードルとなっている事実が浮き彫りとなった。【図14】
【図14】紹介制による入会について(n=516)
(5) 利用したくない理由は、「個人情報の公開」への不安が圧倒的に高い
「あまり利用したくない」、「まったく利用したくない」と答えた人にその理由を自由記述回答で尋ねたところ、「自分の個人情報を(不特定多数の人に)公開することへの不安」が圧倒的に多かった。その他、「紹介制度の手続きの面倒さ」、「利用することへのメリットが分からない」といった声も挙がっている。
NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。