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ディーゼル乗用車普及に関するアンケート

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クリーンディーゼル乗用車・意外に大きい潜在需要

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gooリサーチ と 日刊工業新聞 による共同企画調査

日刊工業新聞との共同企画調査第12弾

ディーゼル乗用車普及に関するアンケート

~クリーンディーゼル乗用車・意外に大きい潜在需要~

2人に1人が、自動車メーカーにディーゼル乗用車の国内投入を期待―。日刊工業新聞社がNTTレゾナントと共同で「gooリサーチ」を利用して実施した「クリーンディーゼル乗用車に関する意識アンケート」で、ディーゼル乗用車の潜在需要が大きいことが分かった。欧州では急速に市場拡大するディーゼル乗用車だが、わが国では新車販売の1%にも満たない。今回の調査結果を見る限り、クリーンディーゼル車の実態がほとんど知られていない半面、環境規制をクリアできれば購入には前向きな姿勢を示すユーザーは少なくない。国を中心にPR活動を強めるとともに、メーカーの商品投入が普及のカギを握りそうだ。

調査結果について

■今なぜ...

ディーゼル乗用車がなぜ見直されているのか。そこには二酸化炭素(CO2)削減の切り札という環境面での効用のほか、欧州メーカーに比べ「後れている」といわれるディーゼル技術の底上げが喫緊の課題になっているからだ。

CO2削減ではディーゼル車が持つ燃費性能の良さが注目されている。一般的にはガソリン車に比べ2割程度CO2排出量を削減できるといわれており、「地球温暖化対策のリリーフエース」(小口泰平芝浦工業大学名誉学長)と期待感は大きい。

京都議定書で定められたCO2削減目標を達成するには、運輸部門での削減がどうしても不可欠であり、ここにきてディーゼル乗用車が新たなクリーンカーとして見直され始めている。

自動車メーカーの国際競争力の向上にもディーゼル技術の蓄積は必要に迫られる。とくに欧州では新車販売の5割弱がディーゼル車であり、今後他のエリアでの普及も見込まれている。この半面、日本市場はガソリン車一辺倒で、「ガソリン車だけでは将来、国際競争力を落とす懸念がある」(江澤正名経済産業省製造産業局自動車課課長補佐)。"持たざるリスク"を解消することが、世界に対する優位性をさらに確固たるものにする。

わが国の自動車メーカーがディーゼル乗用車を日本市場にも商品を投入することを期待しますか。

■根強い負のイメージ/燃料・エンジンともに改善進む 認識とは大きな違い

「黒煙をまき散らす」(愛知県・50代・男性)「エンジン音や振動が大きい」(千葉県・20代・男性)。かつてのディーゼル車が抱えていた負のイメージは、現在も払拭(ふっしょく)されていない。

中でも排ガスに対する拒否反応は強い。「大気汚染に悪影響がある」と指摘するユーザーは全体の94%に達している。「燃費がよいといっても今でも環境汚染につながると思っている」(神奈川県・70代・男性)。

ディーゼル車に抱くイメージを教えてください。

90年代以降、立て続けに設定された排出ガス規制も、ディーゼルを過度に排除する要因となった。わが国ではCO2削減よりも大気汚染の抑制に政策的力学が置かれたことが背景にあり、ディーゼルが敵対視されたことは否めない。

悪いイメージが先行するディーゼル乗用車だが、実態は改善が進んでいる。燃料である軽油に関しては、有害な二酸化窒素(NOx)の排出を結果的に抑制するサルファーフリー(超低硫黄)軽油が登場。元売り各社はこの4月から世界に先駆けて10ppm軽油の販売を開始するなど、「石油業界としてやるべきことは完了した」(松村幾敏新日本石油常務)。

ハードの改良も進んでいる。エンジン系では97年にボッシュが乗用車用コモンレール(燃料噴射装置)を投入、排出ガスや騒音の低減に道筋をつけた。この結果「大都市で懸念されている大気汚染問題は十分クリアできる水準」(大聖泰弘早稲田大学教授)に技術的には到達している。日本自動車研究所の調べでは、今後ディーゼル乗用車が普及しても、「大気に及ぼす影響は軽微」としており、消費者の認識とクリーン化が図られるディーゼル乗用車の実態とは大きな隔たりが見られる。

ディーゼル車はガソリン車に比べ、二酸化炭素排出量が少ないという事実を知っていますか。

■復活の条件/国の支援が必要・商品投入に期待

クリーンディーゼル乗用車が再び、わが国の路上を走り回るようになるにはなにが必要か。アンケートではさまざまな声が寄せられている。

まずは現在、ディーゼル乗用車の可能性に懐疑的な立場を崩していない自動車メーカーに対して。「メーカーがディーゼルの良さをPRしていない」(富山県・40代・男性)「有害物質除去装置の実用化への企業努力が足りない」(東京都・30代・男性)とメーカーへの期待や不満は多く寄せられている。ユーザーサイドとしては、自動車メーカーの取り組み強化で、商品を選ぶ選択肢の拡大を希望していることの表れだ。

日本でクリーンディーゼル乗用車が普及するために必要な条件はどういったことだと思われますか。

あしきイメージを払拭させるため、どうしても必要なのが啓発活動。国や行政には"旗振り役"が求められている。「そもそもディーゼル車とは何か、といった基本的なことから説明すべきだ」(神奈川県・20代・女性)「おざなりの啓もう活動ではダメ。国を挙げて取り組むべきだ」(神奈川県・70代・男性)とイメージ戦略の必要性を求める声は根強い。

国における政策的な支援も不可欠。「昔のようにガソリンと軽油の価格差が小さくなっている。軽油価格をもっと安くすべき」(愛知県・70代・男性)との石油税制の見直しやディーゼル車が長距離の走行に適していることから「高速道路の無料化」(京都府・70代・男性)などが挙げられている。

経産省では「優れたクリーンディーゼル乗用車が市場に投入されれば、補助金などの支援には前向きに取り組む」と支援を示唆している。

イメージ戦略、国のバックアップ、自動車メーカーによる商品投入、さらなる大気汚染への取り組みという4項目がクリーンディーゼル乗用車の市場創生に向けた最低条件。復活への道のりは決して遠くはない。

■高まる購入意欲/「買ってみたい」46%・体感フェアに3万8000人

日本市場は90年代のレクリエーション用自動車(RV)ブームの際、ディーゼル乗用車の販売シェアは一時5%を突破したが、その後東京都をはじめとする環境規制が厳しさを増し、現在では0.1%とほとんど市場性は失われている。

「メーカーは売れないから製品を提供しない」→「製品がないから消費者は購入できない」という"鶏と卵"の論理に陥っていることが大きな要因だ。

負のイメージを引きずるディーゼル車ながら、消費者の関心は決して低くない。「メーカーが日本市場に商品を投入することに期待するか」との問いに対し、約51%が「期待する」と回答しているほか、環境規制をクリアできれば、約46%の消費者が「ディーゼル車を買ってみたい」としている。

クリーンディーゼル乗用車を購入しようと思いますか。

経産省や石油連盟を中心にクリーンディーゼル乗用車を普及させようとする動きがあることに対しては「支持する」と答えた消費者は62.6%に達しており、ディーゼル乗用車への期待感が高まっていることを浮き彫りにした。

実際、5月に横浜市内で開催された「次世代クリーンディーゼル体感フェスタ」には、3日間の期間中、実に3万8000人が来場した。トヨタ自動車を除き国内販売を停止したメーカー各社にも、ディーゼル乗用車に関する問い合わせが今も後を絶たない。

回答者の構成

1057人の回答中、会社経営40人(3.8%)、会社員354人(33.5%)、主婦249人(23.6%)、自由業49人(4.6%)、農業6人(0.6%)、学生147人(13.9%)、無職95人(9.0%)、その他117人(11.1%)。

<調査概要>

  • 実施期間: 2005/05/30~2005/06/01
  • 有効回答数: 1,057

NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。

この調査結果の単純集計を無料にて提供しています。

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