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「チケットのオンライン購入に関する一般生活者の意識調査」

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過半数以上が利用経験あり。割引特典やキャンセルなどへの柔軟な対応が普及の鍵

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平成17年2月1日

gooリサーチ結果 (No.71)

チケットのオンライン購入に関する一般生活者の意識調査

~過半数以上が利用経験あり。割引特典やキャンセルなどへの柔軟な対応が普及の鍵~

国内最大級のインターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」(*1)を共同で提供するNTTレゾナント株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:資宗 克行)と株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、取締役社長:谷野 剛)は、「gooリサーチ」登録モニターを対象に「チケットのオンライン購入に関する一般生活者の意識」に関する調査を実施しました。

有効回答者数2,181名のうち、インターネットを通じてチケットを予約・購入した経験のある人は56.4%と過半数を超え、中でも乗車券・航空券をオンラインで購入したことがある人が56.8%と非常に多く、個人・ビジネス両方で利用される公共交通機関のチケットについては、オンライン購入が普及期に入りつつある事がうかがえます。

総括

今回の調査結果により、オンラインによるチケットの予約・購入は、過半数の人が利用経験を持っており、ブロードバンド環境の普及にともない次第に利用者が拡大し始めていることが分かります。利用者側のメリットとしては手続きの時間短縮が最も大きく、特に乗車券や航空券をオンラインで予約・購入したことのある経験者は過半数に及んでいます。利用経験者のうち、「特に不満がない」とする層は、3割を超える結果となりましたが、独自の割引特典などへの期待や、変更・キャンセルに対する柔軟な対応が望まれています。また、チケットレスなど新サービスの普及にあたっては、個人情報保護の対策とシステムのセキュリティ等安全性の確保が必須の課題となっていることがうかがえます。

調査結果のポイント

(1) オンラインによるチケット購入のメリットと目的

今までにインターネットを介して何らかのチケットを予約・購入した経験がある人は、56.4%と非常に多く、オンラインによるチケット販売が拡大していることが分かる。オンラインでチケットを予約・購入するメリットとしては、「窓口に足を運ばなくて済む(53.4%)」、「時間の拘束が少ない(49.0%)」など手続きにかかる時間短縮をあげる人が多く、インターネットのメリットが大きく作用していることが分かる。

(2) 乗車券・航空券のオンライン購入に関する満足度とニーズ

乗車券・航空券のチケットをオンライン購入した経験がある人の利用頻度を見ると、「年に1−2回(48.1%)」、「年に5回未満(32.2%)」が8割以上を占めており、利用経験者は多いものの、利用頻度は決して高くないことが分かる。しかし、利用にあたっての不満については「特に不満は感じていない」との回答が33.6%と比較的多いことから、今後短期間で普及拡大が進んでいく可能性がうかがえる。また、普及に必要だと思うことについての設問では、「オンラインだけの割引特典(36.1%)」や、「変更やキャンセルの手続きが柔軟(35.6%)」などが上位となり、さらなるサービスの拡充やシステム・インフラの整備が急務であることが分かる。

(3) オンラインによるチケット販売の課題

インターネットを利用してチケットを予約・購入する際の個人情報漏洩の問題に対しては、いまだ6割以上の人が少なからず不安を感じている。また、今後キャッシュレスやチケットレスのサービスの利用が可能になった場合でも、「安全性、安定性を見極めたうえで利用したい(36.6%)」という意見が多いことから、セキュリティ対策を含めたシステム面および運営面でのインフラの整備が必須要件と考えられる。

《 補足 》

(*1)【 gooリサーチ 】http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。携帯電話でアンケートに答える「gooリサーチ・モバイル」モニター(4.7万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(2.4万人)を含め、25万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています。(モニターの人数はいずれもH17年1月現在)

<本調査およびgooリサーチに関するお問合せ先>

NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 リサーチグループ
(Tel) 03-5224-5380、(FAX) 03-5224-5201、(E-mail)research@goo.ne.jp
NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 広報グループ
(Tel) 03-5224-5500、(E-mail) pr@nttr.co.jp

<gooリサーチに関するお問合せ先>

株式会社三菱総合研究所 Eリサーチ事業推進室
(Tel) 03-3277-0719、(Fax) 03-3277-0523、(E-mail) e-res@mri.co.jp
株式会社三菱総合研究所広報部広報グループ
(Tel) 03-3277-0003(Fax) 03-3277-3490、(E-mail) ccd-mg@mri.co.jp

調査概要

1. 調査対象 「gooリサーチ」登録モニター
2. 調査方法 非公開型インターネットアンケート
3. 調査期間 平成17年1月7日(金)〜平成17年1月9日(日)
4. 有効回答者数 2,181名
5. 回答者の属性 【男女内訳】
男性51.6% 女性48.4%

【年代別構成】
10代 18.4%、20代 17.9%、30代 20.0%、40代 21.1%、50代 16.7%、60代 5.2%、70代 0.7%

調査結果データ

1.オンラインによるチケット購入のメリットと目的

(1) インターネットを通じてチケットを購入した経験がある人は56.4%と過半数を超える

これまでにインターネットによるオンライン方式で何らかのチケットを購入した経験がある人は、56.4%と過半数を超え、インターネットでのチケット流通が次第に本格化してきたことが見て取れる。【図1】。

【図1】インターネットでのチケット購入の経験(n=2,181)

【図1】インターネットでのチケット購入の経験

(2) オンラインで予約・購入を行う理由は「窓口に足を運ばなくても済む(53.4%)」、「時間の拘束が少ない(49.0%)」など、時間の短縮が圧倒的

チケットの予約・購入をオンラインで行うことの理由については、「窓口に足を運ばなくても済む」とする人が53.4%と最も高く、次いで「時間の拘束が少ない」が49.0%と続いている。いずれも予約や購入にかかる時間の短縮を図ることが理由となっており、インターネットの有効活用の一つとしてチケット購入の効率化が期待されていることが分かる。【図2】。

【図2】チケットの予約・購入をオンラインで行う理由(n=1,231)

【図2】チケットの予約・購入をオンラインで行う理由

(3) 自身でオンライン購入したチケットは「乗車券、航空券」が56.8%と最も多い

これまでに自分自身でインターネットを通じてチケットのオンライン購入を行った経験のある人のうち、56.8%が「乗車券(新幹線)、航空券」を購入したと回答しており、他のエンターテイメント関連のチケット購入を押さえて最も多い結果となった。これは個人利用に加えビジネス利用も多いオンライン・サービスであることがその理由と考えられる。

「コンサート」のチケット購入も41.4%と高い比率となっており、需要の大きさが明らかである。次いで「映画(19.1%)」「スポーツ(18.5%)」「観劇(17.6%)」と続いている。【図3】

【図3】自身でオンライン購入したことのあるチケット(n=1,231)

【図3】自身でオンライン購入したことのあるチケット

2.乗車券・航空券のオンライン購入に関する満足度とニーズ

(1) 乗車券・航空券の購入頻度は「年に5回未満」が全体の80%を超える

オンラインで乗車券(新幹線)や航空券を予約・購入した経験があると回答した人の利用頻度を見ると、「年に1−2回(48.1%)」、「年に5回未満(32.2%)」とする人が全体の8割以上を占めており、購入経験のある人は多いものの、その利用頻度はまだ期待されているほど高いものではないことが分かる。【図4】。

【図4】乗車券・航空券の購入頻度(n=699)

【図4】乗車券・航空券の購入頻度

(2) 乗車券・航空券のオンライン購入に対して「特に不満は感じていない(33.6%)」人が多く、今後の普及加速が期待される

乗車券・航空券をオンライン購入した経験のある人に不満に感じた点をたずねたところ、「特に不満は感じていない」とする人が33.6%と最も多く、今後オンライン予約・購入サービスが急速に普及拡大していくことが期待される。不満に感じている内容を見ると、「個人情報が守られているかどうか不安(22.8%)」という回答が多く、他のインターネットサービスと同様に、セキュリティ対策への万全な方策が取られることが望まれている。その他には、「サイトごとに仕組みが違っていて分かりにくい(16.6%)」という業界内での標準化への期待や、「混雑によりシステムへのアクセスができない(14.9%)」といったシステムの対応規模拡大に対する要望も見られる。【図5】。

【図5】乗車券・航空券のオンライン予約・購入に対する不満(n=699)

【図5】乗車券・航空券のオンライン予約・購入に対する不満

(3) 普及に必要だと思うことは、オンラインだけの割引特典とシステムの柔軟性

 乗車券・航空券のインターネットによるオンライン予約・購入が今後普及していくために必要なことは何だと思うかという問いに対しては、「オンラインだけの割引特典」とする人が36.1%と最も多く、他の購入ルートと差別化されたサービスの設定が期待されている。また、これとほぼ同数で「変更やキャンセルの手続きが柔軟(35.6%)」という回答も多く、ビジネスシーンでの変動的なニーズに対しても柔軟に対応できるシステムの整備が望まれている。【図6】。

【図6】乗車券・航空券のオンライン販売の普及に必要だと思われる要件(n=699)

【図6】乗車券・航空券のオンライン販売の普及に必要だと思われる要件

3. オンラインによるチケット販売の課題

(1) チケットのオンライン予約・購入における個人情報漏洩については、6割以上が少なからず不安を感じている

インターネットを通じてチケットを予約・購入することに対して、個人情報漏洩の不安を感じるかどうかという点については、「大いに不安だ(10.8%)」、「少し不安だ(52.0%)」とする人が合計で62.8%と高く、「あまり不安はない(30.5%)」、「まったく不安はない(4.7%)」を大きく上回っている。今後の普及促進のためにはセキュリティ対策の整備が不可欠なものと推察される。【図7】。

【図7】チケットのオンライン予約・購入における個人情報漏洩に対する不安(n=2,181)

【図7】チケットのオンライン予約・購入における個人情報漏洩に対する不安

(2) キャッシュレスやチケットレスのサービス普及には、安全性と利便性の確保が重要

今後サービスの拡大が予想される、携帯電話やフェリカ(ソニーが開発した非接触ICカード技術方式)などを利用したキャッシュレスおよびチケットレス(チケット発行不要)のチケット販売サービスに対しては、「安全性、安定性を見極めたうえで利用したい」とする人が36.6%と多く、「利用するにはまだ不安要素が多い」という回答も18.1%あることから、普及を促進していくためには、安心して使えるシステム面と運営面におけるインフラ整備、および実績の確保が重要な鍵になるものと思われる。また、「大きな利便性を感じないのでしばらくは利用しない(20.9%)」という意見もあることから、利用者側のメリットの拡充と同時に、PRの強化によって利用者の認知と理解度を高めていく必要があるものと考えられる。

一方で「利便性が高いので是非利用したい」とする人も現時点で9.3%いることから、同サービスの今後の普及拡大に対しては期待できる面も見られる。【図8】。

【図8】キャッシュレスやチケットレスのサービス利用に対する意識(n=2,181)

【図8】キャッシュレスやチケットレスのサービス利用に対する意識

NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。

この調査結果の単純集計を無料にて提供しています。

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