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「2003年の感動に関するアンケート」調査結果

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もっと感動するための「感動探し」が積極的に行われ、その市場規模は5兆円

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gooリサーチ結果 (No.54)

「2003年の感動に関するアンケート」調査結果

~もっと感動するための「感動探し」が積極的に行われ、その市場規模は5兆円~

国内最大級のインターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」(*1)を共同で提供する株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、取締役社長:谷野 剛)と株式会社NTT-X (本社:東京都千代田区、代表取締役社長:中嶋 孝夫)は、gooリサーチ・ホームページ上で「2003年の感動に関するアンケート」調査を実施しました。有効回答者数は17,400名でした。

調査結果のポイント

■ 感動ビジネス市場規模は5兆円

「もっと感動するために、意識的に行っていること(「感動探し」と呼ぶ)」があると答えたのは38.6%。中高年ほど「感動探し」を行う割合が高まり、60代では57.6%が行っている。

「感動探し」の内容は、10代・20代は「映画を見る」、30代・40代は「良好な家族関係の維持」、50代・60代は「旅行に行く」「自然に触れる」が主なものであった。

「感動探し」のために使う金額はひと月当たり平均1万1,400円で、これをベースに市場規模を試算した結果、感動ビジネス市場は年間5兆円となった。

なお、感動ビジネスとは、人々が感動するための商品やサービスを提供しようとすることであり、具体的には、「感動探し」に関連する商品やサービス(教材・映画・旅行など)を提供することと定義した。

■ 感動ビジネスの主要層は 50・60代

「感動探し」のために使う平均金額を年代別にみると、年代で上昇する傾向があり、「10代」では3,900円であるのに対し、「50代」1万3,300円「60代」1万6,700円という結果となった。

また、感動頻度を年代別に見ると、「1ヶ月に1回以上」の割合が「10代」50.9%、「20代」48.6%であるのに対し、「50代」30.7%、「60代」33.9%と、年代が高くなるにつれて頻度が減る傾向にあることが明らかとなった。

感動ビジネスのメインターゲットは、感動探しに積極的な50代・60代の層であるといえる。

<本調査およびgooリサーチに関するお問合せ先>

株式会社三菱総合研究所 産業・市場戦略研究本部 E-リサーチ事業推進室
(Tel) 03-3277-0719、(Fax) 03-3277-0523、(E-mail) goo-press@mri.co.jp
産業政策研究部 生活産業研究チーム
(Tel) 03-3277-0562、(Fax) 03-3277-0523

<gooリサーチに関するお問合せ先>

NTT-X リサーチグループ:(Tel) 03-5224-5380、(Fax) 03-5224-5203
NTT-X 広報室:(Tel) 03-5224-5500、(E-mail) pr@nttx.co.jp

調査概要

1. 調査対象 一般インターネット・ユーザ及びgooリサーチ登録モニター
2. 調査方法 公開型インターネットアンケート
3. 調査期間 平成15年11月19日(水)〜平成15年11月25日(火)
4. 有効回答者数 17,400名

調査結果について

【1】回答者構成

(1) 性別構成

本調査の回答者の男女内訳は、男性43.5%、女性56.5%であった。

(2) 年代別構成

年代別構成では、19歳以下が2.4%、20〜29歳が26.3%、30〜39歳が41.8%、40〜49歳が21.3%、50〜59歳が6.0%、60歳以上が2.2%であった。

【2】感動市場の規模

(1) 感動探し

「来年は今年よりもっと感動したいと思うか」を尋ねた結果、「強く思う」と「思う」を合わせた割合は89.0%で、年代別にみてもその割合はほぼ同等であった。

来年は今年よりもっと感動したい層のうち、「もっと感動するために、意識的に行っていることがあるか(「感動探し」と呼ぶ)」を尋ねた。その結果、38.6%が何らかの「感動探し」を行っていることがわかった。(図表1)

年代別に「感動探し」の有無をみると、「60代」57.6%「50代」45.6%の順に多く、中高年ほど意識的な「感動探し」を行っている割合が高いことがわかる。

次に行動の内容をみると、ほぼどの年代にも共通しているのが「知識を増やす、勉強する」である。そして年代別に多いのは、「10代」「20代」の「映画を見る」、「30代」「40代」の「良好な家族関係の維持」、「50代」「60代」の「旅行に行く」「自然に触れる」であった。(図表2)

図表1 もっと感動するために意識的に行っていることがある割合

図表1 もっと感動するために意識的に行っていることがある割合

図表2 もっと感動するために意識的に行っていること(年代別上位3項目、%、複数回答)

図表2 もっと感動するために意識的に行っていること

(2) 感動ビジネスの市場規模

感動ビジネスとは、人々が感動するための商品やサービスを提供しようとすることであり、具体的には、図表3に示す「感動探し」に関連する商品やサービス(教材・映画・旅行など)を提供することと定義した。

(1)の「感動探し」にかける金額(ひと月あたり)を年齢別にみたところ、年代で上昇する傾向があり、「10代」では平均3,900円であるのに対し、「60代」では平均1万6,700円という結果となった。よって、感動ビジネスのメインターゲットは50代・60代の層であるといえる。(図表4)

また、本結果と年齢別人口(平成12年国勢調査)を用いて、感動ビジネスの市場規模の推計を行ったところ、年間5兆円という結果となった(但し、10歳未満及び70歳以上は推計の対象外。10歳未満は調査対象外のため、また70歳以上はサンプル数が少ないため)。

今後は、現在50代半ばの団塊世代がリタイアし自由に使える時間が増えることから、自然との触れあいや自己啓発につながること(例えば、ガーデニング・学校など)や旅行に関する消費が活発化すると考えられる。それに伴い感動ビジネスの市場拡大も期待できる。

年代別市場規模の推計式(感動ビジネスの市場規模は年代別の和):

年代別市場規模の推計式

図表3 感動ビジネス市場の内訳(感動探しの具体的内容、%)

図表3 感動ビジネス市場の内訳

図表4 もっと感動するために使う年代別平均金額(ひと月あたり)

図表4 もっと感動するために使う年代別平均金額

【3】感動の頻度

2003年の感動頻度を年代別に見ると、「1ヶ月に1回以上」の割合が「10代」50.9%、「20代」48.6%であるのに対し「50代」30.7%、「60代」33.9%と、年代が高くなるにつれ感動の頻度が減る傾向があることが明らかとなった。(図表5)

年をとるにつれて感動の頻度が減る要因としては、経験が豊富になることによって物事に対する期待レベルが高まり、それが満たされにくくなるということが考えられる(例えば、おいしいものを食べ慣れていると少々のものではそのおいしさに感動しなくなる 等)。

図表5 感動の頻度

図表5 感動の頻度

【4】2003年の感動

(1) 2003年の感動

2003年に感動したことを尋ねたところ、50代を境に傾向が大きく異なることがわかった。(図表6)

「10代」から「40代」では「小説・映画・テレビドラマ」が最も多く約5割が選んだのに対し、「50代」「60代」で選んだのは約3〜4割にとどまった。そして、「50代」「60代」では「自然の景観」が最も多く選ばれた。

一方、「家族」に関すること(「家族の愛情」または「家族や友人の努力・成長・成功」)は20代から60代でそれぞれ約4割が選んでおり、20代以上では年に関わらず感動をよぶことがらであることがわかる。

図表6 2003年に感動したこと(年代別、%、複数回答)

図表6 2003年に感動したこと

(2) 感動を表現する言葉

感動を表現する言葉は、「ジーン」65.0%「ウルウル」38.1%「ドキドキ」34.0%の順に多い。

図表7 感動を表現する言葉

図表7 感動を表現する言葉

(3) 感動の理由

世の中で起きたこと(ニュース・人の話で聞いたこと)への感動の理由を尋ねたところ、「期待以上だったから」41.6%「自分にはとてもできないことだから」40.6%「共感できるところがあったから」26.2%の順に多かった。(図表8)

感動を生むためには期待を上回ること、あるいは期待すらしないような高いレベルのことがらであることが重要で、期待に応えた程度のことでは難しいことがわかる。

図表8 感動した理由(ニュース・人の話で聞いたことに対して)

図表8 感動した理由

【5】感動の商品・サービス

(1) 商品・サービスへの感動

2003年に「商品・サービス」に感動した割合は8.9%。30項目中28番目と、「小説・映画・テレビドラマ」「自然」「家族」などと比較すると、感動を生みにくいことがらであることがわかる。(図表9)

一方、「感動した商品・サービス」については76.8%が購入しており、商品・サービスは感動を与えにくいことがらであるものの、一旦感動を与えた物は購入される可能性が高いといえる。(図表10)

図表9 2003年に感動したこと(複数回答)

図表9 2003年に感動したこと

図表10 感動した商品の購入の有無

図表10 感動した商品の購入の有無

(2) 感動した要因

感動した要因を、アンケートの中で尋ねた商品・サービス事例の中から一部取り上げてみると、例えば「家電」の場合は「性能の高さ」69.7%が抜きんでて多く選ばれているのに対し、「自動車・バイク・自転車」の場合は「性能の高さ」58.5%だけでなく「コンセプト・発想」「デザイン(形・色など)」「使い心地(感触・香りなど)」がすべて41.5%と感動の要因になっている。一方、「住宅・住設機器」の場合は、「使い心地(感触・香りなど)」50.0%「性能の高さ」48.3%が選ばれた。(図表11参照)

「性能の高さ」が商品共通の感動の要因であるが、車や住宅といった人の器となる商品の場合は、感覚的に伝わる「使い心地(感触・香りなど)」が感動の大きな要因になっていることがわかった。

図表11 感動の要因(商品別)

図表11 感動の要因「家電」

図表11 感動の要因「自動車・バイク・自転車」

図表11 感動の要因「住宅・住設機器」

【6】感動の頻度と生活総合満足度との関係

感動の頻度と生活総合満足度との関係をみたところ、「1日に1回以上」感動した層では「満足」あるいは「やや満足」している割合が71.1%であるのに対し、「1年に1回程度」感動した層では37.5%とその割合が低く、「1回もなかった」層は例外であるが、それ以外においては感動の頻度が多いほど生活に満足している割合が高いといえる。(図表12)

日々の感動と生活に対する満足は密接な関係があるといえる。

図表12 感動の頻度と生活満足の関係

図表12 感動の頻度と生活満足の関係

《 補足 》

(*1)【 gooリサーチ 】http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTT-Xと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いeリサーチ・サービスです。携帯電話でアンケートに答える「gooリサーチ・モバイル」モニター(3.6万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(1.6万人)を含め、20万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています(モニターの人数はいずれもH15年12月現在)。

(*2)【 ビジネスモニター 】
消費者モニターとは別に、企業のキーパーソンとしてアンケートにも回答する意志のあるモニター1.6万人 (H15年12月現在)

NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。

この調査結果の単純集計を無料にて提供しています。

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