ビジネスにおけるモバイル・コンピューティング利用の調査
約8割のビジネスマンがモバイル端末を仕事で利用。ケータイの入力方法簡便化、PDAの処理能力UP、ノートPCの小型・軽量化に期待
ビジネスにおけるモバイル・コンピューティング利用の調査
~約8割のビジネスマンがモバイル端末を仕事で利用。
ケータイの入力方法簡便化、PDAの処理能力UP、ノートPCの小型・軽量化に期待~
株式会社エヌ・ティ・ティ エックス(東京都千代田区大手町1−6−1、代表取締役社長 池田 茂)と、株式会社三菱総合研究所(東京都千代田区大手町2-3-6、取締役社長 谷野 剛)は、2001年8月13日から8月31日まで、2社が共同で運営するインターネット・アンケート・サイト「gooリサーチ」の一般参加型調査として「ビジネスにおけるモバイル・コンピューティングの利用に関する調査」を実施しました。有効回答者数12,440名でした。
調査概要
1. 実施方法 | gooリサーチ・ホームページ上での公開型インターネット・アンケート http://research.goo.ne.jp/ |
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2. 実施時期 | 2001年8月13日〜2001年8月31日 |
3. 有効回答者数 | 12,440名 |
要約
今回の調査では、ビジネスマンの約8割がモバイル端末(通話機能のみの携帯電話は対象外)を仕事で利用しており、そのほとんどは個人購入によるものであることがわかった。特にPDA・電子手帳、メール/ブラウザ専用端末の9割以上が個人の所有物である。
モバイル端末利用者の約3割が無線によるデータ通信を行っている。データ通信の方法については、約7割がモバイル端末に携帯電話やPHSを接続している。「カード型のデータ通信用端末を接続」は約2割、iモードなど「携帯電話の通信サービスを利用」は約3割となっている。コンテンツでは、「交通情報/時刻表」、「天気予報」、「ニュース」の利用度合いが高い。
モバイル端末の利用について便利だと思う点は、「移動中、在宅時にも仕事ができる」が約半数を占めている。
モバイル端末の機能/性能向上については、携帯・PHS系端末に「入力方法の簡便化」を、PDA・電子手帳系端末には「CPU等の処理能力の向上」を、ノート・パソコン系端末には「小型・軽量化」をそれぞれ期待しているという結果が出た。
モバイル端末の新規利用予定者の用途としては、ノート・パソコンで「デジタルカメラで撮影した画像の保存、送受信」、「社内データベースや共有ファイルへのアクセス」が多く、PDA・電子手帳で「日報/レポートの作成」、「出先での顧客データや営業情報の参照」が多くを占めている。
調査結果のポイント
(1) 回答者属性
今回のアンケート回答者の内訳を属性分布で見ると、勤務先の業種では「製造業」が22.1%を占め最も多く、次いで「その他のサービス業」が9.3%であった。これ以外の業種は数%以下であり、大きな偏りはない。
従業員数を見ると、最も多い「5000人以上」の15.6%から、最も少ない「3000〜4000人」の4.0%までの範囲に収まっており、これも大きな偏りはなかった。
職位では、「一般社員クラス」が41.9%で最も多く、「係長・主査・リーダークラス」が16.6%でこれに続くが、課長以上の管理職クラスも合計で19.4%の回答があった。
業種
従業員数
(2) 仕事でのモバイル端末の利用状況
約8割のビジネスマンが、モバイル端末(通話機能のみの携帯電話は対象外)を仕事で利用している。
仕事でのモバイル端末の利用状況(N=12440)
最も多かったのは、「Web/メール対応の携帯電話」と「ノート・パソコン」で、いずれも半数近い45.3%が利用している。「PDA・電子手帳」の11.5%がこれに続いており、今年の1月から登場した「JAVA対応携帯電話」も約1割(9.7%)の回答があった。
仕事でのモバイル端末の利用状況−内訳(N=12440)
利用台数を見ると、「1台」のみの利用が49.0%となっており、半数以上の利用者が複数台利用している。
モバイル端末の利用台数(N=9712:モバイル端末利用者)
仕事で利用しているモバイル端末のほとんどは、個人購入によるものである。端末の入手方法を尋ねた設問では、ハンディ・ターミナルと試験サービス中であったブロードバンド対応携帯電話以外の端末について、半数以上が「個人の所有物である」と回答している。特にPDA・電子手帳、メール/ブラウザ専用端末で9割以上が、携帯電話・PHSについても7〜8割が個人の所有物である。
ノート・パソコンについては、57.8%が個人所有であるが、41.5%が職場から支給・貸与されている。
モバイル端末の入手方法
(3) 仕事でのモバイル通信、サービスの利用状況
仕事でのモバイル端末利用者の約3割が、無線によるデータ通信を行うことがあると回答している。
仕事での無線によるデータ通信(N=9712:モバイル端末利用者)
データ通信の方法については、約7割がモバイル端末に携帯電話やPHSを接続している{「携帯電話を接続」(43.7%)+「PHSを接続」(29.0%)}。iモードなど「携帯電話の通信サービスを利用」は32.8%、「カード型のデータ通信用端末を接続」は23.5%となっている。
仕事での無線によるデータ通信方法(N=2817:モバイル通信利用者)
モバイル端末を使って、仕事上、利用しているコンテンツを見ると、携帯電話、PDA、ノート・パソコンいずれも「交通情報/時刻表」、「天気予報」、「ニュース」が上位にきている。ただし、携帯電話やノート・パソコンに比べて、PDA・電子手帳でのコンテンツの利用度合いが全体的に低くなっている。なお、携帯電話についてJAVA対応携帯電話ユーザの方が、Web/メール対応携帯電話ユーザよりも利用度合いが高い傾向が見られる。
携帯電話で仕事上利用しているコンテンツ
PDA・電子手帳で仕事上利用しているコンテンツ
ノート・パソコンで仕事上利用しているコンテンツ
(4) 仕事でのモバイル端末の利用満足度、機能/性能向上に期待する点
仕事でのモバイル端末の利用について便利だと思う点は、「移動中、緊急時にも連絡が取れる」が79.4%で最も多く、次いで「移動中、在宅時にも仕事ができる」が48.6%、「外出先等からリアルタイムでの情報入手が行える」が35.4%で続いている。
仕事でのモバイル端末の利用について便利だと思う点
(N=9712:モバイル端末利用者)
逆に不便や不都合に思う点を見ると、最も多いものから「バッテリーの駆動時間が短い」(51.7%)、「荷物がかさばる、重い」(43.5%)、「データ通信の速度が遅く時間がかかる」(35.1%)の順となっている。
仕事でのモバイル端末の利用について不便や不都合に思う点
(N=9712:モバイル端末利用者)
モバイル端末の機能/性能向上について期待する点では、携帯・PHS系端末には「入力方法の簡便化」(40.1%)、「ディスプレイの大画面化」(39.0%)、「駆動時間の長時間化」(32.2%)を、PDA・電子手帳系端末には「CPU等の処理能力の向上」(35.0%)、「メモリの増加」(32.9%)、「記憶容量の増加」(30.7%)を、ノートPC系端末には「小型・軽量化」(60.7%)、「駆動時間の長時間化」(57.5%)、「CPU等の処理能力の向上」(53.1%)をそれぞれ望んでいる。
モバイル端末の機能・性能向上に期待する点(上位3項目)
1位 | 入力方法の簡便化(40.1%) |
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2位 | ディスプレイの大画面化(39.0%) |
3位 | 駆動時間の長時間化(32.2%) |
1位 | CPU等の処理能力の向上(35.0%) |
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2位 | メモリの増加(32.9%) |
3位 | 記憶容量の増加(30.7%) |
1位 | 小型・軽量化(60.7%) |
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2位 | 駆動時間の長時間化(57.5%) |
3位 | CPU等の処理能力の向上(53.1%) |
携帯電話・PHS系モバイル端末の機能・性能向上に期待する点
(N=9712:モバイル端末利用者)
PDA・電子手帳系モバイル端末の機能・性能向上に期待する点
(N=9712:モバイル端末利用者)
ノート・パソコン系モバイル端末の機能・性能向上に期待する点
(N=9712:モバイル端末利用者)
(5) 今後のモバイル・コンピューティングの利用意向
今後、1年以内でのモバイル端末の新規利用(または機種変更)の予定では、12.6%が「新規に利用する予定がある」、23.8%が「端末を機種変更する予定がある」と回答している。
今後、1年以内でのモバイル端末の新規利用(または機種変更)予定(N=12440)
新規利用予定者のうち、46.5%が「ノート・パソコン」、29.3%が「JAVA対応携帯電話」、28.1%が「PDA・電子手帳」を1年以内に利用する予定である。
今後、1年以内に新たに利用する予定のモバイル端末(N=1565:新規利用予定者)
新規に利用予定のモバイル端末の用途については、ノート・パソコンの新規利用予定者は、「出先等でのメール送受信」(64.7%)、「デジタルカメラで撮影した画像の保存、送受信」(44.2%)、「社内データベースや共有ファイルへのアクセス」(37.7%)の順で多くなっている。JAVA対応携帯電話の新規利用予定者は「出先等での電話連絡」(70.4%)、「出先等でのメール送受信」(65.6%)、「デジタルカメラで撮影した画像の保存、送受信」(20.7%)の回答が多い。PDA・電子手帳の利用予定者は、「出先等でのメール送受信」(64.8%)、「日報/レポートの作成」(23.4%)、「出先での顧客データや営業情報の参照」(20.9%)の順となっている。
今後、1年以内に利用するモバイル端末(JAVA対応携帯電話)の用途
(N=459:新規JAVA携帯電話利用予定者)
今後、1年以内に利用するモバイル端末(PDA・電子手帳)の用途
(N=440:新規PDA・電子手帳利用予定者)
今後、1年以内に利用するモバイル端末(ノート・パソコン)の用途
(N=459:新規ノート・パソコン利用予定者)
最後に、モバイル端末を仕事でこんなふうに使いたい、こうすれば便利だといったアイディアや要望を自由記述で尋ねた設問では、「PDAと携帯電話の一体化」、「新幹線の全座席へのAC電源の装備」、「太陽電池の利用による長時間駆動の実現」、「異機種間でのデータ共有・連携機能強化」、「バーコードリーダ」、「音声入力機能」、「カメラやTV電話機能」、「GPS(global positioning system:全地球測位システム)」の装備などが挙げられている。
NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。