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ネット上のマネー・サービスについてのアンケート調査結果

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分野毎に利用率に格差、利用者の選別基準は商品力だけでなく健全な財務体質も重要な要因

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ネット上のマネー・サービスについてのアンケート調査結果

~分野毎に利用率に格差、
利用者の選別基準は商品力だけでなく健全な財務体質も重要な要因~

株式会社エヌ・ティ・ティ エックス(東京都千代田区大手町1-6-1、代表取締役社長 池田 茂)と、株式会社三菱総合研究所(東京都千代田区大手町2-3-6、取締役社長 谷野 剛)は、2000年11月28日(火)から12月13日(水)まで、2社が共同で運営するインターネット・アンケート・サイト「gooリサーチ」(*1)(http://research.goo.ne.jp/)の一般参加型調査として「ネット上のマネー・サービスについてのアンケート」を実施しました。有効回答者数は16,522名でした。

調査概要

1. 実施方法 gooリサーチ・ホームページ上での公開型インターネット・アンケート
http://research.goo.ne.jp/
2. 実施時期 2000年11月28日(火)〜2000年12月13日(水)
3. 有効回答者数 16,522名

調査結果のポイント

バンキング(インターネット、モバイル含む)、トレーディング(同左)、生命保険関係、損害保険関係のいずれのオンライン・サービスも利用したことの無い人は回答者全体の60.2%で、残り約4割の人が何らかのマネー関連オンライン・サービスの利用経験者であった。分野別の利用状況を見ると利用率の一番高い「バンキング」は26.1%、一番低い「生命保険サービス」は5.9%と、4倍以上の開きがあり、オンライン・サービスの利用状況に大きな格差が生まれている。

利用者がオンライン・サービスを使う理由としては、「時間に関係なく利用(取引)できる」または「店舗に行かなくとも利用(取引)できる」という時間と場所の制約からの解放が、すべてのサービスに共通して挙げられている。但し、利用率の高いオンライン・トレーディング(証券取引)に関しては、第3位の理由に「(手数料など)インターネットだけのメリットがあるから」と、オンライン・サービス特有の商品性が評価されている。

他方、未利用者の阻害要因としては、バンキングやトレーディングでは「セキュリティ等の不安を感じる」こと、生損保サービスでは「参入企業や提供されるサービスのことをよく知らない」や「企業や商品の違いがわからない」ことなどが主な理由として挙げられている。

回答者全員による各業界のオンライン市場参入企業に対する今後の選別基準としては、「良好な財務体質で倒産、合併の心配が無い」、「他社より有利な商品・サービス」、「ネット上のトラブルが無い」、「取引・契約が24時間可能」、「(サイト内の)商品説明がわかりやすい」等が共通して上位に挙げられた。従って、ネット上においても、利用者を獲得するには「商品力」に加え「健全な財務体質」も重要な要因であることがわかった。

「クリック・アンド・モルタル」、即ちオンライン・サービスと平行した実店舗の有無は必ずしも重要視されていない結果になった。

同一企業またはグループ企業による横断的な「ワンストップ化」サービスへの要望については、「分野毎に最も有利な企業、商品を選ぶ」と答えた人が67.8%を占め、否定的な意見が大勢を占めた。

調査結果データ

問 (MA)
次に挙げるオンラインによる各種マネー・サービスで、あなたがご利用中のものがあれば、全て選んでください。

バンキング(銀行取引)、トレーディング(証券取引)、生命保険、損害保険の各分野のインターネットまたはモバイル端末(携帯電話・PHS)を通じた各種サービスの利用実態については、60.9%が利用経験がないが、残りの39.1%の人は利用経験者であった。

内訳としてはバンキング利用者が26.1%と4人に1人以上であり、トレーディング利用者が11.9%でこれに次ぐ。これに比べ、生命保険系サービスの利用率は5.9%とかなり低い。

他方、バンキング、トレーディングのモバイル・サービスの利用者数はいずれもインターネット・サービスに比べてかなり低い水準に止まっており、普及はまだこれからという状態。

ご利用中のマネー・サービスのグラフ

問 (MA)
あなたがよくお使いになるインターネット・バンキング・サービスの具体的内容として当てはまるものを全て選んでください。

インターネット・バンキング・サービス利用者の利用実態を見ると、「残高照会」が90.2%でほとんどの利用者が利用しており、他に「振込」58.5%、「口座振替」11.1%などが利用率の高いサービスである。

ネット特有のサービスとしては「ショッピング代金決済」5.3%、「各種シミュレーション」4.0%等が新しい。

但し、銀行側にとって収益となるような「各種ローンの申込」は0.9%とサービスの提供も少ないと思われるが、利用は皆無に等しい。

よくお使いになるインターネット・バンキング・サービスのグラフ

問 (MA)
あなたがインターネット・バンキング・サービスを利用している理由として当てはまるものを全て選んでください。

インターネット・バンキング・サービスの利用動機については、「営業時間に関係なく利用できる」79.8%、「銀行・ATMに行かなくても利用できる」78.7%、「待たされる時間が無くて済む」36.1%等が主たるもので、ネット・サービスの「時間」、「場所」に制約されないという特徴が現れている。

しかし、「インターネットだけの有利な商品やサービス」のような、同業他社間での差別化に繋がる要因を挙げる人は12.5%と比較的少なく、ネット・サービスの展開が各行の差別化、競争力強化にまでは至っていない実情を示している。

インターネット・バンキング・サービスを利用している理由のグラフ

問 (MA)
あなたがインターネット上で取り引きしている投資商品は何ですか。当てはまるものを全て選んでください。

インターネット・トレーディング・サービス利用者の利用実態について、利用商品種別で見ると、「(普通)株式」67.2%、「ミニ株」(36.4%)と株式関係の割合が非常に高い。これに次いで、「投資信託」(34.6%)、「MMF」(31.2%)、「外貨建てMMF」(18.8%)と投資信託系商品の割合が多いのが特徴である。

インターネット上で取り引きしている投資商品のグラフ

問(MA)
あなたがインターネット・トレーディング・サービスを利用する理由として当てはまるものを全て選んでください。

インターネット・トレーディング・サービスを利用する動機としては、「自宅や会社から取り引きできる」(79.2%)、「営業時間外でも取り引きできる」(70.9%)と、バンキング・サービス同様、「時間」、「場所」の制約を受けないネット取引の基本的なメリットが大きな導因となっている。

同時に、「手数料などインターネット上だけのメリット」が67.8%とバンキングと比べて著しく高く、証券業界ではインターネット・サービスが既に商品力、サービス力による実用的な競争の段階に突入していることを示している。

インターネット・トレーディング・サービスを利用する理由のグラフ

問 (MA)
あなたはインターネット上で生命保険会社のホームページでどんなことをしましたか。

生命保険関係のインターネット・サービス利用者の利用形態については、「保険商品の資料請求」(68.7%)が最も多く、次いで「保険契約の見積依頼」(53.5%)で、「保険商品の契約(申込)」利用者は9.3%に止まっており、生命保険系のインターネット・サービスではまだ本格的な実取引の段階には突入していないことを示している。

インターネット上で生命保険会社のホームページでどんなことをしましたかのグラフ

問 (MA)
あなたが契約または見積依頼をしたのは、どんな種類の保険ですか。当てはまるものを全て選んでください。

契約(申込)、見積依頼または資料請求をした対象商品の種別については、「医療保険」(36.4%)、「ガン保険」(35.0%)、「終身保険」(30.9%)、「定期保険(掛け捨て)」(26.0%)等の順位が高い。

これは、外資系や異業種参入系保険会社の後発企業の参入によって競争激化している「医療保険」、「ガン保険」等の分野で商品力競争が激化しており、またこれら企業がテレビ等による活発な宣伝広告と併せてwebによる商品説明や広告に注力していることが大きく寄与しているものと考えられる。

あなたが契約または見積依頼をしたのは、どんな種類の保険ですかのグラフ

問 (MA)
あなたが生命保険会社のインターネット上で契約や見積依頼をした理由として当てはまるものを全て選んでください。

生命保険関係のインターネット・サービスを利用する動機としては、「営業時間に関係なく利用できる」(60.9%)、「自宅や会社から利用できる」(56.9%)、「商品・サービスの違いが比較できる」(53.5%)、「外交員の勧誘に煩わされない」(50.3%)などが上位を占めるが、 「商品・サービスの違いが比較できる」が3位に挙げられていることから、利用者は商品選別志向が強いことが窺われる。

生命保険会社のインターネット上で契約や見積依頼をした理由のグラフ

問 (MA)
あなたはインターネット上で損害保険会社のホームページでどんなことをしましたか。

損害保険関係のインターネット・サービス利用者の利用形態については、 「保険契約の見積依頼」(67.6%)、「保険商品の資料請求」(49.4%)と1位と2位の順序が生命保険とは逆になっており、次いで、「保険商品の契約(申込)」利用者は27.3%に達しており、生命保険の場合に比べると、損害保険の分野ではインターネットを通じた保険契約の実用化がかなり進んできていることを示している。

インターネット上で損害保険会社のホームページでどんなことをしましたかのグラフ

問 (MA)
あなたがその損害保険会社のホームページで契約申し込み、保険料見積または資料請求をしたのは具体的にどのような保険商品についてですか 。当てはまるものを全て選んでください。

損害保険関係のインターネット・サービスで「保険商品の資料請求」、「保険契約の見積依頼」または「保険商品の契約(申込)」した保険商品の内容としては、「自動車保険」が圧倒的に多く、92.0%に達している一方、それ以外では2位の「傷害保険」の10.1%を除き、全て10%未満で、「自動車保険」以外の分野では実用化はあまり進んでいない。

その損害保険会社のホームページで契約申し込み、保険料見積または資料請求をした保険商品のグラフ

問 (MA)
あなたが損害保険会社のインターネット上で契約や見積依頼をした理由として当てはまるものを全て選んでください。

損害保険関係のインターネット・サービスを利用する動機としては、「営業時間に関係なく利用できる」(67.1%)、「自宅や会社から利用できる」(63.7%)、「商品・サービスの違いが比較できる」(59.9%)、「外交員の勧誘に煩わされない」(39.8%)など、主な理由の構成順位は生命保険の場合と同様であった。

損害保険会社のインターネット上で契約や見積依頼をした理由のグラフ

問 (SA)
あなたがこれまでインターネット上のバンキング・サービスを利用していないのはどのような理由からですか。

オンライン・バンキング・サービスを利用していない人の理由では、2位の「あまり興味がない」(20.5%)を除いて、「セキュリティ等に不安」が23.2%で最も多く、次いで「サービスの内容を知らない」(17.3%)、「現行サービスでは必要を感じない」(13.2%)などが上位を占めている。

オンライン・サービスに対する認知が十分に広まっていないことに加え、システムに対する信頼感が十分に醸成されていない問題点が浮かび上がっている。

これまでインターネット上のバンキング・サービスを利用していない理由のグラフ

問 (SA)
今後、金利やサービス内容で魅力的なインターネット・バンキング・サービスを提供する銀行が現れた場合、今まで取引の無かった銀行でも口座を持ちたいと思いますか。

現在未利用の人でも、「金利やサービス内容で魅力的なインターネット・バンキング・サービスを提供する銀行が現れた場合」の対応は、「今の取引行に加えその銀行に口座を開設」(53.0%)と「そっくり乗り換えても良い」(15.6%)と、商品・サービスの内容如何では、顧客として新たに取り込める可能性が大きいことを示した。

但し、後述の他業界に比べ、その大半の人は「今の取引行に加え」と現在の取引行に対する取引継続を前提にしている人が多いことが、このバンキング・サービスに対する回答者の意識の特徴である。

今後、金利やサービス内容で魅力的なインターネット・バンキング・サービスを提供する銀行が現れた場合、今まで取引の無かった銀行でも口座を持ちたいと思いますかのグラフ

問 (SA)
あなたがこれまでインターネット上のトレーディング・サービスを利用していないのはどのような理由からですか。当てはまるものを全て選んでください。

インターネット・トレーディング・サービスの未利用者が利用しない理由については、「証券取引に興味がない」(45.0%)以外では、これまでにネット以外での証券取引の有無に関わらず、「まだ不安」(取引経験無し:16.6%/取引経験あり:9.5%)というのが最大の理由になっており、オンライン・トレーディングの未利用者にとっては、このサービスに対する信頼感がまだ形成されていないことを示している。

これまでインターネット上のトレーディング・サービスを利用していない理由のグラフ

問 (SA)
今後、より魅力的な商品やサービスが実現され、取引の安全性、信頼性が向上すれば、インターネット・トレーディングをしてみたいと思いますか。

トレーディング・サービス未利用者の、「より魅力的な商品やサービスが実現され、取引の安全性、信頼性が向上」した場合の態度は、「魅力的ならやりたい」という意見が大半である。

前の質問で、「証券取引に興味がない」、「ネット取引の必要を感じない」と答えている人を除いて再集計してみると、「取引経験の無い人」でも96%前後が「魅力的ならしてみたい」と答え、また「取引経験のある人」では52〜67%程度の人が「魅力的なら取引先証券会社を乗り換えても良い」と答えており、現在は未利用者でも、サービスに対する信頼感を醸成し、魅力的な商品を導入すれば、新たなネット投資家になる可能性が高いことを示している。

今後、より魅力的な商品やサービスが実現され、取引の安全性、信頼性が向上すれば、インターネット・トレーディングをしてみたいと思いますかのグラフ

問 (SA)
これまでインターネット上の生命保険関係のサービスを利用しない理由として当てはまるものを選んでください。

生命保険関係のインターネット上のサービス未利用者の「利用していない理由」としては、「契約済みで不必要」(46.5%)、「生命保険に興味がない」(21.5%)を除くと、「会社や商品の違いが不明」(11.7%)が最も多く、次いで「商品・サービスをよく知らない」(10.8%)となっており、インターネット上で生命保険商品の情報提供やリテールをしている企業や商品内容に関する認知が十分に浸透していないことを示している。

これまでインターネット上の生命保険関係のサービスを利用しない理由のグラフ

問 (SA)
今後、より魅力的な保険商品やサービスが実現され、取引の安全性、信頼性が向上すれば、インターネット上で契約や見積依頼をしてみたいと思いますか。

未利用者の「より魅力的な保険商品やサービスが実現され、取引の安全性、信頼性が向上」した場合の対応としては、「(既に生命保険契約があるが)魅力的なら乗り換えても良い」と答えた人が30.9%もおり、「(同前)契約中の保険会社となら利用したい」と答えた22.0%を大きく上回っている。

今後、より魅力的な保険商品やサービスが実現され、取引の安全性、信頼性が向上すれば、インターネット上で契約や見積依頼をしてみたいと思いますかのグラフ

問 (SA)
これまでインターネット上の損害保険関係のサービスを利用しない理由として当てはまるものを選んでください。

損害保険関係のインターネット・サービス未利用者の未利用の理由については、生命保険の場合と同様に、「商品・サービスをよく知らない」(14.5%)、「会社、商品の違いが不明」(9.5%)が多く、やはりサービスを提供する企業やその商品内容に対する認知が浸透していないことを示している。

これまでインターネット上の損害保険関係のサービスを利用しない理由のグラフ

問 (SA)
今後、より魅力的な保険商品やサービスが実現され、取引の安全性、信頼性が向上すれば、インターネット上で契約や見積依頼をしてみたいと思いますか。

「より魅力的な保険商品やサービスが実現され、取引の安全性、信頼性が向上」した場合の未利用者の反応としては、「(損害保険関係の契約が既にある人で)魅力的なら今の契約会社を乗り換えても良い」という答えが30.8%で最も多く、現在は未利用の人と言えども、企業や商品に対する認知を高め、信頼感を獲得すれば、新たな顧客として吸収できる可能性が高いことを示している。

今後、より魅力的な保険商品やサービスが実現され、取引の安全性、信頼性が向上すれば、インターネット上で契約や見積依頼をしてみたいと思いますかのグラフ

問(SA)
あなたは、今後、銀行、証券、保険サービスがなるべく同じ会社、または同じグループ会社と契約・取引をしたいと思いますか。

最後に、同一企業または企業グループによる、銀行、証券、生保、損保全般に亘る横断的なリテール・サービスの提供、いわゆる「ワンストップ」型リテールに対する関心を尋ねてみたが、「それぞれに最も有利な会社、商品を独立に選びたい」という回答が67.8%と大勢を占め、「ワンストップ」型リテールに対しては否定的な反応が趨勢であった。

しかし、「同じ会社、または同じグループ会社でなるべく全ての契約・取引をしたい」という回答も数は11.4%と少数ながら確かに存在することもわかった。

今後、銀行、証券、保険サービスがなるべく同じ会社、または同じグループ会社と契約・取引をしたいと思いますかのグラフ

回答者属性

回答者のプロフィールとしては、年齢では全体で平均年齢32.9歳、年代としては20代が13.5%、30代が40.9%、40代が15.3%で通常の調査の回答者に比べると、やや回答者の年齢層が高かった。

性別では男性48.7%、女性51.3%であり、女性回答者の方が多かった。

性別

性別のグラフ

年齢

年齢のグラフ

NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。

この調査結果の単純集計を無料にて提供しています。

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