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「トリノオリンピックに見るスポーツ支援」に関する調査結果

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日本勢不振の背景は選手と環境の両面にあり、国などのスポーツ支援への期待感強まる

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報道発表資料 平成18年5月11日

gooリサーチ結果 (No.116)

「トリノオリンピックに見るスポーツ支援」に関する調査結果

~日本勢不振の背景は選手と環境の両面にあり、国などのスポーツ支援への期待感強まる~

国内最大級のインターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」(*1)を共同で提供するNTTレゾナント株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:資宗 克行)と株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:田中 將介)は、「gooリサーチ」登録モニターを対象に「トリノオリンピックに見るスポーツ支援」に関する意識調査を実施しました。

トリノオリンピックは荒川静香選手の金メダルがクローズアップされましたが、全体の約8割が日本選手団の実績について期待を下回ったと回答しており、日本勢が不振であったという印象を持っていることを示しています。不振の原因として、選手を取り巻く構造的な問題が多く指摘されており、特に国主導による財政的援助の必要性が多く挙げられています。また、企業によるCSR(企業の社会的責任)活動及びPR活動の一環としてのスポーツ支援も期待されており、さらには企業のイメージアップへの効果も高いものと認識されていることから、今後のスポーツ支援に対する企業動向が注目されます。

総括

有効回答者2,175名のうち、約8割の回答者が、トリノオリンピックの日本選手団の実績について期待を下回ったと回答しています。選手側の要因として期待やプレッシャーに勝つ精神面の強さがなかったなどと捉えている一方、選手を取り巻く環境の面では「マスコミが騒ぎすぎ」、「十分な資金援助、練習場所の確保ができなかった」など、構造的な原因を指摘していることが見て取れます。

今後、国主導による財政的支援や練習設備の増強、若い世代の選手育成やスポーツ振興など、幅広い分野での支援に期待する声が多く挙がっております。また、企業イメージアップへの効果も認められるスポーツ支援への期待感が強いことから、最近の企業業績回復を背景に民間企業に対しても、積極的なスポーツ支援を求められていることがうかがえます。

調査結果のポイント

(1) 全体の約8割が期待を下回ったと回答、原因は環境面との指摘が多い。

トリノオリンピックにおける日本選手団の実績は、全体の約8割にあたる77.6%が期待を下回ったと回答。不振に終わった原因としては、選手側における「精神面の弱さ、身体能力の不足」などの原因が指摘されている一方、環境面では「マスコミが騒ぎすぎ」、「十分な資金援助、練習場所が確保できなかった」等の指摘が多い。

(2) 選手支援における主要な課題は、「財政的援助」、「練習設備の確保」、「若い世代の選手育成」。

選手に対する今後の支援強化については、国が主導して進めるべきという意見が4割超の、40.5%となっており、課題としては「若い世代の選手育成」、「財政的援助」、「練習設備の確保」等を挙げる回答が多かった。また、サポートの対象として、「選手個人」、「個別競技」、「スポーツ振興全体」のどこに重点を置くべきかという質問に対しては意見が3分され、幅広い支援に期待する声が多く挙がっていることがうかがえる。

(3) 民間企業によるスポーツ支援に対する期待感は高い傾向にある。

民間企業によるスポーツ支援は、業績の影響からスポーツ支援から撤退する会社が多かった事実については「ある程度しかたない」との肯定的意見が多い一方、企業のイメージアップに効果があるとの見解も81.6%となっており、財政的援助、施設提供等のスポーツ支援に期待していることが想定される。

《 補足 》

(*1)【 gooリサーチ 】 http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。携帯電話でアンケートに答える 「gooリサーチ・モバイル」モニター(5.3万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(3.3万人)、団塊世代・シニア層、ならびに若年層を中心とした郵送調査手法で回答する「郵送調査専属モニター」(1.8万人)を含め、68万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています。(モニターの人数はいずれもH18年4月現在)

<本調査およびgooリサーチに関するお問合せ先>

NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 リサーチグループ
(Tel) 03-5224-5380、(FAX) 03-5224-5201、(E-mail)research@goo.ne.jp

NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 広報グループ
(Tel) 03-5224-5500、(E-mail) pr@nttr.co.jp

<gooリサーチに関するお問合せ先>

株式会社三菱総合研究所 Eリサーチグループ
(Tel) 03-3277-0719、(Fax) 03-3277-0523、(E-mail) e-res@mri.co.jp

株式会社三菱総合研究所 広報部広報グループ
(Tel)03-3277-0003、 (Fax)03-3277-3490、(E-mail) ccd-mg@mri.co.jp

調査概要

1. 調査対象 「gooリサーチ」登録モニター
2. 調査方法 非公開型インターネットアンケート
3. 調査期間 平成18年4月11日(火)〜平成18年4月13日(木)
4. 有効回答者数 2,175名
5. 回答者の属性 【性別】
男性50.1% 女性49.9%

【年齢層】
19歳以下17.4%、20歳代15.8%、30歳代19.9%、40歳代21.6%、50歳代18.7%、60歳代5.2%、70歳以上1.5%

調査結果データ

1. トリノオリンピックの日本選手団に対する評価

(1) 日本選手団の実績

日本選手団の実績について、「期待を大きく下回った」が45.0%、「やや期待を下回った」が32.6%となり、期待はずれに終わったとの評価が7割以上を占めていることが明らかとなった。【図1】

【図1】日本選手団の実績への評価(n=2,175)

【図1】日本選手団の実績への評価のグラフ

年齢層別に見ると、「期待を大きく下回った」という回答は、10歳代から20歳代では40%程度を占めているのに対し、50歳代では52.5%、60歳代では58.8%と、年齢層が上がるに従ってその比率が高まる。高年齢者ほど事前の期待感が高かったことが推察される。【図1-2】

【図1-2】日本選手団の実績への評価(年齢層別)(n=2,175)

【図1-2】日本選手団の実績への評価(年齢層別)のグラフ

(2) 日本勢について印象に残ったこと

全体として不振に終わったという印象を持たれている中で、日本勢について特に印象に残ったことについて聞いたところ、唯一の金メダルとなった「荒川静香選手の金メダル獲得」をあげる人が全体の84.9%と9割近くを占めた。また、カーリング女子やアルペンスキーなど、今まであまり目立たなかった競技での活躍をあげる回答者も42.9%と約半数を占める。【図2】

【図2】日本勢で印象に残ったこと(n=2,175)

【図2】日本勢で印象に残ったことのグラフ

2. 日本勢不振の原因

(1) 日本勢不振の原因は選手自身の問題とする回答を上回り、環境面との指摘が約4割。

日本勢不振の原因に関して、選手自身にあるのか、それとも選手を取り巻く環境面にあるのかについて尋ねたところ、「選手・環境両方が同程度」と挙げた回答者が28.6%と最も多かった。「選手の問題」、「相対的に選手の問題が大きい」が合わせて20.1%を占めているのに対し、「環境の問題」、「相対的に環境の問題」の合計が37.9%を占めており、相対的には環境面において、より問題があったのではないかと認識されていることが明らかになった。【図3】

【図3】日本勢不振の原因(n=2,175)

【図3】日本勢不振の原因のグラフ

(2) 選手側の問題として「精神力の弱さ」、「身体能力不足」が主要因として挙げられる。

選手側の問題としてどのようなものが挙げられるかを尋ねたところ、「期待やプレッシャーに勝つだけの精神面の強さがなかった」とする回答が50.2%と過半数を占め最も多く、次いで「選手の体力・身体能力・運動能力不足」(35.7%)、「選手の体調管理・自己管理不足」(25.4%)と続く。【図4】

【図4】選手にかかわる原因(n=2,175)

【図4】選手にかかわる原因のグラフ

(3) 環境面の問題として、「マスコミの騒ぎすぎによる選手の集中力低下」、「資金援助不足」、「練習場所不足」等の指摘が多い。

環境面の問題としてどのようなものが挙げられるかを尋ねたところ、「マスコミが騒ぎすぎで選手が競技に集中できなかった」を指摘する回答者が46.9%と約半数を占め最も多かった。次いで、「十分な資金援助が得られなかった」(40.7%)、「練習を行う場所に恵まれなかった」(35.6%)、「競技協会などのサポートが足りなかった」(32.7%)が続く。【図5】

【図5】環境にかかわる原因(n=2,175)

【図5】環境にかかわる原因のグラフ

3. 今後の選手支援における課題に対する諸施策

(1) 今後の選手支援体制について、国が主導で実施すべきとする回答が4割以上と最も多い。

今後、日本勢の強化に向け、どこが主導して対策や支援を行うべきか尋ねたところ、「国」を挙げた回答者が40.5%を占め、最も多かった。その他、「日本オリンピック委員会」(24.5%)、「スポーツ競技ごとの協会」(19.6%)などが続く。「民間」との回答は7.5%にとどまった。【図6】

【図6】選手支援の主体(n=2,175)

【図6】選手支援の主体のグラフ

(2) 具体的な選手支援対策

具体的な支援策としては、「より若い世代の選手育成」をあげる声が52.3%と過半数を占めており最も多く、「財政的援助」が49.9%、「練習設備を増やす」も同率で主要な対策として挙げられた。【図7】

【図7】具体的対策(n=2,175)

【図7】具体的対策のグラフ

(3) スポーツ支援の対象

サポートの対象として、「選手個人」、「個別競技」、「スポーツ振興全体」の3つのどこに重点を置くべきかという質問に対しては完全に意見が分かれ、それぞれ31.2%、30.6%、37.2%と3分された。これにより幅広い支援が求められていることがうかがえる。【図8】

【図8】サポートのレベル(n=2,175)

【図8】サポートのレベルのグラフ

これを年齢層別に見ると、若年齢層ほど「選手個人へのサポート」への期待が強いのに対し、年齢層があがるに従って「スポーツ振興全体に対するサポート」への期待が強まっていくことが明らかとなった。【図8-2】

【図8-2】サポートのレベル(年齢層別)(n=2,175)

【図8-2】サポートのレベル(年齢層別)のグラフ

4. 民間企業へのスポーツ支援に対する期待

(1) スポーツ支援の企業イメージへの効果

スポーツ支援を行っていることが企業イメージアップに効果があるかどうかを尋ねたところ、「非常に効果がある」(26.2%)、「ある程度効果がある」(55.4%)を合わせてとなり8割以上を占めており、積極的に評価していることが明らかとなった。【図9】

【図9】スポーツ支援の企業イメージへの効果(n=2,175)

【図9】スポーツ支援の企業イメージへの効果のグラフ

(2) 企業がスポンサーをやめるケースが多くなっていることに対する評価

これまで企業業績不振等により企業がスポーツ支援のスポンサーをやめるケースが多いことに対しては、「仕方ない」、「ある程度仕方ない」という回答をあわせて67.3%と約7割を占めており、業績不振によるスポンサー撤退については肯定的評価が比較的多い。【図10】

【図10】企業がスポンサーをやめるケースが多くなっていることへの評価(n=2,175)

【図10】企業がスポンサーをやめるケースが多くなっていることへの評価のグラフ

(3) オリンピックに向けての民間支援の期待感

「オリンピックに対して、民間企業に期待することは何か」との質問に対しては、「財政的援助」をあげる人が66.6%と最も多く、次いで「スケートリンクやスキー場の整備等の施設の提供」が52.9%と過半数を占めた。【図11】

【図11】民間支援への期待感(n=2,175)

【図11】民間支援への期待感のグラフ

NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。

この調査結果の単純集計を無料にて提供しています。

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