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第1回デザインに関する意識調査

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世代を超え、72%がデザインに関心を示す

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gooリサーチ と 日本産業デザイン振興会 による共同企画調査

日本産業デザイン振興会とgooリサーチが共同調査

第1回デザインに関する意識調査 結果レポート

~世代を超え、72%がデザインに関心を示す~

財団法人日本産業デザイン振興会は、インターネット・アンケート・サービス「gooリサーチ」を運営するNTTレゾナント株式会社の協力を得て、現代社会における生活者のデザインに関する意識を様々な角度から把握するために、 2007年度より連続で共同調査を実施することになりました。

近年、デザインという言葉が様々なシーンで取り上げられ、いまや生活においてもビジネスにおいても欠かすことのできない大事な要素となっています。一方、デザインの定義や意味深さなどに関し認識に差異が生じている可能性も見受けられ、デザインに対する解釈にも幅が見られます。そのため第1回の共同調査では、生活者のデザインに対する全体イメージを把握することを目的に実施し、以下のような結果となりました。

調査結果のポイント

  • 各世代を通して72%がデザインに興味を示す
  • デザインは「美しさ」「独創性」だけでなく「機能性」「使いやすさ」も含め商品性全体の質をイメージ
  • 「魅力」を感じさせるものがデザイン
  • 商品購入時に重視するのは「機能性」「印象」「使いやすさ」「価格」の順
  • 商品購入動機は年代があがるほど「見た目の印象」から「機能性」にシフト
  • 若年層ほど「携帯電話」のデザインを重視、男性は「自動車」、女性は「カバン」
  • 日本以上にデザイン力が高い国は「フランス」と「イタリア」

調査概要

調査対象 gooリサーチ・消費者モニター
調査方法 非公開型インターネットアンケート
調査期間 2007年11月22日~11月27日
有効回答者数 1,093名
回答者の属性 10代男性9.6%、20代男性10.0%、30代男性10.1%、40代男性10.1%、50代以上の男性10.1%
10代女性9.9%、20代女性10.1%、30代女性10.2%、40代女性10.1%、50代以上の女性10.1%

日本産業デザイン振興会は、今後も継続してデザインに関する意識調査を行い、第2回は「日本企業のデザインパワーに関する調査」を2008年春に実施する予定です。なお、2007年に実施した「Gマーク」に関する調査結果(認知率87%)は、当会のウェブサイト(http://www.g-mark.org)に掲載しています。

《 補足 》

(*) gooリサーチについて http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。携帯電話でアンケートに答える「gooリサーチ・モバイル」モニター(7.7万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(5.1万人)、団塊世代・シニア層、ならびに若年層を中心とした郵送調査手法で回答する「郵送調査専属モニター」(3.5万人)を含め、192万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています。 (モニターの人数はいずれも2008年1月現在)

調査結果について

(1) 各世代を通して72%がデザインに興味を示す

「デザインに対する関心・興味があるかどうか」の問いに対し、「以前から大変興味がある(19.1%)」「ここ数年とても興味がでてきた(9.2%)」「興味がある(43.6%)」を合計すると71.8%となり、おおよそ4人に3人はデザインに対し関心を示していることがわかった。男女別での合計では、男性68.9%、女性74.7%と女性の方が高い。年齢別の合計は、10代81.7%、20代77.6%、30代64.3%、40代67.7%、50代以上68.2%となり、30代が最も低いが年齢層による相違はあまりなく、デザインは全ての世代に共通する関心事項であることがうかがえる。

グラフを拡大表示する「デザインに関する知識はどのぐらいあるか」の問いに対し、「とても知識がある(2.5%)」「少しは知識がある(22.5%)」と答えた人はあわせて25.0%となった。

また、デザインに関心があると答えた人の中で「とても知識がある(3.4%)」「少しは知識がある(30.2%)」と答えたのは計33.6%であり、多くの人が「デザインに対する関心は高いが、デザインに関する知識はあまりない」という状況であることがわかった。

(2) デザインは「美しさ」 「 独創性」 だけでなく「 機能性」「 使いやすさ」 も含め商品性全体の質をイメージ

デザインが意味するものとはどのようなものかを聞くため「デザインに関係ある要素は何か(複数選択可)」を尋ねたところ、最も高かったものは「美しさ(77.4%)」であり、続いて「機能性(72.8%)」「独創性(67.6%)」「使いやすさ(66.8%)」が並んだ。また、「新規性(18.9%)「提案性(24.3%)」「話題性(29.4%)」の率は相対的に低く、「目新しさだけの要素はデザインとは関係がないもの」との認識をしていることがわかる。この設問回答には性別差、年齢差がほとんどなく、多くの人がデザインを同じような意味でとらえていることがわかった。

また、一番重要な要素を一つだけ選んでもらったところ、「美しさ(20.0%)」「機能性(19.6%)」「独創性(19.3%)」「使いやすさ(17.6%)」がほぼ横並びとなった。このことから「美しさ」「独創性」などの「視覚性」を重視するタイプと、「機能性」「使いやすさ」などの「実用性」を重視するタイプの2つが均等に併存していることがわかり、デザインを外観だけでなく商品性全体のものと認識していることがうかがえる。

(3) 「魅力」を感じさせるものがデザインである

生活者にとって「よいデザイン」とは一体どのようなものなのか。逆に「よくないデザイン」とは一体どのようなものなのか。商品を見た時に「デザインされていると感じるポイント」と「デザインされていないと感じるポイント」を尋ねた。

「デザインされていると感じるポイント(複数選択可)」として最も高かったものは「見た目が洗練されている(72.2%)」であり、次いで「機能性に優れている(71.7%)」「使いやすい(64.9%)」となり、「視覚性」と「実用性」が判断のポイントになっている。その中で「最も重要なポイント(一点のみ回答)」については、「機能性に優れている(21.3%)」が「見た目が洗練されている(18.1%)」を上回り、さらに「魅力が感じられる(20.8%)」と並ぶ結果となった。

これは「デザインされていないと感じるポイント」においても同じことがいえ、「魅力が感じられない」が最も気になるポイントであると答えた人が23.1%と、最も高い数値を示した。これらのことから、デザインには「視覚性」も「実用性」も重要だが、それと同等に「魅力を感じるかどうか」が重要視されているということがわかる。もちろん「魅力」の中には「見た目の印象」も「機能性」も含まれているであろうことが推測され、さらに「魅力」と言っても「何が」というのは一概に言えないが、その一概に言えない「"魅力"というものを感じさせる要素がデザインである」と認識されていることをうかがわせる。

(4) 商品購入時に重視するのは「機能性」「印象」「使いやすさ」「価格」の順

次に「商品を買う時に気にするポイントは何か(複数選択可)」を尋ねた。その結果、最も多かったものが「色・模様」であり、77.4%であった。また「商品を買う時に一番重要な要素を一つ選択」の問いに対しては「機能性」(25.4%)」であり、次いで「見た目の印象(21.0%)「使いやすさ(16.9%)「価格」(16.3%)となった。

これらのことから、生活者が商品を選ぶ際のポイントとして、外見的な印象は大切だが、それが実際の機能や使い勝手などを伴い、デザインが適正な内容となっているかが重要なファクターとなっているものと推測される。

また、デザインに関して「以前から大変興味がある」「ここ数年とても興味がでてきた」「興味がある」と答えた人の中で「価格」を最も重視すると答えた人が13.3%であるのに対し、デザインに関して「ここ数年興味が薄れた」「ほとんど興味ない」と答えた人では24.0%の人が「価格」を最も重視すると答えている。逆に「見た目の印象」に関しては、前者が23.2%であるのに対して後者が15.3%となっている。「機能性」に関しても同様の傾向が見受けられる。

つまり、デザインに対して興味をもつ人ほど「見た目の印象」や「機能性」を重視しやすく、デザインに興味がない人ほど「価格」を重視しやすい傾向があることがわかる。このことから、デザインに関して興味が高くなればなるほど、価格よりも商品のトータリティバランスを重視する傾向にあると言える。

(5) 商品購入動機は年代があがるほど「見た目の印象」から「機能性」にシフト

同じ質問への回答を年代別でみると、「見た目の印象」を重視すると答えた人は10代が29.6%、20代が26.0%、30代が18.1%、40代が18.2%、50代以上が13.2%となり、低年齢世代ほど「見た目の印象」を気にしやすいということがわかる。それと逆の傾向が「機能性」「使いやすさ」にみられ、年代が高くほど商品の選定は見た目の印象から機能性重視へとシフトする傾向にあることがうかがえる。

(6) 若年層ほど「携帯電話」のデザインを重視、男性は「自動車」、女性は「カバン」

次に、デザインを重視する商品ジャンルはどのようなものであるのか、「デザインを最も重視して購入する商品分野は何か(3つまで選択可)」を尋ねたところ、「携帯電話(48.6%)」が高く、次に「時計(38.0%)」「カバン(36.9%)」「自動車(30.9%)」となった。

「携帯電話」は10代が69.5%、20代58.5%、30代46.6%、40代45.9%、50代以上23.2%と若い年代ほど重視する傾向にあり、逆に「AV機器」「照明器具」「食器」「自動車」などは年代が高いほど重視する傾向があった。また「カバン」は、男性24.3%、女性49.4%と女性が大幅に高く、逆に「自動車」は男性が40.8%、女性は約半分の21.1%となり、「ファッション・インテリア分野は女性、メカ類は男性」という傾向がうかがえる。

性別差、世代差のみられないものとしては、「時計」が挙げられ、どの年代においても性別とは関係なく、30~40%はデザインを重視して購入していることがわかった。

(7) 日本以上にデザイン力が高い国は「フランス」と「イタリア」

最後に「デザインの力」が日本よりも高いと思う国・地域を尋ねた。すると、「イタリア(55.1%)」と「フランス(51.4%)」が飛びぬけて高い数値となった。「イタリア」は 年代別でみると40代以上では60%を超えている。

若年層ほど数値が高いのは「イギリス」であり、40代以上が15%程度であるのに対し、10代は31.9%となっている。特に10代女性の数値が高く、39.8%が日本よりデザイン力があると認識し、50代以上の男性は最も低い13.6%であり大きな差異がでている。性別では、男性は「ドイツ」、女性は「フランス」「デンマーク」「フィンランド」を高くとらえる傾向にあった。

<調査概要>

  • 実施期間: 2007/11/22~2007/11/27
  • 有効回答数: 1,093

NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。

この調査結果の単純集計を無料にて提供しています。

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