報道発表資料 平成19年7月20日
gooリサーチ結果 (No.152)
ブロードバンドコンテンツに関する調査
~若年層におけるネット経由の動画視聴が進む~
国内最大級のインターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」(*1)を共同で提供するNTTレゾナント株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:和才 博美)と株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 田中 將介)は「gooリサーチ」登録モニター及びgooユーザを対象に「第6回ブロードバンドコンテンツ利用実態調査」を実施しました。有効回答者数は38,017名でした。
本調査は、インターネット利用ユーザのブロードバンドコンテンツの利用状況について、最新の実態を把握することを目的とした定点調査であり定期的に調査を行い、その結果を公開しています。第6回調査ではインターネットにおける動画配信サービスについて調査を行いました。
前回の「『第5回ブロードバンドコンテンツ利用実態調査』に関する調査結果〜050型IP電話から0AB〜J型IP電話への切替意向は約4割〜」は、2007年1月11日に、当社よりプレスリリースを発表しております。
http://research.goo.ne.jp/Result/000398/
総括
今回の「ブロードバンドコンテンツ利用実態調査」の目的は、ブロードバンド化が進展する中で重要性の高まりつつあるブロードバンドコンテンツの利用実態を定期的に把握することで、ブロードバンドコンテンツの動向を明らかにしようとするものです。第6回目となる今回は、インターネットによる動画配信サービスについて調査を行いました。有効回答者数は38,017名でした。
インターネットによる動画配信サービスには、これまでVOD(ビデオ・オン・デマンド)や専門チャンネルによる有料の放送型サービスが提供されてきましたが、最近ではこれらに加え、テレビ放送の様に無料で映像コンテンツを配信するサービスが提供されています。
各サービスの利用状況についてみると、インターネットの無料動画サービスの利用が拡大しており、インターネット動画配信を含む全動画視聴に対する従来型のテレビ放送(BSを含むNHK、民放:ただし録画による視聴は含まず)視聴時間の占める割合は、若年層において6割程度となっています。また、インターネット動画を通常のテレビで視聴することへの意欲も高く、ブロードバンドを接続したテレビ向け動画配信サービスの利用拡大が見込まれます。
調査結果のポイント
(1) 無料動画配信サービスの利用率は過半数
「GyaO」などの無料のインターネット動画配信サービスを利用する割合は、前回調査(2006年1月)の34.4%から51.4%へと上昇しており、利用が拡大。
(2) 無料動画配信サービスの利用頻度は週1回以下が大半
無料動画配信サービスの利用頻度は、前回調査(2006年1月)とほぼ同じであり、利用頻度が週1回以下の割合が約8割を占める。
(3) 無料動画配信サービスの視聴ジャンルは映画、音楽、アニメが中心
無料動画配信サービスの視聴ジャンルについてみると、全体では映画、音楽、アニメが上位を占めているが、若年層では音楽やアニメ、中高年層ではニュースや映画、女性層ではドラマの視聴が多いなど、男女年齢別には大きな違いが見受けられる。
(4) 無料動画配信サービスの視聴上の課題は接続性、録画、CMスキップが高い
主な無料動画配信サービスに関して、利用上の課題を尋ねたところ、「うまくつながらないことがある」「録画できない」「CMがスキップできない」など、配信事業者側のネットワーク環境や、サービスの機能に関する不満の割合が高い。
(5) 無料動画配信サービスにおけるCMの非視聴者が拡大
無料動画配信動画サービスにおけるCMの視聴状況は、「あまり見ていない」「まったく見ていない」の合計が、前回調査の39.7%から今回調査では45.5%へとやや拡大している。
(6) 若年層ほど従来型放送(BS含むNHK、民放)から他の動画視聴への移行が進展
テレビ放送及びインターネットによる動画配信サービスなど、様々な種類の動画の1日の利用時間を調べたところ、全体の動画視聴時間は、男性が平日で2時間台、休日で3時間台のケースが多いが、女性では平日も3時間台と高い。また、動画視聴時間全体に対するNHK(BS含む)および民放のテレビ放送をリアルタイムに視聴(録画以外)している割合は若年層ほど低く、10代では6割程度となっている。
(7) 今後増やしたい動画視聴は性年代別に大きな差
今後利用を増やしたい動画の種類を尋ねたところ、性年代別に大きな差があり、男性は10代および20代で動画共有サイトの割合が高く、30代〜50代で無料のインターネット動画配信サービスの割合が高い。女性は10代で民放のテレビ放送、20代でレンタルビデオ、30代および40代でCATVなどの有料放送の割合が高い。
(8) インターネット動画配信サービスのテレビでの利用に強い意欲
インターネットを通じた動画配信サービスをテレビで利用したいという意向は全体的に高く、現在インターネットの動画配信を利用していないが、今後利用意向したいという層において、特に意向が高い。
《 補足 》
(*1)【 gooリサーチ 】 http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。携帯電話でアンケートに答える 「gooリサーチ・モバイル」モニター(6.7万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(4.3万人)、団塊世代・シニア層、ならびに若年層を中心とした郵送調査手法で回答する「郵送調査専属モニター」(3.5万人)を含め、150万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています。(モニターの人数はいずれもH19年7月現在)
<gooリサーチに関するお問合せ先>
NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 リサーチグループ
(Tel) 03-5224-5380、(FAX) 03-5224-5201、(E-mail)research@goo.ne.jp
NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 広報グループ
(Tel) 03-5224-5500、(E-mail) pr@nttr.co.jp
<本調査に関するお問合せ先>
株式会社三菱総合研究所 社会情報通信研究本部
(Tel) 03-3277-0791、(Fax) 03-3277-3473、(E-mail) info-icd@mri.co.jp
株式会社三菱総合研究所 経営企画部・広報グループ
(Tel) 03-3277-0003、(Fax) 03-3277-3490、(E-mail) ccd-mg@mri.co.jp
調査概要
1. 調査対象 | 「gooリサーチ」登録モニター及びgooユーザ |
---|---|
2. 調査方法 | 公開型インターネット調査 |
3. 調査期間 | 2007年6月7日(木)〜2007年6月13日(水) |
4. 有効回答者数 | 38,017名 |
5. 回答者の属性 | 【男女内訳】 男性:48.0% 女性:46.8 未回答5.2%% 【年代別構成】 10代1.7%、20代18.3%、30代36.0%、40代24.6%、50代10.1%、60代4.2%、未回答5.2% |
調査結果データ
(1) 無料動画配信サービスの利用率は50%を超える。
「Gyao」のような無料の動画配信サービスの利用割合は、前回調査の34.4%から51.4%へと上昇している。一方、利用意向層の比率は40.8%から28.5%へと減少しており、利用拡大の段階に進んだものと考えられる。【図1】
【図1】無料動画配信サービスの利用状況
(2) 無料動画配信サービスの利用頻度は週1回未満が大半を占める。
無料動画配信サービスの利用頻度は、前回調査とほぼ同じであり、週1回以下の割合が約8割を占める。【図2】
【図2】無料動画配信サービスの利用頻度
(3) 無料動画配信サービスの視聴ジャンルについては、映画、音楽、アニメが上位。
無料動画配信サービスの視聴ジャンルについてみると、映画、音楽、アニメが上位を占めている。【図3】
男女年代別には大きな違いがあり、音楽、アニメは若年層において利用が高くなっているのに対し、ニュースや映画は中高年層の利用が高い。また、ドラマは女性において割合が高くなっている。【図4】】
【図3】無料動画配信サービスの利用ジャンル
※ 無料動画配信サービス利用者が回答。
【図4】性年齢別の無料動画配信サービスの視聴ジャンル
※ 無料動画配信サービス利用者が回答。
(4) 視聴上の課題は接続性、録画、CMスキップに関するものが高い
無料動画配信サービスについて、利用上の課題を尋ねたところ、「うまくつながらないことがある」「録画できない」「CMがスキップできない」が高い傾向にある。【図5】
【図5】無料動画配信サービス視聴上の課題
※ 各サービス別の利用者ののべの数で集計。
(5) 無料動画配信サービスにおけるCMの非視聴者が拡大
無料動画配信サービスにおけるCMの視聴状況をみると、「あまり見ていない」「まったく見ていない」の合計が、前回調査の39.7%から今回調査では45.5%へとやや拡大している。【図6】
【図6】無料動画配信サービスにおけるCMの視聴状況
※ 無料動画配信サービス利用者が回答。
(6) 若年層ほどテレビ放送(BS含むNHK、民放)から他の動画視聴への移行が進展
インターネットを通じた動画配信サービスの普及拡大により、ユーザの動画視聴時間構造を下記の通り分析した。
【図7】各種動画の視聴時間構成
※「0時間」は0、「15分未満」は0.125、「1時間未満」は0.75等として、平均利用時間を算出。
※「インターネットによる動画視聴」は「動画共有サイト」「PCによるVODサービス」「テレビをインターネットに接続して視聴するサービス」「無料動画配信」の合計。
※「その他」は「モバイルによる映像視聴」「プライベートのビデオカメラで撮った映像」の合計。
※「従来型放送」は「民放のテレビ放送」「NHKのテレビ放送(BS含む)」の合計。(ただし、テレビ放送の録画視聴は含まず)
※( )内はテレビ放送の視聴が動画視聴時間全体に占める割合。
※ <>内はインターネットによる動画視聴が動画視聴時間全体に占める割合。
ここでは各回答者に、回答日およびその前日に視聴した動画を回答してもらい、曜日別に集計した上で、平日、休日別に平均値をとった。ただし、平日でも金曜日は特異なパターンを示すとともに、土曜日と日曜日もやや異なっているので、ここでは、1)金曜日を除く平日、2)休日(日曜日)についてのデータについて分析した結果を示した。
この結果を男女年齢別に示したのが【図7】であり、男女ともに以下のような特徴がみられる。
- 全体の動画視聴時間は、男性が平日で2時間台、休日で3時間台が多いが、女性では平日も3時間台が多い。
- NHK(BS含む)および民放のテレビ放送の視聴(ただし録画による視聴分は含めず)が動画視聴時間全体に占める割合は若年層ほど低く、10代では6割程度まで下がる。
- テレビ放送以外で視聴されているのは、レンタルビデオ・録画したテレビ放送、衛星などの有料放送、インターネットによる動画視聴であり、10代ではとくにインターネットによる動画視聴の利用時間が長い。
なお、「レンタルビデオ・録画」については、女性の若年層以外では、テレビ放送の録画視聴が多くを占めている。また、インターネットによる動画視聴において10代、20代では動画共有が多くを占めているのに対し、その他の年齢層では無料動画配信サービスが多くを占めるなどその内訳においても年代別の特徴がある。
(7) 今後利用を増やしたい動画視聴は性年代別に大きな差
今後利用を増やしたい動画の種類を尋ねたところ、性年代別に大きな差がある。
男性についてみると、10代・20代は動画共有サイトの割合が高いが、30代〜50代は無料のインターネット放送の割合が高い。女性についてみると、10代は民放のテレビ放送、20代はレンタルビデオ、30代・40代はCATVなどの有料放送の割合が高い。【図8】
【図8】今後視聴を増やしたい動画(複数回答:上位3項目)
※1「GyaOなどの無料のインターネット放送」を表す。
※2「YouTubeなどの動画共有サイトの映像」を表す。
※3「スカイパーフェクTV、WOWOW、CATVなどの有料放送」を表す。
(8) インターネット動画配信サービスのテレビでの利用意欲は高い
インターネットを通じた動画配信サービスのテレビでの利用意向は高く、現在インターネットの動画サービスを利用していないが、今後利用意向を持っている層においては特に意向が高い。このように自宅のテレビで簡単に視聴可能となることにより、利用層の拡大が予想される。【図9】
【図9】動画配信サービスのテレビでの利用意向(利用状況別)
(1)無料動画配信サービスをテレビで視聴
(2)有料動画配信サービスをテレビで利用)
NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。