報道発表資料 平成17年12月19日
gooリサーチ結果 (No.99)
「HIV/エイズに関する4万人の意識調査」調査結果
~国内HIV感染・エイズ患者増加を9割が認識するも、身近な病気としての認識は低い~
国内最大級のインターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」(*1)を共同で提供するNTTレゾナント株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:資宗 克行)と株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、取締役社長:谷野 剛)は、厚生労働省と共同で、「gooレッドリボン2005」の一環として「HIV/エイズに関する意識調査」に関する調査を実施しました。
有効回答者数38,474名のうち9割の人が、HIV感染者やエイズ患者が日本で増加していることを認識しているにもかかわらず、その事実に対して、「重要な問題で身近に起こりえる出来事であると考える」と考えている人は約5割にとどまり、「重要な問題として考えるが、身近に起こりえる出来事ではないと考える」と答えた人は約3割にのぼりました。また、HIVやエイズに関して関心があると答えた人も65.5%にとどまりました。
調査結果のポイント
(1) 9割以上の人がHIV感染やエイズ患者が日本で増加していることを知っているが、身近な問題であると認識している人は約5割にとどまる
9割以上の人がHIV感染やエイズ患者が日本で増加していることを知っているが、「重要な問題で身近に起こりえる出来事である」と考えている人は50.5%にとどまり、31.3%の人が「重要な問題として考えるが、身近に起こりえる問題ではないと考える」とするなど、まだまだ身近な問題ではないと考えられている実態がわかった。
(2) HIV感染やエイズ患者の増加理由は日本人の性行動の変化と予防教育不足と認識。
日本でHIV感染者やエイズ患者が増加している理由として「日本人の性行動が開放的になってきたから」と、「HIV感染の予防知識が乏しいから」と答えた人が6割を超え、次いで「予防対策等の教育が充分でないから」が続く。日本人の性行動の変化が進む一方でエイズに関する予防知識が乏しいことがHIV感染者やエイズ患者増加につながっていると認識していることがわかる。
(3) HIV感染の不安を感じていない人は約6割で、理由は身近にHIV感染者やエイズ患者がいないから。
今後自分自身がHIVに感染する不安については「あまり不安はない」44.6%、「まったく不安はない」16.7%と、6割以上の人が将来的なHIV感染への不安を感じておらず、「大変不安がある」と答えた人は5.4%にすぎなかった。「不安はない」と考える理由としては、「身近にHIV感染者やエイズ患者がいないから」が5割弱であった。
(4) 保健所での検査が匿名かつ無料であることを知らない人は4割弱で、更なるPRに期待。
HIV感染の不安を感じた時に何もしないと答えた人は0.8%で、ほとんどの人が病院や保健所などの機関で検査や相談をすると答えた。
検査を受けるとした人の内訳は、「医院や病院で検査を受ける」と答えた人は53.7%、「保健所で検査を受ける」が35.2%であった。
一方、保健所におけるエイズ検査については、48.4%の人が「無料、匿名でやっているから、よいと思う」と答え、56.6%の人が「もっと検査についてPRして欲しいと思う」と答えている。
(5) HIV感染者やエイズ患者に対する社会的偏見があってはならないとする人は9割弱
HIV感染者やエイズ患者に対する社会的偏見や差別があってはならないという考えについて、「同感する」、「どちらかといえば同感する」で合わせて85%を超えた。また、職場で一緒に働くことに対しても「受け入れられる」、「どちらかといえば受け入れられる」と合わせて約7割を占め、概ね高い理解を得ていると言える。
(6) 幅広いメディアの利用と共に、若者へは学校教育で正しい感染の予防教育を。
この1年間でエイズに関する情報を確かに得たと実感している年代は、19才以下がもっとも多かった。また情報収集の手段は、19才以下は学校での教育が61.5%でもっとも多く、全体的にはテレビやインターネットによる情報収集が高い。また、年齢が上がるにつれて新聞による情報収集が高くなる。
また、欲しい情報としては「感染の予防方法」や「治療方法」が多く、社会全体に対してはテレビやインターネットを通じた情報提供を行い、若者へは学校教育を通じての情報提供活動が効果があるといえる。
《 補足 》
(*1)【 gooリサーチ 】http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。携帯電話でアンケートに答える 「gooリサーチ・モバイル」モニター(5.0万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(3.0万人)、団塊世代、シニア層を中心と した郵送調査手法で回答する「郵送調査専属モニター」(7千人)を含め、30万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています。(モニターの人数はいずれもH17年12月現在)
<本調査およびgooリサーチに関するお問合せ先>
NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 リサーチグループ
(Tel) 03-5224-5380、(FAX) 03-5224-5201、(E-mail)research@goo.ne.jp
NTTレゾナント株式会社 ポータル事業本部 広報グループ
(Tel) 03-5224-5500、(E-mail) pr@nttr.co.jp
<gooリサーチに関するお問合せ先>
株式会社三菱総合研究所 Eリサーチグループ
(Tel) 03-3277-0719、(Fax) 03-3277-0523、(E-mail) e-res@mri.co.jp
株式会社三菱総合研究所広報部広報グループ
(Tel) 03-3277-0003(Fax) 03-3277-3490、(E-mail) ccd-mg@mri.co.jp
調査概要
1. 調査対象 | gooリサーチモニター、および「goo」利用の一般ユーザ |
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2. 調査方法 | 公開型インターネットアンケート |
3. 調査期間 | 平成17年11月25日(金)〜平成17年12月1日(木) |
4. 有効回答者数 | 38,474名 |
5. 回答者の属性 | 【年代別構成】 19歳以下2.7%、20〜24歳 8.7%、25〜29歳 16.7%、30〜34歳 22.5%、35〜39歳 17.3%、40〜44歳 14.2%、45〜49歳 8.6%、50〜54歳4.5%、55〜59歳 2.7%、60歳以上 2.3% |
調査結果データ
1.9割以上がHIV感染やエイズ患者の増加を認知する一方、身近な問題と感じる人は約半数にとどまり、身近に起こりえる問題ではないとする人も3分の1に。
(1)
9割以上の人がHIV感染やエイズ患者が日本で増加していることを知っているが【図1】、「重要な問題で身近に起こりえる出来事である」と考えている人は50.5%にとどまり、31.3%の人が「重要な問題として考えるが、身近に起こりえる問題ではないと考える」とし、まだまだ身近な問題ではないと考えられている実態がわかった。【図2】
【図1】HIV感染者やエイズ患者の日本での増加 N=38474
【図2】HIV感染者やエイズ患者が日本で増加していることに対する認識 N=38474
日本におけるHIV感染者やエイズ患者の増加に対する考えを年代別および男女別に見ると、「重要な問題であり、身近に起こりえる問題である」と認識している割合が一番高いのが19歳以下の女性であり、63.4%で、一番認識が低い40〜44才の女性の45.9%に比べ17.5%の差があった。【図3】
【図3】HIV感染者やエイズ患者が日本で増加していることについて(男女年代別) N=38474
(2)
HIVやエイズに関心がないと答えた人は全体の34.5%にのぼった。【図4】内訳を見ると、20代以下と60代以上では、関心層の割合が他の年代に比べ若干高く、「あまり関心がない」とする回答も少ない傾向が見られた。また、30代から40代における関心度が最大で1割程度低く、比較的関心が高くないことが浮き彫りになった。【図5】
【図4】HIVやエイズについての関心 N=38474
【図5】HIVやエイズについての関心(年代別) N=38474
2.HIV感染やエイズ患者の増加理由は性行動の変化と予防教育不足と認識。
日本でHIV感染者やエイズ患者が増加している理由として、「日本人の性行動が開放的になってきたから」と、「HIV感染の予防知識が乏しいから」と答えた人が6割を超え、次いで「予防対策等の教育が充分でないから」が続く。【図6】
日本人の性行動が変化する一方で、エイズ感染の予防知識の乏しさがHIV感染者やエイズ患者を増やしていると認識していることがうかがえる。
【図6】HIV感染者やエイズ患者が日本で増加していると考える理由 N=38474(複数回答)
3.HIV感染への不安を感じていない人は約6割で、身近にHIV感染者やエイズ患者がいないから。
(1)
今後自分自身がHIVに感染する不安について「あまり不安はない」は44.6%、「まったく不安はない」は16.7%と、6割以上の人が将来のHIV感染に不安を感じておらず、「大変不安がある」と答えた人は5.4%にすぎない。【図7】
【図7】今後自分自身がHIVに感染する不安 N=38474
(2)
性交渉時にコンドームを常用している人は21.5%にとどまり【図8】、コンドーム使用者に複数回答で使用理由を聞いたところ、避妊目的が9割を超える一方で、HIV感染予防を目的とする人はわずか3割であった。【図9】
【図8】性行為時のコンドームの使用 N=38474
【図9】性行為の時にコンドームを利用する理由 N=21258 ※複数回答
また、使用しない理由は、「相手が感染していないので必要ないと思うから」とする人が42.9%であった。【図10】
【図10】性行為の時にコンドームを利用しない理由 N=6883 ※複数回答
4.保健所での検査が匿名かつ無料であることを知らない人は4割弱で、更なるPRに期待。
HIV感染の不安を感じた時に何もしないと答えた人は、0.8%で、ほとんどの人が病院や、保健所などの機関で検査や相談をすると答えた。そのうち、「医院や病院で検査を受ける」とした人は53.7%、「保健所で検査を受ける」とした人は35.2%であった。【図11】一方、37.3%の人が保健所で無料・匿名で検査を受けられることを知らず、保健所での検査の認知度はまだまだ低い。【図12】
【図11】HIVに感染したかもしれないと思った時に取る行動 N=38474 ※複数回答
【図12】保健所のエイズ検査の匿名性や無料に関する認識 N=38474
一方で、48.4%の人が保健所での検査を「無料、匿名でやっているから、よいと思う」と答え、56.6%の人が「もっと検査についてPRして欲しいと思う」と答えている。【図13】
【図13】保健所のエイズ検査に関する認識 N=38474 ※複数回答
保健所のエイズ検査に対する要望としては、「プライバシーの保護」が78.8%と最も高く、匿名での検査が可能であることと併せ、そのプライバシー保護への取り組みについても更なるPRが求められていると言える。【図14】
【図14】保健所のエイズ検査への要望 N=38474 ※複数回答
5.HIV感染者やエイズ患者に対する社会的偏見があってはならないとする人は9割弱。
HIV感染者やエイズ患者に対する社会的偏見や差別があってはならないという考えについて、「同感する」が38.9%、「どちらかといえば同感する」が47.5%で合わせて85%を超えた。【図15】また、職場で一緒に働くことに対しても「受け入れられる」が33.8%、「どちらかといえば受け入れられる」が37.2%と合わせて約7割を占め、意識としては高い理解を得ていると言える。【図16】
【図15】HIV感染者やエイズ患者に対し社会的偏見や差別をしてはいけないという考えについて N=38474
【図16】HIV感染者、エイズ患者の職場で一緒に働くことについて N=38474
一方、受け入れられないとした人に理由を聞いたところ、「気遣いが必要になる」が59.1%、「感染する可能性があるから」が52.9%挙がっていた。【図17】
【図17】職場で一緒に働くことについて受け入れられない理由 N=6073 ※複数回答
6.幅広いメディアの利用と、若者へは学校教育で正しい感染の予防教育を。
この1年間でエイズに関する情報を確かに得たと実感している年代は、19才以下がもっとも多かった。【図18】また情報収集の手段は、19才以下は学校での教育が61.5%でもっとも多く、全体的には、テレビやインターネットによる情報収集が高い。また、年齢が上がるにつれて新聞による情報収集が高くなる。【図19】若者へは学校教育を通じて、社会全体にはテレビやインターネットを通じた情報提供が、効果が高いと考えられる。
また、欲しい情報として「感染の予防方法」や「治療方法」が挙げられ【図20】、政府に力を入れて欲しい対策は「予防ワクチンや治療薬の研究開発」が64.5%、次いで「HIV感染の予防体制の確立」63.5%、「エイズに関する正確な情報提供」62.7%で、今後予防対策を明確に示すことが期待されているといえる。【図21】
【図18】この1年間にエイズに関する情報を得た人(年代別) N=38474
【図19】エイズに関する情報収集手段(年代別) N=38474 ※複数回答
【図20】エイズに関して欲しい情報 N=38474 ※複数回答
【図21】エイズ対策として政府に力を入れて欲しいこと N=38474 ※複数回答
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