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第13回大学のオープン化に関する調査

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MOOCの浸透と利用者意識の洗練化?MOOCに効果・内容を求める兆し

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NTTコム リサーチ と 日本オープンオンライン教育推進協議会 による共同企画調査

報道関係者各位 2020年3月10日

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会

大学のオープン化に関する調査結果(2019年)

〜MOOCの浸透と利用者意識の洗練化 -MOOCに効果・内容を求める兆し〜

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本 良江、以下NTTコム オンライン)は、一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会(所在:東京都文京区、理事長:白井克彦 (早稲田大学名誉顧問) 以下、JMOOC)と共同で、「大学のオープン化に関する調査」を実施した。

本調査は、NTTコム オンラインが運営するインターネットアンケートサービス「NTTコム リサーチ」の登録モニターのうち、全年代の方を対象に調査を実施し、有効回答者数は1142名。今回で13回目の調査である。

総括

大学等の高等教育機関などが、インターネットを通じてオンラインで講座を公開する取り組み「MOOC(Massive Open Online Courses)」は、簡単な登録だけで無料で講義を閲覧・学習することができる。テストや課題の修了条件を満たした学習者には、履修の証明として「修了証」が発行される仕組みである。

2012年にアメリカで始まった「MOOC」は、ヨーロッパ圏やアジア圏にも広がりをみせ、世界のMOOC学習者人口は1億1,000万人以上と言われている(2019年12月 Class Central発表)。日本では2014年4月からJMOOCが講座提供をスタートして5年半が経過、JMOOCの受講者は2016年以降毎年倍増するペースで拡大し、約100万人(2019年5月末現在)を超えた。しかし、1億人を超える世界の学習者人口と対比すると、日本の学習者人口は極めて小さいことから、日本国内におけるMOOC認知度の依然として低いと言わざるを得ない。

日本国内のICT化の動向としては、"EdTech"の進展により、いつでもどこでも手軽に学べる環境が整った。学習場所や時間が多様化し、隙間時間の学習とじっくり時間をかける学習スタイルの組み合わせが定着したのみならず、学校の授業や会社での勤務時間中のMOOC利用が増加するなど、MOOC自体が社会や生活に浸透しつつあることが読み取れる結果となった。

対面学習への受講意向は、昨年増加したポジティブ層が10ポイント程度大幅減少し、ネガティブ層が倍増して3割弱となる消極的なスタンスが目立つ内容となった。昨年表出した対面学習への期待が、学習へのモチベーション向上からその効果・内容へと向かっている傾向が顕著になっていると推察できる。

学習手段については、「無料のWEB講座」を求める声が多いものの、本年度は「書籍による自主学習」への支持が回復している。また、近年顕著であった「無料のWEB講座」に代表される無料化を求める流れも優勢ではあるものの、一定の歯止めがかかり、変調の兆しが読み取れる。対面学習と同様に、利用者のMOOCに対する意識やニーズが洗練され、より一層の効果・内容を求める傾向が推察される。

なおMOOCで学習したい分野では、トップ10のラインナップは変わらないものの、「予防医学」がランクアップし、「高齢化社会」「人生100年時代」を踏まえた健康に対する関心の高まりが伺える。

アンケート調査・市場調査をご検討の方は、お気軽にお問合せください。

調査結果のポイント

(1) MOOC学習は、場所や状況に応じて機器を使い分けながら、自宅・出先双方において拡大傾向

一般利用のインターネット端末はスマートフォン利用が過去最高を記録した。パソコンの利用率も高く、用途に応じて機器を使い分ける傾向が継続している。MOOC学習におけるインターネット端末利用については、パソコン、スマートフォン、タブレットともに利用率が下がっている。ポータブル機器利用におけるスマートフォン優位という傾向は継続しているが、特定の端末に固定せず、機器の機能を生かした使い分け傾向が進んでいると考えられる。学習場所・時間における自宅の割合が半数に増加し、自宅以外では「空き時間」と「勤務時間・授業時間」双方の割合が増加していることから、場所や状況に即して機器を使い分けながらも、MOOC自体が学習手段として社会や生活に浸透しつつあることが推察できる。

(2) MOOC学習での希望分野は、男性1位「経済学&金融」が連覇・女性1位は6年連続「心理学」

学習したい分野の調査結果は、上位から「心理学」「歴史」「音楽、映画」と続き、教養系と実務系科目に万遍なく分散しつつも、人気がある学習分野が固定化する傾向が継続している。トップ10のラインナップに変更はないものの、「予防医学」が8位に順位を上げ、「健康&社会」も9位と順位を維持していることから、健康に対する関心の高まりが伺える。男女別では、男性1位は昨年同様「経済学&金融」で、昨年4位だった「歴史」が2位と復調しているものの、「ビジネス・実務系」分野への人気が高い傾向が継続している。女性は例年と変わらず「教養系」「生活密着系」の分野への関心が高いが、「哲学」などこれまでに見られなかった学問への関心が高まっていることが特徴的である。

(3) 「対面学習(反転学習)コース」への評価が急減、「修了証」の必要性は高い

対面学習への受講意向は、ポジティブ層が85%から73%に大幅減少し、ネガティブ層が3割弱と急上昇し(昨年度は15%)する消極的なスタンスが目立つ内容となった。対面学習への期待が、「自らの学習するモチベーションの維持」から「学習において理解を深められること」へと変化する傾向が顕著に出ていると推察できる。またMOOCの履修の証明としての「修了証」については、昨年度の75.7%を上回る78.4%がその必要性を認めている。

(4) 希望する学びの手段は、「WEBでの無料講座」が首位だが、無料化志向に変化の兆し

学び直しの手段について希望を聞くと、昨年同様「WEBでの無料講座」が「書籍による自主学習」を上回っているが、「書籍による自主学習」が対前年比で6.9ポイント上昇し、追い上げる結果となった。

学び直しの費用について「無料」を求める声が8割を維持し、「WEBでの無料講座」の利用意向が最多だが、「WEB講座(無料)」「民間の講座受講(無料)」「放送大学(無料)」など無料の学び直し手段が対前年比で支持を下げており、変化の兆しが読み取れる。

(5) 理工系出身者の「学び直し」経験・意向が上昇、「やる人はやっている」状態に

学び直し経験者にその理由について聞いたところ、昨年同様、自己研鑽型がポイントを伸ばした。

理工系出身者に対する「学び直し」ニーズは、必要性を感じかつ経験があるが対前年比で7.9ポイント上昇して25.5%、必要性を感じていないが54.4%という結果となった。学び直し経験・意向のある社会人は依然として少ないが、学び直し経験者は対前年比で大幅に増加し、「やる人はやっている」状態になりつつあると推察できる。

調査概要

調査対象 「NTTコム リサーチ」(*) 登録モニター
調査方法 非公開型インターネットアンケート
調査 大学のオープン化に関する調査
調査期間 令和元年9月19日(木)~令和元年10月23日(水)
有効回答者数 1142名
回答者の属性 【年代】
男性10代:2.3%、20代:9.8%、30代:9.6%、40代:9.6%、50代:9.4%、60代以上:9.4%
女性10代:2.0%、20代:9.4%、30代:9.7%、40代:9.7%、50代:9.5%、60代以上:9.5%

【職業】
会社役員/社員:37.6%、公務員・団体職員:5.2%、自営業:6.8%、学生:4.8%、アルバイト・パート:14.8%、専業主婦・主夫:15.9%、無職:13.0%、その他:1.8%

《 補足 》

(*) NTTコム リサーチ(旧gooリサーチ) https://research.nttcoms.com/
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が提供する高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。
自社保有パネルとしては国内最大級のモニター基盤(2019年11月現在 217万会員)を保有するとともに、「モニターの品質」「調査票の品質」「アンケートシステムの品質」「回答結果の品質」の4つを柱とした「クオリティポリシー」に基づく徹底した品質確保を行い、信頼性の高い調査結果を提供するインターネットリサーチとして、多くの企業・団体に利用されています。

<本件に関するお問い合わせ先>

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
データ&アナリティクス部
TEL:03-4330-8312
URL: https://www.nttcoms.com/
メールアドレス:research-info@nttcoms.com


一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会
担当:JMOOC事務局 岩間
TEL:03-3295-3555
URL:https//www.jmooc.jp
メールアドレス:secretary@jmooc.jp

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調査結果データ

(1) MOOCの評価・認知・利用経験・利用意向・利用端末

MOOCはインターネット上で、誰でも場所を問わず、無料で学習できる取り組みである。このMOOCについての評価を聞くと、8割以上が「良い」と回答し、例年と変わらず高い評価を維持している【図1-1】。一方、MOOCの認知度に関して、「知らない」の回答も約8割と依然大半を占め【図1-2】、日本におけるMOOCの認知度の低さは相変わらず否めない。

インターネット端末の利用について聞いた項目では、スマートフォン利用が74.4%と過去最高を記録した。タブレット端末は24.9%と一昨年・昨年並みの利用率を維持している。パソコンも87.9%と高い利用率を維持していることから、昨年来のパソコンとモバイル機器双方の機能を生かした使い分けという傾向が続いていると言える。【図1-3】

またMOOC学習におけるインターネット端末利用については、パソコン、スマートフォン、タブレットともに利用率が下がっている。特にパソコン利用は8.4ポイント、タブレット利用も5.55ポイントと顕著な利用減が目立つ。スマートフォンも2.76ポイント減少しているものの、ほぼ横ばいと言える。ポータブル機器利用におけるスマートフォン優位という傾向は維持されているが、特定の端末に固定せず、機器の機能を生かした使い分け傾向が進んでいると考えられる。【図1-4】

【図1-1】MOOCについて取り組みの評価(単年・N=1142(2019年))

【図1-1】MOOCについて取り組みの評価(単年・N=1142(2019年))

【図1-2】MOOCの認知度(単年・N=1142(2019年))

【図1-2】MOOCの認知度(単年・N=1142(2019年))

【図1-3】インターネット利用端末(経年・N=1142(2019年))

【図1-3】インターネット利用端末(経年・N=1142(2019年))

【図1-4】MOOCの学習利用端末(経年・N=59(2019年))

【図1-4】MOOCの学習利用端末(経年・N=59(2019年))

(2) MOOCの学習場所・時間

MOOCで主に学習する場所は、自宅と自宅以外が半数ずつと拮抗している。昨年は自宅が40%、自宅以外が60%と自宅以外での学習の割合が圧倒的に多かったが、今年は自宅での学習が大幅に増加した。自宅以外の学習場所の内訳は、会社は28%と昨年並みだが、学校が29%と昨年と比較して7ポイント上昇しており、学校でのMOOC導入や授業の空き時間での利用が進んでいることが推察できる。【図2-1】

時間でみても、自宅が55%、自宅以外の時間が45%と自宅での学習時間が多い。昨年は自宅が44%、自宅以外が56%であったので、学習時間では2者が逆転している。自宅以外の学習時間の内訳は、「通勤・通学時間」が33%と昨年の43%と比較すると大幅に減少、「勤務、授業の合間の空き時間」が28%と昨年の18%と比較して大幅に増加している。また、「勤務時間・授業時間」が24%と昨年の18%と比較して6ポイント上昇しており、会社や学校でのMOOCの導入や利用が進んでいると考えられる。会社や学校での隙間時間などを有効活用した学習スタイルが進行しているのみならず、勤務・授業での導入や利用も進んでおり、有効な学習手段としてMOOCが社会的認知度を高めつつあることが推察できる。【図2-2】

学習場所・時間における自宅割合の増加や自宅以外での空き時間と「勤務時間・授業時間」割合の増加から、場所や状況に即して機器を使い分けながらも、MOOC自体が学習手段として社会や生活に浸透しつつあることが推察できる。

【図2-1】MOOCの学習場所(単年・N=146(2019年))

【図2-1】MOOCの学習場所(単年・N=146(2019年))

【図2-2】MOOCの学習時間(単年・N=146)

【図2-2】MOOCの学習時間(単年・N=146)

(3) MOOCで学習したい分野

学習したい分野の調査結果は、上位から「心理学」「歴史」「音楽、映画」「経済学&金融」「芸術」「情報、テクノロジー&デザイン」「コンピュータサイエンス」と続き、教養系と実務系科目に満遍なく分散しており、多様なニーズが示される結果となった。【図3-1】

本年度はトップ10のラインナップは変わらないものの、「予防医学」が8位に順位を上げ、「ビジネス&マネジメント」が8位から10位にランクダウンした。「予防医学」がランクアップし、「健康&社会」も9位と順位を維持していることから、「高齢化社会」「人生100年時代」の影響もあってか、健康に対する関心の高まりが伺える。それ以外は、多少順位の入れ替えはあるものの、6年間不動であり、人気がある学習分野の固定化傾向は継続している。【図3-1,2】

【図3-1】学習したい希望分野 --全体 (単年・複数回答 N=630(2019年))

【図3-1】学習したい希望分野 --全体 (単年・複数回答 N=630(2019年))

【図3-2】学習したい希望分野 --全体 (経年比較ランキング)

【図3-2】学習したい希望分野 --全体 (経年比較ランキング)

■男女別の希望分野

男女別では、本年度も男性に例年と違った傾向が出ている。男性は、昨年同様「経済学&金融」が1位、「コンピュータサイエンス」「情報テクノロジー」が2位・3位と実務系分野が人気上位を占める傾向が継続している。一方、昨年度4年連続1位の差を明け渡し、4位に沈んだ「歴史」も2位に返り咲いている。

女性の人気上位分野はほとんど変動していないが、昨年度10位にランクインした「哲学」が8位に上昇した点が特徴的である。

男性は、「ビジネス・実務系」分野への人気が高い傾向が継続し、女性は例年と変わらず「教養系」「生活密着系」の分野への関心が高いものの、「哲学」などこれまでに見られなかった学問への関心が高まっていることが伺える。【図3-3】

【図3-3】学習したい希望分野 --男女別(経年ランキング)

【図3-3】学習したい希望分野 --男女別(経年ランキング)

■就労層・未就労層別の希望分野

就労層・未就労層別では、就労層の実学志向という傾向が継続している。ただし、就労層の中でも、会社役員/社員・自営業において昨年1位であった「経済学&金融」が「歴史」に1位の座を譲り渡したことが特徴的である。また就労層は、会社役員/社員・公務員/団体職員・自営業において、それぞれ3位・4位・4位と高順位で「コンピュータサイエンス」がランクインしているのが他の層には見られない特徴であり、これらの層の「コンピュータサイエンス」に対する関心の高さが伺える。パートアルバイトが、就労層の中でも未就労層に近い結果となっている傾向は継続しているが、「健康&社会」が2位、「栄養学」が3位、「予防医療」が6位にランクインするなど、健康志向が顕著となっており、「働き方改革」の影響が希望分野に影響していることが推察できる。

一方、学生、専業主婦/主夫、無職などの未就労層については、生活密着系の分野、芸術分野、実学分野と満遍なく興味を寄せているが、「経済学&金融」が、学生で2位、専業主婦・主夫で9位、無職で2位、その他で4位といった上位にランクインする傾向があり、経済への関心が急速に高まっていることが伺える。

【図3-4】学習したい希望分野--就労層・未就労層経別(2019年)

【図3-4】学習したい希望分野--就労層・未就労層経別(2019年)

(4) 日本独自の取り組み、「対面学習(反転学習)コース」への受講意向

現在、日本版MOOC独自の取り組みとして、JMOOC認定講座ではオンライン学習だけではなく、講師から直接授業を受けられる「対面学習(反転学習)コース」(講座により無料の場合と有料の場合がある)が全体の約2割の講座で提供されている。

この対面学習への受講意向を聞いた質問では、昨年は「是非受講したい」が半数を超え(51%)、「できれば受講したい」(34%)と考える層とあわせて85%に達する非常にポジティブな結果であった。本年度は「是非受講したい」が31%へと大幅減、「できれば受講したい」42%とあわせて7割を超えるものの、「あまり受講したくない」「受講したくない」というネガティブ層も3割弱と倍増し(昨年度は15%)、昨年度と比較してやや消極的なスタンスが目立つ内容となった。【図4-1】

また対面学習(反転学習)コースへの期待は、「参加することで学習のモチベーションを維持することができる」が昨年度からマイナス18.8ポイントの16.3%となり、大幅下降という結果となった。対前年で「先生から直接講義が受けられる」「大学のキャンパスで授業が受けられる」はそれぞれ5.1ポイントおよび4.4ポイント上昇、「分からないことを直接先生に質問できる」「同じテーマに興味を持つ受講生と議論できる」もそれぞれ微減と反転学習への評価が急落しているわけではない。対面学習への期待が、「自らの学習するモチベーションの維持」から「学習において理解を深められること」へと変化してきていると言える。【図4-2】

なお、MOOC利用においてインターネット上での意見交換・質問をする場についての必要性を求める割合は約7割と高く、講義・テスト回答・レポート提出のみならず、学習プロセス全てのオンライン化に対する期待は高い。【図4-3】

【図4-1】「対面学習(反転学習)コース」の受講意向(経年・N=59(2019年))

【図4-1】「対面学習(反転学習)コース」の受講意向(経年・N=59(2019年))

【図4-2】「対面学習(反転学習)コース」を受講したい理由(複数回答) (経年・N=43(2019年))

【図4-2】「対面学習(反転学習)コース」を受講したい理由(複数回答) (経年・N=43(2019年))

【図4-3】「インターネット上で、意見交換・質問などをする場の必要性(経年・N=530(2019年))

【図4-3】「インターネット上で、意見交換・質問などをする場の必要性(経年・N=530(2019年))

(5) 修了証のメリット

MOOCでは講義動画を受講後、単元ごとに課題やレポートを提出し、合格点に達したら修了証を取得することができる。その修了証について必要性を聞いたところ、昨年度と比較して「とても必要」が3.7ポイント下がったものの、「まあまあ必要」が6.4ポイント上昇し、合わせると昨年度の75.7%を上回る78.4%がその必要性を感じていると読み取れ、8割近くが修了証の価値を認めていることがわかる【図5-1】。また、その理由としては、モチベーション維持や自己㏚に繋がるなどのメリットを感じていることがわかる【図5-2】。

【図5-1】修了証の必要性の可否(経年・N=510(2019年))

【図5-1】修了証の必要性の可否(経年・N=510(2019年))

【図5-2】修了証の認定を必要とする理由(複数回答) (経年・N=400(2019年))

【図5-2】修了証の認定を必要とする理由(複数回答) (経年・N=400(2019年))

(6) 社会人の「学習機会」や学生時代専攻した科目の「学び直し」の実態

2016年の本調査より、社会人になってから自ら進んで教育機会を得たか、学び直しの調査を開始し、今年で4年目である。社会人になってからの学習機会について問うと、教育機会経験はないしこれからも意向がないは48.8%(昨年比4.3ポイントアップ)と昨年より上昇し、約半数を占めるネガティブな結果となった。一方、通っている(通っていた)層と、これから教育機会を得たい層を加えると48.3%(昨年比3.8ポイントダウン)あり、ポジティブ層もほぼ拮抗している。【図6-1】

なお、社会人になってからの「学び直し」経験について聞いたところ、4割弱の38.3%が「学び直し」経験ありと回答した。「学び直し」経験は2018年の40.5%と比較すると微減したが、2017年以前と比較すると高い傾向が継続している。前掲の「学び直し」経験に「学び直し」希望を合わせて聞いたところ、「学び直し」経験は前掲のとおり38.3%、「学び直し」希望が19.1%(経験なし61.7%の内数)あり、経験と希望を合わせた「学び直し」需要は約6割(57.4%)存在することになる。【図6-2】

学び直し経験者にその理由について聞いたところ、「仕事では必要なかったが自己研鑽のため」「職業上、必要な科目(教科)で、専攻した科目知識だけでは不十分だったため」「将来のキャリアアップのためには必要だと感じたから」といった、自己研鑽型がポイントを伸ばした。【図6-3】

社会人が取得したい能力・知識としては、「金融・ファイナンス」(25.3%)を筆頭に、「経済」(20.1%)、「会計」(14.3%)、「語学」(14.1%)とビジネスに直結する実務系の能力・知識が求められている結果となった。【図6-4】

また実際の学び直し学習手段としては、書物での自主勉強が61.5%と圧倒的に多く、参考書などを教材に、「独学」で学習する学び直しの実態が見てとれた。また、無料のWEB講座も、40.3%と使われており、民間の講座受講(有料)が18.8%で続いている。【図6-5】

学び直しの手段についての希望を聞いてみると1位が「WEBでの無料講座」で62.0%と支持されている。「書籍など書物(自主学習)」が2位であるが、昨年の48.7%から6.9ポイント上昇し、55.6%の支持となった。無料のWEB講座の利用意向が多いが、書籍の人気も依然として高いことが指摘できる。また、「WEB講座(無料)」「民間の講座受講(無料)」「放送大学(無料)」など無料の学び直し手段がそれぞれ対前年比で3.8ポイント、6.0ポイント、2.2ポイント支持を下げていることが今年の特徴として挙げられる。費用だけでなく、講座の内容や利用者のニーズとのマッチングが考慮されてきたと推察できる。【図6-6】

一方、学び直しの費用について、自身の考えに近いものを調査対象全員に聞いたところ、「無料」を求める声がトータルで82.6%と大半を占め(昨年比1.8%増)、無料であることが依然として学び直し手段の大きな支持要因であることも確認された。【図6-7】

【図6-1】社会人の教育機会経験の有無および意向(単年・N=566(2019年))

【図6-1】社会人の教育機会経験の有無および意向(単年・N=566(2019年))

【図6-2】学び直し/学び足し経験・意向(経年・N=566(2019年))

【図6-2】学び直し/学び足し経験・意向(経年・N=566(2019年))

【図6-3】学び直しの理由(複数回答) (経年・N=325(2019年))

【図6-3】学び直しの理由(複数回答) (経年・N=325(2019年))

【図6-4】取得したい能力・知識(複数回答)(単年・N=566(2019年))

【図6-4】取得したい能力・知識(複数回答)(単年・N=566(2019年))

【図6-5】学び直しした際の手段(複数回答) (単年・N=325(2019年))

【図6-5】学び直しした際の手段(複数回答) (単年・N=325(2019年))

【図6-6】希望する学び直し手段(複数回答) (単年・N=108(2019年))

【図6-6】希望する学び直し手段(複数回答) (単年・N=108(2019年))

【図6-7】学び直しの費用(単年・N=1142(2019年))

【図6-7】学び直しの費用(単年・N=1142(2019年))

(7) 理工系出身者の「学び直し」の実態

JMOOCでは、主に若手技術者を対象にした理工系基礎科目シリーズのオンライン講座を2017年1月から無償提供している。これは、文部科学省と経済産業省が共催した「理工系人材育成に関する産学官円卓会議」において、企業と教育界のミスマッチ防止および人材教育費のコスト削減、そして社会人の学び直しへの対策の一つとして、オンラインでの教育が有効であると指摘されたのを受けて、JMOOCが日本経済団体連合会(以下、経団連)と共同で、メーカー勤務の若手技術者に対してアンケートを実施し、そこで学び直しニーズの高い科目を洗い出し、その分野の講座提供を開始している。それを受けて、一昨年度の本調査より理工系出身者の学び直しの実態調査を開始した。

 

JMOOC理工系基礎科目シリーズについて認知度を伺ったところ、知っている層がトータルで6.8%(昨年比0.4ポイントダウン)に対し、知らない層は9割を超え、依然として認知度が低い。【図7-1】

また、理工系出身者に対して学び直しの必要性を伺ったところ、学び直しの必要性を感じかつ経験があるが25.5%と昨年比7.9ポイント上昇という結果であった。一方、これから学び直しをしたいが昨年より10.6ポイント減の20.1%と大幅に減少し、現状は学び直しの必要性を感じていない社会人も昨年より2.8%増の54.4%という結果となった。学び直し経験・意向のある社会人は依然として少ないが、学び直し経験者は対前年比で大幅に増加し、「やる人はやっている」状態になりつつあるものと推察できる。【図7-2】

また、プログラミングなど情報系のMOOC講座への関心は、「ぜひ受講したい」「興味はある」あわせて4割程度であった。【図7-3】

【図7-1】JMOOC理工系基礎科目シリーズの認知度(単年・N=1142(2019年))

【図7-1】JMOOC理工系基礎科目シリーズの認知度(単年・N=1142(2019年))

【図7-2】(理工系出身者のみ)社会人の教育機会経験の有無および意向(単年・N=149(2019年))

【図7-2】(理工系出身者のみ)社会人の教育機会経験の有無および意向(単年・N=149(2019年))

【図7-3】情報系MOOC講座への関心

【図7-3】情報系MOOC講座への関心

(8) これからの大学に期待すること

これからの大学に期待することを聞くと、その期待は多様化しているが、昨年度同様「大学のオープン化」を筆頭に、元来の役目である「学生の学力向上」、そして昨今話題の社会人の学び直しに呼応する「社会人の学び直し機関」が続いた。【図8-1】

【図8-1】これからの大学に期待すること(単年・N=1142(2019年))

【図8-1】これからの大学に期待すること(単年・N=1142(2019年))

この調査結果の単純集計を無料にて提供しています。

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