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第10回 環境・社会報告書に関する読者の意識調査結果

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環境と企業活動の関連性のわかりにくさが報告書の読者が増えない要因

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gooリサーチ結果 (No.188)

第10回 環境・社会報告書に関する読者の意識調査結果

~環境と企業活動の関連性のわかりにくさが報告書の読者が増えない要因~

国内最大級のインターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」(*1)を提供するNTTレゾナント株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:中嶋 孝夫)は、一般消費者に対する「環境・社会報告書に関する意識調査」を実施しました。有効回答者数は42,224名でした。

本調査は今回で10回目を数え、「gooリサーチ」に加え、環境情報ポータルサイト「環境goo」(http://eco.goo.ne.jp)(*2)も連動したアンケートを実施しました。

なお、本調査結果をもとに、日本電信電話株式会社主催で「環境・社会報告書シンポジウム2009」を平成21年12月11日(金)に開催しました。シンポジウムでの討議内容については、「環境goo」上で公開しています。

調査結果のポイント

「環境・社会報告書」を「知らない」という回答が昨年に比べて2~3ポイント低下し、「目にしたことはないが名前は知っている」との回答が同じく2~3ポイント増加した。この1年で「環境・社会報告書」というものの存在が浸透した可能性が感じられる。また、報告書を「知らない」「知っているが目にしたことはない」という回答の割合を見ると、特に女性、主婦、学生などで、「知らない」が低下し、「知っているが目にしたことがない」が増えた。これまで報告書とは接点のなかった人々で、認知が拡大している可能性がうかがわれる。

報告書を「読んだ」または「目にした」という対象者の接触経路としては、「インターネットのホームページ上で」が最も多く、該当者の75.7%(複数回答)にのぼり、この数年さらに増加の傾向を示している。他方、「会社や学校の資料室で」は21.5%、「直接企業に請求して取り寄せた」は6.6%にとどまっており、インターネットでの接触者の増加傾向がさらに続いている。

環境関心度とCSR関心度の組み合わせでパターンに分類すると、「両者とも高い」人は全体の18.0%、「環境関心は高いがCSR関心は高くない」人が24.8%、「CSR関心は高いが環境関心は高くない」人が15.3%などとなり、両者の間にはっきりとした強い相関は見られない。環境への関心とCSRへの関心は必ずしもリンクしないと言える。そして、報告書との接触状況や報告書の閲読目的との関連を見ると、CSR関心が高いパターンの人ほど、報告書をよく読んでおり、またその目的も具体的である。企業の社会的責任に対する関心が、特定企業への具体的な関心と結びついて、報告書を読むという行為につながるものと考えられる。別の見方をすれば、環境への関心の高さだけでは、実際に「報告書を読む」というアクションには結びつきにくいという事実を示している。

現在の報告書の問題点としては、「各社の内容や書式が異なり比較ができない」が最も多く、45.3%、次いで「数値データを示されても評価ができない」42.2%、「良いことばかりが書かれていて客観的でない」42.0%などとなっている。最近の傾向としては、「良いことばかりが書かれていて客観的でない」、「誰にどのような意図で書かれているか読み取れない」「分かりやすさや面白く読ませる工夫が不足している」などがやや増加の傾向を見せている。報告書を「読んだことがある」人と「初めて読んだ」人に分けて見ると、「初めて読んだ」人では「専門用語が多すぎて分かりにくい」や「誰にどのような意図で書かれているか読み取れない」など、「とっつきにくい」「誰に対して何が伝えたいのか意図が伝わってこない」といった点で不満を感じているようだ。

「関心の高い環境問題(3つまで選択)」としては、「地球温暖化」が69.1%とこれまでと同様、他を大きく引き離して最大の関心事となっている。ただしその割合は、昨年に比べて6ポイントほどの低下を示した。2007年の数値は、アル・ゴア米副大統領のノーベル賞受賞の直後であったことなどから一時的な特異値と考えられるが、昨年から今年にかけても低下したことは、地球温暖化への集中的な関心の高まり(いわゆるブーム的な傾向)が弱まり、他の問題にも関心が向けられるようになりつつあることを意味すると思われる。

社会的責任を果たすために企業が取り組むべき経営課題」としては、「地球温暖化の防止、省エネ」がトップで、60.1%の回答者があげている。他に多数の回答を集めたのは「製品・サービスの安全・安心を第一に考えた経営」56.3%、「有害物質の管理・削減」52.1%などとなっている。また、企業が取り組むべき経営課題の優先順位については男女間で大きな差がみられる。女性では、「製品・サービスの安全・安心を第一に考えた経営」(38.8%)と、「地球温暖化の防止、省エネ」(36.8%)が他の項目を大きく引き離して高い優先度をもっているのに対し、男性は、「法蓮遵守」(30.5%)、「経営トップの説明責任」(28.2%)、「企業倫理」(27.9%)などの優先度が高く、「地球温暖化」(27.6%)や「製品・サービスの安全・安心」(26.7%)は優先順位がやや下がり、企業内部の倫理・コンプライアンス系の課題を中心に意見が分散する傾向が見られる(これは、環境関連職に従事する男性でも同じ傾向である)。

《 補足 》

(*1)【 gooリサーチ 】 http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。携帯電話でアンケートに答える 「gooリサーチ・モバイル」モニター(10.7万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(7.0万人)、団塊世代・シニア層、ならびに若年層を中心とした郵送調査手法で回答する「郵送調査専属モニター」(3.5万人)を含め、305万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています。 (モニターの人数はいずれも2009年1月現在)

(*2)【 環境goo 】http://eco.goo.ne.jp/
NTTレゾナントが運営する日本国内最大の"環境情報ポータルサイト"。企業からコンシューマまであらゆるユーザの環境情報ニーズに対応しています。

<本調査およびgooリサーチに関するお問合せ先>

NTTレゾナント株式会社 メディア事業部 環境goo
(Tel) 03-6703-6180

NTTレゾナント株式会社 リサーチ部門
(Tel) 03-6703-6660、(FAX) 03-5476-2582、(E-mail)research@goo.ne.jp

調査結果について

調査企画・協力: 後藤敏彦氏 (環境監査研究会代表幹事/NSC代表幹事)
川北秀人氏 (IIHOE:人と組織と地球のための国際研究所代表)
環境情報ポータルサイト「環境goo」
1. 調査対象 1)「環境goo」にアクセスする一般ユーザ
2)「環境goo」個人会員
3)「gooリサーチ」モニター
※2)3)はメールでアンケート協力を依頼し、「gooリサーチ」上のインターネット・アンケート画面で回答。
2. 調査方法 「gooリサーチ」上のインターネット・アンケート画面での回答
3. 調査期間 平成21年10月13日(火)~10月26日(月)
4. 総回答者数 42,224名 【男性23,740名、女性22,487名】【図1-1】【図1-2】
5. 回答者の属性 【図1-1】回答者の属性
【図1-1】回答者の属性のグラフ

【図1-2】回答者の会社員、自治体職員における環境関連従事者の割合
【図1-2】回答者の会社員、自治体職員における環境関連従事者の割合のグラフ

調査結果データ

(1) 報告書の認知者が増えている

「環境・社会報告書」を「読んだことがある」という割合は、環境goo会員(環境への関心比較的高い)で18.1%、gooリサーチ会員(より一般に近い)で12.7%であり、一昨年、昨年に比べてほぼ横ばいとなった。【図2-1】

一方、「報告書というものを知らない」という回答が環境goo会員で37.7%、gooリサーチ会員で46.4%となり、引き続き回答者の多数を占めた。ただし両グループとも、「知らない」という回答が昨年に比べて2~3ポイント低下し、「目にしたことはないが名前は知っている」との回答が同じく2~3ポイント増加した。この1年で「環境・社会報告書」というものの存在が浸透した可能性が感じられる。

【図2-1】環境・社会報告書との接触状況

【図2-1】環境・社会報告書との接触状況

報告書を「知らない」「知っているが目にしたことはない」という回答の割合を対象者の性別や職業など属性別に見ると、特に女性、主婦、学生などで、「知らない」が低下し、「知っているが目にしたことがない」が増えた。これまで報告書とは接点のなかった人々で、認知が拡大している可能性がうかがわれる。【図2-2】

【図2-2】報告書の認知状況の変化

【図2-2】報告書の認知状況の変化

(2) ネットによる接触媒体が紙媒体を上回った

報告書を「読んだ」または「目にした」という対象者の接触経路としては、「インターネットのホームページ上で」が最も多く、該当者の75.7%(複数回答)にのぼり、この数年さらに増加の傾向を示している。他方、「会社や学校の資料室で」は21.5%、「直接企業に請求して取り寄せた」は6.6%にとどまっており、インターネットでの接触者の増加傾向がさらに続いている。【図3-1】

【図3-1】報告書を「読んだ」または「目にした」場所

【図3-1】報告書を「読んだ」または「目にした」場所

「読んだことのある報告書の形態」(複数回答)としては、「ホームページ(PDF版)」が最も多く59.3%、次いで「紙で印刷されたもの」57.8%、「ホームページ(HTML版)」が53.8%などとなっている。このうち「紙で印刷されたもの」を読んだ割合は年々低下しており、今回調査では「ホームページ(PDF版)」と逆転することとなった。【図3-2】

【図3-2】読んだことのある報告書の形態

【図3-2】読んだことのある報告書の形態

(3) 報告書の読者はなぜ増えないか

環境関心度とCSR関心度の組み合わせでパターンに分類すると、「両者とも高い」人は全体の18.0%、「環境関心は高いがCSR関心は高くない」人が24.8%、「CSR関心は高いが環境関心は高くない」人が15.3%などとなり、両者の間にはっきりとした強い相関は見られない。環境への関心とCSRへの関心は必ずしもリンクしないと言える。【図4-1】

【図4-1】環境関心度とCSR関心度の組み合わせ

【図4-1】環境関心度とCSR関心度の組み合わせ

そして、報告書との接触状況や報告書の閲読目的との関連を見ると、CSR関心が高いパターンの人ほど、報告書をよく読んでおり、またその目的も具体的である。企業の社会的責任に対する関心が、特定企業への具体的な関心と結びついて、報告書を読むという行為につながるものと考えられる。別の見方をすれば、環境への関心の高さだけでは、実際に「報告書を読む」というアクションには結びつきにくいという事実を示している。【図4-2】

【図4-2】環境・CSRへの関心度パターンと報告書接触状況/閲読目的

【図4-2】環境・CSRへの関心度パターンと報告書接触状況/閲読目的

最近では環境専門サイトの会員も増え、エコに関する個人のホームページやブログも花盛りである。「商品・サービスの購入の際の参考として報告書を読む」という人も増えており、その気になればインターネット上の企業の報告書にいつでもアクセスすることができる。にも拘わらず報告書が読まれない理由に関する一つの仮説として、「企業活動と環境とのリンクが見えにくい」ということがあげられるのではないか。すなわち特別な自然保護活動や社会貢献活動ではない、通常の企業の事業活動が環境と具体的にどのような関わりをもち、どういった影響を及ぼしているのか、についてのイメージが形成されていないのではなかろうか。

(4) 伝えようとする意志や読ませる工夫に物足りなさを感じている-報告書の問題点

現在の報告書の問題点としては、「各社の内容や書式が異なり比較ができない」が最も多く、45.3%、次いで「数値データを示されても評価ができない」42.2%、「良いことばかりが書かれていて客観的でない」42.0%などとなっている。最近の傾向としては、「良いことばかりが書かれていて客観的でない」、「誰にどのような意図で書かれているか読み取れない」「分かりやすさや面白く読ませる工夫が不足している」などがやや増加の傾向を見せている。【図5-1】

【図5-1】現在の報告書の問題点(複数回答)

【図5-1】現在の報告書の問題点(複数回答)

属性別には特に男女間の差が大きく、男性は「比較ができない」「客観的でない」など「内容に関する問題点」を指摘する声が高く、女性では「専門用語が多すぎる」「読ませる工夫が不足している」など「直感的な分かりやすさの不足」に関する問題点の指摘が多い傾向が見られる。

また、報告書を「読んだことがある」人と「初めて読んだ」人に分けて見ると、「初めて読んだ」人では「専門用語が多すぎて分かりにくい」や「誰にどのような意図で書かれているか読み取れない」など、「とっつきにくい」「誰に対して何が伝えたいのか意図が伝わってこない」といった点で不満を感じているようだ。

(5) 関心が具体化し個別テーマに分散-環境問題への関心

「関心の高い環境問題(3つまで選択)」としては、「地球温暖化」が69.1%とこれまでと同様、他を大きく引き離して最大の関心事となっている。ただしその割合は、昨年に比べて6ポイントほどの低下を示した。2007年の数値は、アル・ゴア米副大統領のノーベル賞受賞の直後であったことなどから一時的な特異値と考えられるが、昨年から今年にかけても低下したことは、地球温暖化への集中的な関心の高まり(いわゆるブーム的な傾向)が弱まり、他の問題にも関心が向けられるようになりつつあることを意味すると思われる。

他の項目の中では「クリーンエネルギーの開発・実用化」(2009年:20.8%)、「省エネルギー」(15.0%)、「身近な自然破壊(里山・棚田の保全等)」(12.7%)、「3R(リデュース/リユース/リサイクル)」(12.5%)などが目立って上昇した。【図6】

【図6】関心の高い環境問題(3つまで)

【図6】関心の高い環境問題(3つまで)

(6) 製品の安全と温暖化防止が優先的課題-企業が取り組むべき優先的課題

社会的責任を果たすために企業が取り組むべき経営課題」としては、「地球温暖化の防止、省エネ」がトップで、60.1%の回答者があげている。他に多数の回答を集めたのは「製品・サービスの安全・安心を第一に考えた経営」56.3%、「有害物質の管理・削減」52.1%などとなっている。

5つまでの制限回答では「製品・サービスの安全・安心を第一に考えた経営」が32.4%、「地球温暖化の防止、省エネ」が31.9%で、この2つが特に優先度の高い課題としてあげられている。

このほかに、「経営トップが説明責任を果たす」「法令等の遵守のための組織的な取り組み」「企業倫理の確立・倫理的風土の浸透」など、いずれも「倫理・コンプライアンス」に関する項目が優先度の高い項目として上位にあげられている。【図7-1】

【図7-1】社会的責任を果たすために企業が取り組むべき経営課題

【図7-1】社会的責任を果たすために企業が取り組むべき経営課題

企業が取り組むべき経営課題の優先順位については男女間で大きな差がみられる。

女性では、「製品・サービスの安全・安心を第一に考えた経営」(38.8%)と、「地球温暖化の防止、省エネ」(36.8%)が他の項目を大きく引き離して高い優先度をもっているのに対し、男性は、「法蓮遵守」(30.5%)、「経営トップの説明責任」(28.2%)、「企業倫理」(27.9%)などの優先度が高く、「地球温暖化」(27.6%)や「製品・サービスの安全・安心」(26.7%)は優先順位がやや下がり、企業内部の倫理・コンプライアンス系の課題を中心に意見が分散する傾向が見られる(これは、環境関連職に従事する男性でも同じ傾向である)。

男性に比べて女性の方が、優先すべき事項が明確に絞り込まれており、男性の方は企業内部のことに目が向いている状況を示しているのではないだろうか。【図7-2】

【図7-2】読者が重視する項目と企業が必要と考える項目の対比

【図7-2】読者が重視する項目と企業が必要と考える項目の対比

NTTコム リサーチは、平成24年10月1日にエヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社からNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社へ事業譲渡され、平成25年12月9日にgooリサーチより名称変更いたしました。gooリサーチの調査結果(共同調査含む)等についてはこちらまでお問合せください。

この調査結果の単純集計を無料にて提供しています。

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