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母子家庭からみる日本の格差社会のアイキャッチ
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OECDレポートの衝撃、日本は貧困大国へ

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格差の拡大に伴い、日本は本当に先進国なのかと問わざるをえないような状況が目立っている。2006年にOECDが公表した「対日経済審査報告書」がマスコミ等で大きく取り上げられたのもその理由からだろう。
同書は、わが国の相対的貧困率が米国とほぼ肩を並べて、OECD加盟諸国のなかでも群を抜く貧困大国になったとしている。
国民全体の所得分布から見て、年収が中央に位置する人の半分に満たない所得しか得ていない人の割合が、OECD加盟諸国平均の8.4%を大幅に上回って、13.5%に達したのである。

図1 OECD諸国の相対貧困率比較のグラフ

とりわけ問題なのは、所得の再分配がまったくと言ってよいほど機能していないことだ。グローバル化が進むということは、世界で最もコストの低い国と競争するということであり、労働力の柔軟性を確保しようとすれば、どの国だって格差は拡大する。それを補って社会の安定を保つのが所得再分配なのだが、日本は機能していないどころか、子どものある世帯の貧困率を見ると、逆に再分配後に貧困率が上がってしまっている。所得移転が低所得層よりもむしろ高所得層に厚く、しかも低所得層の税負担が重いからだ。

図2 子どものある世帯の貧困率のグラフ

母子世帯のお母さんはがんばっている

こうした、いわゆるセーフティネットの不在は最も社会的に弱い層を直撃する。二親世帯の貧困率でも他のOECD諸国に比べてけっして低いわけではないのだが、片親世帯となるとぐんと跳ね上がって60%近くなり、トップのトルコと肩を並べる。

片親世帯とはいっても、母子世帯が父子世帯の7倍を超えるから、実質的には母子世帯のことといってよいだろう。その母子世帯の年間所得を見ると、厚生労働省の国民生活基礎調査[平成19年調査]では平均236万6000円。しかも、半数以上の60.8%の世帯では250万円未満となっている。

2006年の厚生労働省の全国母子世帯等調査結果によれば、本人名義の持ち家はわずかに10.9%しかなく、ということは前述の所得から家賃を捻出し、子どもを進学させている状況が浮かんでくる。教育費の増加とともに、さらに状況は厳しくなっていく。

しかも、母子世帯の母親は実に84.5%が働いている。つまりはワーキング・プア状態だ。非正規労働が多く、臨時・パートと派遣社員を合わせた人数は48.7%に上る(図3)。今や日本の非正規労働は3人に1人とされるが、その数字を押し上げているがこれらの働く女性たちなのだ。

図3 母の就業状況のグラフ

貧困の連鎖を断ち切る気はあるのか

母親の貧困はそのまま子どもの貧困につながる。少子化時代の今日、将来の日本を支える子どもたちのためにも貧困の連鎖を断ち切りたいところだが、現在の日本は小さすぎる福祉国家になっており、家庭に対する公的支出の対GDP比は1%にも及ばない。OECD加盟諸国では、米国とともに最底辺のレベルだ。

図4 各国の家族関係社会支出の対GDP比の比較(2003年)のグラフ

しかも、2002年からわが国の母子政策は公的扶助による支援から、就労を目指す自立支援に軸足を移している。これに伴い、2008年4月からは、18歳以下の子どもを持つ母子世帯に所得に応じて支給されている児童福祉手当てを削減するとしている。現在この政策は凍結となっているが、国の『扶助より就労』という基本軸は変わっていない。

放っておけば貧困は確実に連鎖する。教育の機会均等など夢物語だ。福祉関連のランキングではことごとくボトムを争うわが国だが、やはり教育への公的支出でもOECD加盟諸国で最下位に近く、私費負担が際立って重い。この重い私費負担は母子世帯にも"平等に"求められて、月収19万7167円の家計をさらに削る。

図5 教育機関への公財政支出の対GDP比(全教育段階/2005年)のグラフ

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貧困から抜け出せない層が確実に増加し、長時間労働によって中流層も疲弊していく。自助努力だけでは補えない、決定的な格差社会をどう是正していけばいいのか。
少なくとも自らの将来に希望を見出せない社会は健全とはいえない。

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