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トレンド 流行る廃る

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「流行る廃る」

コミック誌の売上は長期低落傾向に

1980年代から1990年代にかけて、日本の少年向けコミック誌として一世を風靡した雑誌に「週刊少年ジャンプ」がある。1984年に発行部数が390万部だったものが、1995年には歴代最高部数として653万部を記録。だが、その後は発行部数は漸減傾向となり、2007年には280万部台にまで落ち込んでしまった。

この「週刊少年ジャンプ」に限らず、コミック誌は今、どこも苦戦を強いられている。出版科学研究所の「2006出版指標年報」によれば、コミック誌全体の販売額は、1995年の3300億円をピークにして右肩下がりで推移。2005年には2500億円を割り込んでしまっている(図1)。

図1 コミック販売額(取次ルート)

一方、単行本のコミックスは、1999年に落ち込んだものの、以降は徐々に売上げを伸ばしており、2005年にはついにコミック誌を初めて上回った。その理由として、出版科学研究所は映画化、テレビ化などのメディアミックス作品が売上げを伸ばしている点が大きいと分析している。

また、日本雑誌協会では、少年向けコミック誌、男性向けコミック誌の売上げを発表しているが、それによると、少年向けのトップは前述の週刊少年ジャンプ。以下、週刊少年マガジン、週刊少年サンデーという「御三家」が並ぶ。一方、男性向けコミック誌では、週刊ヤングジャンプのみが100万部を越えており、以下、ヤングマガジン、ビッグコミックオリジナルと続く(図2)。

興味深いのは、それぞれのトップ5を並べてみると、出版社は集英社、講談社、小学館の3社が独占しているという点だ。その理由として、大規模出版社が有能な作家や原作者を囲い込んでいるという面もあるだろうが、それ以上に、映画化、テレビ化、キャラクターグッズ化などが進むマンガ界において、強力な宣伝力、企画力を持つ出版社が有利となっていることが挙げられるだろう。

図2 少年、男性向けコミック誌 発行部数トップ5

メディアミックスでマンガが大きなビジネスに

コミック誌の売上低落は、マンガ文化の低迷を意味するわけではない。むしろ、最近のマンガ文化は紙媒体の雑誌にとどまらず、メディアミックス作品としてビッグヒットを目指す傾向が顕著になっている。つまり、コミック誌の位置づけが、「マンガ文化のすべて」から、「マンガ文化の一部」に変わりつつあるのだ。

たとえば、「モーニング」で連載されたマンガ「ドラゴン桜」は、テレビドラマ化されることによって幅広い層に受け入れられ、関係者による受験参考書の発行、関連書籍の出版、携帯電話のコンテンツ化など、従来のマンガという枠にとどまらない人気を得た。2006年度の東大受験生数が前年度比2割ほど増加したのも、これが一つの要因だという分析もある。

こうしたメディアミックスの成功例の先駆けとなったのが、1996年から「コロコロコミック」で連載が始まった「ポケットモンスター」(ポケモン)だろう。同作品はゲーム、テレビアニメ、映画、関連商品の販売など、多角的なビジネスを展開、大成功を収めた。

小学館キャラクター事業センターが2001年末時点でまとめた売上は、カードゲームが1200億円、ゲームソフト930億円、映画の興行収入が220億円、ゲーム攻略本154億円などのほか、玩具、食品、衣料用品、文房具などの関連商品が4000アイテム、計7000億円にのぼったという(図3)。その後、海外への展開が進んだことにより、売上げはさらに伸びているはずである。

メディアミックスによって、マンガは桁違いのビジネスチャンスを生み出すことになったのだ。

図3 「メディアミックスの成功事例 ポケモン」

オタクの感性を刺激することがマンガビジネス伸長のカギ

メディアミックスされた市場でマンガ文化、ビジネスは今後どうなっていくのか。この点について、野村総合研究所が興味深い調査・分析を発表している。同研究所では、2004年に1万人を対象にしたアンケート調査を実施。「オタク」と呼ばれるマニア消費者の実態とビジネス価値に関する分析を、コミック、アニメなど主要12分野について行なった。

それによると、12分野のマニア消費者層の市場規模は、2004年現在で4110億円。そのうち、コミックが830億円、アニメが200億円、ゲームが210億円とされている。冒頭で取り上げたコミック誌とコミックスの売上げの合計が5000億円であることを考えると、金額は少ないようにも見えるが、マンガ文化を支えるコアなマニア層の消費として考えれば、けっして小さいマーケットではない(図4)。

図4 オタク市場規模の分野別内訳

しかも、オタク層は各分野に重複して存在することも多く、アニメオタクで鉄道オタク、コミックオタクで自動車オタクという人も多い。そう考えれば、さらに裾野は拡がっていく。今や消費動向のカギをにぎるといわれているオタクの感性や購買意欲をメディアミックスでどれだけ刺激できるか、それがこれからのマンガ文化とビジネスを左右するポイントとなるのかもしれない。

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