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医薬品の新しいトレンド

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テーマ「病む」

普及遅れるジェネリック医薬品

インフルエンザの薬であるタミフルの副作用が大きな問題になった。タミフルを服用したあと異常行動を起こし、なかには死亡した人もいたのである。タミフルと異常行動に因果関係があるのかどうかはまだ明らかではないし、ここでこの問題に深く触れるつもりはない。それよりも注目すべきは、日本でのタミフル使用量だ。一時期、タミフルは全出荷量の実に7割が日本で使われていた。現在はだいぶ下がったが、それでも諸外国と比べると圧倒的に多いことに変わりはない。抗生物質も3割は日本で使用されているという。

そうした薬剤費は国民医療費の2割程度を占めている。医療費削減のためには厚生労働省は医薬分業を推進する一方では薬価の引き下げも推し進めてきた。規制を緩和し、ジェネリック医薬品(後発医薬品)の使用に道を広げてきたのもそのためだ。

医薬品の開発には数百億円もの巨費が必要になる。開発期間も長い。そのため特許で20〜25年間は開発メーカーの先行者利益が認められている。しかし特許が切れると、他者も同一有効成分、同一効果の製剤を出すことができる。それがジェネリック医薬品で、かつては特許が満了したとたんにぞろぞろ出てくるという意味で"ゾロ品"とも呼ばれていた。ジェネリック医薬品は先発医薬品よりも2割から8割ほど価格が安くなるのが最大の特徴だ(図1)。

図1 ジェネリック医薬品の価格例(高血圧の薬の場合)

欧米では特許が満了した1ヵ月後には約80%がジェネリック医薬品に切り替わることもあるという。実際、米国ではジェネリック医薬品の売上高が181億ドルに達し、シェアは数量ベースで53%、金額ベースで8%となっている。金額ベースと数量ベースでシェアに大きな差があるのは、それだけジェネリック医薬品が先発品より大幅に安いからである。しかし日本での使用量はまだまだ少ない。富士経済の調べによれば、2004年の国内医療用医薬品の市場規模は5兆3166億円。それに対してジェネリック医薬品は2047億円で、わずか3.9%にしかすぎない。ただ市場全体は対前年比で2%増と微増だったのに対し、ジェネリック医薬品は9%増であった。厚生労働省が薬事法改正などで後押ししていることもあり、今後もジェネリック医薬品は市場全体の伸び以上のペースでシェアを広げていくことが予想される。富士経済はジェネリック医薬品の市場が2007年には2426億円になると予想している(図2)。

図2 ジェネリック医薬品の市場

認知の期待が高まるジェネリック医薬品

では一般の消費者は、ジェネリック医薬品のことをどの程度認知しているのだろうか。gooリサーチは昨年、ジェネリック医薬品の利用実態についての調査結果を発表している。それによるとジェネリック医薬品を使ったことのある人は9.3%しかいなかったが、使ったことはないが知っているという人と合わせると62.3%の人が認知していた。逆に「聞いたこともない」という人は8.9%であった(図3)。

図3 ジェネリック医薬品の認知度

62.3%もの人が知っている割に使用率が低いのにはいくつかの理由がある。品質や効能などの点で不安だという人もいる。調剤薬局でジェネリック医薬品を用意していないケースも多いようだ。しかし一番の理由は、医師が勧めないことにある(図4)。ジェネリック医薬品は先発医薬品に比べると、副作用情報などが充実していないといわれる。そのためジェネリック医薬品の使用に消極的な医師や薬剤師もいるのだ。またそもそも特許が満了したあとに出てきたものであるから、ジェネリック医薬品には新薬ではないという宿命がある。つまり古い薬なのだ。だから効能や安全性などの面で、より優れた新薬があれば、医師がそちらを優先するのはある意味、当然のことといえる。

図4 ジェネリック医薬品を使用しない理由

それでも今後、ジェネリック医薬品はさらに認知度を高めていき、シェアを伸ばしていくだろう。調剤薬局でもジェネリック医薬品の品揃えを強化しているところは多い。ただ、安いからといって過剰に処方したのでは、かつてのような薬づけの医療に戻ってしまう。そもそも日本人は薬に頼りすぎるきらいがある。ちょっと熱があるといっては医者にかかって薬を飲み、疲れたといってはビタミン剤を飲み、栄養補給といってサプリメントをバリボリ食べ、眠れないといっては睡眠薬を飲む。その挙句に胃が荒れたといって胃薬を飲んでいたりする。そのうち薬を飲み過ぎないようにするための"服薬抑制剤"なんてものまで登場してくるのではないだろうか。

健康のため、薬の飲みすぎには注意しましょう、である。

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