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自殺者数と景気の関係のアイキャッチ
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自殺大国ニッポン

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2005年度、日本では3万2552人の人が自殺した。これは交通事故の死亡者6352人の5倍以上の数である(数字はいずれも警察庁調べ)。1日平均で約89人。1時間に約3.7人が自殺していることになる。未遂者も含めたらこの数倍の人が毎日死のうとしているわけだ。恐ろしくなるほどの多さである。
海外各国と比較しても日本の自殺者は多い。人口10万人当たりの自殺率は世界で第10位。日本より自殺率が高いのは、リトアニア、ロシア、ベラルーシ、ウクライナ、カザフスタンなどで、先進国の中では日本がトップである(図1)。残念ながら日本は世界有数の"自殺大国"なのだ。
実は10年前まで、日本の自殺者はこんなに多くはなった。それまでは長い間、年間の自殺者数は2万人台で推移していた。それが1998年度になると突如として3万2863人に跳ね上がる。以来、ずっと3万人台で高止まりしているのだ(図2)。

図1 自殺率の国際比較

図2 自殺者数の年度推移

そこでちょっと思い起こしてもらいたい、1998年に何があったのかを。2月には長野で冬季オリンピックが開かれ、6月に始まったサッカーのワールドカップフランス大会に日本が初めて出場したこの年の日経平均株価は1万3842円17銭で、10月には1万2879円97銭をつけた。いずれも当時としてはバブル崩壊後の最安値であった。またこの年の企業倒産は1万9171件に達して1984年に次ぐ高水準となり、負債総額14兆3812億円は戦後最悪であった(いずれも当時)。この年、倒産した主な企業は、日本リース、三田工業、第一コーポレーション、日本国土開発、大倉商事など。12月には経営が悪化した日本債権信用銀行の一時国有化も決まった。前年の1997年には、山一證券、北海道拓殖銀行、三洋証券、恕y陽シティー銀行など金融機関の破綻が相次いでいる。つまり1998年はバブル崩壊後の不況のまさにどん底だったのである。資金繰りに困った中小企業経営者3人が同時に自殺するというショッキングな事件があったのもこの年のことだ。

失業者数との相関関係

自殺と景気動向には相関関係があるともいわれる。実際、いざなぎ景気やバブル景気のときには自殺者が減少したことを示す研究報告もある。とすれば、1998年度に突然自殺者が急増し、それ以降高止まりを続けているのも、景気動向を反映したものと考えるのが妥当だろう。失業者数と自殺者数の増減にもそれはよく表れている。月ごとの失業者数と自殺者数の推移を追うと、増減の仕方が極めて近似しているのである(図3)。失業者が増えると自殺者も増え、失業者が経ると自殺者も減少する、その見事なまでのシンクロは悲しいほどである。

図3 失業者数・自殺者数の月次推移

動機についてみても2005年度の場合、経済生活問題で自殺した人は3255人で、自殺者総数3万2552人のうちの10%に相当する(図4)。世界第2位の経済大国でありながら、自殺者の10人に1人は経済的な理由で死んでいる。これが今の日本の現実なのである。

図4 原因・動機別自殺者数(遺書ありの場合)

海外と比べた場合、日本は中高年の自殺率が高いという特徴もある。年齢別の自殺率は日本の場合、55〜59歳が71.1%と最も高いが、多くの国、とくに先進国は75歳以上の自殺率が最も高く、それ以外の年齢層では自殺率に大きな差がない。日本と米国の年齢別自殺率を比べてみると、その違いがはっきりわかる(図5)。先進各国では、体が弱ってきたり病気がちになったりして、先行きに明るさがみえなくなった高齢者の自殺率が一番高いのに対し、日本では働き盛りの現役世代の自殺率が非常に高いのである。なんて"美しくない国"なのだろうか。

図5 年齢別自殺率の日米比較

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よくいわれるように自殺者はたいてい、うつ病、もしくはうつの傾向にあるという。そう考えると、働く人々の間で心の病が増えていることと、現役世代の自殺率が高いということにも相関関係がありそうだ。まじめな人ほどうつ病になりやすいというが、一所懸命まじめにこつこつと働いた挙句に自殺するのでは、あまりにも悲しい人生の幕引きである。
フランスの社会学者、エミール・デュルケームは「戦争は自殺の増加に抑制作用を及ぼす」といった。しかし毎日90人近い人が死んでいるというのは、ちょっとした内戦並みではないのか。幸い、景気はようやく本格的に回復してきた。自殺が景気動向に影響されるのなら、自殺者はこれから減っていくはずだ。平時でも自殺者の増加を抑制できることを世界に示して、もういいかげん"自殺大国"の汚名を返上したいものである。

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