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増えるサラリーマンの心の病

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「病む」

職場では6割が悩んでいる

「うつ病は心の風邪」、などといわれている。うつ病はもはや特別な病気ではなく、風邪のように誰でもかかる病気だというのである。実際、うつ病や心身症、神経症(ノイローゼ)など心の病を訴える人は多い。

厚生労働省が2002年に行った「労働者健康状況調査」によれば、仕事や職業生活に関して「強い不安、悩み、ストレスがある」とした人は61.5%にものぼっている(図1)。もちろん不安や悩みがそのまま心の病に直結するわけではないが、不安やストレスは心の病の引き金になりうるものだ。5人に3人が強い不安やストレスを抱えているというのは深刻な状況だろう。

図1 強い不安、悩み、ストレスがある労働者計(2006年)

この調査は5年ごとに行われていて、2002年の61.5%という数字は1997年の前回調査に比べると1.3%減っている。だが1997年までは、不安やストレスを抱えている人の割合は年々増え続けていた。2002年に割合が減ったのは景気回復の影響もあるだろうが、厳しい経済環境化で倒産やリストラが相次いでいたため「会社にいられるだけでもまだいい」と考える人が増えた可能性もある。

強まる閉塞感

社会経済生産性本部のメンタル・ヘルス研究所が2006年、企業を対象に行った調査でも同じような結果が出ている。最近3年間で心の病が増加傾向にあると答えた企業が61.5%に達しているのだ(図2)。この調査は2002年と2004年にも行われているが、増加傾向にあるとした企業の割合は48.9%(2002年)、58.2%(2004年)と増えている。厚生労働省によれば、精神障害等に係る労災認定件数も最近5年間で確実な増勢傾向を示している(図3)。

図2 企業における心の病の増減傾向

図3 精神障害等に係る労災請求・認定件数

では働く人々は何に対して悩みや不安を抱いているのか。労働者健康状況調査によれば、不安やストレスの原因として挙げたのは、「職場の人間関係の問題」(35.1%)、「仕事の量の問題」(32.3%)、「仕事の質の問題」(30.4%)、「会社の将来性の問題」(29.1%)、「仕事への適正の問題」(20.2%)という順番で多かった。要するに「会社がこの先どうなるのかわからないのに、仕事は難しいし量も多いし自分に向いていないし、同僚や上司ともうまくいってなくて、いい加減いやになる」という人が多いのだ(図4)。

バブル崩壊後、企業は厳しいリストラを実施してきた。リストラされた人も大変だが、会社に残ることのできた人も社員の数が減った分だけ仕事の負担が重くなった。一方で国際化やIT化が進み、勉強しなくてはならないことが次々に出てくる。それでいて給料は上がらないのだから、働く人たちの閉塞感は加速度的に高まっていったのだ。

職場環境の変化も大きい。メンタル・ヘルス研究所の調査では、7割近い企業で個人でする仕事が増え、約6割の企業で職場でのコミュニケーションの機会が減っている。その一方でほぼ半数の企業では、職場での助け合いが少なくなっている。成果主義や目標管理制度の導入などにより、ワークスタイルがチームプレイから個人プレイへと変りつつあるのだ。

図4 仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスがある人の割合

社員旅行が復活

こうした点について企業のメンタルヘルスに詳しい専門家の間では「職場から雑談が消えた」という指摘もある。オフィスから余裕がなくなり、人間関係が希薄になり、なんとなくぎすぎすした重苦しい雰囲気になってきているというのである。たしかに近頃はどこの会社にいってもオフィスでは社員がもくもくと仕事に打ち込み、雑談をしているような光景をみることは少なくなった。一見すると、生産性がとても高そうだ。しかし、水面下でメンタルヘルスの問題が鬱積しているとしたら、果たしてどうだろうか。労働政策研究・研修機構が行った調査では、約65%の企業が、メンタルヘルスの問題が企業パフォーマンスにマイナスの影響があると考えている(図5)。ミスが多くなる、能率が悪くなる、欠勤が多くなるなど、社員が心の病を抱えていると必ずパフォーマンスに影響が現れるという。ましてうつ病になって社員が長期間休むようになったら、企業にとっては大きな損害だろう。

図5 メンタルヘルスの企業パフォーマンスに対するマイナス影響

労働政策研究・研修機構の調査では、約8割の企業がメンタルヘルスの問題は今後さらに深刻になるとみている。そのため最近はカウンセラーなど専門家による相談体制の強化や職場環境の改善などの対策に取り組む企業も増えている。職場のコミュニケーションを活性化するため、長い間やめていた社員旅行を復活させる企業も出てきた。インターネット上でストレス度やうつ病を簡単にチェックできるサービスも多い。

社員が心の病になるのを防ぐには、もっと精神的にゆとりを持って働けるようにしないといけない。優秀な社員ほど多量の仕事を押しつけられ、遅くまで残業を強いられるという傾向にある。そこで一定時間働いたら一定期間休むことを義務づけるといった制度が必要になってくるだろう。いまさら年功序列に戻すのは無理だろうが、ホワイトカラーエグゼンプションの導入も慎重な対応が求められる。人間関係を大事にする職場にしていかないと日本は"サラリーマン総うつ病"になってしまうのではないだろうか。

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