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通貨流通高にも影響及ぼす電子マネー・企業通貨

私たちの財布の中や、小売店や市中の金融機関を回っている紙幣や硬貨といった現金。いったい、金額にして全部でいくらくらいあるのだろうか? 日本銀行のホームページで「通貨流通高」を調べてみると、時系列を追って記録されているデータの最初は、1953年1月で、5248億円。それが1960年代に入ると1兆円を超え、1970年代半ばには10兆円台に突入し、日経平均株価が最高値を記録した1989年12月には40兆4491億円となった。バブル崩壊後は一旦減少するが、1990年代後半の経済不安や低金利を背景に増加し、2006年12月時点では84兆3652億円(図1)。しかし、個人の金融資産が1500兆円にも達するといわれることを考えると、存外少ない。

図1 通貨流通高

一般的に、経済指標として用いられるマネーサプライ(通貨供給量)は、日本においては「M2+CD」が代表的な存在となっている。「M2」は、現金と預金通貨(普通預金・当座預金)、準通貨(定期預金・外貨預金)の合計。これに、CD(譲渡性預金)を足したものが「M2+CD」。ちなみに、2006年12月時点の「M2+CD」は、717兆8944億円。これが、直近の日本の経済活動の根本だ。「物価の番人」といわれる日本銀行は、このマネーサプライなども参考に金融政策を決定する。しかし、最近はマネーサプライの「確からしさ」が揺らいでいる。その理由は、従来の定義に属さない新たな金融商品が登場していること。さらに、クレジットカードや電子マネー、マイレージポイントなどの企業通貨が通貨流通高にも影響を及ぼしていると考えられるからだ。

現金以外による決済手段として、最も身近な存在が、クレジットカードだ。日本クレジット産業協会のデータによると、1995年から2005年までの10年間で、クレジットカードの発行枚数は6600万枚増の2億8905万枚となり、信用供与額は19兆4000億円増の39兆7000億円となっている(図2)。

ショッピングでの利用の伸びが大きいが、海外旅行に行く人が増え、現金を持ち歩く必要のないクレジットカードの便利さや安全さへの認識が広まり、国内での利用も増加したとみられる。また、通信販売やインターネットショッピングを利用する機会が増えたため、クレジットカード取扱加盟店も増えている。日本クレジットカード協会の調査では、1999年3月末に1412万店だった加盟店が、2006年3月末には2651万店に増加している。このほかにも、高速道路料金や各種公共料金、病院などにも利用範囲が広がっている。さらに税金などの公金の分野においても、クレジットカード決済を可能にする取り組みが行われ、大手クレジットカード会社は2006年秋に「公金クレジット決済協議会」を設立、自治体サイドでも検討を開始している。利用環境が整備されてきていることも、クレジットカードには追い風になっているようだ。

図2 クレジットカード発行枚数(実数)とクレジットカード信用供与額(推計)

大手流通参入でブレークスルーの可能性

一方、1990年代半ばから脚光を浴びていながら、なかなか本格的に立ち上がらなかった「電子マネー」。しかし、ここに来て急速に拡大している。JR東日本の「Suica」やビットワレットが管理する「Edy」などが弾みをつけ、生活必需品である携帯電話と組み合わせた「おサイフケータイ」によって、裾野を広げている。

ソニーが1980年代後半から研究を開始した非接触ICカード技術は、1990年代から実用化され、現在「Felica」として電子マネーの世界で大きなプレゼンスを確立している。そのソニーのFelicaICチップの出荷累計が、2007年3月に2億個に達した(図3)。2001年にEdyやSuicaへの供給を始め、2004年からおサイフケータイがスタートし、一気に伸びた。これを裏付けるように、NTTドコモグループのおサイフケータイ対応端末の契約数も、同じく2007年3月に2000万台を突破した。KDDIやソフトバンクモバイルにもライセンスされているため、総計では4000万台近くに達しているとみられる。

図3 Felica ICチップ累計出荷

もっとも、実際の利用者となると、まだまだこれから。gooリサーチが2006年9月に実施した調査によると、対応端末所有者のうち実際に「利用している」との回答は35.2%にとどまっている。また、利用しているサービスに関しては「Edy決済」が91.78%と最も多くなっており、小額決済を中心に利用されていることがわかる(図4)。一方で、同じグラフからは、「マイレージ」や「会員証/ポイントカード」で利用しているとの回答も多い。おサイフケータイのメリットとして指摘されていた「小銭を持ち歩かなくていい」や「カードサービス管理の携帯電話への一元化」が、実際の利用者に対しても利便性を提供していることがうかがえる。また、不満点としては、「利用できる場所がまだ少ない」との声が63.7%に上る。

図4 「おサイフケータイ」でよく利用するサービス

クレジットカードの場合、利用できる場所が増加することが大きな起爆剤となってきた。各携帯キャリアとも順次拡大を図っているが、一つの転機が訪れようとしている。流通大手のセブン&アイ・ホールディングは2007年から開始する独自のプリペイド方式電子マネー「nanaco(ナナコ)」において、おサイフケータイでの利用を開始するとともに、ポストペイ方式の電子マネー「QUICPay」のアプリケーションも搭載することを決めた。また、利用ポイント制度でも、他業態との連携で交換可能とし、まずセブン-イレブンでの買い物から利用できるようにする。

流通大手が本格的に乗り出してきたことで、電子マネーの利用増加はもちろん、新たなサービス展開への可能性が拓けてくるものとみられる。かつて「iモード」の登場が新たなビジネス領域を生んだのと同様に、電子マネーに対する期待は高まっている。

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