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少子化はどこまで進むか

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テーマ「生きる」

出生数はベビーブーム期の4割

2006年に日本国内で生まれた子どもの数は、外国人も含め112万2278人。これは過去最少だった20005年を3万2041人上回り、1人の女性が一生に産む子どもの数を示す合計特殊出生率も、2005年の1.26から1.3台に回復する見通しとなった。2006年の正確な合計特殊出生率が出るのは2007年6月だが、女性の人口や年齢構成などの条件を考えれば、2002年以来4年ぶりに1.3を超えるのは確実とみられている。出生数が増えた原因として厚生労働省は、雇用が回復し、若い世代の生活が安定しつつあることが、結婚や出産の増加に影響を与えたと見ている。

だが、もちろんこれで少子化に歯止めがかかったとみるのは早計だろう。むしろ焼け石に水といったほうが、現実に近いのではないだろうか。

日本の年間出生数は第2次ベビーブーム期のピークだった1973年以降、30年以上にわたって減り続けている。合計特殊出生率も同様で、2003年には人口学で"超少子化国"と呼ぶ水準の1.3を割り込んだ(図1)。第1次ベビーブーム期の年間出生数は約270万人だったから、今はその4割程度しか生まれていないことになる。出生数が減れば親になる人間の数も減っていくわけだから、出生率が上がらない限り子どもは減り続ける。まさに今、日本は"縮小再生産"の過程をたどっているのである。

図1 出生数および合計特殊出生率の推移

ちなみに2005年の合計特殊出生率を都道府県別でみると、最も高い沖縄県が1.71で、最も低い東京都は0.98となっている(図2)。1人当たりの所得が最も多いのは東京で最も少ないのが沖縄だから、出生率と所得は必ずしもリンクするものではないようだ。沖縄県は失業率も全国でトップクラスに高い。ということは今後、景気回復が続き雇用状況がさらに改善されていっても、出生率が上がらない可能性もあることになる。

図2 都道府県別合計特殊出生率地図

子ども市場は縮小しない?

ではなぜ少子化が進んでいるのか。大きな要因としては、晩婚化・晩産化、そして未婚化が挙げられる。平均初婚年齢はこの30年間で男性が2.8歳、女性が3.3歳高くなっている。つまり晩婚化が進んでいるわけで、その結果晩産化も進み、さらに1980年代後半以降に結婚した夫婦から、出生数も低下傾向にある。子どもをつくらない、つくっても1人だけという夫婦が増えているのだ。また未婚化も進んでいる(図3)。夫婦がつくる子どもの数の減少や未婚率の上昇の背景にある要因はさまざま(図4)だから、なにか一つの政策で少子化に歯止めをかけるというのは難しいだろう。

図3 男女・年齢階級(25〜39歳)別未婚率

図4 出生数減少の理由

政府は1990年以降、少子化対策に本格的に乗り出した。2004年には「少子化社会対策大綱に基づく具体的実施計画」(子ども・子育て応援プラン)を策定し、2006年には少子化社会対策推進会議が新たな提言もまとめている。この提言の中には、地域の子育て支援拠点の拡充や人材の育成、待機児童ゼロ作戦の推進などの保育サービスの拡充、小児科医や産科医の確保、育児休業の取得促進など勤労者に対する子育て支援、ワーク・ライフ・バランスに基づく働き方の実現、女性の再就職などの支援策の推進、非正規労働者に対する処遇の改善、妊娠・出産の経済的負担の軽減などの具体策も盛り込まれている。

将来は女性の6人に1人は生涯独身で、3割以上が子どもを産まないようになるという推計もある。そこまではいかないとしても、少子化は今後も当分、続いていきそうだ。そうなると、数少なくなった子どもはますます大切にされるだろう。だから少子化が進んでも、単純に子ども向け産業のマーケットが縮小するとは限らない。子ども向け産業におけるエンドユーザーは子どもだが、モノやサービスの消費に金を払うのはその祖父母であり、"6ポケット"から出る金はさらに増えるかもしれないのだ。私学の競争はますます激化するだろうが、子ども向けの教育ビジネスはますます多様化していくだろう。子どもを対象にした新しいサービスも生まれてくるのではないだろうか。子どもが"消費の王様"のような存在になることも考えられる。出産や子育てを応援するビジネス、あるいは男女の出会いをプロデュースするサービスなどが台頭してくることも考えられる。

少子化は労働力人口や消費人口の減少につながり、総体としてのマーケットは縮小するかもしれない。だがビジネスチャンスまで減っていくわけではないのである。

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