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和んで老後を送れるか

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年金で老後を生き抜けるか

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定年になったら、実際のところ年金はいくらもらえるのだろう......サラリーマン生活も終盤戦に差しかかると誰もが考える。正確には、それぞれに社会保険庁に問い合わせてもらうしかないが、参考までに全国と東京都の平均をご紹介するとグラフのようになる。ごく簡単に言うと、公的年金は国民年金の土台に厚生年金を乗せたものだから、たとえば2002年の東京都の場合、64万円プラス191万円で年額255万円になる。月額にすると、21万2500円だ(図1)。
もちろん、これはあくまで平均で、国民年金の場合、40年間の加入期間フルに払い続けると年額80万円になる。厚生年金のほうは現役時代の報酬額に比例する仕組みで、現行のままならば59.4%だ。だから、全国と東京都とでは平均で毎年20万円ほどの差がついている。これに企業年金が加わったりすると、さらに開きが出てくるわけだが、この全国平均よりも高い東京都の平均年金額をもってしても、老後の生活を営むのはかなり厳しいようだ。

図1 全国・東京都における国民年金・厚生年金受給権者1人あたりの年間給付額の推移

総務省統計局によると、2005年の1世帯当たり平均社会保障給付は19万2770円で、その他収入を合わせて、ひと月の実収入は22万5990円。非消費支出を除いた可処分所得は19万7891円で、これに対して消費支出のほうは25万121円になり、月々5万2140円の赤字になるという(図2)。前出した東京都の平均年金額で、同等のその他収入があったとしても、やはり3万2500円の持ち出しだ。さらに60歳以上の単身無職世帯となると、社会保障給付とその他収入を合わせた平均実収入は12万2725円で、可処分所得は11万2781円。一方、消費支出は14万6757円で、やはり、月に約3万4000円の赤字になる。

図2-1 世帯主が60歳以上の二人以上の無職世帯の家計収支 図2-2 60歳以上の単身無職世帯の家計収支

危惧される国民年金納付率の低下

実際の老後の生活費は、仕事を卒業する前にいくら生活費を使っていたかによっても変わってくるらしい。暮らしぶりというのは、急に変えられるものではないということだ。とはいえ、さすがに10万円強では暮らしぶりを工夫するにも限られてくるかもしれないが、10万円どころか年金ゼロが危惧される現象も近年目立っている。国民年金の納付率の低下である(図3)。
納付率とは、当該年度分の保険料として納付すべき月数のうち、現実に納付された月数の比率で、1996年まではなんとか80%台で推移してきたが、2002年に70%を切り、2004年では67.1%にまで低下してしまった。しかも、注目すべきは、年齢階級別の納付率で、55〜59歳では80.5%を記録しているのだが、30〜34歳で60%を切り、25〜29歳では55,5%にまでなっている。

図3 国民年金納付率の年齢階級別状況

若年層における、これほどの納付率の低下は、将来、大量の年金ゼロ予備軍の発生が危惧されるばかりか、年金制度の土台そのものを揺るがしかねない。イメージをしやすくするために東京都を例に取ると、1997年の国民年金受給権者総数は約100万人で、年金総額はおよそ6000億円だった。それがわずか5年後の2002年では、約150万人でおよそ1兆円になっており、急激な高齢化の実態がまざまざと伝わってくる。この間、全国の納付率は79.6%から62.8%へ17%近くも低下しているが、若年層の人口割合が多い東京都の場合はさらに納付率が低下した。今までのようにゆきそうもないことだけは誰もが感じる。マスコミ等でも自助努力の必要性が露出し、高齢者に向けた社会保障給付の増大は若年層の労働モチベーションを奪うというロジックが展開される。社会保障給付の実態はとうなっているのだろう。

国民負担率の行方

実は、日本の社会保障給付費は対GNP比と対国民所得比ともに、先進国中でみればかなり低い水準にある。スウェーデンのほぼ半分で、英国の約3分の2といったところ。絶対的な給付費で言えば、過大を云々されるレベルからほど遠い(図4)。問題視されがちな国民医療費を見ても、GDPに占める総医療費の割合は、OECD HEALTH DATA2004によれば7.8%で、OECD諸国中の17位だ。

図4 社会保障給付費の国際比較

スウェーデンや英国は国民側の負担が重いのだから比較にならないという声が起きそうなので、次に、国民負担率を見てみると、租税負担率と社会保障負担率を合わせた2006年度の国民負担率は、対国民所得比23.0%と14.7%になっていて、合わせて37.7%。これに、いずれは国民の負担で支払わなければならない財政赤字のマイナス6.1%を加えた潜在的な国民負担率は既に43.9%になっている(図5)。確かに、スウェーデンや英国の国民負担率はもっと重く、英国はそれぞれ47.1%と51.2%、スウェーデンは71.0%と71.1%になっているが、給付と負担のバランスからすれば、むしろ日本のほうが重い。あくまで現状を数字で諸外国と比べれば、払っているほどには受け取っていないのである。自助努力の方向性としてしばしば挙げられる高齢者の労働力化にしても、日本の高齢者は既に先進国では例外的に働いている。

図5 国民負担率の内訳の国際比較

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むろん、急激な高齢化の進展からすれば、国民負担率の引き上げは避けられない。厚生労働省の見通しによれば、2004年度の予算ベースで約86兆円、対国民所得比で23.5%だった社会保障給付費は2025年、対国民所得比29%の152兆円になる。これに伴い、社会保障負担率は2006年度の14.7%から18%へと引き上げられる。租税負担率は公式の見通しではないが33%という予測があり、財政赤字分を加えなくとも国民負担率はおよそ50%と現在の英国並みの水準になる。合理的で効率的な社会保障を期待したいものだ。

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