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変えられるか東京への一極集中

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テーマ「住む」

東京に流れ込むヒト・モノ・カネ

首都圏への一極集中の問題が指摘されて久しい。

まず、人口から見てみよう。総務省統計局の「東京圏、名古屋圏、大阪圏の転入者数、転出者数及び転入超過数の推移(昭和29年〜平成17年)」によると、東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)への転入者数は、1954年には53万5902万人だった。ピークの1970年には、85万8462万人が転入している。転入超過も1957年には30万人を超えていた。

転入超過のピークは1964年で、その後は次第に減少し、1980年代前半に一時回復したものの、1990年代には再び減少し、1994年および1995年には転出者数が転入数を上回る転出超過も起きている。1990年代からは首都圏におけるマンション建設ブームもきっけとなり、転入者数は持ち直し、ここ数年の転入超過数は毎年10万人程度となっている(図1)。

図1 東京圏の転入・転出者および転入超過数

「平成17年国勢調査」によると、人口は東京都1257万6601人(2000年(前回調査)比4.2%増)、神奈川県879万1597人(同3.6%増)、埼玉県705万4243人(同1.7%増)、千葉県605万6462人(同2.2%増)であり、東京圏といわれる1都3県だけでも、人口は3447万人以上であり、全国の総人口(1億2776万7994人)の約27%を占める。

東京都の人口は全国の総人口の1割弱である。だが、ポテンシャルは、それ以上であることはいうまでもない。上場企業の多くは本社を東京に置き、東京証券取引所に株式を上場している。地方から東京に本社を移す企業や、地元と東京の2カ所に事務所を設置する企業もある。また、東京証券取引所と地方証券取引所に重複上場している企業が、東証以外の地方証券取引所から撤退する動きもある。

法人事業税は、全国の約25%が東京に集中しているといわれ、地方との格差も大きな問題になっている(図2)。

図2 東京圏と地方圏の格差

地方への人口や諸機能の分散を求める声が高まる

国土交通省が行った「国土交通行政インターネットモニター」アンケート調査「国土の将来像について」によると、「東京一極集中問題について」は、「引き続き東京から地方へ人口や諸機能を分散させるべきだ」とする回答が75.8%に上っている。関東地方では、同じ質問に対する回答がほかの地域よりも低い割合になっているが、それでも66.1%となっている(図3)。

図3 東京一極集中問題・人口や諸機能の分散について

「東京から地方へ人口や諸機能を分散させるべきとする理由」としては、「中枢機能が東京に一極集中することは危機管理上問題があるから」(45.0%)とする回答が最も多く、その後「東京一極集中が地方の活力を削いでいるから」(32.4%)という回答が続いている(図4)。

図4 東京から地方へ人口や諸機能を分散させるべきとする理由

リスクマネジメントの観点でいえば、ひとたび大地震などの大災害が起これば、首都の多くの機能がマヒするといわれている。大規模な水害や火災などの被害のシミュレーションも行われているが、それらに対する備えは万全とはいえないだろう。最近、企業の中には東京における災害を想定して、沖縄など影響を受けにくい遠方にバックアップ用のサーバを設置しているところもあるようだ。もちろん、リスクは災害だけではない。たとえば、通信やネットワークが分断されただけでも、首都の機能は停止する。東京証券取引所の大規模なシステムダウンは、まだ記憶に新しい出来事といえよう。

東京への一極集中の問題を解決するには、どのような方法があるのか。首都機能の移転を求める声もある。首都機能移転先候補地である「栃木・福島地域」、「岐阜・愛知地域」、「三重・畿央地域」は、「首都機能移転三地域連絡会議」を結成し、懇談会などを行うほか、共同でアピールを行っている。

また、地方の活性化につながるとして注目されているのが「道州制」だ。従来の中央集中的な行政機能を分散させ、権限や財源を都道府県や市町村に大幅に移譲することにより、地域・住民主導の行政システムを実現できるとされる。

現在議論されているのは、現行の都道府県制を見直し、10前後のブロック(「道」、「州」など)に再編しようとするものだ。ただし、そのブロックの分け方については、さまざまな意見があり、まとまるには相当時間がかかりそうだ。

こうした議論は、他県との合併が主たる目的ではない。「機能」の分散を進めるためには、中央政府はもちろん、国民を含めた議論によって国のあるべき姿を検討し、改革を進めていくべきであろう。

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