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持ち家か賃貸か

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「住む」

一長一短。難しい比較の目安

首都圏への一極集中の問題が指摘されて久しい。

「持ち家か賃貸か」というのは、人生における大きなテーマの一つのようである。多くの人にとって関心が高いテーマだからか、新聞や雑誌、ウェブサイトなどで何度も取り上げられている。

難しいのは、どのような指標を用いて比較するかという点だ。たとえば、支払いコスト。すなわち「総負担額」で比べてみよう。新生銀行が、広さ3LDKの新築の「賃貸物件(家賃15万円)」と「購入物件(価格4000万円、)」について、40年間の総支出額を比較している。その試算によれば、「購入物件」を、購入価格4000万円。頭金1000万円。残り3000万円を4%固定金利の元利均等払いで30年のローン(ボーナス払いなし)とした場合、賃貸の総支出額は9311万円だが、購入の総支出額は8680万円となり、購入した方が、賃貸よりも631万円、支出が少なくなるという。持ち家の住宅関連支出は、ローン完済後に大きく減少するのが特徴だ。長生きをすればするほど、賃貸との差は開くことになる。

「持ち家派」なら、この結果に対し、「やはり持ち家が得だ」「賃貸だと何年払っても自分のものにはならない」という感想を持つだろう。さらに、「高齢者の入居をいやがる家主もいる。自分の家があれば安心だ」といった声も出てきそうだ。

図1 土地・建物を両方とも所有したい理由

国土交通省の「平成17年度土地問題に関する国民の意識調査」でも、「土地・建物を両方とも所有したい理由」(複数回答)として、「土地・建物が所有できるなら、家賃等を払うよりローンを支払う方がいいから」(25.9%)、「借地・借家では生活や権利が不安定であり満足できないから」(34.2%)となっている(図1)。

むろん、その前提となるのは、土地や建物が財産になるという考え方であろう。確かに、かつての「土地神話」時代には、転売益が得られる可能性も高く、所有するメリットが多かった。だが、少子高齢化が見込まれ、長期的に見れば地価が下落傾向にある中では、所有することのリスクも大きくなる。

小さくない所有リスク

江戸時代には、庶民のほとんどが借家住まいだった。土地や建物を所有したいという意識は「土地や建物が財産になる」すなわち、右肩上がりで地価が上昇する(少なくとも下落しない)という環境から生まれたといえる。

前述した「土地問題に関する国民の意識調査」でも、「土地・建物については、両方とも所有したい」と答えた理由として最も多いのが「子供や家族に土地・建物の形で財産を残したいから」(48.5%)であり、次いで「土地・建物は他の資産と比べて有利な資産だから」(41.3%)となっている。

むろん、長期的に地価が下落するとなると、それは一転してリスクとなる。さらに、土地・建物を取得するために住宅ローンを利用している場合は、金利上昇のリスクもある。今でこそ低金利時代と呼ばれ、2〜3%台で推移しているが、ピーク時の1990年代のはじめには、民間住宅ローン(変動金利)は8%台、住宅金融公庫の住宅融資金利(個人住宅)も5%台というのも珍しくなかった(図2)。

図2 各種貸出金利等

昨年のゼロ金利解除および今年の追加利上げにともない、住宅ローン金利の上昇も予定されている。ローン支払い期間である数十年間の間に、さらに金利の引き上げが行われる可能性も高い。

戸建て住宅なら、更地にして土地だけでも売却できるが、マンションではそうもいかない。今後は所有するリスクも考慮する必要があるだろう。

さらに、その一方で「賃貸派」のリスクは軽減される傾向にある。中でも特筆すべきは、「高齢者歓迎」の賃貸マンションが増えていることだ。賃貸住宅業者にとって、今後シルバー層が大きなマーケットになることはいうまでもない。すでにバリアフリー化を進めたり、緊急時対応に配慮した賃貸マンションも登場している。政府も「高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)」(1998年)などの制度により、高齢者が暮らしやすい設計・設備を備えた賃貸住宅の整備を進めている。

「持ち家か賃貸か」という問いに一言で答えるのは容易ではない。自家用車や高級ブランド品と同様に、「持つことによる満足感、達成感」を得られるという意見もあろう。「土地問題に関する国民の意識調査」で、「借地・借家で構わない理由」として、最も高いのは「年齢・収入等に応じて住み替えをしていくには、借地または借家の方がよいから」(38.9%)、次いで「子どもや家族に土地・建物の形で財産として残す必要はないから」(34.6%)となっている(図3)。

図3 借地・借家で構わない理由

持ち家か賃貸かは、それを選ぶ個人がどのようなライフスタイルを送りたいかによって、意識は異なるに違いない。しかし、生活状況や社会の変化が、その意識に大きく影響することは間違いなさそうだ。

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