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衆院選の争点に関するアンケート

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'05衆院選・日本の選択

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gooリサーチ と 毎日新聞 による共同企画調査

毎日新聞 2005年8月23日〜27日 特集「'05衆院選・日本の選択」

gooリサーチと毎日新聞社による共同企画調査<第3弾>

衆院選の争点に関するアンケート

衆院選の公示まであと1週間。小泉純一郎首相の郵政民営化反対派への「刺客作戦」に有権者の目が集中した候補者擁立作業も各党でほぼ終わった。マニフェスト(政権公約)も出そろい、ようやく政策で競う選挙戦が始まろうとしている。衆院選は政権選択のためのものだが、小泉首相が争点を民営化だけに絞り、しかも民営化の中身よりも、賛否のみを問う構えを見せているため、政策論と政治論が入り交じり、問題の本質がわかりにくくなっている。政権を託す政党を選ぶ以上、争点はたくさんあるはずだ。日本の選択ではマニフェストを軸に重要な争点を検証する。

質問は毎日新聞が作成し、NTTレゾナント社が運営するgooリサーチがモニターを対象に8月12日〜16日に調査し、全国の20代以上の男女1113名人が回答した。

調査結果について

1. 「郵政」だけでは改革なし

◇「民営化」でも「縮小」でも、財政再建が先

自民、公明両党は、否決された郵政民営化関連法案の「次期国会での成立」をマニフェストに明記した。主張のポイントは郵便貯金、簡易保険で集める資金を「民間のお金」にし、自由な運用を可能にすることで経済活性化の道が開けるというものだ。

自民党はさらに「郵政民営化なくして小さな政府なし」を旗印に、郵政民営化が「社会保障の充実」「戦略的外交の推進」にもつながる「この国の問題を解決する唯一の道」と訴える。ただ、なぜそこまで効果があるか説明は尽くされていない。さらに「郵政民営化は改革の本丸」と言いながら、改革の全体像も不明確だ。

民主案の柱は、郵便貯金の預け入れ上限を今の1000万円から段階的に引き下げ、8年以内に資金量を半減すると、数値目標を明確にした点だ。個人金融資産の4分の1の330兆円を政府保証がつく郵貯、簡保が集める先進国に例のない事態を改め、運用の自由な民間に資金仲介を移す。経営形態は当面、公社を維持するが将来は「あらゆる選択肢を検討」と民営化にも含みを残しており、青写真が見えにくい。

ただ、低金利で商品の魅力が薄れていることなどから資金流出が進み、公社のままでも与党案でも郵貯、簡保の資金量が10年で3分の2に減る、との見通しは政府内で共通認識。最近では想定より減少ピッチが速い。

郵政マネーをより効率的な民間が運用すれば経済活性化するとの指摘は根強い。毎日新聞がNTTレゾナントの協力で行ったインターネット上のアンケートでも、郵便局が日本最大の金融機関であることについて、73%が「資金運用が政府の影響下にあり結果的に特殊法人などの無駄遣いを支えている」と答えた。

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ただ「経済全体で見た資金の運用先の変化と郵政民営化は関係ない」(エコノミスト)との見方もある。資金の仲介役がどう変わろうと政府の赤字が大きい限り国債を銀行や個人が持つことに変わりなく、郵貯縮減で手放す国債も銀行などが持つからだ。郵政民営化しても、政府にとって財政再建の必要性は変わらない。

こうなると、資金運用先を官から民に変えるため、郵貯民営化(与党)と規模縮小(民主)のどちらが効果的かを議論する意味はあまりないともいえる。むしろ、非効率の象徴とされる特殊法人の資金調達に充てる国債「財投債」の発行を抑制するなどの努力が先決だ。この点で民主は「特殊法人の補助金を3年で半減」を掲げたが、自民は「今秋に(特殊法人の)政策金融(見直し)の基本方針をまとめ、08年度に新体制」にとどまっている。

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2. 自・民とも「増税」逃げる

◇歳出削減の道筋不透明 −− 将来的に不可避だが...

民主党が「3年間で10兆円の歳出削減」を盛り込んだマニフェスト(政権公約)原案を発表する5日前の11日昼。首相官邸での政府与党連絡会議で、与謝野馨自民党政調会長が小泉純一郎首相に「民主党が10兆円削減みたいな話を出してくる。反論しなければ」と伝えると、小泉首相は「10兆円削減するってことは大増税になるってことじゃないの」と疑問を投げた。

郵政民営化論議の陰で増税論も重要な争点だ。政府税制調査会(首相の諮問機関、石弘光会長)が6月、「サラリーマン増税」を打ち出し、都議選で不利に働いたとの見方が自民党にあるからだ。民主党はマニフェストでも重点項目のトップは「サラリーマン狙いうち増税なし」。自民党も結局、「サラリーマン増税を行うとの政府税調の考え方はとらない」とマニフェストに明記した。

だが、国の財政は05年度末の国債発行残高見込みが538兆円と危機的で、打開策が必要なことは自明だ。マニフェストは、自民党の「10年代初頭のプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化」に対し、民主党は「13年度のプライマリーバランス黒字化」と似ている。両党とも公務員人件費や公共事業費など歳出削減を強調するが、自民党は削減額と年限は明記していない。民主党は3年間に10兆円削減、国家公務員人件費総額2割減(1兆円)など内訳の一部を書き込んだ。

しかし、民主党も目標までの道筋を十分に示しえていない点では自民党と大差がない。財務省の財政制度等審議会の試算によると、現状が続いた場合、15年度の国の国債費を除く歳出規模は83.1兆円、税収は58.2兆円で、プライマリーバランスの赤字額は24.9兆円だ。歳出削減だけで黒字化を実現するには、歳出の3割削減が必要で、逆に歳入増だけで補うとすると、消費税率にして14%分になる。歳出削減と増税の双方が必要なことを示している。

これに対し、自民党は「歳出・歳入一体の改革」とマニフェストに表現したものの、「07年度をめどに消費税を含む税体系の抜本的改革」という既定方針を掲げただけ。民主党は「3年間は財政再建のための増税はしない」と、歳出削減を先行させる方針を明確にした。しかし、09年度以降については「歳入改革も並行的に行う」という表現。将来不可避な増税があいまいな点では同じだ。

毎日新聞がNTTレゾナントの協力で行ったインターネット上のアンケートで「何のための増税なら容認できるか」を聞いたところ「財政健全化」を挙げた人は12.7%。増税自体に反対する人が40.2%いる一方で、「社会保障制度を維持するため」なら増税を容認する人も43.7%いる。必要性と目的を明確化すれば増税を説得することは不可能ではない。

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3. 不安増大する年金問題

◇自民、財源明示せず −− 民主は消費税率あいまい

郵政民営化関連法案の参院本会議採決をめぐり緊迫感が高まっていた7月29日。国会内で超党派の国会議員による「社会保障制度改革に関する両院合同会議」が開かれ、自民党の津島雄二元厚相は「お互いの意見がよくわかるいい会合だった」と締めくくった。だが、衆院解散翌日の8月9日、岡田克也民主党代表は「協議の場はなかったことになる」と合同会議からの脱退を明言した。

合同会議は4月に設置され、今秋までに制度改革の骨格をまとめる予定だった。だが、自公両党は04年の年金改革を前提にすることにこだわり、民主党は国民年金を含めた一元化を譲らず、実質的な進展はなかった。

自民、民主両党のマニフェスト(政権公約)の溝は深い。自民党は「将来にわたって国民の信頼に応えられる持続可能で安心な年金制度を構築した」と強調した。しかし毎日新聞がNTTレゾナントの協力で行ったインターネット上のアンケートで「今の制度の何が一番問題か」の問いへの回答では、「社会保険庁の問題などで国が信用できない」(42.1%)と並んで「将来にわたって維持できるか不安」(36.1%)も多かった。

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政府は昨年、09年度までに基礎年金の国庫負担割合を2分の1へ引き上げることを決めた。だが必要な財源の大部分は未定で、マニフェストでも自民党は明らかにしていない。消費税率の引き上げが有力だが、小泉純一郎首相が「任期中に消費税率は上げない」との方針のため、財源問題は宙に浮いたままだ。「厚生年金と共済年金の一元化」も掲げたが、未納者が424万人に上る国民年金の問題に言及がない。21日の民放テレビの討論番組で自民党の与謝野馨政調会長は「国民年金はもちろん続けます」と答えただけだった。

一方の民主党は「すべての年金を一元化」と国民年金を含めた。全額を税で賄う最低保障年金(7万円)と所得比例年金を組み合わせ、最低保障年金の財源に年金目的消費税導入を明記した。

だが、厚生労働省の推計では00年に17.4%だった高齢化率(65歳以上人口の割合)は14年には25%台に。財源を消費税で賄うと高齢化の進行で税率が上昇する可能性が高い。現在の基礎年金制度の場合、厚労省の試算では、給付金は05年度の16.8兆円から15年度には23.1兆円に増加する。岡田代表は20日のマニフェスト発表会見で「(年金目的消費税の)税率は3%を考えているが、将来にわたって3%ということでは必ずしもない」と述べた。だが「3%」という数字すらマニフェストには未記載だ。

高齢化が進む以上、負担増や給付減は避けられないという現実に対し、政治が「痛み」も含めた長期的な根拠を明確に示さなければ不安は増大するばかりだ。

4. 自衛隊派遣と米軍再編

◇争点外し狙う自民 −− 民主、米からの自立志向

民主党はマニフェスト(政権公約)で、日米関係について「単に追随するだけでなく、必要な場合には自制を促す」姿勢を打ち出した。焦点は、同党が当初から反対しているイラク自衛隊派遣。12月14日の派遣期限切れをにらみ「12月までに撤退させ、日本にふさわしい復興支援に取り組む」ことを重点項目に位置付け、外交を衆院選の争点にしようという意思を明確にした。

「自衛隊がする作業はほとんどない。日本でテロが起こるリスクを減らすことは非常に重要。テロに屈したということではない」。岡田克也代表は20日の会見でこう語り、「首相になったら訪米し、ブッシュ大統領に撤退方針を説明する」と強調した。

もっとも米国は最近、イラク駐留米軍の撤退を視野に入れ始めている。小泉純一郎首相も「12月が近づいてきたら状況をよく判断して決めたい」と述べるだけだ。このため、自民党のマニフェスト作成の際、久間章生総務会長は「イラクとインド洋(への自衛隊派遣)については触れるな」と注文。「自衛隊の海外派遣は、今後とも国際協調と国益を考えて推進する」との抽象的な表現にとどめられた。

日米安保体制の見直しについても、民主党は踏み込んだ。在日米軍再編協議に関し、沖縄の海兵隊基地について「国外移転を目指す」と明記。昨年の沖縄国際大での米軍ヘリ墜落事故をきっかけに「見直し論」が再燃している日米地位協定についても「改定に着手し3年をめどに結論を出す」と公約した。

自民党は、米軍再編では「日米防衛協力を強化」、沖縄米軍基地についても「地元負担を軽減する」と従来の主張を記しただけで、地位協定も見直す考えはない。米軍再編をめぐる日米協議は既に「郵政解散」のあおりを受けて停滞している。米国のローレス国防副次官が18日、久間氏や山崎拓前自民党副総裁と会談し「年内に決着させたい」とわざわざ念押ししたほどだ。

毎日新聞がNTTレゾナントの協力を得て行ったインターネット上のアンケートでは、イラク自衛隊派遣について「期限を延長しないで撤退すべきだ」が46.5%。「直ちに」も含めると「撤退すべきだ」が7割近くに上る。

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イラク問題も米軍再編も、衆院選が終われば直ちに決断を迫られる課題だ。だが、小泉政権の最優先課題は郵政民営化法案の成立。小泉政権では日米関係に劇的変化の可能性は少なく、「ブッシュ・小泉」の親密さに依存する首脳外交が続くことになりそうだ。これに対し、民主党のうたう「日米関係の進化」は内容が具体的でないが、「米国からの一定程度の自立」を志向するものとはいえる。

5. 靖国参拝・憲法問題

◇「アジア重視」道筋見えず −− 自・民とも党内に違い抱え

小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題が、日中、日韓関係を悪化させている。民主党にとっては格好の攻撃材料のはずだが、マニフェスト(政権公約)での位置づけはさほど高くない。

八つの重点項目に靖国問題は明記されず、各論で岡田克也代表の「戦後60年談話」や、靖国神社に代わる国立追悼施設の建立、日中関係の再構築などが盛り込まれているだけだ。岡田代表は記者会見で「私は首相になったら靖国神社には参拝しない」と述べているが、それだけでは関係改善の具体策としては弱い。

背景には、民主党内にも「謝罪外交は好ましくない。中国には毅然(きぜん)とした態度で臨むべきだ」との異論があるからだ。

今月2日、衆院本会議で「戦後60年の国会決議」が採択される直前の民主党代議士会。案文を一読した西村真悟議員が叫んだ。「10年前の決議はいわゆる謝罪決議。想起する必要はない。私は反対だ」。西村氏が問題視したのは「戦後50年決議」への言及で、しかも民主党の主張で修正された部分だった。結局、西村氏をはじめ数人が本会議を欠席した。

自民党も、民主党と同じく、党内に歴史認識の食い違いを抱える。最近、首相の靖国神社参拝をめぐり、支持派・慎重派双方の有志勉強会が相次いで発足した。

自民党のマニフェストにも「中国・韓国など近隣諸国との関係の改善強化」と書かれてはいるが、首相が靖国参拝を続けつつ、中韓両国との関係改善強化を実現する道筋は書かれていない。

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憲法問題も「戦後60年」の節目における最重要課題だが、各党のマニフェストでは影が薄い。自民党は「11月15日までに草案を公表。国民投票法案などの早期制定を目指す」と書いただけ。民主党は、女性の皇位継承を可能にする「皇室典範の改正」以外は具体性がなく、党の「憲法提言」の公表時期も明示しなかった。

憲法改正に向けた流れは自民、民主とも共通しているが、中身について踏み込まないのは、自衛隊の海外派遣などで党内の意見調整が難航しているためだ。今回、マニフェストなどで明確に「改憲反対」を唱えているのは共産、社民両党だけ。こうした「与野党一致した改憲の流れ」も、中国、韓国に警戒感を与える一因となっている。

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毎日新聞がNTTレゾナントの協力で行ったインターネット上のアンケートでは「日米同盟を基軸としつつ、今よりもアジア諸国との関係を強化すべきだ」と答えた人が77.1%にも上った。「アジア重視に転換すべきだ」も含めると、9割以上が中国、韓国などのアジア諸国との関係強化を望んでいるが、自民、民主両党とも十分な選択肢を示せていない。

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<調査概要>

  • 実施期間: 2005/08/12~2005/08/16
  • 有効回答数: 1,113

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